【お仕事図鑑】編集者に必要なのは、伝える力。情報をかみ砕いてわかりやすくするのが仕事

就活生にとって、実際に働くイメージを持つのは難しいもの。そこで、キャリアチケットの「お仕事図鑑」では、実際に会社で活躍している方のインタビューを通じて、仕事に関するリアルな声をお伝えしていきます。今回お話を聞いたのは、株式会社ゴ―リストが運営する人材系Webメディア『HRog』編集長・菊池さん。編集長の業務内容や、やりがいについてお伺いしました。
 

<Profile>

株式会社ゴ―リスト
菊池 健生(きくち・たけお)さん

2009年大阪府立大学工学部卒業、株式会社キャリアデザインセンターへ入社。転職メディア事業にて法人営業、営業企画、プロダクトマネジャー、編集長を経験し、新卒メディア事業のマーケティングを経て、退職。2017年、ゴーリストへジョイン。人材業界の一歩先を照らすメディア『HRog』の編集長を務める。2019年3月、ゴーリスト取締役就任。

『HRog』とは?
人材業界に関する最新のニュースや求人市場の動向、業界の専門家へのインタビュー記事など、人材業界(HR業界)に携わる人たちへ役に立つ情報を毎日発信するwebメディア。https://hrog.net/
 

記事作りは「読者にとって面白く、ためになる内容か」がポイント

――現在のお仕事に就くまでの経緯を教えてください。

もともと総合人材サービスの会社で求人広告の営業をしており、ゴ―リストに転職しました。最初は事業企画室に配属されたんですが、その頃の『HRog』はきちんとした編集部はもちろん編集長なんていなくて。また、人材系のニュースなどの情報をまとめ直して掲載するといったキュレーションメディアとしての側面が強く、オリジナルのコンテンツがほとんどありませんでした。

弊社はHRビッグデータ事業を展開していて、企業向けに求人情報や営業リスト、マーケティングデータを提供するサービスを提供しています。そのサービスの入り口となるのが『HRog』です。記事を読んで弊社のサービスに興味を持ち、問い合わせをしてもらう、という流れを作るのがオウンドメディアの役割ですね。でも、私がゴ―リストに入ったとき、営業のメンバーがメディア運営もしており、そこまで力を入れられていなかったんです。

きちんと記事を作ってファンを増やしていけばお客さんも獲得できるのに、もったいないなという気持ちがあり、なにより自分自身が一番の読者であったという自負があったため、「ボクに任せてください」と引き受けることになりました。編集長という肩書きを勝手に名乗り始めたことを許してくれた会社に感謝です(笑)。

――編集長になってから、どんなことをしていったんですか?

始めのうちは自分でも記事を書きつつ、コンサルとライターのパートナーに入っていただいて企画を手伝ってもらっていました。ただ、ある程度進めていくと、人材業界について詳しくないとできない企画が溜まってきて。なので、社内でメディアの編集担当を1人つけ、編集部というチームを作り、2人体制で記事を制作するようになりました。

とはいえ、編集経験が全くない1年目の新人社員だったので、最初はお互いに大変でしたね……。だからといって作れませんというのは読者への言い訳になってしまうので、とりあえずアイディアをひねり出す時間を無理やり作り、企画を100本考えてもらいました。どんな仕事でも同じですが、未経験で何かを始めるときは量をこなすことで質が上がっていきます。タイトルだけ出してもらって、私が実現可能性があるか、面白いコンテンツになりそうかを1つ1つチェックしていきました。始めのうちは記事の量を担保するのに必死でしたね。

今はその頃のような100本ノックはやっていなくて、だいたいオリジナルの記事は月20本くらいリリースできるように動いています。

――菊池さんの1日のスケジュールを教えてください。

午前中は新規の営業に行き、午後は社内ミーティングや記事の打ち合わせ、記事チェック、数字の確認などですね。たまに外出先からオンラインでミーティングしていることもあります。夕方以降は最近イベントで登壇することが増えてきました。

――編集長としては具体的にどのような仕事をしているんでしょうか?

まずは企画や原稿のチェックですね。2週間に一度、企画会議を行うのですが、私とメンバーが出した企画に対して2人でディスカッションします。一度の会議で議論するのが10本くらいで、タイトルだけ出していきます。内容について検討し、進めることが決まった企画に関しては、メンバーに構成作りやライティングしていってもらいます。図やイラストなどを入れたら、最後の最後に私がチェックし、記事をリリースするという流れです。

あとは、データの確認も編集長の仕事の1つですね。どんな記事がよく読まれているのか、どんな経路で記事が読まれているのか、また、どれくらいサービスへの問い合わせに繋げられているのかを逐一確認しています。それによって問い合わせのバナーの位置を替えたり、というような施策も考えていきます。

――記事づくりで気にしているポイントはありますか?

読者にとって面白く、ためになる内容かどうかという点は一番気にしていますね。オウンドメディアは記事を通してサービスに興味を持ってもらい、問い合わせしてもらうのがゴールですが、自社の宣伝ばかりでも読んでいて面白くないという葛藤も抱えています。自社の宣伝は二の次にして、読者の興味を引く内容かどうかというのは重要です。

メンバーにはよく「そこに愛はあるか」といったことを話すんです。これから作ろうとしている記事は読者に刺さる内容なのか、また、手を抜いて作っていないか、ということですね。「これは自分たちにしか作れない」と自負できるような記事ができるように心がけています。

――仕事のやりがいはどんなときに感じますか?

