このページのまとめ
- 就活の作文では仕事に対する姿勢や人柄、価値観を見られている
- 就活の作文では「企業理念や社風と合致するかどうか」を判断されている
- 就活の作文は、「序論」「本論」「結論」という流れで書く
就活の際、企業によっては作文試験を受ける場合があります。しかし、「作文に自信がない…」という就活生もいるでしょう。作文試験で高評価を得るには、企業側の意図や作文の基本のルール、基本構成などを知っておく必要があります。このコラムでは、企業が作文試験でチェックするポイントや作文を書く際の注意点のほか、文章力を上げる方法もご紹介。このコラムを読んで対策を行い、自信を持って作文試験に臨みましょう。
- 就活の作文では何を見られている?
- 仕事に対する姿勢
- 人柄や価値観
- 企業理念や社風と合致するかどうか
- 就活の作文の書き方
- 最初に内容を箇条書きする
- 文字数指定に対し、8割以上を埋める内容を意識する
- その企業が「なぜこの設問を挙げたのか」を考える
- 「結論」から述べ、「根拠となるエピソード」をセットで伝える
- 就活の作文の例文
- 作文の基本構成
- 序論
- 本論
- 結論
- 就活の作文を書くときの注意点
- 字数制限を守る
- 文体を統一する
- 丁寧な字で書く
- 題名と本文の内容を一致させる
- 一文はなるべく短くする
- 段落を分ける
- 誤字脱字に注意する
- 主語と述語のねじれに注意する
- 作文力をつける方法
- 本や新聞を読む
- テーマに沿って書いてみる
- 第三者に添削してもらう
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就活の作文では何を見られている?
新卒の採用試験で作文試験を課せられることがあります。企業が、作文によって「就活生の何を知りたいのか」は、設定された「作文のテーマ」を見るとだいたい分かるでしょう。作文のテーマは「仕事に関するもの」と「自分自身の経験に関するもの」の2種類に大別でき、それぞれ以下のような意図があります。
仕事に対する姿勢
仕事に関するテーマでは、「仕事に対しての意欲を測る」「将来のビジョンを知るため」といった意図があります。よくあるテーマとしては以下のようなもです。
・10年後の自分
・入社後にチャレンジしたいこと
・将来の夢
・働くとは
企業は、仕事に対する姿勢を見ることで、「入社後のビジョンを明確に持っているか」や「入社後にどのように活躍してくれそうか」を判断しています。
人柄や価値観
自身の経験に関するテーマでは、「性格や人となりを見極める」「価値観や考え方を測る」といった意図があります。よくあるテーマとしては以下のようなもです。
・これまでに頑張ったこと
・これまでの生活で一番感動したこと
・学生生活で得たこと
・学生生活で苦労したこと
企業は、就活生の人柄や価値観を見ることで、「社風に合う性格かどうか」や「価値観が企業に合致するか」を判断しています。
企業理念や社風と合致するかどうか
企業は、入社後のミスマッチを避けたいものです。そのために、就活生の意欲や姿勢、人柄、価値観を作文選考で見極めます。企業研究を入念にし、企業理念や社風をしっかり理解して、回答を考えることが重要になるでしょう。
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就活の作文の書き方
就活時に作文試験を受ける際は、以下のコツを押さえておくと、読みやすくまとまった文章が書けるようになります。
最初に内容を箇条書きする
試験が始まったら、まずはテーマに沿ってどのような内容を書くか箇条書きしましょう。試験開始後にいきなり文章を書き始めると、「途中まで書いたけど何を伝えたいのか分からなくなってしまった…」といった問題が起こりかねません。エントリーシートの回答欄には、文字数制限があるものなので、相手の知りたいこととズレている内容に文字数を割くのは、非常にもったいないものです。作文を通してアピールしたいことや、伝えたいエピソード、自分の考えなどを書き出し、それらを基に文章構成を考えると、書きやすくなります。
文字数指定に対し、8割以上を埋める内容を意識する
それぞれの設問では、「400文字程度」「300文字程度」など、回答欄に書く文字数が指定されている傾向にあります。これに対し、「文字数が少ないと、評価が下がるかもしれない」と考えている学生も少なくはないでしょう。しかし、企業が設問に対する文字数を指定するのは、「そのボリュームで伝えられる程度の要素は知りたい」と考えているからです。また、「30文字以内」など、非常に少ない文字数を指定する企業もありますが、これは「端的に結論のみを書いてほしい。余計な要素は必要ない」と考えているからといえるでしょう。文字数指定には企業の意図があるので、作文をする際には、8割以上を埋める内容とする意識を持ち、「どんな要素を入れるのか」を考えることが大事です。
