内田クレペリン検査とは?検査で分かることと合格のコツを解説

このページのまとめ

  • 内田クレペリン検査で、受検者の能力や性格を見ている
  • 内田クレペリン検査では、集中力の低さや計算の遅さが不合格につながる
  • 内田クレペリン検査に合格するためにはコンディションを整えることが重要

内田クレペリン検査とは?検査で分かることと合格のコツを解説のイメージ

「内田クレペリン検査とは何だろうか」と思っている就活生は多いでしょう。内田クレペリン検査は就活生の能力や性格を見るための検査です。

検査は簡単な1桁の計算を紙と鉛筆を使って行うという内容で、企業の採用以外にも学校の生活指導など幅広いシーンで活用されています。

この記事では、内田クレペリン検査で分かることや不合格になりやすい人の特徴を解説するので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

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目 次

内田クレペリン検査の概要

「内田クレペリン検査」とは面接では分からない能力や性格などが分かる心理検査で、全世界で年間70万人が受験しています。

信頼度の高さから、採用や人材配置、生活指導の参考資料などのさまざまなシーンで活用されている検査です。

内田クレペリン検査は実にシンプルで、用紙に書かれた一桁の数字を足し算するだけです。

縦に並んだ数字を足していき、たとえ計算が最後まで終わらなくても1分が経過したら次の列へ進んでいきます。検査時間は前後半15分ずつ、合計30分間です。

また、インターネットやWEB面接などが普及する現代でも、内田クレペリン検査の形式は筆記のみになります。なぜなら、実際に検査環境へ出向いて作業負荷をかけるからこそ、より正確性の高い結果が出ると考えられているためです。

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内田クレペリン検査で分かること

内田クレペリン検査を実施することにより、「能力面の特徴」と「性格・行動面の特徴」の2つが分かり、そこから受験者の「働きぶり」を判定することが可能です。

働きぶりを構成する2つの特徴について、以下で詳しく解説します。

能力面の特徴

全体の計算した量から判断される「作業量」により、能力面の特徴が分かります。受験者の作業に対する処理スピードと、どれだけ効率的に作業がこなせるかを判断することが可能です。

性格・行動面の3つの特徴

1分間に解いた計測量の変化が表れる「作業曲線」と誤答数から、性格・行動面の特徴が判明します。この性格・行動面の特徴は「発動性」「可変性」「亢進性」の3つの要素で構成されており、それぞれの過不足から性質を判断していきます。

3つの要素について、解説していきます。

1.発動性

作業への取りかかりの良し悪しを表します。

過度:長所は素直で慣れが早い。短所は先走りがちで軽はずみ。
不足:長所は自主的で芯が強い。短所は我が強く内にこもる。

2.可変性

作業を進める際の気分や行動の変化の大小を示します。

過度:長所は柔軟で機転が利く。短所は動揺しがちで感情的。
不足:長所は地道で粘り強い。短所は融通が乏しく、くどい。

3.亢進性

作業を進める際の強さや勢いの強弱を判断します。読み方は「こうしんせい」です。

過度:長所は行動力があり頑張りがきく。短所は無理をしがちでむきになる傾向がある。
不足:長所は控えめで穏やかなところ。短所は受動的で妥協しやすい。

能力面と異なり、性格・行動面の優劣はありません。性格・行動面の特徴の過不足は、会社にマッチしているかどうかや、どの職種・部署に配属するのが適切かの判断材料になっています。

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内田クレペリン検査の定型曲線・非定型曲線の違い

内田クレペリン検査で注目されるのは、作業曲線です。作業曲線とは各行にて計算された、最後の数字同士を結んで出来た曲線で、企業はこの曲線の形から、受験者の能力や性格を判断しています。

作業曲線の2パターンについて解説していきます。

定型曲線とその特徴

健康面や性格、適性面などに偏りがない人が描く作業曲線を、「定型曲線」と言います。その特徴は以下のとおりです。

・計算量が一定数以上ある(116個の数字のうち60個以上)
・前半の計算量がU字を描いている
・後半の計算量が前半よりも増えている
・後半の作業量は徐々に減少する

