このページのまとめ
- クレペリン検査は、受検者の能力や性格を一度に調べられる適性検査の一種
- クレペリン検査では「作業量」「作業曲線」「正確性」から受検者の能力や性格を判定
- クレペリン検査には、本番を想定した練習を繰り返して万全な体調で臨むことが重要
クレペリン検査を受けることになれば、事前に練習しておきたいと誰もが考えるものです。「クレペリン検査のやり方や注意点は何?」などと不安に感じる就活生も多いでしょう。
この記事では、クレペリン検査の概要や評価項目、おすすめの対策方法をまとめました。解答時のコツや注意点も解説しているので、準備を万全にして検査当日を迎えたい就活生はぜひ参考にしてください。
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- クレペリン検査とは?やり方と特徴を解説
- クレペリン検査のやり方
- クレペリン検査は会場で受検
- 能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定
- クレペリン検査で評価されている3つの項目
- 作業量
- 作業曲線
- 正確性
- クレペリン検査で判定される性格・行動面の3つの特性
- 発動性
- 可変性
- 亢進性(こうしんせい)
- クレペリン検査に合格するための対策5選
- 1.練習アプリで計算に慣れておく
- 2.指定された時間のとおりに練習する
- 3.練習で自分の弱点を把握しておく
- 4.睡眠をとり体調を整える
- 5.リラックスした状態で問題を解く
- クレペリン検査の解答のコツ
- 少しのミスは気にせず次の問題に進む
- 毎回の作業量を安定させる
- クレペリン検査を受検する際の注意点
- 消しゴムは使用しない
- 筆記用具は複数用意しておく
- 行を飛ばしてしまっても戻らない
- 練習し過ぎない
- 検査結果が良好でも不合格になることもある
- クレペリン検査の練習をしても就活が不安なあなたへ
クレペリン検査とは?やり方と特徴を解説
クレペリン検査とは「内田クレペリン検査」と呼ばれており、受検者の性格や能力などの働きぶりを判定するために使用されています。今から90年近く前に開発され、日本で最初の心理テストと呼ばれている適性検査です。
クレペリン検査を実施する企業の一例をまとめました。
・官公庁
・学校
・鉄道会社
・医療法人や社会福祉法人
クレペリン検査を実施する企業の特徴として、伝統的で保守的なことが挙げられます。企業がクレペリン検査を実施するかどうかは過去の採用情報から分かるため、志望企業が具体的に決まっている場合はあらかじめ調べておきましょう。
クレペリン検査のやり方
クレペリン検査のやり方は至ってシンプルです。横一列に書かれた数字の羅列に対して、隣り合う数字をひたすら足します。
具体的には、1桁の数字が116個並んでおり、左から順番に隣り合っている数字を足し合わせます。解答は数字同士の間に記入して、足した結果が2桁になる場合は下1桁のみ記載する流れです。
たとえば、「13579」と数字が記載されているとします。この場合、左から「1+3=4」「3+5=8」のように解いていきます。そうすると、「13579」の答えは「4826」になります。後半の解答を見ても分かるように、計算結果が2桁になる場合は下1桁のみを記載します。
クレペリン検査はこのような1行分の計算を1分間で行います。検査工程と時間は以下のとおりです。
・前半15分(15回の繰り返し)
・5分間の休憩
・後半15分
作業自体はシンプルですが、足し算をし続ける集中力が求められます。なお、1分間で1行すべてを終わらせるのはほぼ不可能なので、焦る必要はありません。1分が経過すると下の行に移り、再度計算を始める流れです。
クレペリン検査は会場で受検
クレペリン検査はWebテスト形式ではなく、受検会場へ赴いて紙に手書きで計算していく筆記形式を採用しています。
クレペリン検査が生まれた時代背景もありますが、紙と鉛筆を用いたテスト形式に意味があり、解答結果から導かれる「作業曲線」などの評価項目をもとに、学生の能力を判定しているのです。
能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定
クレペリン検査の特徴の一つとして、受検者の能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定できる点が挙げられます。一般的なWebテストの場合、能力試験と性格検査のように2種類に分かれていますが、クレペリン検査では一度の試験でそれぞれの特徴が判定可能です。
