このページのまとめ
- 玉手箱は、制限時間が厳しく問題数が多いため十分な対策が重要
- 玉手箱では各教科1つの問題形式しか出題されないので、対策するとコツを掴みやすい
- 効果的な対策方法は「繰り返し問題を解く」「解き方や制限時間に慣れる」こと
玉手箱はSPIと並ぶシェア率の高い適性検査ですが、対策の仕方に頭を抱える就活生は多いでしょう。悩む理由には、「問題の特徴や形式が掴めない」「難しそうなイメージで漠然と不安」などがあるようです。自信がない方は、この記事を読んで玉手箱の具体的な出題内容や特徴を確認してみましょう。実践的な対策方法もご紹介するので、ぜひお役立てください。
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玉手箱は対策が必要
玉手箱は、日本エス・エイチ・エル株式会社が取り扱っている総合適性テストです。同社は、CAB・GABといった適性テストも扱っており、玉手箱でもCAB・GABと同じ問題形式が出題される可能性があります。企業は採用試験に玉手箱を導入することで、応募者の基本的な学力を測り、自社とのマッチ度を判断しています。金融業界や総合商社、自動車会社など幅広い企業で実施されており、合格点は企業によって差があるようです。
玉手箱の受検方法
玉手箱の受検方法は、自宅や学校のネット環境が整ったパソコンから受検をする「Webテスト方式」です。計算問題では電卓の使用が可能です。玉手箱の出題内容
玉手箱は、「能力テスト」と「性格適性検査」の2つから構成されています。能力テストは、「計数」「言語」「英語」の3つの教科があります。性格適性検査は、受検者の価値観や思考といった人間性を判断する質問が出題されます。玉手箱は、「教科ごとに制限時間が設けられている」「企業によって出題形式が異なる」という点が特徴です。
対策が必要な3つの理由
玉手箱は問題数が多いうえに制限時間が設けられているため、十分に対策を行っておくことが重要です。この項目では、玉手箱の対策をするべき理由について説明します。1.時間制限がシビアであるため
玉手箱は、落ち着いてスピーディーに解答する必要があり、あらかじめ玉手箱の問題形式に慣れておくことが重要です。玉手箱の問題は、1問あたり2~3分程度で回答するのが基本。中には、1問に対して1分程度で答えなければならない問題もあるため、ほかの適性検査と比較してシビアだといえるでしょう。2.受検者によって出題される問題が異なるため
玉手箱は受ける人によって出題内容が異なるため、事前にテスト全体の概要を押さえておくことが重要です。受ける企業が同じであっても、受検者によって出題内容が異なる傾向があります。そのため、すでにテストを受けた人から「玉手箱はこのような問題が出た」という話を鵜呑みにし、特定の出題内容の対策に絞ってしまうと、「聞いていた問題が出ない」といった状況になりかねません。出題内容のすべてにおいて対策が必要だといえるでしょう。3.1つでも理解できていない分野があると点数が取れないため
玉手箱は、1つの分野において1種類の問題形式しか出題されません。そのため、特定の苦手科目が出題された場合、全体的に低い点数になってしまう可能性があります。以下が問題の分野と種類ですが、たとえば計数の分野の1問目が四則計算だった場合、そのあとの49問は全て四則計算が出題される、という流れです。
【言語】
・論理的読解/GAB形式 (32問/15分または52問/25分)
・趣旨判定/IMAGES形式 (32問/10分)
・趣旨把握 (10問/12分)
【計数】
・四則計算 (50問/9分)
・図表の読み取り (29問/15分または40問/35分)
・表の空欄の推測 (20問/20分または35問/35分)
【英語】
・論理的読解/GAB形式 (24問/10分)
・長文読解/IMAGES形式 (24問/10分)
通常のテストの場合、一見してわからない問題があれば、飛ばしてほかのジャンルで点数を上げることを考えるでしょう。しかし、玉手箱ではどれだけ飛ばしても同じような設問が続くため、目の前にある問題形式の解き方を理解しなければ、いつまでも解答できない恐れがあります。
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玉手箱はどのような問題が出る?
