ロジカルシンキングとは?就活に役立つ効果的なトレーニング方法

このページのまとめ

  • ロジカルシンキングとは物事に対し道筋を立て、矛盾がないよう結論を出す考え方のこと
  • 面接で的確な受け答えができたり書類で自分を端的にアピールできたりと、就活で役立つ
  • ロジカルシンキングは、「MECE」と「So what?」「Why so?」が基本的な考え方
  • ロジカルシンキングは、「帰納法」と「演繹法」の2つの手法がある
  • 「具体的な言葉にする」や「なぜ?」を繰り返すなどのトレーニング方法がある

ロジカルシンキングとは、ビジネスパーソンにとって欠かせない能力ですが、就活生にとっても重要なスキルであります。しかし、ロジカルシンキングとは何かを知らない方もいるでしょう。このコラムでは、ロジカルシンキングの基本的な考え方や、身につけることで得られるメリット、就活で活用するコツ、練習方法などをご紹介します。ロジカルシンキングを習得し、選考で問題解決能力の高さをアピールできるようになりましょう。

 

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ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングは、「物事を分かりやすく結論付ける」能力のことです。ロジカルシンキングは「論理的思考力」と訳すことができ、物事に対して道筋を立てて矛盾がないよう結論を出す考え方を示しています。
複雑な内容を整理・分解して分かりやすい結論を出したり、物事の因果関係を明らかにして問題の解決策を導き出したりするときに活用できるのが、ロジカルシンキングの特徴。これができることで「問題解決能力が高い」と評価されることもあります。

就活で必要?

ロジカルシンキングはビジネスパーソンにとって必要なスキルのため、習得すると、面接で的確に受け答えができたり、履歴書やエントリーシートといった限られたスペースで自分を端的にアピールしたりすることが可能になります。
また、コンサル系や外資系の選考ではロジカルシンキングを問われることが多いので、これらの業界を志望する場合は必ず身につけておきたい能力です。

 

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ロジカルシンキングによる効果

ここでは、ロジカルシンキングを身につけることで得られる具体的なメリットをご紹介します。

説得力のある話し方ができる

ロジカルシンキングを身につけていると、道筋の立った説明や分かりやすい結論を示すことができるので「相手に伝わりやすい会話」が成り立ちます。主張に矛盾が生じないだけでなく、それらを裏付ける背景や根拠が明らかになるため、説得力のある話し方を習得できるでしょう。
就活では、面接での受け答えはもちろん、自己PRや志望動機といった文章でも活かせます。

問題の分析力と解決力が上がる

ロジカルシンキングは、複雑な課題や問題に直面したときに役立つでしょう。問題を論理的に分析すると、その原因や因果関係を明確にして解決策を見つけられるのです。
また、ただ話し合いをしたり考えたりするよりも、解決までの時間を短縮できる点もメリットといえます。

フレームワークにより生産性が上がる

ロジカルシンキングは、再現性を高めることができるので、仕事の生産性が上がります。フレームワークを使うことで、無駄な思考や動作を省くことが可能になるのです。感性に頼ってしまうと、同じ思考の工程を辿ることが難しくなり、再現性が低くなることで生産性も下がるでしょう。
また、振り返りの際に問題点を見つけやすく、失敗から学ぶこともしやすくなるでしょう。

情報の真意が見抜けるようになる

ロジカルシンキングを習得していれば、正しい情報を元にロジックを積み重ねられるようになります。これを行うと、膨大な情報のなかから正しいポイントを選び出すことも可能です。結果、その情報が正しいかどうかを判断でき、情報に踊らされることも少なくなるでしょう。
ただし、「情報の真意を見抜く」場合は、最初に組み立てるロジックが正しい情報であることが前提となります。誤った情報を基にしてしまうと、その後に組み立てるロジックも誤ったものになってしまうため、導き出す結論も間違っている…ということになりかねません。
ロジカルシンキングを十分に身につけていない場合は、組み立てるロジックに矛盾や誤りがないかしっかりと確認しながら行う必要があるでしょう。

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ロジカルシンキングの基本思考

ここでは、ロジカルシンキングの基本的な考え方をご紹介します。

1.MECE(ミーシー)

ロジカルシンキングを身につけるうえで欠かせないのが「MECE(ミーシー)」です。Mutually(互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体的に)、Exhaustive(漏れなく)の頭文字を合わせた言葉で、「漏れがなく、重複もない」という意味になります。解決すべき課題に対して、どのようなアプローチをすれば良いかを明らかにするための基本的な手法です。
ロジカルシンキングを行うときは、まず全体像を把握して解決に向けた項目を洗い出します。その後、それぞれが「MECE」になっているかを確認し、漏れがあれば項目を足し、重複があれば関連性が高い項目以外を削除。結果、優先すべき項目が明らかになって分かりやすい道筋を立てられるのです。
また、大きな見落としや同じことを考える必要がなくなるので、効率よく問題を解決できるでしょう。

2.So what?/Why so?

