大学卒業後に就職しないとどうなる?メリットとデメリット・進路を解説

このページのまとめ

  • 大学卒業後に就職したくない理由を知り、対処法を考えることが大事
  • 就職しないことで起こるデメリットとメリットを比較して正しい選択をする
  • 「新卒」ステータスの価値を理解したうえで、就職しない場合の進路を考える

大学卒業後に就職しないとどうなる?メリットとデメリット・進路を解説のイメージ

「大学卒業後就職しないという選択肢はありなのか」と疑問に思う大学生も多いでしょう。必ず正社員にならないといけないというわけではないものの、就職をしないことによるデメリットはいくつかあります。

この記事では、就職したくない理由や就職しない場合のメリット・デメリット、就職以外の選択肢をご紹介。気持ちの切り替え方も解説しているので、「後悔しないための行動」を考える際に役立ててみてください。

目 次

大学卒業後に就職しない理由

文部科学省の「令和3年度学校基本調査(確定値)について公表します」によると、令和4年3月の時点で、就活をせずに卒業する大学生の割合は9.4%です。その主な理由は、進学や就職の準備中、家事手伝いなど。

では、就職しないと考えている大学生の理由には、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。考えられる理由をご紹介しますので、自分に当てはまるものがないか確認してみてください。

やりたい仕事が分からない

自分がどのような仕事をしたいか分からない場合に、「就職したくない」と思ってしまうでしょう。

企業に応募する際は、履歴書や面接などの選考において志望動機を伝えることは必須です。自分のやりたい仕事が分からなければ志望動機も作成できず、就職活動へのモチベーションが下がってしまうでしょう。

そもそも働きたくない

企業に就職することはもとより、働くこと自体に魅力を感じない学生もいるようです。たとえば、家族や先輩など身近な人がいつも仕事のことでイライラしていたり、忙しくて大変そうな姿を見たりしていると、「働くこと=苦痛である」というイメージを持ってしまうでしょう。

就活に対する不満がある

「大学卒業後は新卒社員として企業に就職する」という日本の就活システムに嫌悪感を抱いている学生もいます。下記は、就活に対するネガティブなイメージの例です。

・応募書類の細かいルールや書き方が多い
・自分らしさを出せないことが多い
・採用してもらうための立ち振る舞いや形式を重視しなければならない
・不採用続きになると落ち込む

就活をするにあたって、さまざまなマナーを学ばなければならないことは学生にとって負担となることが多いです。

面接のマナーについては「面接マナーを知りたい就活生必見!質問例や持ち物もご紹介」の記事を参考にしてください。
また、「就活することに何の意味があるのか」と思ってしまう学生は「『就活なんて意味ない!』と思うのはなぜ?原因と気持ちを切り替える方法を解説」の記事でその理由を確認してみましょう。

組織に所属することへの不満がある

組織に所属することに抵抗があり、大学卒業後に就職したくないというケースです。一般的に、企業は組織単位で動き、利益を生み出すことが求められます。

「個人が尊重されにくい環境」「企業の経営理念や方針に従わなければならない」といったマイナスイメージを持ってしまう学生もいます。あるいは、団体行動に苦手意識がある学生も同じ理由で「就職しない」選択をとる傾向にあるでしょう。

自由に生きたい

「会社や組織に縛られず自由に生きたい」と願う学生は、大学卒業後に就職したくないと考えてしまうようです。学生のときに比べ、社会人になると一日のほとんどの時間を仕事に費やすことになります。

「自分の時間が確保できないのではないか」と不安に感じると、就職したくなくなってしまうでしょう。

参照元
文部科学省
令和4年度学校基本調査(確定値)について公表します

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大学卒業後に就職しないデメリット

就職しないことで起こるデメリットを解説します。就職しなかった場合のリスクの高さもしっかりと理解しましょう。

収入が安定しにくい

大学卒業後に就職しないと、固定された収入が得にくいというデメリットがあります。

正社員ではなくフリーターやアルバイト、派遣勤務になると、月単位での給料やボーナスを得られる機会も少ないでしょう。生活が安定しないと、将来に向けて貯金をすることも難しい可能性があります。

社会的信用が得にくい

正社員として企業に就職しないと、社会的信用を得ることが難しくなります。

たとえば、クレジットカード作成や住宅・車のローンの申請をする際は、就業先の証明によって社会的信用を得ます。安定した雇用がないと、それらの審査が通らない場合があるのがデメリットです。

福利厚生が受けられない

大学卒業後に企業に所属すると、社会保険や雇用保険、厚生年金など、法で定められた福利厚生を受けられます。

しかし、アルバイトやパートなどの非正規雇用では、そのような福利厚生が受けられない場合が多いです。また、フリーランスや個人事業主の場合は、国民健康保険や国民年金に自分で加入しなければならず、確定申告も自分で行う必要があります。

新卒より就活のハードルが上がる

大学卒業後に就職をしないと、今後就職活動をする際、新卒採用よりもハードルが高くなるのがデメリットです。

ポテンシャル採用である新卒採用枠とは異なり、中途採用枠になると、企業は即戦力を重視するようになります。また、既卒で就活をする際は、高いスキルや実績とともに基本的なビジネスマナーを身につけていることも求められます。

就活のビジネスマナーについて知りたい方は「就活生必見!集団面接でよく聞かれる質問とマナー」の記事も参考にしてみてください。

人脈の幅が広がりにくい

大学卒業後に就職しないと、幅広い人脈を構築することが難しくなります。

組織に所属していればさまざまな立場の人と関わることになりますが、アルバイトやパートなどの場合はその機会が減少するでしょう。フリーランスや起業をする場合は自分から人脈を作っていく必要があります。
また、すでに社会人として働いている同年代の友人と話が合わなくなり、孤独感を抱いてしまうことも考えられます。

