モラトリアムとは何か簡単に解説!就活生の不安を解消する5つの方法も紹介

このページのまとめ

  • モラトリアムとは、自分を見つめ直し社会へ出る準備をする大切な猶予期間
  • 就活中のモラトリアムは「やりたいことが不明確」「周りとの比較」などが原因
  • モラトリアム脱却のためには、自己分析や小さな成功体験の積み重ねが重要

「モラトリアムって何?」と気になる就活生もいるでしょう。モラトリアムとは、アイデンティティを確立するための猶予期間のこと。就活中は、焦りを感じるあまり、かえって将来の決断を先延ばしにするモラトリアムに陥ることがあります。

この記事では、モラトリアムの心理学的な意味や就活で行き詰まる原因、現状を脱却するヒントをまとめました。焦りを前向きなエネルギーに変え、納得のいく一歩を踏み出しましょう。

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目 次

モラトリアムとは「大人になるための猶予期間」

モラトリアムとは、心理学の用語で「大人になるための猶予期間」を指します。「自分は何者なのか」というアイデンティティを確立し、納得のいく将来を選択するために欠かせない時間です。

就活中に「本当にこの道で良いのか」と立ち止まってしまうのは、決して後ろ向きなことではありません。むしろ、自分自身と深く向き合い、人生の重要な選択をするために必要なステップといえます。モラトリアムとは何か知り、就活への不安や迷いを前向きに捉えましょう。

心理学者のエリクソンが提唱した定義

モラトリアムは、アメリカの心理学者エリック・エリクソンが提唱した概念です。エリクソンは、人生の成長段階を8つに区分しました。そのなかで、18歳から25歳ごろにあたる「青年期」の最重要課題として挙げたのが、「アイデンティティ(自己同一性)の確立」です。

アイデンティティの確立とは、「自分は何者で、社会でどう生きていくか」という問いへの答えを見つけることを指します。この答えを導き出すため、社会的な義務や責任を一時的に猶予され、試行錯誤が許されている期間が「心理社会的モラトリアム」です。

この期間、私たちは以下のようなサイクルを繰り返しながら、一歩ずつ大人への階段を上っていきます。

心理学者のエリクソンが提唱した定義のイメージ

就活中に「本当にこの企業で良いのか」と悩むのは、まさにアイデンティティを確立しようともがいている証拠です。この足踏みは決して停滞ではなく、社会へ踏み出すために不可欠な「心の準備期間」といえるでしょう。

「モラトリアム人間」の意味や特徴

大人としての責任を負う立場を避け、決断を先延ばししてしまう状態を「モラトリアム人間」と呼ぶことがあります。精神科医の小此木啓吾氏が提唱した言葉で、主に若者に見られる気質を分析したものです。モラトリアム人間の主な特徴として、以下のような傾向が挙げられます。

・決断を先延ばしにする
・周囲に依存する
・失敗を恐れて行動しない
・現実離れした高い理想に固執する

就活においては、「納得できる1社が見つからない」と理由をつけてエントリーを控えたり、経済面で親に頼りきりになったりするケースが典型例です。

ただし、こうした傾向があるからといって、悲観し過ぎる必要はありません。慎重に将来を考える姿勢は、裏を返せば「それだけ真剣に人生を考えている」という健全な成長意欲の表れでもあるからです。

もし、卒業を控えてもなお「もう少し自分を探したい」と感じるなら、就職以外の選択肢を検討するのも一つの手。「大学卒業後に就職しないとどうなる?メリットとデメリット・進路を解説」の記事では、大学卒業後の多様なキャリアの形を紹介しているので、ぜひご一読ください。

政治・経済におけるモラトリアムの意味

モラトリアムという言葉が使われるのは、心理学だけではありません。政治・経済の分野では、主に「支払い猶予」や「一時停止」という意味をもちます。以下は、モラトリアムに関わる言葉の一例です。