「So what?/Why so?」とは、「なにが言いたいのか(つまり?)」「なぜそうなるのか(なぜ?)」を示しており、これらを繰り返すことでより掘り下げた思考を得られます。
「MECE」で項目を洗い出し、「So what?」と「Why so?」でさらに深掘りするなど、併用することでより効率的なロジカルシンキングを行えるでしょう。

3.ロジックツリー

ロジックツリーとは、思考過程を木のように組み立てたフレームワークの一つです。
「MECE」で項目を洗い出し、「So what?」と「Why so?」で結論と原因を探り、それらをロジックツリーを使って組み立てていきます。
必要な項目をすべて書き出して作成するため、重要事項の見落としがなくなり、結論の説得力が増したり解決までの時間を短縮したりといった効果が期待できます。

 

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具体的な2つの手法

ここでは、ロジカルシンキングの代表的な手法を2つご紹介しましょう。

1.帰納法(きのうほう)

帰納法とは、実例を複数挙げたうえでその共通点を見つけ、そこから結論を分析するという手法です。
実例は、多ければ多いほど精度が上がります。また、複数人から実例を出さないと偏ったものになってしまうので注意が必要です。
帰納法は、実例そのものに間違いがあった場合は、成り立たなくなるのがデメリットでもあります。

2.演繹法(えんえきほう)

演繹法とは、決められたルールに物事を当てはめて仕分けしていき、結論を出す手法です。考え方の基準となるルールが存在するので、帰納法よりもやりやすい方法でしょう。
ただし、「正しいルールがあること」が前提となるので、ルールがない場合やルールそのものが間違っている場合は、間違った答えにたどり着いてしまうのがデメリットです。

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ロジカルシンキングのトレーニング方法

ロジカルシンキングの基本的な考え方や方法が分かったら、実践を重ねて身につけていきます。
正しい知識や手法が分かっていれば、日常生活のなかでもロジカルシンキングを身につけることが可能なので、以下を参考に鍛えてみましょう。

日常的に「?」を繰り返す

日常生活のなかで起こる小さな問題や疑問に対して「なぜ起きたのか」「なぜそうなったのか」と考える「なぜなぜ分析」がおすすめです。
まず、「なぜそうなったのか」の要因となる要素を見つけ出し、さらにその要因に対しても「なぜ」を繰り返して要因を探し出します。
さらに、解決策に対して「なぜその結果になったのか」と疑問を持つことで、物事を論理的に捉えたり因果関係を明らかにしたりといったロジカルシンキングの基礎を身につけられるでしょう。

具体的な言葉を使う

日常で使っている「あいまいな言葉」を「具体的な言葉」に変えましょう。
たとえば就活の際、面接で「早く御社の力になれるように努力します」のように答える就活生は多いでしょう。しかし、これでは抽象的で伝わりにくくなってしまいます。
「早く」とはいつなのか、「御社の力になる」とはどのようになることか、「努力する」とは何をするのかなどを具体的な言葉にすることが、ロジカルシンキングのトレーニングになるのです。
「入社1年で、御社の売上トップになってみせます。そのために、仕事の本質を理解するように努めます」のように、具体的な言葉に変えることで、熱意が伝わりやすくなるでしょう。
あいまいな言葉が多いと、伝えたいことが正しく伝わりません。具体的な言葉を使い、相手に自分と同じイメージで伝わるよう意識しましょう。

クリティカルシンキングを意識する

クリティカルシンキングとは、物事に対して「本当にこれが正しいのか?」と、批判的に見る考え方のことです。考え方には人それぞれの「癖」があります。自分の「思考の癖」を正すために、クリティカルシンキングを用いるのです。
たとえば、先ほど例に挙げた「入社1年で、御社の売上トップになってみせます。そのために、仕事の本質を理解するように努めます」といった回答。これに対して、「仕事の本質を理解するように努める」ことが、「売上トップにつながるのか?」にと考えるのです。「仕事の本質を理解する」ことも重要ですが、結果に結びつくには飛躍が大きい印象があります。「売上トップになる」といった目標に対し、「そのために1日◯件営業に行く」、「営業先での決定率を上げるために会話力を上げる」、そのためには「言葉に説得力を持たせる」「話を聴くことを大事にする」、そのためには…このように深堀りして考えていくことが、ロジカルシンキングのトレーニングになるのです。

結論から伝え根拠を述べる

ロジカルシンキングは「相手に分かりやすい話し方」「分かりやすい結論」ができる能力です。そのため、話をする際は「物事の結論から伝えるる」のがポイント。先ほど挙げた、「入社1年で、御社の売上トップになってみせます。そのために…」の話し方がその方法です。
結論を述べ、なぜならば…と話すことで相手は話の内容をイメージしやすくなります。そして、根拠を述べると会話の説得力が増すので、日頃から意識してみましょう。

仮説を立てる

問題解決に対して「そのときに考えられる仮説」を常に立てるのが、ロジカルシンキングでは重要です。1つの仮説を立ててそれを検証し、正しいかどうかを判断する…という作業の繰り返しになるため、日常生活でも仮説を立てて検証することを実行してロジカルシンキングを鍛えましょう。
これは、会話のなかでも応用できます。結論を述べ根拠を話し、たとえば…と仮説を立てましょう。その検証と結果を加えることで、根拠の裏付けになります。そうすると、言葉に説得力が出るので、面接や作文試験で使えるでしょう。

ほかにも、考えを紙に書き出してマインドマップを作成したり、反対の立場から物事を考えてみたりするトレーニング方法があります。
就職後の実務でも活用できるため、就活に備えて身につけておくと良いでしょう。

 

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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