玉手箱は、言語と計数が3種類ずつ、英語が2種類という全8種類で構成されています。この項目では、玉手箱の出題内容や制限時間についてご紹介します。問題数や制限時間は、企業によって異なる場合があるので注意しましょう。言語理解
言語は長文を読んで解答するもので、主に国語の能力を判断する問題です。「論理的読解(GAP形式)」「趣旨判定(IMAGES形式)」「論旨把握」の3つのうちどれか1つが出題されます。論理的読解(GAP形式)
600字程度の長文を読み解き、選択肢の中から正しいと思うものを選んで解答するもの。本文に対する設問文の内容が、正しいか、間違っているか、判別できないかを判断するという形式の問題です。制限時間が15分で、8つの長文中、各4つの問題があり全32問。または、制限時間25分、13の長文に、各4つの設問で全52問が出題されます。解答時間は、1つの長文に対しておおよそ1~2分程度です。
趣旨判定(IMAGES形式)
400~600字程度の長文が出され、それに対する設問文が趣旨として正しいかどうかを選択肢の中から選ぶ問題です。論理的読解と同様、8つの長文で各4つの設問、全32問という構成です。しかし、制限時間は10分と短めなので、1つの長文に対して1分30秒前後しか時間を掛けられず、迅速に解答することが求められます。論旨把握
1000字程度の長文を読み、4つの選択肢の中から解答を選ぶ問題形式です。設問数は10問で、制限時間は12分となっています。1問に対して、1分程度で解答しなければならないため、文章を素早く読み理解する力が求められるでしょう。計数理解
計数は「四則逆算」「図表の読み取り」「表の空欄の推測」の3種類の問題形式で構成されています。電卓が使えるので、あらかじめ用意しておきましょう。四則計算
式の一部に空欄があり、方程式を完成させるという内容です。全50問で、制限時間は9分。1問あたり10秒程度で解答しなければ間に合わないので、事前に出題形式に慣れておきましょう。図表の読み取り
表やグラフなどの図表を読み取って法則を見つけ、設問に答える問題です。計算する桁の数が多いのが特徴。全29問で、制限時間は15分、または全40問、35分です。表の空欄の推測
図表に空白があり、表に記入されているほかの数値から法則を読み取って、空白に当てはまる数字を解答する問題です。全20問で、制限時間20分、または全35問、35分となっています。英語理解
英語は主に長文問題で構成され、単語の出題は基本的にありません。言語の「英語版」と考えておくと良いでしょう。中高生レベルの基礎的な英語力が試されます。論理的読解(GAP形式)
文章を読み、選択肢の中から適切だと思うものを答える形式です。言語の論理的読解と同様に、正しいか、間違っているか、判別できないかを解答。問題数は、8長文あり、各3つの設問、全24問あります。制限時間は10分です。長文読解(IMAGES形式)
長文を読み、正しい選択肢を答える形式になります。1つの長文に対して3問あり、全24問。制限時間は10分です。英語の長文を読み解く力が求められます。性格適性検査
性格テストは選択肢の中から自身の考えに合うものを選ぶ形式になります。質問の数は68問程度で制限時間は20分。選択肢の数は2択や3択、4択など企業によって異なるようです。性格テストの結果は、「社風に合っているか」「入社後に活躍できる人材か」の判断材料にされます。具体的な出題形式は、以下のとおりです。
行動特性
考えることに苦手意識があるか、物事に継続的に取り組めるかどうかといった点を判断する項目です。意欲
目的に向かって活動するための意欲、物事に取り組む意欲そのものをチェックする項目です。情緒
自身の気持ちをコントロールできるか否かを確認するもの。メンタル面や特性に関して問われることが多い項目になります。ライスケール
嘘をついているかどうかをチェックする項目。「自身を良く見せよう」「嫌な部分をはぐらかそう」という思考の強さを判断するものです。また、ライスケールは表現を変えて似たような質問が何度か出されます。「答えに一貫性があるか」という点を見極める目的があるようです。
