(※取材は2020年2月17日に行ったものです)
企業研究において、非常に効果的である社員訪問。社員のもとをに訪問し、リアルな仕事の話を聞くことで、働くイメージを具体化することができます。
しかし、「会社訪問の際に何を聞いたらよいのかわからない。」という方や、「地方に住んでいてなかなか希望の会社を訪問できない」という方も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みの解決のための企画、現役女子大生のくつざわさんがさまざまな会社を訪問し、行員さんからお話を伺う「くつざわ企業探訪記」。
今回は前回に引き続き、三井住友銀行の齋藤さまにお話を伺った様子をお届けします。
後編では、社風や他行との差異、三井住友銀行が今後力を入れていきたい領域など、銀行業界に興味がある就活生が知りたい内容をさらに深ぼっていきます。
※前編はこちら
会社訪問する人
くつざわさん
(@kutsuzawa_desu)
20歳の女子大生マーケター。2019年春、Twitterに投稿したシュールなあるあるモノマネ動画をきっかけに3日間で5万人フォロワーが増加。「令和最初のバズ」を起こし、世間からの注目を集める。以降、若者世代の目線と、バズを生み出したSNSマーケティングの知見を活かし、業界を問わず様々な企業への、企画参画を中心に活動。最近の関心事は観光業の盛り上げ。「観光業界がもっと盛り上がる何かをしたいな〜何しようかな〜」と思案中。なお、現在モノマネは中止している。
noteはこちら(https://note.com/kutsuzawa_dayo)
お話を伺った方
齋藤 瞬也(さいとう・しゅんや)さん
2011年に文学部思想文化学科哲学専修課程を卒業、三井住友銀行へ入行し、渋谷法人営業第一部へ配属。大企業を担当する営業担当者として2年勤務し、3年目には関連事業部にて三井住友フィナンシャルグループ全体の経営企画を担当。数千億円を動かす案件を経験する。2016年10月より人事部にて新卒採用担当を務め、現在に至る。
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活躍している若手行員は、吸収し、深く思考し、視野を広げていく
くつざわさん三井住友銀行さんで活躍されている方ってこんな共通項あるよ!みたいなのってありますか? どんな仕事任されているのかとか、仕事に取り組むうえでの考え方とか。
SMBC齋藤さん
就活のタイミングだから、入社5年目〜10年目くらいまでの行員の特徴のほうがイメージしやすいですよね。何だろう。
SMBCで言うと、3~5年目くらいのタイミングで1回目の異動があって、1年から2年くらい働いているくらいの時期ですね。だから2カ店目※に入っている感じですね。
※銀行の拠点の単位。1カ店、2カ店と数える
私で言うと渋谷で2年間働いて、その後グループ会社の経営管理をやっていた時期です。1カ店目の社会人生活は日々新しいことを吸収していく感じだったんですが、2カ店目で1~2年働いているタイミングだと、自分の仕事に没入して深めていくフェーズだと僕は思いますね。
「この領域で僕は一番詳しくなれそう」みたいな領域と出合って、そこを極めていく。そういう状態になっている人が活躍しているかなと思います。
一方で10年目になると、3カ店目の人もいれば2カ店目の人もいて、結構バラバラなんですけど、共通している必要なスキルは、より会社全体的な視点で物事を考える力だと思うんですよね。
5年目は深掘って自分の専門分野を作っていくのに対して、10年目は専門分野を武器にして、視野を会社全体に広げていくフェーズかな。
僕は9年目で今SMBCの新卒採用としてやっていますけど、新入行員として入ってもらった彼らが、後に事業を作っていくわけで。そうなると採用の仕事をする段階で、会社全体の事業計画を知らないといけないですし。加えて、自社の採用や人材だけではなく、ほかのグループ会社の採用状況も知っておかなくてはいけない。自分ならではの視点で視野を広げていったり、全体的な視点を持ったりする人が、活躍しているんじゃないかなと思っています。
くつざわさん
入ってから最初の配属でたくさん吸収して、まずは一人前のビジネスマンになる。1回目の異動で自分の専門領域を見つけて深めて、2回目の異動で自分なりの専門領域を活かしながら全社的な視点を持って働くという感じなんですね。
SMBC齋藤さん
そうですね。10年目になるともう結構ちゃんとした大人ですよね、世の中からすると。 だから視野は広くならないといけないフェーズではあると思うんですよね。
くつざわさん
なるほど。人生経験も豊富で、視野も広い。だから30歳くらいってかっこいいんですね。私個人としては30代が一番どストライクです。みんなわかってくれませんが。
SMBC齋藤さん
好みは人それぞれですからね!(笑)
くつざわさん
すみません、脱線してしまって(笑)。次の質問いかせていただきます。
社員訪問で来たのに、30代の魅力について語るくつざわ。この笑顔である。
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現在銀行では新規事業の積極的展開が進んでいる
くつざわさん
実際に入ってみて、入行前後でギャップってありましたか?
