2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査(前編)

2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査(前編)のイメージ

就活の早期化の影響を受け、例年よりも早い時期に内定を得ている就活生が多くなっています。それに伴い、内定承諾や内定辞退のタイミングについても就活の早期化の影響を受けている可能性があります。

キャリアチケットでは、登録している2025年卒業予定の大学生・大学院生252名を対象に、内定承諾・辞退に関する実態調査を実施しました。本記事では、調査の概要と調査結果をご紹介します。

本調査は前編・後編に分けての発表となり、今回は前編をお届けします。

目 次

調査概要

今回の調査では、内定承諾や内定辞退のタイミングについて次のような方法で調査を行いました。

調査対象:「キャリアチケット」に登録している2025年卒業予定の大学生・大学院生
調査時期:2024年6月27日(木)~2024年7月3日(水)
調査方法:webアンケート調査
回答者数:252人
調査主体:レバレジーズ株式会社(キャリアチケット)

1.2024年6月末時点で25卒の約9割が既に内定(内々定)を獲得

キャリアチケットに登録している2025年卒の大学生・大学院生を対象に、6月末時点の内定(内々定)状況※1を調査したところ、約9割がすでに内定(内々定)を獲得していることがわかりました。

※1:本調査で用いる「内定」および「内々定」の定義
「内定」は企業が採用候補者に対して、正式に採用の意思を通知すること(書類などで通知・労働契約まで提示)。「内々定」は企業が採用候補者に対して、内定前の段階で採用の意思を通知すること。

【25卒】内定(内々定)獲得状況(2024年6月末時点)のイメージ

また、内定を獲得している学生のうち、「内定承諾をしている」と回答した学生は約9割を占めていました。就活早期化の影響もあってか、2024年6月末時点では2025年卒の就活生の殆どの方が内定承諾をしていることがわかります。 

【25卒】内定者の承諾状況(2024年6月末時点)のイメージ

内定を承諾した時期※2については、2024年4月と回答した就活生が最も多く(22.5%)、次いで2024年6月(22.0%)、2024年5月(21.5%)となりました。

※2:本調査で用いる「内定承諾をした時期」の定義
複数内定承諾している場合、最初に承諾をした時期で回答

【25卒】内定承諾時期のイメージ

2.25卒の約半数が、内定承諾後も就活を継続

1社目の内定承諾後の就活状況を調査したところ、約半数が「内定承諾後も就活を継続していた(49.7%)」と回答しました。このことから、就活の早期化の影響により選考を受ける時期や内定獲得時期が早期化していても、すぐに就活を終わらせる就活生が決して多いわけではない事がわかりました。

内定承諾後に就活を継続していたかのイメージ

内定承諾後も就活を継続した理由について、「より志望度の高い企業の選考が残っていたから(68.4%)」が最も多く、次いで「(内定承諾した企業は)第一志望ではあるが、最後まで受けきって就活を終えたいから(41.1%)」があがりました。

内定承諾後に就活を継続した理由※3つまで回答のイメージ

承諾後も就活を継続していたと回答する、学生の承諾時期は「2023年10月以前(75.0%)」が最も多く、次いで「2023年11月(66.7%)」「2023年12月(63.6%)」と続きます。

一般的な就活解禁は大学3年生の3月1日(2025年卒の場合は2024年3月1日)からであるため※3、早期に承諾した学生ほど、就活を継続する可能性が高いことがわかりました。

2024年2月までの内定承諾者を早期とすると、約3人に2人が一社目の承諾後も就活を継続していたことになります。

※3:内閣府「2025年(令和7)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について

承諾時期別の就活継続状況のイメージ

3.現時点で、入社予定の企業を辞退する可能性は約2割弱

実際に、「現在入社予定の企業を辞退する可能性はあるか」という質問に対しては、約8割の就活生が「辞退をする可能性はない(82.7%)」と回答しました。

一方で、「辞退をする可能性がある(7.9%)」「わからない(9.4%)」の回答からは、今後も辞退をする可能性があることが読み取れます。

入社予定企業を辞退する可能性はあるか(2024年6月末時点)のイメージ

学生が入社予定企業に辞退を伝える時期は、「2024年8月(46.7%)」が最も多く、次いで「2024年9月(26.7%)」でした。企業側は、この時期に辞退が起きないように学生に対して現在の状況を聞いたり、懸念点を払拭したりするなどのフォローをする必要があるでしょう。

まとめ

内閣府の調査によると※4、2023年度の企業の広報活動開始時期について、「前年10月以前」と回答した企業は全体の17.8%にのぼりました。採用開始時期を前倒しする企業は年々増加傾向にあり、新卒採用は長期化しつつあります。

今回の調査から、早期に内定を承諾する学生の3人に2人が承諾後も就活を続けており、その理由として「より志望度の高い企業の選考が残っていたから」が最も多いことがわかりました。

仕事の内容や配属先、会社の雰囲気や同期との相性など、学生が内定承諾後に感じる不安は多岐にわたります。このため、これらが就活生が内定承諾後も就活を続ける要因になっている可能性は十分に考えられます。企業は、市場の変化・時期的な要因で留めるのではなく、学生が内定先への納得感を得られていない可能性があることについても着目する必要があるでしょう。
早期採用を実施している企業は、承諾後辞退の可能性があることを踏まえて内定数を担保し、内定承諾後も学生の「不安」をいち早く察知してフォローできる体制を築くことが重要です。

※4:内閣府「令和5年度就職・採用活動に関する調査(企業)調査結果【速報版】

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