2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査(後編)

このページのまとめ

  • 約5人に1人が、内定を承諾しても入社の必要性を感じない
  • 内定辞退の連絡をしない学生は3.6%に留まる
  • 内定辞退した企業における転職ファストパス、約6割が「利用したい」

2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査(後編)のイメージ

キャリアチケットの調査によると、内定辞退の経験がある学生は全体の62.6%に達し、その主な理由は他社の内定や職種のミスマッチであることがわかりました。

また、内定辞退の連絡手段としては、誠意を示すための電話と、記録を残すためのメールが多く使用されていることも明らかになりました。

この記事では、内定辞退の背景や理由、連絡手段に関するデータをもとに、企業がどのように対応すべきかを詳しく紹介します。この記事を読むことで、内定辞退の現状や、それに伴う企業側の対応方法について理解が深まるでしょう。

2025年卒の内定承諾・辞退に関する実態調査(前編)」では、内定承諾や内定辞退のタイミングに関する調査結果について紹介しています。こちらの記事も参考にしてください。

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目 次

約5人に1人が内定を承諾しても入社の必要性を感じない

内定を承諾すると、必ずその会社に入社しなければならないと感じるかのイメージ

2025年卒の学生を対象に行った調査によると、「内定を承諾すると必ずその会社に入社しなければならないと感じるか」という質問に対して、「あまり感じない」と回答した学生は14.7%、「全く感じない」という学生は4.8%と、合わせて全体の約2割となりました。

内定承諾へのハードルを低く感じている学生が全体の2割に及ぶ要因として、昨今の就活市場における「売り手市場」が挙げられます。就活生にとって企業への選択肢が増えているため、それに伴い内定承諾へのハードルを低く感じる学生も増えていると考えられます。

内定承諾へのハードルが低いと、入社前辞退につながる可能性が高まると予想されます。企業は、学生が内定承諾をどのように捉えているか注意する必要があります。

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内定辞退の経験がある学生は約6割以上

【25卒】内定獲得後、承諾せずに辞退した企業はあるかのイメージ

キャリアチケットが実施した調査によると、内定辞退の経験がある人は全体の62.6%にのぼることが明らかになりました。これは、近年の就職活動の早期化が大きな要因の一つとして挙げられます。

早期化が進む中、多くの人が早い段階で内定を獲得しているものの、内定先に対する満足度や納得感が得られないケースも増加しています。結果として、内定を受け取った後も他の選択肢を模索し、最終的に内定を辞退するケースが多く見られるようになっています。

内定辞退のタイミングや理由はさまざまですが、辞退の決断に対する心理的な負担が影響することも少なくありません。しかし、辞退の意思が明確な場合、企業と求職者双方にとって最良の結果を得るためには、早めに決断し、誠実に対応することが重要です。

調査結果は、内定辞退が一時的なトレンドではなく、就職活動における選択肢の一つとして認識されつつある現状を示しています。企業もこれを踏まえた採用活動を行うことが求められるでしょう。

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内定辞退の理由7選

内定辞退の理由として挙げられるケースにはいくつかの共通パターンが見られます。企業側でも、これらの理由を理解することで、採用活動に役立てることができます。

他社の内定を受けるから

最も一般的な内定辞退の理由は、他社の内定を選んだケースです。条件や将来のビジョンを考慮して、他社の方が適していると判断する求職者が多くいます。

希望と異なる職種だから

内定辞退の理由の一つとして、希望と異なる職種だったケースも挙げられます。実際に、希望しない職種での入社は、お互いにとってプラスにはなりません。

企業と求職者のミスマッチを防ぐために、事前のコミュニケーションが重要であることを示しています。

志望業界が変わったから

就職活動を進める中で、志望する業界が変わることもあり、これが内定辞退の理由となる場合があります。この背景には、職種や業界に対する理解が進んだ結果、新たな目標が明確になったことが挙げられます。