SMBC齋藤さん
ギャップはそんなになかったですね。さっきの話になってしまうんですけど、行員と結構会っていたので。
くつざわさん
いろいろ個性的な人がいらっしゃって。
SMBC齋藤さん
そうですそうです 。結構そのままでした。
う~ん、でもギャップかぁ、なんだろう……。事業の話になるんですけど、僕が入る前後の時期から、事業環境が結構大きく変わり始めたんですよね。
そのあたりから積極的に新規事業や新しいビジネスを創っていこうとしていたので、「あ、銀行でもいろいろチャレンジできるんだ」というのは新しい気づきと言うか、良い意味でギャップはありましたね
くつざわさん
確かにいろんな分野に事業を展開していくイメージはあまりなかったです。
SMBC齋藤さん
そうですよね。銀行にはそのイメージはないじゃないですか。シンプルにお金を集めて、貸すといったイメージが強いですよね。
でも今は、本当にいろいろやっているんです秋田県に農業法人を持っていたり。
くつざわさん
え、農業 ?
SMBC齋藤さん
そうなんですよ、一番意外な例で言うと。 あとは、企業のお客さまと共同して新しい事業を作ったり。ほかにも、ベンチャー企業と一緒にビジネスをやっています。
社内の話だと最近、37歳で子会社の社長になる人が出てきて、どんどんやっていることが変わっているんですよ。これも結構個性的な人が集まっていて、チャレンジできる文化だからこそできているのかなって思うんですよね。
くつざわさん
入行されると、皆さんが対応していくと言うか、順応していくんですかね。
SMBC齋藤さん
あとやっぱり世の中で起こるビジネスや経済の変化の兆しを捉えて自分から変えに行くのがすごく大事かなと。環境変化が起きるのを待ってから動くのだと、どうしてもワンテンポ遅くなってしまうじゃないですか。「時代が変わるんじゃないか」といった兆しを掴んだら、フットワーク軽く動ける人が多い社風ですね。
くつざわさん
感度が高い方が多い。
SMBC齋藤さん
そうですね。1つ前の活躍している人の共通項の話に戻ってしまいますけど、日頃から世の中の動きにアンテナを張っている、感度の高い人は活躍しています。
くつざわさん
そうなんですね。 もうちょっと会社全体の社風とかについてお聞きしたいんですけど、どんな人が多いとか特徴ってありますか?
SMBC齋藤さん
全体的に自己成長意欲が高い人は多いですね。あとは貢献欲……SMBCでは当事者意識ってよく言うんですが、「自分がこの仕事の最終責任者」という気持ちで仕事をやる人は結構多いと思います。
このマインドは、入社してから叩き込まれるんですよ。なので、行員全体として、その意識が身についてるんじゃないかな。なので、自分の意見を持っている人が多いですね。
くつざわさん
ドラマの世界じゃないですけど、自分の意見をバーンと言ったときに、「いやお前は黙って言われたことをしろよ」とか、そういうのはない。
SMBC齋藤さん
ないですね(笑)。上が決めたことだけを下がやるみたいなことはありません。
むしろ今って環境変化が激しいので、誰しも絶対これが正解だ、という答えを持っていない世の中じゃないですか。なので各担当者一人ひとりが自分の考えを持って行動し、決断する。上司は部下の決断に対して、責任を持つ。こういう構造じゃないと企業として上手くいかないです。
くつざわさん
ほぁ〜...…確かにそうですね......。
1つ思ったのが、行員の皆さんが個性的だからこそいろいろな考えがあるわけじゃないですか。その中である程度すり合わせないといけない部分もあると思うんです。そこで、なんか嫌な言い方ですけどギスギスすることががあったら嫌だなってちょっと不安になったんですけど。
SMBC齋藤さん
う~ん、ギスギスした雰囲気は感じたことはないですね。でも、一人ひとりが当事者意識を持って仕事をしているので、もし手を抜いたり、適当な仕事をしたりしたら、周りから突っ込みが入る、といったようなある程度の緊張感はあるかもしれないですね。
意思決定をする際も、みんなで本気で考えて、各々の考えを出し合うじゃないですか。で、「誰主体でやる?」となったときに、一番そのプロジェクトに熱い思いを抱いている人の意見が採用される。そして、その人が責任を持って最後までやり切る気持ちで走るし、もし難しそうだったら周りも同じくらいの責任をもってボールを前に進める。ラグビーみたいなイメージですかね。
くつざわさん
友達から聞いた話ですけど、SMBCは熱い人が多い、みたいな噂を聞いたことあります。
SMBC齋藤さん
それは当たってますね。「責任持って自分がやる!」という熱い人は多いかなと思います。
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「他行との差異は?」「スタンプラリーって本当?」就活生の気になる疑問に赤裸々回答
くつざわさん
せっかくの機会なので、三井住友銀行さんを受ける就活生が気になってそうなこととか、噂とかを聞かせていただいてもよろしいですか?
