「就活はナビサイトに登録するところから始まる」…そんな考え方が当たり前の時代もありました。
筆者が就活をしたのは2006年頃でもう13年も前になりますが、「ナビサイトを使わずに就活する」と言うと大体は変人扱いで、珍しがられることが多かったのを記憶しています。
しかしそんな時代も変わりつつあり、最近は昔よりも「ナビを使わない就活」で就活を成功 させる学生の割合も増えてきたようです。
そもそも、ナビサイトのグランドオープンを待たずして就活が終わっている学生も少なくありません。
ナビサイト側もインターン情報を充実させることでこの動きに対応しようとしていますが、実際「就活生の登録率」で見るとナビサイトのユーザーは決して減っていません。
しかし「登録しただけで、あまり使わなかった」という方、「使っていたが、あくまでエントリーするためのツールでしかない」という声もよく聞くようになってきました。
人気の高い難関企業から内定を取っている方ほど、そういった傾向にあります。
今回はナビサイトに頼らず、振り回されずに就活を成功させるにはどうすれば良いか?ということをお話ししたいと思います。
本記事の執筆者
酒井 一樹(さかい・かずき)
慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNS「Dachinco!」の代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年に株式会社エイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やすこと」を命題として、就職情報サイト「就活SWOT( https://swot.jp )」を開設。
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ナビサイトに掲載される企業は膨大
一般的にナビサイトに登録すると大量のダイレクトメールが届きます。言うまでもないことですが、このダイレクトメールは基本的に「広告」です。
もちろん興味のある企業があれば目を通しても問題はありませんが、このメールが多すぎて情報をさばききれなくなるという方も多くいらっしゃいます。
自分にとって必要な情報、そうでない情報をすばやく見分けられない方ほど真面目に「広告メール」を読もうとしてしまい、全部読むことができずストレスを感じてしまうようです。
今、情報の量だけは非常に多い時代です。
そしてナビサイトあえて情報を載せずに新卒採用を行う企業や、ナビサイトに載っているが広告予算が少ないためサイト内であまり目立っていない企業もたくさんあります。
毎日届く情報に振り回されるよりは、自分から「自分に必要な情報」を取りに行くほうが、就活を有利に進められるでしょう。
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口コミを重視した就活
ナビサイトに依存せずに就活できるかどうかという点で、まず重視したいのは「しっかり就活をしている友人からの情報」です。
本当に重要な情報が一切表に出てこないというわけではないのですが、「特定企業の選考情報」など、具体的でニッチな情報というのは一般公開されにくいものです。
例えば、下記のような情報はナビサイトではなかなか得づらいものです。
・志望企業の選考でどのような質問や課題が出たか
・受験している企業の選考は今どこまで進捗しているか(他の受験者の進捗)
・選考で高評価を得ている学生はどんな人物像で、どんな受け答えをしているか
ネット上の口コミサイトで情報収集できることもありますが、仲間内で非公開で流通する情報量のほうが遥かに多いでしょう。
情報はある人のところにはたくさんあり、ないところにはないものです。
「情報が集まる人間になる」「情報が集まる人の近くにいる」
いずれかにならなければ第一線からは取り残されてしまいます。
自分自身もなるべく早期から就活をスタートし、そういった情報交換に積極的な就活仲間を作るということが就活の第一歩としてオススメできる動き方です。
大学内やゼミ・サークル内はもちろん、友人の友人、就活イベントで接点を持てた人など、自分と近い業種・職種を目指している方とはぜひ連絡を取れるようにしておきましょう。
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参加する就活イベントの選び方
では、「エントリーすべき企業」の情報を得たり、情報交換ができる就活仲間を作るためには、どんな就活イベントに行けば良いのでしょうか。少なくとも、大手の合同企業説明会はそのようなネットワークを作るのに適してはいません。何万人も学生が来る中で、大半は「企業の話を聞く」という受け身の姿勢で参加しています。
そして多くの学生は誰かと情報交換しようという発想がなく、そういった考えを持っている学生がいたとしても合説では就活仲間を見つけようとはしていません。
まず参加するべきは、もっと少人数の参加者で開催されるイベントです。
イメージとしては数十人規模、あるいはテーマや参加者層が絞られたイベントであればネットワーク作りにも活用できるでしょう。
イベントのコンテンツとして、グループワークのように学生同士が接点を持てる形式のイベントが望ましいです。イベントの最後に交流会などを設けているタイプのイベントも良いでしょう。
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就活マフィアを形成する早期就活生
特に外資系企業などを受験する早期就活生は、「選抜型」の就活コミュニティに参加することも多いようです。選抜型というからには当然参加するために選考が行われることになりますが、その分優秀な学生が集まる傾向にあります。こういった集まりは「就活マフィア」と呼ばれることも多いようです。マフィアといっても何か犯罪的な行為をしている集団というわけではなく、就活というジャンルでのトップ集団でお互い協力して攻略していこうという考えで形成されています。
こういう説明をすると賛否両論あるかもしれませんが、難関企業を狙うのであれば無視できない存在であるのも事実です。
選抜型コミュニティを運営するスローガン株式会社の自社調査によると、戦略系コンサルティングファームのターゲット企業における内定者シェアは40~60%程度、外資系金融機関投資銀行部門においては50~80%程度を占めているというデータもあります。
多くの場合、選抜型就活コミュニティは学生の参加が無料となっており、大手ではない規模の就活サービス運営会社が主催しているケースが多いようです。そして、営利企業ばかりでなく、中には非営利のボランティア型もあります。
外資系コンサルや投資銀行の社員や内定者を招いての勉強会を行ったり、参加者同士での就活対策ゼミのようなことが行われています。
3年の春にはこうしたコミュニティの参加者選考がされているため、興味がある方は早めにアプローチしておきましょう。
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コミュニティ形成に乗り遅れたらどうするか?
現時点で大学3年生になったばかりの方は、これからこうしたコミュニティに参加していくことも可能でしょう。しかし大学3年に上がったばかりの頃にはそんなこと知らなかった、乗り遅れたという方もいらっしゃることと思います。
そうした方は、まずは身近な友人を頼ってみましょう。仲間内で情報交換していくだけでも、1人で就活するのとは大違いです。
その友人が同じ業界の志望でなかったとしても、友人には近い業種・企業を志望している人がいることもあり、友人を介してつながっていくことも多いはずです。
そういったネットワークの有無で就活の難易度も大きく変わってくるでしょう。
もちろん「情報くれくれ」のスタンスではなく、自分自身も出せる情報は出していくようにしましょう。情報というのは、欲しがるだけの人よりも「発信する人」のところに多く集まるようになっているからです。
筆者も昔からずっと言っていますが、よく言われるのは「ギブアンドテイクではなくギブアンドギブ」の精神で情報発信していくということです。
その心構えができている方には、自然と情報も集まり、就活仲間もできていきます。
就活に限らずこの心構えは大事なことなので、まずはぜひ就活中に実践してみてもらえればと思います。
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