【企業研究】5分でわかる!IRから読み解く伊藤忠商事

就活で「どのように企業研究を進めれば良いかわからない」「効率の良い企業研究の方法が知りたい」と考えたことはありませんか? そんなときは、企業の「IR情報」をチェックしてみましょう。

IR(Investor Relations)情報とは、企業が株主や投資家向けに経営や財務状況など投資の判断に必要な情報をまとめたものです。本企画では、就活生向けにIR情報を抜粋し、わかりやすく解説します。

今回取り上げるのは、伊藤忠商事株式会社。これを読んで、ぜひ企業研究に役立ててみてください!

 

目 次
  • 1.伊藤忠商事ってどんな会社?
  • - 伊藤忠商事の「強み」と「弱み」
    - 売上高・営業利益推移
    - 社員の平均年齢・男女比
  • 2. 伊藤忠商事の動向と今後

    3. 伊藤忠商事が求める人物

 

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伊藤忠商事ってどんな会社?


伊藤忠商事は5大商社と呼ばれる総合商社のうちの1つであり、近江商人の「三方よし」の精神を理念に、1858年に伊藤忠兵衛によって創業、会社としては1949年に設立されました。国内には9拠点・海外には94拠点あり、国内外で食品やエネルギーなどの分野で事業展開しています。
 
創業  1858年
設立  1949年12月1日
代表者  代表取締役会長CEO 岡藤 正広
拠点数  国内9店/海外94店
資本金  253,448百万円


伊藤忠は「繊維」「機械」「金属」「エネルギー」「食料」「住生活」「情報」「第8カンパニー」の8つの事業を持ち、事業分野で「トレード」と「事業投資」の2つを両輪として、ビジネスを展開しています。

ファッションの分野では「ポール・スミス」「コンバース」といったブランドを展開し、飲食分野では「Dole」「evian」「ファミリーマート」など、いずれも聞きなじみのある商品を取り扱っています。また、海外展開では、中国・アジア地域の市場開拓への足がかりとして、CITICやCharoen Pokphandといった海外の有力企業と業務・資本提携をしています。
 

伊藤忠商事の「強み」と「弱み」

伊藤忠の強みとしては、「非資源分野」が挙げられます。ほかの商社と比較しても石油など資源分野のシェアが低いことから、2015年のエネルギー資源の大下落の際も、影響はさほど受けず、安定的に利益を生み出し、2016年には総合商社として三菱商事の純利益を抜き、第1位の座に輝きました。

一方で弱みとしては、全体利益の約68%が日本における収益となっており、海外比率の低さが挙げられます。今後は内需に頼らず、よりグローバル化していく必要があります。

売上高・営業利益推移

最新の伊藤忠の売上を見てみると、化学製品や情報分野が増益になるも、コロナウイルスの影響により昨年度から624億円減少となっています。
 
19年度 1-3Q実績 20年度 1-3Q実績 増減
株主帰属四半期純利益 4,267 3,643 ▲624

事業別で比較すると、主に「住生活」と「機械」分野が新型コロナウイルスの影響から減少していることがわかります。住生活・機械共にコロナウイルスの影響で海外での販売量の減少が主な起因としてあげられ、住生活は▲316億円、機械分野は▲114億円にまで下がっています。

一方で、食料・情報の2つは昨年度より増益していることがわかります。それぞれコロナウイルスの影響で取扱量の減少や反動はあったものの、保健事業の売却利益などによって食料は+18億円、情報・金融は+37億円にまで増益となりました。
 

社員の平均年齢や男女比

伊藤忠商事の従業員数は国内外合わせて4319人となっており、男女比は7:3と男性の方が多いのが現状です。また、平均年齢は41歳となっており、日本企業の平均とほぼ近い年数になります。
 

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伊藤忠商事の動向と今後


伊藤忠の今後の事業展開としては、「環境分野での事業拡大」が挙げられます。資源分野の「環境✕社会問題」にフォーカスして事業の推進・強化を見通しています。具体的にはサステナブル素材やリサイクルといった環境配慮型製品や事業サービスの強化を行うことで、持続的な生活基盤の維持・SDGsへの貢献に注力していく方向です。

また、環境分野をビジネスチャンスと捉え、クリーンテックビジネスとして再生可能エネルギーなどの領域で事業を拡大しています。
 

 

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企業が求める人物とは?


伊藤忠商事が求める人物は、「壁にぶつかっても諦めずに前に進むことができる人」です。
自らの利益のみを追求することをよしとせず、社会の幸せを願う「三方よし」を理念に掲げている伊藤忠商事では、仕事をする上で壁にぶつかった時も常に「顧客第一」で考え、利益を追い続けることができる「忍耐力」や「行動力」が求められています。

今回は伊藤忠商事のIR情報や企業ホームページをから、企業研究に役立つ情報を抜粋してまとめました。ここで紹介した情報はほんの一部なので、「もっと詳しく知りたい!」という人はぜひ企業ホームページからチェックしてみてください。
   

この記事を書いたキャリアアドバイザー

開 菜々子(ひらき・ななこ)

大学時代はダンスサークルに所属しながら、商品開発の学生団体や広告代理店の長期インターンを経験。卒業後はレバレジーズ株式会社へ入社し、現在はキャリアチケットのアドバイザーとして学生のキャリア支援をしている。

 

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