その企業が「なぜこの設問を挙げたのか」を考える
設問に対し、「何を書けばいいのか。自分のどんな部分を伝えればいいのか」と悩んでしまう場合もあります。どんなことを書けば良いか分からないと思ったら、その企業が「なぜこの設問を挙げたのか」という背景を考えてみましょう。企業理念をはじめ、企業文化や求める人物像、活躍している人材など、企業研究で理解したことを踏まえた上で、自分なりに「どういう人材を求めているのか」を想定してみることがポイントです。チームの中で協調性をもって取り組む人材を求めている企業もあれば、真面目で勤勉な人材を求めている企業や、積極的に周りを巻き込む人材が活躍している企業もあります。活躍するイメージにつながるように書くといいでしょう。
「結論」から述べ、「根拠となるエピソード」をセットで伝える
作文をする際には、結論から述べる書き方を意識しましょう。最初に結論を明確にすることで、何を伝えたいのかがわかりやすくなります。「志望動機」などを問う設問で、結論を1つに絞れない場合は、「志望動機は3点ある」などと最初に述べてから、それぞれについて書くといいでしょう。また、結論に対し、根拠となるエピソードをセットにして伝えることもポイントです。その結論を出した理由や背景について説得力を増すためには、根拠となる具体的なエピソードをしっかり書くことが大事です。
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就活の作文の例文
ここでは、「学生時代に力を入れたこと」をテーマにした作文の例をご紹介します。
【三年間続けた居酒屋のアルバイト】 私が学生時代に頑張ったことは、三年間続けた居酒屋のアルバイトでお客様アンケート1位を獲得したことです。もともとアルバイトを始めたときからお客様アンケートで1位を獲得したいと思い、目標にしていました。1位になるためには、課題として、アンケートの回答する数が少ないこと、また回答していてもスタッフの名前がないことがあげられました。その課題に対して、2つ原因があると考えました。1つ目に、アンケートは机に置いてあるだけで答えてもらう行動をしていないこと。2つ目に、アンケートに答えてもらうために名前を覚えてもらうような接客ができていないこと。なのでこの2つを解決するために、主に2つの行動をしました。1つ目に、お客様さまが着席したあと、メニューと一緒にアンケートを渡して声掛けとチェックを徹底しました。お会計時にもお客さまへの声掛けを必ずしました。2つ目に、お客さまが着席した段階で自己紹介をしたり、料理を運ぶ際に、長く会話ができるものは名前を名乗ったりするようにしました。その結果、施策後はアンケートの回答率が約3倍になり、見事店舗で1位を獲得できました。この経験を通して「相手の言動を考えて、準備をしっかりすることの重要性」を学びました。
この作文では、エピソードを書く際に、「以前はこうだったが、自分がこんな行動をしたことで、こう変化した」など、前後の状況を比較することで、事実として結果を出していることが伝わりやすくなっています。また、「施策後はアンケート回答率が約3倍になった」というように、具体的な数字で客観的な成果を伝えているので、より説得力が増すでしょう。
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作文の基本構成
作文は、「序論」「本論」「結論」という流れで書きます。それぞれの項目についてポイントを確認しましょう。
序論
序論では、作文で伝えたいことの概要を記述します。冒頭で話の結論を言い切ってしまってもOKです。読み手の興味・関心を引くためには最初の一文が重要だといわれているので、読み手が「この先を読んでみたい」と思えるような文章になるよう工夫しましょう。
本論
本論では、序論で述べた内容について詳しく説明します。序論で結論を述べている場合はその根拠を詳しく。具体的なエピソードと自分の意見を織り交ぜて書きましょう。
結論
本論で述べた内容をまとめて、結論を出します。序論で結論を述べた場合は、本論の内容を踏まえて改めて再掲示しましょう。テーマに対する自分の回答を述べて結論づけるようにすると、まとまりやすくなります。
TOEICの点数を半年間で400点上げたこと
【序論】 私が学生時代に頑張ったことは、TOEICの点数を半年間で400点上げたことです。それは、大学1年生の時に、英語の理解を深め、海外に行った際に英語に困りたくないと考えたためです。
【本論】 はじめはそこまで問題なく点数が伸びていましたが、勉強をしているなかで、点数が伸び悩む時期がありました。その課題として、苦手分野の点数を上げるために時間を割けていないこと・実践的な英語を使えていないことだと考えました。課題の原因として2つあり、自分自身の得意になっている部分も勉強していることと、学校以外の交流がかなり少ないことが挙げられました。2つの課題を解決するために、時間配分を変更して苦手分野を重点的に勉強をすることと、留学生を受け入れてくれるインターンへの参加を実行しました。インターンでは、学校終わりに週3で4時間程度活動しました。
