このページのまとめ
- 「MOS」や「TOEIC」、「ITパスポート」など就職に有利な資格がある
- 就職において有利な資格は人それぞれであり、やりたい仕事に合ったものが適切
- 資格と仕事内容が合致していると「熱意がある」ことをアピールできて就職に有利となる
就職で有利になる資格は人それぞれ異なります。自身のやりたい仕事に合った資格を取得できれば、応募した会社に「熱意のある人材」「志望度が高い」などの好印象を与えることが可能です。自身のやりたい仕事や将来の夢にはどのような資格が向いているのか、資格取得でアピールできる要素や注意点とともにチェックしておきましょう。
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就職に有利な資格ってあるの?
就職では、持っていると選考で有利になる資格があります。しかし、どんな資格でも有利になるかというとそうではありません。やりたい仕事や、応募する会社の業務に合致した資格を選んでください。自分の将来に合った資格を取得することで、就活で大いにそのスキルをアピールすることができます。
就職に有利な資格については「大学生のうちに取るべきおすすめの資格14選!文系・理系・業種別に紹介」や「就活で問われる「PCスキル」ってなに?具体例や証明に便利な資格を紹介」も参考にしてください。
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新卒の就職に有利なおすすめの資格11選
新卒で持っていると有利な資格や、業界に合ったおすすめの資格を紹介します。それとともに、受験期間についても解説。資格取得は、就活解禁と同時期に受験することはおすすめできません。就活では履歴書の作成や企業研究などに多くの時間が必要とされるからです。資格の詳細と受験時期を一緒にチェックし、無理のない資格取得の計画を立てましょう。
1.MOS
MOSは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略で、WordやExcelなどOfficeソフトの操作スキルを証明する資格です。WordやExcelを使用している企業は多いため、事務職や営業職などオフィスでの仕事を希望する場合は、資格があると有利な企業が多い傾向にあります。試験レベルは「スペシャリストレベル(一般)」と「エキスパートレベル(上級)」と2つあるため、まずは一般レベルであるスペシャリストレベルの受験が良いでしょう。
また、MOSはほぼ毎日試験が実施されているため、一度挑戦してみたいという人には受け直しもしやすくおすすめです。
2.TOEIC
TOEICは、業種・職種問わず多くの人におすすめできる資格です。最近では企業のグローバル化がどんどん進んでいるため、TOEICでの高得点は幅広い仕事で重宝される要素となります。一般的に就活の場においてアピールできる点数は600点以上、業務で頻繁に英語を使う場合は700点以上、外資系なら800点以上とされているようです。また、TOEICの受験は、就職解禁がされる1ヶ月前までに受けましょう。受験したスコアが分かるまで約1ヶ月ほどの時間がかかるからです。その間に受けた企業ではTOEICの点数を履歴書に書くことができないため、受験時期には注意してください。
3.宅地建物取引士
不動産業界を目指している人には、宅地建物取引士の資格がおすすめ。この資格では不動産取引の専門知識を証明することが可能です。資格を取得するには、建造物に関する法律や知識も幅広く学ぶため、法律関係や土木関係の仕事でも役立ちます。新卒であれば資格がなくても応募できる企業は多くありますが、この資格を持っていることで、業界への就職意欲の高さや、実際にそのために時間と労力を費やして資格を取得した実行力なども大いに評価されるでしょう。試験が例年の10月にあり、合否発表が例年の12月となっているため、取得まで計画的に勉強していく必要があります。
4.ファイナンシャルプランナー
金融業界を目指している人には、ファイナンシャルプランナーの資格がおすすめです。この資格が資産や投資に関する相談するときなどに必要となります。不動産だけでなく、年金制度や保険などの知識も身につけることが可能です。
1級は例年9月に1回、2級・3級は例年1月・5月・9月の3回に試験が実施されています。
3級でも資格を取得しておけば面接でのアピールにはなりますが、本格的に評価に繋げたい場合は2級の取得を目標とするのが良いでしょう。
5.社会保険労務士