SMBC齋藤さん
もちろんです! 全然良いですよ。
くつざわさん
ありがとうございます!
これいろんな就活生から何回も聞かれていることだとは思うんですけど、メガバンクの中での違いってどこにあるのでしょうか?
SMBC齋藤さん
正直に言って、「就職活動という場でわかる範囲」において、メガバンクの業務自体はそんなに変わらないと思うんです。もちろん、事業戦略上の差異はありますよ。海外進出先の違いとか、グループ会社ごとの収益の違いとか、細かく見たら違うところとかたくさんあります。でもそれってほとんどの就活生にとって、自分が企業選びをするうえで、最後のポイントになるかって言われたらならないと思うんですよね。
くつざわさん
よっぽどその国やその事業に思い入れがあるとかではない限りあまりないですよね。
SMBC齋藤さん
そうそう。そうなると、やっぱり人の部分が一番大きくて、重要な差異になると思うんですよね。事業戦略は変えようと思えば変えられるんですけど、人とか企業の価値観とか、会社のコアの部分ってそう簡単には変えられないじゃないですか。
だからこそ、どこの雰囲気が自分の価値観と合致するかが大事だと思うんですよね。
くつざわさん
だから行員と会う機会をたくさん作られているんですね。私はまだ就活してないからわからないんですけど、就活生が自分と会社の相性を確認するには、お会いしたときの雰囲気で感じ取ってほうが良いんですか? それとも自分から質問して明らかにしていったほうが良いんですか?
SMBC齋藤さん
そこはどっちでもいいかなと思うんです。雰囲気でもわかるところは結構あると思うので。僕は就活生のときにある会社にOB訪問させてもらって、「ちょっと違うかな」とか、逆に「あ、いいかも」とかの判断は、雰囲気で感じていたんですよね。ヒトは言語で思考する生き物ですから、考え方って言葉に絶対出ると思っています。言葉のちょっとした表現とか、単語の用い方で価値観ってわかると思うんですね 。特に学生さんはその辺敏感だと思うんです。ちょっとした言葉から「イキイキ働いてなさそうだなぁ」というのは感じられるものですよ。
くつざわさん
直接会うことで感じ取れるんですね、そういうの。 文面とかだけでは100%の理解はできないですよね。
SMBC齋藤さん
100%はわからないと思います。
くつざわさん
やっぱり会って話すとありのままの雰囲気がわかるんですね。
あとこれ就活生すごく気になってると思うのが、金融の選考はスタンプラリーだから説明会とかイベントとかは全部参加したほうがいいって聞いたことあるんですけど、それって本当なんですか?
SMBC齋藤さん
でた!!!(笑) これは声を大にして言っておきたいんですけど、少なくともSMBCはセミナーの出席チェックはしていないです! 金融は説明会に行った回数を数えられたりしてるんですか?って結構聞かれるんですけど、絶対に数えないですし、イベントの回数も多いし一人ひとりカウントしてたらキリがないので現実的に考えて不可能です(笑)。
くつざわさん
やっぱ都市伝説なんか......就活怖ぇ〜〜〜!
SMBC齋藤さん
もしかしたら本当にカウントしている会社もあるかもしれないんですけど、うちは少なくともしていないです。なので、授業に行かないで説明会来る学生がいると、大学側にも迷惑かけてしまうので、授業は優先して出てほしいです。
くつざわさん
私もちゃんと大学いかなきゃって思いました……。
SMBC齋藤さん
(笑)。ちゃんと行ってください。
くつざわさん
はいとしか言えない……。
最後になんですけど、就活生に向けてひと言いただけますでしょうか!