クレペリン検査の結果は、以下3つの項目・観点で評価されています。
・作業量
・作業曲線
・誤答(正確性)
詳しくは後述しますが、簡単な作業を連続して実施させた結果について、上記の観点で分析しているという全体像はあらかじめ理解しておきましょう。
クレペリン検査以外のWebテストについては「就活のWebテスト対策はどうする?主な種類や勉強法を知っておこう!」で詳しく解説しています。
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クレペリン検査で評価されている3つの項目
クレペリン検査の結果を分析する際に用いられる3つの評価項目を解説します。どのような観点で評価しているか理解しておくと、受検に向けた対策がしやすいでしょう。
作業量
クレペリン検査の結果で評価される項目の一つに、作業量が挙げられます。
前半15回・後半15回、合計30回の連続した作業を通じて、作業効率や作業をする際のテンポを評価しているようです。毎回の解答数が多いほど、作業の処理能力の高さや効率良く作業をこなせる人物であると判定されやすくなり、知能がどの程度あるか判定する際の指標にもなります。
合格ラインが定められているわけではありませんが、一般的には、受検者の平均とされる半分以上を目指すのがポイントです。
作業曲線
クレペリン検査では、毎回の作業量の変化をつないで折れ線グラフにした「作業曲線」をもとに、受検者の性格や特徴を判定しています。
・検査の開始時は解答数が多い
・徐々に解答数が減っていく
・休憩が近づくと解答数が上がっていく
上記のように、クレペリン検査を行うと共通する傾向が見て取れるため、作業曲線から受検者のさまざまな特徴が見えてくるのです。
クレペリン検査から判定される性格的な特徴は、以下3つの側面から見られていることも覚えておきましょう。
・発動性
・可変性
・亢進性
それぞれの詳細は後述しますが、作業曲線から性格や特徴を判定されている点も押さえておいてください。
正確性
クレペリン検査では、解答結果の正確性・誤答数も見られています。
過去に実施した検査結果をもとに、解答数の多さと誤答数の関連性や、検査が進んでどれほどのタイミングで誤答数が増えやすいかなど、受検者の傾向を判定しているのです。検査の中盤で集中力が切れて誤答数が増えたり、休憩に向かってカウントダウンに入ると集中力が増して誤答数が減ったりするのは、直感的にもイメージがつくでしょう。
クレペリン検査では、作業量・作業曲線・正確性の3項目をもとに受検者を評価していることを覚えておいてください。
なお、就活にはクレペリン検査以外にもさまざまな適性検査があり、なかでもSPIと玉手箱を採用する企業が多い傾向です。「SPIと玉手箱の違いとは?適性検査の種類や特徴をチェック」で両者の違いや適性検査の種類について解説しているので、あわせてご覧ください。
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クレペリン検査で判定される性格・行動面の3つの特性
クレペリン検査では、受検者の性格・行動面について評価する際、3つの特性を評価軸にしています。3つの特性は、先ほど紹介した発動性・可変性・亢進性のことで、いずれも物事を進める際に発生する特性です。各特性の過不足具合から、受検者の性格・行動面の特徴を評価しています。
ここでは、それぞれどのような特性であるかを詳しく解説します。
発動性
発動性とは、物事に取り掛かるまでのスピードのことです。ほかにも、環境への順応度合いを示す指標としても活用できます。
発動性が高い場合、物事を始めるために素早く動ける人が多いです。ポジティブ思考や環境適応力が高いなどの長所がある一方、先走ってしまったり、気疲れしやすかったりすることもあるようです。
発動性が低い場合は、自分の考えをしっかりと持っており、手堅く慎重に動ける性格と判定されます。ただし、自分の考えに固執してしまったり、選り好みしたりしてしまうともいえるでしょう。
可変性
可変性とは、物事に取り掛かる際に起きる気分の変化のことです。
可変性が高い場合、気持ちの切り替えがしやすい、柔軟性がある、機転が効くなどと判定されます。言い換えると、気分の差が激しい、感情的になりやすいといった特徴があるでしょう。
可変性が低い場合、気分が安定しやすく、粘り強く地道に努力しやすいと判断されます。一方、融通のきかなさや柔軟性の低さから、頑固な側面もあると判定されることも。
亢進性(こうしんせい)
亢進性(こうしんせい)は、物事を進める際の勢いを示したものです。
亢進性が高い場合、行動力があり、強い気持ちで頑張りが効くと評価される一方、無理をしたり、強引に物事を進めてしまったりするなどの評価を受ける可能性があります。