事務職の中でも“人”に関わる業務である経理や労務の仕事を目指す人は、社会保険労務士の資格がおすすめ。社労士は国家資格で、定められた受験資格があります。大学や高等専門学校に在学中の人は、「卒業に必須の単位を62単位以上取得している方」であれば受験が可能です。試験は例年8月に1回、合格発表が例年11月に行われるため、計画的に資格取得を目指しましょう。
6.簿記
簿記は事務職を中心に幅広い仕事におすすめできる資格です。簿記はお金の流れや決算書の処理の仕方などが身につきます。事務職だけでなくお金に直接関わりがある営業職や販売職にも活用できる知識を得ることが可能です。就活でアピールする場合は、2級までの取得がおすすめ。簿記2級の試験は、毎年6月・11月・2月に実施されており、大学4年次の就職活動に間に合わせるためには3年生の11月の試験で合格しておくと良いでしょう。翌2月の試験でも就活に間に合わせることが可能ですが、この時期は簿記の勉強よりも就活対策に力を注ぐ時期であるため、現実的ではありません。6月の試験の申し込み時期は3月末~4月末、11月試験の申し込み時期は9月頭~10月頭になる場合が多いので、受験を視野に入れている人は申し込み忘れに注意しましょう。
7.秘書検定
秘書検定は、業界・業種を問わずにおすすめできる資格。この資格では社会で必要な基本的なビジネスマナーを身につけることが可能です。秘書検定を取得しておくと、社会人になるための準備をしっかりと行っていることをアピールすることが出来るので、会社に好印象を与えられます。この資格の場合、1級は難易度も専門性も非常に高くなるため、敬語や礼儀作法などの社会人として正しい振る舞いが出来ることをアピールするには2級の取得がおすすめです。2級の試験は例年2月・6月・11月の3回実施されています。就活時期に間に合うように、資格取得に向けて勉強しましょう。
8.ITパスポート大見出し
IT業界を目指している人は、ITパスポートという資格があります。ITを活用する人であれば、社会人・学生問わず役に立つ知識が身につけることが可能です。履歴書に書ける国家資格であることから、ITパスポートはIT未経験者や学生にとっては、就活において有効な資格と言えるでしょう。また、IT業界に進みたいと考える人だけでなく、IT化が進む社会で働くうえでの一般常識を試験勉強のなかで身につけることができるため、「入社前に社会人としての素養を身に付けている」と高評価に繋がります。この資格は会場によって異なりますが毎月2回、試験が実施されます。合格発表は受験した約15日です。試験日が多く、合格発表も早いため気軽に挑戦することが出来ます。
9.基本情報技術者
IT業界を目指している人はITパスポートだけでなく、基本情報技術者の資格もおすすめです。IT業界への登竜門として知られる基本情報技術者。こちらもIT業界だけでなくIT化が進む多くの企業で評価される国家資格ですが、ITパスポート同様に受験資格は特にありません。前述のITパスポートより一段レベルアップした内容で、情報セキュリティやデータベースなど幅広い知識を取得できます。
就職活動時に基本情報技術者の資格を持っていれば、IT業界で最低限求められる知識レベルを兼ね備えていることをアピールすることができるため有利です。この資格は例年4月・10月の年に2回実施され、合格発表は試験日のおよそ1ヶ月後となります。就活時期を考慮して、資格取得に挑戦しましょう。
10.公認会計士
コンサルティングや会計に関係する仕事を目指している人には公認会計士という資格があります。公認会計士は国家資格ですが、必要な受験資格は特にありません。この資格を取得すると、財務や会計に関してはエキスパートであることが証明できます。「短答式」と「論文式」の二段階に試験が分かれており、短答式で合格した人が論文式を受験できるという流れです。短答式は例年5月・12月の2回、論文式は例年8月に1回試験が実施されています。資格取得者は目標に向かって長い期間に渡って粘り強く努力を続けることができる人間であることをアピールでき、選考の場において有利になるでしょう。難易度は高くなりますが、業務に必要な高い思考力を身に付けており、それを活かしていけることを証明することができる資格です。そのため、コンサルティングや会計に関係する仕事を目指す人は、学生のうちに資格取得に挑戦してみましょう。
11.中小企業診断士
中小企業診断士は、企業の経営に関わり知識が身につく資格です。この資格を取得すると、企業が成長するためのアドバイスやコンサルティングする業務をすることが出来ます。中小企業診断士は国家資格ですが、受験資格は特にありません。
この資格の試験は、1次試験(マークシート)・2次試験(筆記・口述)・実務試験の三段階に分かれています。1次は例年8月、2次は例年では10月(筆記)・12月(口述)に実施しており、実務試験は2月・3月・7月・8月・9月のうちから選択できます。