・債務モラトリアム:借金の返済を一定期間待ってもらうこと
・AI開発モラトリアム:法整備が整うまでAI開発を一時的に停止すること

就活の場面に置き換えれば、企業の採用活動の一時中断や内定承諾を待ってもらう期間も、広い意味で「モラトリアム」と呼べるでしょう。どの分野においても、「次の一歩を踏み出すための準備としての停止」というニュアンスが含まれています。

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就活中にモラトリアムを感じる主な原因4つ

就活の過程でモラトリアムの状態に陥るケースは珍しくありません。多くの場合、将来への漠然とした不安が引き金となりますが、適切に対処すれば自己理解を深めるための原動力に変わります。まずは、なぜ自分が足踏みをしてしまうのか、原因を客観的に分析してみましょう。

やりたいことが見つからない

「将来のビジョンが描けない」「興味のもてる分野がない」という悩みは、モラトリアムを引き起こす代表的な原因です。周囲が志望動機を語るなかで、自分だけが目標をもてずにいると、焦りを感じるのは無理もありません。

社会経験が限られる就活生にとって、働く自分の姿を具体的にイメージするのは非常に難しい作業です。やりたいことが不明確なままでは、進むべき方向を見失い、決断を先延ばしにしてしまうでしょう。

選択肢が多過ぎて迷いが生じる

現代の就活生は、かつてないほど膨大な選択肢に囲まれています。業界や職種、企業規模に加え、リモートワークの可否や福利厚生など、検討すべき要素が多岐にわたるのが現状です。

選択肢が多過ぎると、かえって決断が難しくなり、身動きが取れなくなってしまいます。「もっと自分に合う企業があるのではないか」という心理が働き、一つの答えに絞り込むことを恐れてしまうのです。

社会に出ることに漠然とした不安がある

学生という守られた立場から、一人の社会人として自立することへの抵抗も、モラトリアムを引き起こす一因といえるでしょう。「組織のなかでうまくやっていけるか」「責任の重い仕事に耐えられるか」と未知の世界を恐れるのは、自然な反応です。

不安が強いと、無意識のうちに学生としてモラトリアム期間に留まろうとする心理が働き、積極的に就活できなくなります。

周りと比較して劣等感を抱く

SNSや会話で友人の内定報告を目にすると、どうしても自分と比べてしまいがちです。「周りは着実に進んでいるのに、自分だけが立ち止まっている」という感覚は、強いストレスや劣等感を生みます。

自信を失うと、「どうせ自分なんて」という諦めから思考が停止し、モラトリアムの状態がより深刻化しかねません。

もし、就活中に「どうしても働きたくない」と感じてしまったら、「【働きたくない理由別】向いてる仕事17選!適職の見つけ方も解説」の記事をヒントに、自分らしい道を探してみてください。

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就活中のモラトリアムを脱却する方法5つ

モラトリアムから抜け出し、納得感をもって社会への一歩を踏み出すためには、思考と行動のバランスを整えることが大切です。ここでは、モラトリアムの状況を打破するための具体的なアクションを5つ紹介します。

自己分析を徹底する

現状を打破する第一歩は、自分自身の価値観を深く掘り下げ、判断の軸を作ることです。「何を大切にして生きたいか」「どのような瞬間にやりがいを感じるか」を明確にすると、進むべき方向が少しずつ見えてきます。

自己分析は、一度の作業で完了するものではありません。就活中に何度も繰り返すことにより、自己分析の精度は上がっていきます。まずは、過去の経験を振り返り、自分の価値観や強みを客観的に整理してみましょう。

自分の軸が定まれば、周囲の声に惑わされることなく、自信をもって企業選びを進められるようになります。

インターンシップやOB・OG訪問に参加する

実際の職場体験や社会人との対話を通じて、働くイメージを具体化することも、モラトリアムの脱却に効果的な手段です。

インターンシップでは、業務を体験することにより、仕事の魅力や厳しさを肌で感じられます。内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書」からも、インターンシップが業界理解や将来設計に大きく寄与していることが見てとれるでしょう。