亢進性が低い場合、穏やかで控えめだと判定されるようです。言い換えると、受け身になりやすく、持久性に乏しく妥協しやすいと判定されることもあるでしょう。
クレペリン検査への取り組み方を通じ、発動性・可変性・亢進性の各特性から受検者の性格的特徴を判定しています。どのような作業曲線で各特性の高低が評価されるかは明らかにされていませんが、上記のような性格を判定・評価されることは覚えておきましょう。
また、就活では内田クレペリン検査以外にも、さまざまな適性検査が使用されています。どのような種類があるか詳しく知りたい場合は、「適性検査の性格テストとはどんなもの?目的と対策」も参考にしてください。
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クレペリン検査に合格するための対策5選
クレペリン検査に合格するためにやるべき対策を5つ紹介します。志望度の高い企業がクレペリン検査を実施する場合は、以下の内容をぜひ参考にしてください。
1.練習アプリで計算に慣れておく
クレペリン検査に合格するためには、練習アプリを用いて問題に慣れておくことが大切です。本番を想定して、繰り返し問題を解いておきましょう。
・前半15分(1分間を15回)
・5分間の休憩
・後半15分
上記の検査時間を踏まえて実際に問題を解くことで、感覚をつかめるのはもちろん、後述する自身の弱点も見えてくるはずです。
2.指定された時間のとおりに練習する
すきま時間を使って計算問題を解くのも対策として間違いではありませんが、クレペリン検査の対策を適切に施すのであれば、指定された時間どおりに練習するのが最も効果的です。本番を想定した時間配分で問題を解くと、どのタイミングで疲れが見え始めるのかや集中力が途切れるのかなども見えてくるでしょう。
検査時間は35分間でさほど長くありませんが、実際に問題を解くと思った以上に疲れるため、本番の感覚をつかむためにも一度は指定された時間どおりに解答してみてください。
3.練習で自分の弱点を把握しておく
クレペリン検査に合格するためには、本番を想定した練習を踏まえて自分の弱点を把握しておくことも重要です。弱点が分かれば、克服に向けた対策も施せるでしょう。
・計算ミスが多い場合は計算問題の練習を行う
・途中で集中できなくなる場合は集中する練習を行う
クレペリン検査は試験内容が明確であるからこそ、練習を通じて弱点や自分の傾向をつかめるはずです。
4.睡眠をとり体調を整える
クレペリン検査を集中してやり切るためには、体調管理も欠かせません。受検前日は睡眠を十分にとり、体調を万全にして臨みましょう。
受検中のコンディションを良くするためにも、検査の直前に食事をするのは控えたほうが良いでしょう。反対に、空腹状態で受検すると集中できないため、自分の生活リズムを踏まえて体調管理を徹底しておくことが大切です。
体調管理だけでなく、メンタル面でもリフレッシュしておくことが重要であるため、「就活に疲れたときの対処法8選!疲れないための就活への向き合い方も解説」も参考にして、検査当日を万全な体調で迎えられるようにしましょう。
5.リラックスした状態で問題を解く
検査当日の臨み方として、リラックスした状態をキープすることも重要です。
検査当日は、程度の差はあっても誰もが緊張するでしょう。むしろ、練習問題を多く解いた人ほど緊張するかもしれません。
自身の能力や性格的な特徴を正しく判定・評価してもらうには、平常心で検査に臨むことが大切です。目の前の問題を解くことだけに集中して、気負い過ぎないようにしましょう。
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クレペリン検査の解答のコツ
クレペリン検査を受検する際に覚えておきたいコツを3つ紹介します。少しの心掛け次第で企業からの評価が高まるかもしれないので、以下の点も意識しておきましょう。
少しのミスは気にせず次の問題に進む
クレペリン検査を受けている際に計算ミスに気づいたとしても、気にせず次の問題に進むようにしてください。
クレペリン検査では、以下の項目が見られているからです。
・作業量
・作業曲線
・誤答(正確性)
それぞれから満遍なく評価されるため、正確さと解答数の両方が求められます。つまり、ミスなく正確に解答したとしても解答数が少なければ評価が下がりかねないため、注意が必要なのです。
解答数を確保するためにも、ミスは気にせず次の問題に取り掛かりましょう。ミスを気にしてテンポが狂うと、思ったように解答できなくなる可能性もあるため気をつけてください。
毎回の作業量を安定させる