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大学卒業後に就職しないメリット

就職しないことによるデメリットは多いことが分かりましたが、メリットもいくつかあります。

自由な時間が増える

企業での就業時間は一日7~8時間+昼休憩が一般的であり、一日の半分以上を拘束されることに苦痛を感じる人も少なくありません。

大学卒業後に就職をしない選択をすると、自由に使える時間が増えるというメリットがあります。大学卒業後、新卒で就職をせず自分の時間をどう使うか考えている学生は「就職したくないと悩んでいる就活生へ!悩みの解消法や対策を解説」の記事も参考にしてみてください。

自分探しの時間ができる

自分と向き合う時間ができるというメリットもあります。正社員として働くようになると、一日のほとんどを仕事に費やすことになります。新人から一人前になることに頭がいっぱいで、自分のやりたいことを考える時間を確保するのは難しいかもしれません。

自分が本当にやりたいことは何なのかを考えるために、就職しないという選択を取る人もいるようです。

人間関係に悩まずに済む

会社で働き始めると社内外でさまざまな人と関わるため、職場での人間関係が良好かそうでないかは、仕事をするうえで重要です。実際、転職理由として「職場の人間関係」が多いのも事実です。

人との関わりに苦手意識がある学生は、就職しないことで人間関係のトラブルに悩む機会が減る、という点にメリットを感じるでしょう。

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大学卒業後に就活を成功させるポイント

「大学卒業後に就職しないという選択をしたけれど再度就活を始めたい」という方に向けて、就活を成功に導くために押さえておくべきポイントを解説します。

1.自己分析をやり直す

就活をするうえで、自己分析は避けて通れない作業です。大学時代に自己分析をした人は再度行い、一度もしたことがない人はすぐに取り掛かりましょう。自己分析をしないと就活の軸や方向性が定まりにくいため、就活が進みにくくなってしまいまいます。

就活の軸の大切さを知るためには、「よく聞く「就活の軸」。何がそんなに大事なの?」の記事を読んでみてください。

2.就活に有利な資格を取得する

就職活動を有利にするためには、資格やスキルを取得することも効果的です。即戦力や実績を重視する既卒枠の就活においておすすめの資格は、以下のとおりです。

・TOEIC(750点以上が望ましい)
・日商簿記検定
・ITパスポート
・MOS
・ファイナンシャルプランナー
・秘書検定

3.就活を最優先に考える

既卒での就活は新卒に比べると難易度が上がるため、就活を成功させたい人は最優先で取り掛かることが重要です。自由な時間がある分、その時間をアルバイトや自分探しに費やす人もいますが、既卒の期間が長くなるほど就職が厳しくなることを覚えておきましょう。

4.就職しなかった理由を考える

就活での面接において、「なぜ新卒で就職しなかったのか」は必ずといって良いほど聞かれます。

ほかの学生が就活している期間何をしていたのか、なぜ今就職活動をしているのか、質問されたときに答えられるようにしておきましょう。資格取得のための勉強や留学など、面接官が納得できる理由を伝えられればアピールになります。

5.就活エージェントを利用する

新卒も既卒も、就活は自分一人だけの力では難しいもの。限界を感じてしまう前に、就活エージェントを利用するのがおすすめです。

就活エージェントに登録をすれば、就活のプロから専門的なアドバイスを受けたり、履歴書の作成や面接対策などのサポートを受けたりできます。既卒者に特化した就活エージェントもあるので、大学卒業後の就職活動を成功させたい方はぜひ登録してみてください。

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就活をしたくないときの対処法

「就職したほうが良いと分かっていても、どうしても就活に抵抗がある」と悩んでいる学生のために、気持ちの切り替え方や考え方をご紹介します。

「新卒」の価値を考える

就活において、「新卒」というステータスは就職に非常に有利です。ポテンシャルが重視され、自分のがんばり次第で志望企業に入社できるチャンスはなかなかありません。

既卒になると企業の目は厳しくなるため、特別なスキルや知識がなければスムーズに就活を進めることは難しくなるでしょう。人生で一度しかない「新卒」という時期の価値の重要さを知り、就職活動をするかしないか、後悔しない選択をしてください。

理想の人生設計を想像してみる

自分が将来どんな人生を送りたいかを考えてみましょう。

たとえば、「同僚や上司から信頼される社会人になりたい」「海外出張をして活躍したい」「仕事とプライベートを充実させたい」などの希望があるとします。そこから逆算し、その理想を叶えるには今どのような行動を取るべきかを考えます。そうすることによって、就職に対するモチベーションが上がるでしょう。

なぜ就活したくないのか原因を突き止める

就活したくないと思う場合は、なぜそう思うのか自分に問いかけてみましょう。嫌だと思う理由が分からないと、その対処法も分からないからです。

就活したくない原因の見つけ方は「就活したくない時はどうする?就職以外の選択肢とモヤモヤの解決策を解説」の記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

新卒で就職できなくても人生は終わらない

就活生のなかには「新卒で就職できなかったら人生終わり」と考えてしまう人もいるかもしれません。就活は人生のターニングポイントではありますが、大学卒業後すぐに就職できなかったとしても、そこで人生が終わるわけではありません。

ネガティブになり過ぎるとかえってうまく進まないので、周りからのプレッシャーに押されず、自分が納得できる就職活動をすることが大切です。それでも悲観的になってしまう学生は「新卒で就職できなかったらどうする?人生終了でない理由と卒業後の選択肢」の記事を読んでみてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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