適性が合わないと感じたから

適性や企業の社風が自分に合わないと感じた場合も、内定辞退の理由となります。求職者は自分のキャリアビジョンと照らし合わせ、最適な選択肢を求めていることが伺えます。

地元企業での内定が決まったから

都市部と地方の両方で就職活動を行った結果、最終的に地元企業を選ぶケースもよく見られます。この場合、求職者は地元でのキャリア構築に重きを置く傾向があります。

進学や留学が決まったから

大学院進学や留学の決定も内定辞退の理由として多く見られます。この場合、進学と就職の選択肢を天秤にかけた結果として、進学が優先されることが多いです。

留年で卒業ができなくなったから

留年などで卒業が延期となり、内定を辞退せざるを得ないケースも少なからずあります。企業としては、このような事態に備えて柔軟な対応が求められます。

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内定辞退の連絡手段で多いのは電話・メール

内定辞退の連絡手段※3つまで回答のイメージ

キャリアチケットが実施した調査によると、25卒の内定辞退の連絡手段としては「電話(59.1%)」が最も多く、次いで「メール(57.7%)」、「メッセージアプリ(16.1%)」という結果が出ています。

電話派の理由は「誠意」や「感謝」

内定辞退の連絡手段に電話を選んだ学生からは、以下のような理由があがっています。

・お世話になったので、直接今までのお礼を伝えたいと思ったから
・インターンシップを含めてお世話になったので、誠意を見せたいと思ったから
・メンターさんがついてくださったから

感謝などプラスの感情は、メールよりも電話の方が伝わりやすいものです。

電話で内定辞退を連絡する学生には、お世話になった企業に対して感謝や誠意を伝えたいと思う学生が多いようです。

また、企業にとって内定辞退は、緊急度が高い連絡となります。メールでの連絡については後述するメリットもありますが、担当者の見落としや確認までのタイムラグを避けるため、電話がベストな手段と言えるでしょう

メール派の理由は「時間を取らない」「記録を残す」

内定辞退の理由にメールを選んだ学生からは、以下のような理由があがっています。

・楽だから
・ドライに完結できるから
・記録に残るから
・時間を取らないから

「楽だから」の理由はもっとも多く、内定辞退を伝える精神的な負担の少なさを重視している学生が多いと見受けられます。

一方で、「記録に残るから」「時間を取らないから」など、相手の時間を奪わずに信頼できる手段として、メールを選ぶ学生も。

メールは電話にはないメリットがあり、企業との関係性や後々のトラブルに対するリスクヘッジなど、学生それぞれの価値観も影響していると読み取れます。

このように、電話とメールとでは「想いの伝えやすさ」や「記録への残りやすさ」などが異なります。このため、内定辞退の連絡は状況に応じて適切な連絡手段を選択することが望ましいです。

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内定辞退した企業における「転職ファストパス」への注目も高まる傾向

昨今、就活生から注目を集めているのが、企業が新卒の内定辞退者に向けて中途採用試験の一部選考免除を付与する「転職ファストパス」です。

キャリアチケットでは「転職ファストパス」についての意識調査も実施しましたので、その結果を見ていきましょう。

内定辞退した企業における転職ファストパスは約6割が「利用したい」

内定辞退した企業において転職ファストパスがあれば利用してみたいかのイメージ

新卒で内定辞退した経験がある学生を対象に「新卒で内定辞退した企業において、転職ファストパスがあれば利用したいか」と聞いたところ、約6割が意欲的な回答を示す結果となりました。

これは、内定辞退後もその企業に対してポジティブな印象を持ち、将来的な転職を視野にいれている人が多いことを示しています。

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2025年卒 内定承諾前の辞退状況

【25卒】内定承諾前辞退の社数のイメージ

2025年卒の学生に対する内定辞退に関する調査では、1社で辞退を経験した学生が全体の32.1%と最も多い結果となりました。次いで、2社辞退が29.2%、3社が21.2%と続き、全体の約8割の学生が3社以内で辞退をしていることが明らかになっています。

また、4社以上を辞退した学生もおり、4社が8.7%、5社が7.3%、6社が1.5%という結果でした。多くの企業に応募し、複数の内定を得た中から最終的に慎重に企業選びを進めている学生の姿が見受けられます。

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キャリアチケットについて

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