【21卒 就活お悩み相談室 #5】業界研究ってどう進めればいいの?

こんにちは。キャリアアドバイザーの大沢です。就活を始めるときは自己分析をして、業界研究、企業研究、選考対策……と準備を進めていくと思います。就活生と話していると、「業界研究」は業界についてどこまで“研究”すればいいのかわからないと言われることがあります。今回は業界研究の目的や、おすすめのやり方についてお話ししましょう。

キャリアアドバイザー

大沢 紗永(おおさわ・さえ)

人材業界を中心に就活し、理念に共感しレバレジーズに入社。入社前の納得が入社後の仕事の楽しさにつながった経験から、企業と就活生のマッチングイベントの企画を担当。Webの情報ではなく、その企業で働く人から生の情報が得られる機会づくりに取り組む。

 

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業界研究から始めて自分に合う企業を探す方法もある

就活で自分に合う企業を探す方法は2種類あります。1つはこれまでの経験を振り返り「就活の軸」を見つける自己分析ベースのやり方です。そして、2つ目は業界を広い視野で見て、どのような企業があるのか見渡していく業界研究をベースとしたやり方があります。

多くの就活生は1つ目の自己分析をきっかけに就活を進めていくと思いますが、私がおすすめしたいのは、「業界研究ベース」の方法です。最初に自己分析から始めるやり方は、就活の軸に合致する業界が見つからず、逆に就職活動が長期化することもあるからです。

自己分析に没頭し動き出しが遅れてしまい、それが終わるころにはその業界の採用が終わっている……そんなことがないように、まずは業界研究を通してどんな業界があるのか、どんな企業があるのかを知るところから始めることも1つの方法だと思います。最初に業界研究をして、気になる業界や企業が出てきたあとに自己分析しても良いのです。

「それなら業界について詳しくなったり知識をつければいいのか」と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。業界研究の目的はあくまで「自分に合った企業を探すため」であり、そのために、企業のビジネスモデルを理解し、仕事のイメージをつけることが大切です。「知識を深める」ことはあくまでも業界研究の一部であり、ゴールではありません。

20卒向け第3回のコラム(【就活お悩み相談室 #3】面接対策、何をすればいいのかわかりません)でも触れていますが、志望動機ではなぜこの企業・職種なのかに加えて、「なぜこの業界を志望したのか」ということも伝えなければなりません。業界研究によって業界の志望理由や根拠を説明できるようになれば、説得力のある志望動機を作ることができます。

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ビジネスモデルの理解は業界研究の肝

業界研究はビジネスモデルを理解することが大切です。ただ、ビジネスモデルといってもどのようなポイントを押さえればいいかわからないという人もいると思います。
ビジネスモデルを理解するためには、「どんな商品・サービスを」「誰に対して」「どのように売り利益を得ているか」の3点をチェックしましょう。業界研究を行うときは、業界ごとにこの3点を書き出してみてください。

キャリアチケットの業界研究セミナーで、「広告業界は誰に対して何を提供しているか?」というビジネスモデルを考えるワークを行ったとき、きちんと答えられない学生が多くいました。

広告業界を例に表を埋めると、次のようになります。
 

その業界の企業はBtoCかBtoB(※)なのか、どんな商材を扱っているのか、企業のビジネスモデルを書き出してみましょう。自分は誰に対して何を提供する仕事がしたいのかを考えるときの参考になります。

※BtoCは「Business to Consumer」の略で、消費者に対して商品やサービスを提供するビジネス形態のこと。また、BtoBは「Business to Business」の略で、企業に対して商取引を行うことを言う。

 

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一次情報を得て自分の価値観とすり合わせる

業界研究で注意することは、あらゆる業界をいきなり把握しようとしないことです。就職活動、そしてそのための自分のキャリアのために分析すれば十分です。また、興味を持った企業から調べるのではなく、今の世の中を見て、伸びている業界、今後、伸びていく業界業界から調べることも大切です。興味のある業界から調べ始めてしまうと「この業界は魅力的だし、第一志望だ」と、他の業界が見えなくなり、視野が狭まってしまう可能性があるためです。

例えば、学生に関心のある業界について聞くと、「出版業界です。編集者に小さい頃から憧れていて」と答える方がいます。もちろん、小さい頃からの夢は大切ですが、表面的に見ている一部の印象で業界を選定するような考え方は危険です。
なんとなく関心がある業界や昔から知っている業界を、希望する業界だといつの間にか思い込むようになり、最初から本選考において、出版業界ひと筋で就活に取り組んでいくと、気が付いたときには本当に行きたい業界の選考が終わっている、なんてことになりかねません。思い込みから始まった業界への関心が、いつの間にか長年思い続けてきた第1志望の業界なんだという確固たる信念に代わり、外からのアドバイスが届かなくなります。

なので、これまで関心を持った業界は、これまで生きてきた中での憧れや夢と重なる部分が多いことを理解したうえで、そこからいったん距離を置いて、広い視点であなたの関心を客観的に捉えることが必要です。

具体的な業界研究のやり方としては、特定の企業の採用サイトを読み込んでいくのではなく、業界の一次情報、たとえば総務省が発表している統計データなど、業界のマクロの数字から見ていくことが大切です。その上で、私はOB・OG訪問や合同・企業説明会などで社員の方に会って一次情報を得ることをおすすめします。

私自身、就活をしていたときはOB・OG訪問で自分が様々な業界の人にも会って話を聞くようにしていました。当時、「若いうちから裁量を持って働くことができる」「成果がすぐに目に見える仕事」を就活の軸に考えており、中でも人材業界を見ていましたが、鉄道業界や銀行業界の方にも会いに行っていました。誰を相手にどんな仕事をしているのか、いろんな業界の人の話を聞き、自分の仕事に対する価値観とすり合わせながら業界を絞り込むためです。

今ある程度受けたい業界が決まっている人も、まったく決まっていない人も、さまざまな業界の人に合ってみてください。今まで持っていた業界のイメージと違うこともあるので、人に会って話を聞き納得したうえで業界を選んでいってほしいと思います。

ただ、「この業界が気になっているけど、こっちの業界も気になる」「自分に合う業界・企業がわからなくなった」と、迷うこともあると思います。もし、客観的な意見が聞きたい、相談に乗ってほしい、という場合はキャリアチケットのような就活エージェントに頼ってみてください。

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