ミスを気にしないことに関連しますが、毎回の作業量を安定させるのもポイントとして挙げられます。定型曲線の特徴を見ても分かるように、「毎回の作業量が60個以上」という点は大きな目安になるでしょう。
1分間の単純作業を継続してこなせる力は、業務遂行時のムラのなさや安定したパフォーマンスを発揮できることを示せるはずです。無理にすべての問題を解く必要はなく、作業量を安定させることを意識しましょう。
クレペリン検査の結果は、選考通過後の面接にも影響します。「一次面接と適性検査に関係はある?検査の内容や受検に向けた対策を解説!」では面接と適性検査の関係性を解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
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クレペリン検査を受検する際の注意点
クレペリン検査を受検する際の注意点をまとめました。受検当日の準備や心構えなどに関して、以下の内容も理解しておきましょう。
消しゴムは使用しない
解答の間違いに対して消しゴムは使わないようにしてください。消しゴムの使用が禁止されているわけではありませんが、解答を消して書き直していると時間がもったいないです。
・誤答は気にせず次の問題に取り組む
・間違いが気になる場合はバツ印をつけて次の問題に進む
誤答に対しては上記のような対応をして、安定した作業量の確保を優先させましょう。検査中は問題を解く手が止まらないよう、解答し続けることを意識してください。
筆記用具は複数用意しておく
クレペリン検査の解答に使用する筆記用具は、複数本用意しておきましょう。
鉛筆の芯が折れたり、シャープペンシルの芯がなくなったりするなどの事態が起きるかもしれません。予期せぬトラブルは集中力が切れる原因になります。その結果、思うような解答ができなくなる可能性も高まるでしょう。
集中力を切らす事態を避けるために、筆記用具はしっかりと準備しておいてください。
行を飛ばしてしまっても戻らない
クレペリン検査を受けている途中で計算する行を誤って飛ばした場合は、戻らずにそのまま続けましょう。飛ばした行をあとから解答すると計測順が前後してしまい、正確な作業曲線が出なくなるため注意が必要です。
検査用紙には解答する以上の行数が用意されており、1、2行飛ばしても結果に大きな影響はありません。行を飛ばすと焦るかもしれませんが、そのまま解答を続けましょう。
練習し過ぎない
クレペリン検査には理想とされる定型曲線があるものの、練習や対策をし過ぎて、自身の作業曲線を操作するような解答をしないようにしてください。
受検者には一定の似た傾向が見られるものの、意識し過ぎるとむしろ不自然な検査結果になりかねません。練習を繰り返した結果、作業量が増え過ぎるのも逆効果と言われています。
本来の能力や性格的特徴が自然と評価・判定されるよう、練習し過ぎないようにしましょう。
検査結果が良好でも不合格になることもある
クレペリン検査に限った話ではありませんが、自分のなかで手応えがあったとしても不合格になることもあります。
クレペリン検査を通じて判定されるのは、受検者が持つ能力や性格的な特徴です。仮に検査で不合格になったとしても、判定結果と企業が求める人物像がマッチしなかっただけで、人間性が否定されるものではありません。
そもそも、クレペリン検査で受検者の性格がすべて判定できるわけではないため、不合格だったとしても極度に落ち込まないようにしましょう。
クレペリン検査を含めた筆記試験対策については、「就活の筆記試験で落ちる人の特徴は?テスト対策でボロボロの結果を防ごう」も参考にしてください。
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クレペリン検査の練習をしても就活が不安なあなたへ
クレペリン検査はさまざまな適性検査の一つであり、対策を施してもすべての検査を網羅できるわけではありません。内定獲得には適性検査対策だけでなく、応募書類や面接対策も重要です。
就活の準備は多岐にわたるため、このままで本当に大丈夫なのかと悩む人も多いでしょう。クレペリン検査の練習をしても就活に不安を感じる人は、就活エージェントのキャリアチケットに相談してください。
キャリアチケットでは、各種適性検査の対策はもちろん、ES添削や面接対策など就活全体のサポートを行っています。内定を獲得するには、就活を効率良く進めることが大切です。就活に漠然とした不安を感じている人は、ぜひキャリアチケットを活用してみてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。