定型に近い形を描く人は、「精神面も作業の処理能力も安定している」と判断されます。定型かつ作業量が多い場合には、「高度定型群」として高く評価されるでしょう。

非定型曲線とその特徴

非定型曲線とは、定型曲線から大きく離れた曲線のことを言います。非定型曲線の例は以下のとおりです。

・誤答が多い
・途中で著しく計算量が低下したり上昇したりしている
・後半の計算量の低下が著しい
・曲線の範囲が広い

非定型曲線に当てはまると、処理能力や性格、精神面に偏りがあるとみなされます。

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内田クレペリン検査に合格するためのコツ

心理検査である内田クレペリン検査には、明確な評価基準はありません。

とはいえ、不合格になりやすい条件を避けるだけで、合格可能性をアップできます。そのためのポイントは以下の3つです。

コンディションを整える

検査の前日は十分睡眠をとりましょう。疲れ・寝不足は計算ミスや作業量減少の原因になります。

また、受検にはリラックスして臨んでください。緊張がほぐれていれば、いつもどおりの実力を発揮できるはずです。

自分がリラックスできる状態を作るためのルーティンを見つける、などをしておきましょう。

集中力を養う

集中力を養いましょう。先述した睡眠をとることやリラックスすることも集中力の向上につながります。

気持ちの切り替え方を身に付けておくのも有効な手段。単純な作業をしていると、ほかのことをつい考えてしまいがちです。特に、就活中だと次の面接が心配になったり、ほかの会社の合否が気になったりと、悩みごとも多いと思います。

しかし、検査の30分だけは気持ちを切り替えて、内田クレペリン検査に集中しましょう。

また、試験の前にはブドウ糖を含んだチョコレートやラムネなどを食べるのもおすすめ。ブドウ糖は脳のエネルギーとなり、集中力をアップさせてくれます。

試験形式に慣れておく

本番と同じように時間を計りながら計算問題を解いて、試験の形式に慣れておきましょう。計算自体は1桁の足し算の繰り返しなので難易度は高くありませんが、いざテストとなると緊張するものです。

本番同様の環境で練習をすることにより、当日の試験に落ち着いて取り組めるでしょう。また、練習を繰り返すことによって計算スピードが改善される可能性もあります。

内田クレペリン検査の対策本やアプリを活用し、しっかり準備しておきましょう。

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内田クレペリン検査で不合格になりやすい人の3つの特徴

内田クレペリン検査で非定型曲線を描きやすい人の特徴は、主に以下の3つです。

1.集中力が低い

内田クレペリン検査で不合格になる人は、集中力が低い傾向にあります。

単純な計算を繰り返す内田クレペリン検査は、集中力が必要です。集中力がなくなってくると計算を間違えてしまったり、スピードが落ちたりします。

時間が経つにつれて集中力が落ちていくのは自然なことなので、多少のミスや作業量の減少は問題ありませんが、大きく変動している場合は要注意。

「仕事にムラがある」という悪い評価につながる恐れがあります。

2.計算スピードが遅い

計算速度が遅い場合、作業量が少ないことが原因で、非定型曲線になりやすくなります。特に、能力面における評価が低下するでしょう。

計算スピードに自信がない場合でも、116回/1行の計算のうち、60回は回答できるように意識しておくのが理想です。

3.余計なことを考え過ぎる

就活中の検査に対して、ナーバスになるのは当たり前のこと。

しかし、考え過ぎて自身のパフォーマンスを発揮できなかったために、不合格になる就活生もいます。評価のポイントや作業曲線について意識するあまり、作業量が低下してしまわないよう注意しましょう。