記事を目にしてサービスの問い合わせが来たときに、直接その方とお話しする機会をいただいて……というメディアを介して営業の仕事につながったときはやりがいを感じますね。大手の役員の方が記事を読んで問合せしてくれたときには、その会社の経営判断の材料になっているんだと思うと身が引き締まる思いです。

あと、メディアの仕事としてのやりがいとは少し違うかもしれませんが、メンバーの成長を目にしたときは嬉しくなります。2年目の社員が大勢の人にシェアされる記事を書いたり、メディアのリニューアルを1から10まで1人でやっていたり……。Webメディアについて何もわからず、人材業界の営業の経験もまったくなかったのに、メンバーの成長ぶりに驚かされます(笑)。

――教え方で意識していることはあるんでしょうか?

記事に対してこうしたほうがいい、ということはあまり言わないんですよ。どちらかというと、質問することが多いですね。大枠で「読者に対する愛はあるのか?」から始まり「これは何で?」「これはどう考えているの?」ということを聞くと、足りない要素に自分で気づいてくれますしね。

「こうしなさい」と指示するのは簡単ですが、そうすると自分で考える習慣が身につかないので、ピンチのとき以外は基本的には自分で考えて行動しなさいという方針でいます。

――仕事で大変だと感じることは何ですか?

解明できない数字があることですね。先月まで流入が取れていた記事が今月はさっぱり、とか、逆に読まれている記事のラインナップはとくに変わったわけではないのに、この月だけは問い合わせがいつもより2倍になっている、という感じです。

仮説を立てて検証することはできるのですが、それでも原因が解明できないときもあるので、その気持ち悪さは若干苦手に感じてしまいますね(笑)。

――編集者に必要だと思うスキルがあれば教えてください。

これは紙の編集者とWebメディアの編集者に共通するスキルだと思いますが、相手にわかりやすくかみ砕いて伝える力があると良いですね。読み手に伝わる文章を書くということはもちろんですが、テキストで伝わりにくい部分は、画像化して伝える、といった発想も必要になります。今では動画や音声メディアも活用したらいいんじゃないかと思います。

あとはWebメディアの編集者の場合、記事ごとの数字の検証も重要です。データはリアルタイムに確認できますし、どれくらい記事が見られたかなどは、売上に影響します。雑誌や書籍の場合、一度作ったものは変えることはできませんが、Webの記事の場合は必要であればリライトし内容を厚くすることもできます。データを分析したり、データを元に企画を立てたりするのが得意な人は、Webメディアの編集者に向いているのではないでしょうか。
 

営業の仕事も企画のアイディアに活きている

――就活生時代はどんな仕事がしたいと考えていたんですか?

学生のときバーでアルバイトをしていて、あるときたまたま大手企業の部長と、中小企業の社長がいらしたんですよ。実は48歳で同い年の2人ということが分かり、部長は飲みながら会社・家庭の不満をこぼしており、対して社長は「50歳になったらサーフィンを始める」といった話をして活き活きとしていて。その姿を見て「どんな50歳になりたいか」を初めてちゃんと考えたんです。それから自分も「かっこええオッサン」になりたいなと明確に思ったんです。

自分の理想像を言語化して、目標に近づくためにはどんな仕事が良いか……それを考えたのが就活の始まりだったと思います。最初は安易に「社長スゲー」と思っていましたが、就活を進めるうちに社長じゃなくてもスゲー人はいっぱいいると思うようになりました。いくつか内定をいただいた中で、とにかくエネルギーに満ち溢れた人が多くビビッときた総合人材サービス企業で、私の営業としてのキャリアがスタートしたんです。
 

――その営業を経て、ゴ―リストに転職されたんですね。

法人営業として入社し、2年で異動となりました。異動先の営業企画という仕事は営業活動でより売上を上げるために、データやツールを使って営業活動の効率化を図るということをしていました。そのときに、ゴ―リストと出会い、データが持つポテンシャルって面白いなと思ったんです。そこから縁があってジョインすることになりました。

――営業の経験は、今の仕事にも活きているんでしょうか?

活きていますね。今も1日の大半は営業の仕事をしていますが、営業先でヒアリングするときに記事のアイディアを思いつくんです。思いついたらスマホにメモしておいて、あとでメンバーと共有します。今までリリースした記事の中には、私が出先でハッと思いついたことを形にした記事も多くありますね。

あとは、人材業界のイベント登壇も読者とつながる良い機会だと考えています。記事の反響はどうだったのか、facebookやTwitterでどのくらいシェアされたか、PV数はどれくらいかといったデータはいつでも見れますが、読者がどんなことを考えてこの記事を読んだのかということは会ってみないとわからないじゃないですか。実際にお話しすると、「この記事はこういう風に捉えているのか」といった発見があって面白いですし、メディアの方針の確認にもなります。

――最後に編集者を目指す就活生に向けてメッセージをお願いします。

編集者になってゆくゆくは編集長になりたい、という夢がある人は、自分のメディアを持ってみると良いと思います。今はTwitterをはじめ、noteやブログなど、発信できる場はいくらでもありますよね。毎日何かを発信してみるとか、「どんな人に読まれてどうやってファンを増やしていけばいいんだろう?」「SNSで拡散されるためにはどんな内容にすればいいのか」ということを考えながら作ってみると良いんじゃないでしょうか。自然と編集者の目線や編集スキルが身についていくと思うので、ぜひ試してみていただきたいですね。

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