難易度の高い資格ですが、ビジネスの知識を身につけながら、論理的思考や課題解決スキルを高められるため、社会人になって成果をあげられるよういち早く準備したい人や、企業戦略の仕事を目指している人におすすめの資格です。
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就職において資格でアピールできる要素
資格を持っていると、自身のアピールできる要素が増えて選考が有利になります。取得することで、どんなことがアピールできるのかチェックしておきましょう。
持っているスキル
資格を取得することで、自身が持っているスキルを資格という形で証明することが可能です。「パソコンの操作が得意」というアピールの仕方よりも「パソコンの操作が得意で、MOSの資格を取得している」と言ったほうがその人のスキルが確固たるものになります。
資格を取得した理由
資格を取得した際に、就活で欠かせないのは「なぜその資格を取ろうと思ったのか」という理由です。きっかけを語ることで、目的意識を持って資格の取得に向けて努力したことが分かり、成長意欲の高さも伝わるでしょう。やりたいことのために資格を取り、そのやりたいことが応募先の会社の仕事と合致していれば、「応募者のやりたいことと会社がマッチしている」と読み取ってもらうことができます。
取得するためにどうやって取り組んだか
資格を持っていると、その資格を取得するために「どうやって取り組んで取得できたのか」という点をアピールすることが可能です。過程のアピールによって、仕事の取り組み方を提示できるため、企業で働く姿をイメージしてもらいやすく、好印象を与えやすいでしょう。
その資格をどのように会社に貢献できるか
資格取得を企業にアピールするなら、最終的にその資格がどう仕事に活きるかという点も重要なアピールポイントです。資格は能力を明確に提示できる武器ではありますが、正しく扱えるとは限りません。その資格を使ってどのような仕事がしたいのか、どうやって仕事で活かしていけるのか企業研究をして、仕事での再現性の高さを伝えましょう。
履歴書の書き方については「履歴書の資格・検定欄の正しい書き方とは?何級から書ける?例文つきで解説」や「新卒就活用の履歴書の正しい書き方は?必要な準備や提出時のポイントも解説」も参考にしてください。
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就職のために資格取得をする際の注意点
「就活で有利になりたいから資格を取得する」という目的だけでは、むしろマイナスの評価となってしまう可能性があります。資格を取得する際には、どのようなことに気をつければ良いのか事前に確認しておきましょう。
希望の仕事にあった資格を選ぶこと
資格を取得する際には、どの資格を選ぶかがとても重要です。資格によって優劣があるということではなく、就活では資格の内容と自身の望んでいる仕事が合致しているかどうかが問われます。
資格と仕事内容がマッチしていないと、「軸がしっかりとしていない」「会社への希望度は低い」と思われる可能性が高いでしょう。そういった事態を防ぐためにも、まずは自身のやりたい仕事を見つけることを優先するのがベターです。
資格は選考で「有利」になっても「重要」ではない
就活の場では資格を持っていると有利になることはありますが、決して重要視されているわけではありません。応募する時点から資格取得の指定がされている企業は例外ですが、それ以外の企業はその人自身の中身を中心に見ています。資格を上手にアピールするためには、あくまで自分について説明するひとつの要素と考えることが大切です。資格がすべてではないため、その他の要素と複合的にアピールしながら就活を有利に進めましょう。
階級によっては有利な評価を得られない場合がある
自分に合った資格であれば、どの階級でも就職に有利になるというわけではありません。たとえばTOEICでは600点以上のスコアがアピールに有効とされています。そのため、600点以下では英語ができないと印象付けられたり、これ以上勉強する気はないのか疑問に思われたりする可能性も。難易度が低い階級や点数は就活でアピールにならない恐れがあるため、注意しましょう。
本記事の執筆者
飯田有香(いいだ ゆうか)
新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、「キャリアチケット」でキャリアカウンセラーをしながら、今までに200人以上の学生の就職先を支援。最近は、YouTubeチャンネル「就活トーク」の企画・出演などをしている。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。