クレペリン検査で落ちる人の特徴についてより詳しく知りたい方は「クレペリン検査で落ちる人の特徴は?その対処法と注意点」を参考にしてください。

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検査中に注意すべき3つのポイント

内田クレペリン検査で不合格にならないためには、検査中にもいくつかの注意点があります。

検査当日は、以下の点に注意してください。

1.消しゴムは使用不可

計算ミスをしたときでも、消しゴムは使用しません。

ミスした部分にバツ印を付け、そのまま次へと進んでいきます。消しゴムを使用すると時間のロスが発生し、正確な検査結果が出なくなります。

検査会場への持ち込みも「不可」とされていますので、十分に注意しましょう。

2.気負い過ぎないこと

就活中の検査で良い結果を出したいという気持ちから、気負い過ぎるとミスが増える原因になってしまいます。

内田クレペリン検査は心理検査で、明確な合否の基準はありません。

たとえ検査で失敗しても、「そのほかの要素と組み合わせて合否を判断する」という企業がほとんどです。緊張し過ぎず、普段どおりに挑みましょう。

3.ミスに一喜一憂しないこと

検査中に自分で計算ミスに気づき、落ち込んでしまう方もいるようですが、集中力低下の原因になります。

単純な計算であっても、すべてをミスなく回答するのは至難の業です。

ミスを発見したときも落ち込まず、目の前の問題に集中して取り組むようにしましょう。

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内田クレペリン検査の対策におすすめの問題集やアプリ

長い歴史を持つ内田クレペリン検査ですが、練習問題が充実した本はあまり多くありません。

そこで、おすすめの問題集に加えてアプリも2選ご紹介します。

内田クレペリン検査完全理解マニュアル

初心者でも分かりやすいように、内田クレペリン検査の基礎知識や受験例などが掲載されています。

また、検査機関へ判定を依頼可能な公式検査用紙が付いているので、対策も可能です。

クレペリン トレーニング

内田クレペリン検査の本格的トレーニングが可能なアプリです。

計算で使用する+と-、×を自由に組み立てる計算トレーニングができ、テスト後にはS~Cのランクが表示されます。

また、PRO版では手書き入力機能がつき、より実際の検査システムに近い練習が可能です。

クレペリン検査対策アプリ

無駄な機能は一切排除された、シンプルな対策アプリです。

実際の検査と同じようにランダムな数字で問題が出されるので、より効率的に練習ができます。

クレペリン検査の練習法についてより詳しく知りたい方は「クレペリン検査の練習法は?内容や特性を理解して効果的な対策をしよう!」を参考にしてください。

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内田クレペリン検査に関するよくある質問

内田クレペリン検査に関するよくある質問と回答をまとめています。内田クレペリン検査に関する疑問点がある方は、参考にしてください。

Q.内田クレペリン検査で分かることは?

A.内田クレペリン検査では、面接では分からない受験者の能力面の特徴と性格・行動面の特徴が判定可能です。

計算した作業量をもとに、受験者が持つ処理スピードや効率性などの能力面が分かり、計測量の変化と誤答数から性格や行動面の特徴が分かります。

Q.内田クレペリン検査に合格するコツは?

A.受検に備えてコンディションを整えましょう。集中力が必要な内田クレペリン検査では、疲労や睡眠不足はもってのほかです。検査前日は、朝スッキリ目覚められるように早めに就寝しましょう。

また、試験形式に慣れておくこともコツになります。一桁の足し算なので問題自体は簡単ですが、本番になると緊張するものです。

本番に似せた環境で繰り返し練習しておくと、当日もリラックスして試験に望めるでしょう。

Q.内田クレペリン検査の注意点は?

A.内田クレペリン検査では、消しゴムは使用できません。万が一計算を間違えてしまったらミスしたところにバツ印を付けて、次の問題へと進んでください。

計算ミスに気づいたり、書き間違えたりすると落ち込んでしまう方もいますが、集中力の低下につながるので一喜一憂しないことです。

テストの結果だけを見て合否判定はされないので、あまり緊張し過ぎないようにしましょう。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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