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効果的な対策方法
効果的な対策方法は人によって違いますが、多くの企業が選考をスタートする前に余裕を持って対策をしておけると良いですね。これまで見てきた玉手箱の特徴と出題内容を踏まえて、効果的な対策方法を3つご紹介します。制限時間から事前に出題分野を予想しておく
企業によって制限時間が異なる可能性はありますが、テスト開始前の画面に表示される制限時間から、出題内容を推測できます。たとえば、表示が「言語12分」だった場合、言語の制限時間が12分のものは「趣旨把握」なので、言語は「趣旨把握」が出題されると予測できるでしょう。英語理解テストの場合、長文読解と論理的読解のどちらも制限時間が10分となっており、予測はできないので留意しておいてください。対策本を繰り返し解き問題形式に慣れる
対策本の例題を何度も繰り返し解き、問題形式に慣ておくと、よりスピーディーに解答できるようになります。また、玉手箱は過去に出た問題から、数字のみを変えたものが出題されることもあるので、過去問に取り組むこともおすすめです。過去問を解き続けていけば、問題の傾向や解き方のコツを掴みやすくなるでしょう。対策本や問題集は市販で購入できます。何冊か買って繰り返し解くと良いでしょう。また、過去問の練習は、Webサイト上やアプリで行えるものもあります。自身に合った方法を探し、実践しましょう。電卓とメモ用紙の使用に慣れておく
計数の問題は電卓とメモ用紙が必要な項目があるため、日ごろから使用しておくとスムーズです。
電卓は使い方に慣れていないと、本番で操作が上手くいかずに焦ってしまうため、練習と本番で同じ電卓を使うこともポイント。ひと口に電卓といっても、ボタンの大きさやキーのプッシュ感、機能などは異なります。自分が使いやすい電卓を選び、当日までに馴染んでおくと良いでしょう。
また、練習でもメモを取るように意識することも大切です。「練習では必要ないから」と使わずにいると、本番で必要になった際、「メモに集中しすぎて時間をオーバーしてしまった」というミスを避けられるでしょう。
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試験本番に気を付けること
わからない問題に時間をかけすぎない
試験の本番でどうしてもわからない問題が出てきたら、迷わず飛ばしてしまうのも有効な手段です。玉手箱は、誤謬率(ごびゅうりつ:解答した問題のうち、間違えた問題の割合)を測定していないため、わからない問題に時間を割くより1問でも多く正しく解答することが大切です。性格適性検査では嘘をつかない
性格適性検査で嘘の回答をすると、内容に一貫性がなく矛盾が生じてしまうことから、評価が下がってしまう恐れがあります。就活生から「企業の求める人物像に合わせて回答したほうが良いでしょうか」という質問をよく受けますが、そもそも適性検査は企業側が自分を「求めている人物」かどうか判断するためのものです。あまりにも自分自身とかけ離れた回答をしてしまうと、適性検査の結果と面接での印象を比較して違和感を持たれてしまう場合もあります。「勤勉性」と「情緒安定性」を高く見せると好印象だとも言われていますが、性格適性検査ではなるべく嘘はつかず正直に回答したほうが良いでしょう。▼関連記事
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本記事の執筆者
藤岡亜里沙(ふじおかありさ)
プロフィール概要:大学時代は、起業を目指す学生向けのビジネスコンテストの運営や、体育会の広報として各部活の活躍を学内外に発信する活動を行っていました。現在はキャリアチケットのキャリアアドバイザーとして、年間で800人以上の就活生の悩みを聞いて、1人ひとりに合った就活のサポートをしています。
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