効果 半日・1日のインターンシップ 5日以上のインターンシップ
業界・職種を理解できた 63.6% 76.5%
仕事の内容を具体的に知ることができた 49.8% 70.0%
企業の雰囲気を理解することができた 45.9% 72.1%
自分の将来設計を考えるのに役立った 25.2% 49.5%
日ごろの学修への意欲が上がった 12.4% 26.8%
専門分野における知識・スキルが身についた 11.3% 27.0%

参照元:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書(p.12)

また、OB・OG訪問を活用すれば、就活時の悩みや入社後のギャップなど、先輩たちのリアルな本音に触れられます。複数の業界で働く人の視点を取り入れると視野が広がり、やりたいことが見つかるきっかけにもなるでしょう。

就活でやるべきことを改めて確認したい人は、「就活とは?基本的な流れやスケジュールとあわせて成功のポイントを解説」の記事をご参照ください。

参照元
内閣府
学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査

完璧を追求するのをやめる

モラトリアム状態が長引く背景には、「絶対に失敗したくない」という強い完璧主義が隠れている場合があります。「最高の1社」を見つけようとし過ぎるあまり、最初の一歩を踏み出せないケースは珍しくありません。

モラトリアムから抜け出すためには、「完璧な選択は存在しない」という事実を受け入れる勇気が必要です。どのような道を選んでも、メリットとデメリットの両方があります。また、キャリアとは入社後に自分自身の努力で正解にしていけるものです。

「とりあえず試してみる」という姿勢をもつと、行動のハードルは下がります。動きながら考えていくアプローチを取り入れ、自分なりの正解を少しずつ形作っていくのが賢明です。

小さな成功体験を積み重ねる

就活中は、大きな目標だけを見つめていると、達成までの道のりに圧倒されてしまいがち。そのため、日々の小さな前進を「成功体験」として意識的に積み重ね、自己肯定感を高めていくのがおすすめです。

具体的には、以下のような小さな目標を達成するたびに、自分自身を肯定してあげましょう。

・企業研究を1日1社ずつ続ける
・エントリーシートを期限内に提出する
・面接準備を予定どおりに終える
・業界のニュースに目を通す

小さな目標達成を積み重ねると、「自分にもできる」という感覚を養えます。成功体験は自信につながり、より大きな挑戦に向かう原動力になるでしょう。

就活から一度離れる時間をもつ

どうしても行き詰まりを感じたときは、あえて就活から距離を置く選択も必要です。常に就活のことばかりを考えていると、思考がネガティブに傾き、適切な判断ができなくなる恐れがあります。以下のような活動で、リフレッシュしてみましょう。

・趣味や興味のある活動に時間を使う
・友人や家族と話し、客観的な意見をもらう
・読書や映画鑑賞で新しい視点に触れる
・旅行や散歩で普段とは違う景色を眺める

これは現実逃避ではなく、次に進むための戦略的な休息です。心身ともにエネルギーを十分にチャージすれば、新たな気持ちで自分の将来と向き合えます。

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モラトリアムを卒業して納得の道へ進みたいあなたへ

周りの内定報告を耳にしたり、自分の進むべき道が見えなかったりすると、焦りや孤独感に押しつぶされそうになるでしょう。一人で悩み続けるほど、思考は堂々巡りになり、動けなくなってしまうものです。

もし、今の状況を前向きに打破したいと感じているなら、キャリアチケット就職エージェントを利用してみませんか?キャリアチケット就職エージェントでは、数多くの学生を支えてきた就活のプロが、マンツーマンであなたをサポートします。

キャリアアドバイザーとの対話を通じて自己分析を深めれば、自分一人では気づけなかった本当の強みや譲れない価値観に気づけるでしょう。さらに、適性や希望を踏まえ、本当にマッチする企業を厳選して紹介することも可能です。

「完璧な一社」を求めて足踏みしてしまうときこそ、客観的な視点を取り入れると、納得感のある一歩を踏み出せます。後悔のない決断へとつなげるために、一度キャリアチケット就職エージェントにご相談ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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