【結論】 そうしたところ、点数が伸び、1ヶ月50点しか伸びなかった点数が2倍取れるようになり、さらに学校の人が話す英語よりネイティブな英語も話せる・聞けるようになりました。このことから、限られた時間の中で何を優先すべきかを考え、計画することが大切だと学びました。
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就活の作文を書くときの注意点
就活の作文試験では、内容だけではなく、基本的なルールを守って記述できているかといった点もチェックされるでしょう。魅力的な内容を書けていたとしても、ルールが守られていなければ評価が下がってしまう可能性もあります。作文試験でより良い評価を得るためにも、下記にご紹介する基本のルールを確認しましょう。
文字数制限を守る
「1000字以内」といったように文字数制限がある場合は、その文字数を1文字も超えないように書くのがルールです。文章量の目安は、指定文字数の8割以上といわれているので、1000字であれば800字、500字であれば400字程度を最低ラインととらえ、目標にすると良いでしょう。
文体を統一する
文体を指定されていなければ「です・ます調」と「である・だ調」のどちらでも良いとされています。ただし、文章内では必ずどちらかに統一するようにしましょう。
丁寧な字で書く
字に自信がないので不安…という人も、大切なのは「丁寧に書く」ことです。雑に書くと「仕事に対する姿勢もいい加減なのでは」と悪い印象を与える恐れがあるので、丁寧に書くことを心がけてください。
題名と本文の内容を一致させる
題名と本文にギャップがあると、「この作文で何を伝えたいのかが分からない」と思われてしまいます。先に本文を書き、後からタイトルを付けると、本文とのミスマッチも減るのでおすすめです。
一文はなるべく短くする
作文試験では、中身と同様に読みやすさも大切な要素です。一文を短くすることを心がけ、長くなってしまったときは、2つの文に分けられるか見直しましょう。
段落を分ける
場面や話の内容が変わるときは、新しい段落にすると読みやすくなります。段落を分けるときは、文頭を1文字空けることを忘れないでください。
誤字脱字に注意する
誤字脱字が多いと、「注意力が足りない」「仕事でもミスが多いのでは」と悪い印象を与えかねません。書き終わった後は必ず見直しをして、ケアレスミスをなくしましょう。
主語と述語のねじれに注意する
読み直してみて分かりにくい文章は、主語と述語の関係がおかしい「ねじれ文」である可能性があります。たとえば、「私の目標は、本を毎日読みます」という表現は、「目標は」という主語に対して「読みます」という述語が続き、意味が通らなくなる「ねじれ文」です。正しくは、「私の目標は、本を毎日読むことです」となります。「ねじれ文」は、長い文章で起こりやすいので、一文を短くする、見直しをするといったことを心がけましょう。
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作文力をつける方法
作文が苦手な人、作文試験を重視する業界を志望する人は、志望企業の過去問やよく出るテーマで練習することをおすすめします。その他の作文力を身につける方法は下記の通りです。
本や新聞を読む
本や新聞を継続的に読むことにより、語彙や表現を増やせるでしょう。電車の移動時間などを有効活用し、積極的に文章に触れてください。また、社会問題をテーマにする企業もあります。時事問題を新聞で読み、自分の意見をまとめておくと、試験の際に役立つでしょう。
テーマに沿って書いてみる
読書などで表現力をつけたら、テーマと時間を設定し、書く練習をすることが大切です。テーマは、志望企業の過去の出題例を参考にすることをおすすめします。過去問を見ることで、企業が作文から何を見ているか、どのようなことを伝えるべきかが分かるはずです。
第三者に添削してもらう
家族や友人、大学のキャリアサポートセンターの人などの第三者に読んでもらい、添削をお願いしましょう。自分では気づけなかった改善点が見つかることがあります。
本記事の執筆者
飯田有香(いいだ ゆうか)
新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、「キャリアチケット」でキャリアカウンセラーをしながら、今までに200人以上の学生の就職先を支援。最近は、YouTubeチャンネル「就活トーク」の企画・出演などをしている。
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