SMBC齋藤さん
はい! 締めですね。
就活生の皆さんにお伝えしたいことは、 今、世の中いろんな働き方があるじゃないですか。仕事の種類もたくさん増えています。それこそくつざわさんみたいに、フリーでお仕事されている方もいるわけで。
なので、そのうえで改めて会社に入る意味や、さまざまな業界・業種がある中で、A社、B社を選んで志望する理由というのもしっかり考えなくてはいけなくなってきていると思います。
語弊を恐れずに言うと、昔はお金のために働いていたら良かったのですが、今ってお金は様々な手段で得られる。そのうえで自分の価値をいかに発揮できるか、会社に属するんだったらその会社の価値観に共感できるか、というのを見極めないといけない。なので、数年前の就活より考えることが多岐に渡ってるし、大変だろうなと思います。
就活の傾向が変わってきているからこそ、大人もこれが正解っていう答えを持ってないんですよ。厳しいこと言うかもしれないですが、誰かからの答えを待っていても誰も方針なんて示してくれません。限られた情報をもとに就職先を「自分で決める」のも、大事なことかなと思います。
だからこそ、自分としっかり向き合って自己理解に全力を尽くしてください。そして、自分に合う企業を見つける為にしっかり情報収集も頑張ってください。
最後の部分でオーダーが多くなって申し訳ないですが、自分に自信を持って就職活動を楽しんでいきましょう!
くつざわさん
ありがとうございます! たくさんリアルな情報がお聞きできたので就活生もきっと狂喜乱舞じゃないでしょうか。
SMBC齋藤さん
(笑)。就活生の皆さんを心から応援しています。
くつざわさんも今後のさらなるご活躍を応援しています! 頑張ってください!
くつざわさん
わああ!ありがとうございます!頑張ります。
本日はお忙しいところお時間割いてくださり本当にありがとうございました。
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三井住友銀行訪問後記
ただそれだと「会社を利用して自分を安心させようとしている」ような感じがしていたので、本気で会社の方針と自分の出来ることが合致したところがあれば就活を考えよう.
くらいに考えていましたが、今回の訪問でさらにその想いが深くなりました。
各々の意見や思いがあってこそ、新規事業展開や新しい挑戦に繋がる。
半端な気持ちでやることは次第に心苦しくなるんじゃないかなと。
特に今回訪問したSMBCさんは、さまざまな個性を持つ人が熱い気持ちで仕事を行う風土があり、ここで働く姿を想像したときに、そんな気持ちをより強く感じました。
また、今回齋藤さんにお話を伺い、金融企業へのイメージが少し変わったのも1つの発見です。その企業のリアルな情報は、実際に足を運んで聞いてみないと何もわからないし、「金融企業」という枠の中でもいろんな会社が、個性を持ちながら存在している。という感覚が持てました。
何より大きな変化として、今自分にとって何が得意だとか、何を貢献できるかがわからない人も多い中、
「それを探すために就活をするくらいの気持ちでも大丈夫」
とおっしゃっていただけて、なんだか就活に対する重く堅苦しいイメージさえも払拭出来たような気がします。
文/くつざわ
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くつざわ探訪記オフィスギャラリー
志望企業の社員さんはどんな環境で働いているのか、気になりませんか?
社員訪問をしても、オフィスの中まで見れる機会は多くありません。
あの企業はどんなオフィスなのか、オフィス写真を大公開!
「くつざわ企業探訪記」後編では三井住友銀行内にある、図書館、オフィスエントランスをご紹介します。
もしくつざわさんが三井住友銀行に入社されたらどのように利用するのか。妄想していただきました。
【図書館】
三井住友銀行のオフィス内にある図書館には金融やビジネスに関する書籍や論文を中心に約35,000冊の蔵書があります。オフィス内にこれだけしっかりした図書館があれば、アイデアを考える際や、資料作成時の文献探しなどで強い味方になりそうですね。シンプルに統一されたこの図書館は、どんな小説よりも知的好奇心を刺激してくれる。
あれ、もう休憩? お疲れさま。
私はジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を読んでるわ。休憩にぴったりですもの
【エントランス】
こちらはエントランスにある触れる地球儀。リアルタイムの気象情報や地震・津波の発生有無、渡り鳥など生物の地球移動、大気汚染、地球温暖化など、さまざまな地球の情報を映し出します。三井住友銀行では「企画を出すときは、地球儀を回しながら考えろ」と言われるようで、そんな社内でよく言われるアドバイスとこの地球儀が関係あるとかないとか……。
わ〜〜〜〜〜い!!!回せる!!!神になった気分!!!!神で〜〜〜す!!
地球って、案外小さいものね。悩みがちっぽけに感じちゃう。ここは私のアナザースカイね。
撮影/石田 潤
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