このページのまとめ
- 状況把握力とは、自分と周囲の関係性や現状を正しく理解する力のこと
- 状況把握力を自己PRに書くときは、具体例を交えて仕事への活かし方を明確に伝える
- 状況把握力を自己PRでアピールするときは、鍛えた方法を伝えることも効果的
「状況把握力を自己PRでアピールしたい」と思っている就活生は多いです。状況把握力は、チームで働く力の「観察力」に分類され、社会人に求められる能力の1つ。自分の強みをしっかりとアピールし、志望企業からの内定を獲得しましょう。
この記事では、状況把握力を自己PRでアピールするときの書き方を、業界・場面別の例文8選とともに解説します。自分の強みを活かして就活を成功させたい方は参考にしてください。
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- 状況把握力は観察力の一つ
- 状況把握力が高い人の特徴
- 状況把握力と情況把握力の違い
- 社会人や就活生に状況把握力が求められる理由
- 状況把握力を身に付けて鍛える方法
- 周りの人の特徴を知る
- 最悪の場合を想定する
- 優先順位を意識する
- 好印象を狙える状況把握力の自己PRの書き方
- 1.状況把握力を持っていることを先に伝える
- 2.状況把握力が活かされた場面を説明する
- 3.状況把握力をどのように身につけたかを伝える
- 4.仕事への活かし方を明確にアピールする
- 業界別!状況把握力を自己PRに書く際の例文
- IT業界で状況把握力をアピールする例文
- 不動産業界で状況把握力をアピールする例文
- 金融業界で状況把握力をアピールする例文
- 公務員で状況把握力をアピールする例文
- 場面別!状況把握力を自己PRでアピールする例文
- アルバイトで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
- サークルで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
- インターンで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
- 状況把握力を自己PRでアピールして獲得したい方へ
状況把握力は観察力の一つ
状況把握力とは、自分と周囲の人や物事との関係性など現状を正しく理解する力のことで、社会人に求められる能力の中でも特に重視されるものの一つです。
職場や地域社会など多様な人々と仕事をするために必要な基礎能力として、経済産業省が2006年に「社会人基礎力」を提唱しました。社会人基礎力とは、「前に踏み出す力」「考え抜く力」そして「チームで働く力」の3つの能力からできており、状況把握力は3つの中だと観察力を主とする「チームで働く力」に分類されます。
参照元
経済産業省
社会人基礎力(METI/経済産業省)
状況把握力が高い人の特徴
状況把握力はただ空気を読むだけでなく、自分に求められている役割や行動までを把握・実行できる力が求められます。状況把握力が高い人の具体的な例は、以下にまとめました。
・その場の空気を読める
・状況の変化に気づき対応できる
・周囲への気遣いができる
状況把握力が高い人は、限られた情報から重要なポイントや本質を理解し、自分ができることを判断して行動できる場合が多いです。さらに、トラブルが起きても冷静に対処できるため、周りからの信頼を得やすい傾向にあります。
状況把握力が低い人の特徴
状況把握力が低い人は、自分の状況を整理できず、適切に対処することが難しい傾向にあります。また、周りで起きていることや現状の理解が困難なケースもあり、トラブルが起きた際に慌てやすくなるでしょう。
状況把握力は、トレーニングによって高められる力といわれています。「状況把握力が低いかも」と不安に思った方は、後に紹介するトレーニング方法を実践してみてください。
状況把握力と情況把握力の違い
状況把握力と似た言葉には、「情況把握力」が挙げられます。2つの言葉の意味は、以下のような違いがあります。
・情況把握力:自分と周りの環境を、背景や内面的な関係性を考慮して判断する力
つまり、情況把握力は、広い視点から周りの環境を判断できるため、問題が起きた際に根本的な解決を目指せる能力が高いといえます。就活では、状況把握力と情況把握力の違いを知り、自分に当てはまる表現を選択するといいでしょう。
自己PRのポイントについてより詳しく知りたい方は「就職活動の自己PRはどうやって書く?書き方の3ステップや例文を紹介」を参考にしてください。
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社会人や就活生に状況把握力が求められる理由
状況把握力はチームで協力し働くことが求められる社会人にとって、必要な能力の一つです。社会では自分を基準に行動するのではなく、職場の状況を観察し、変化に合わせて適切な対応が求められます。
「自分さえ良ければいい」「周囲なんてどうでもいい」と考える自分本位な人と、周囲の状況に合わせて臨機応変に対応できる人、どちらが求められるかは社会人経験がなくても分かるはずです。
円滑に仕事を進めるうえで欠かせない状況把握力を自己PRすると、どんな状況でも落ち着いて対応できる印象を企業に与えることができます。
社会人に求められる能力については、「人生100年時代を生き抜く術、教えます!社会人基礎力に追加された「3つの視点」とは?」の記事も参考にしてください。
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状況把握力を身に付けて鍛える方法
状況把握力は学生・社会人関係なく身に付けられる能力です。ここでは、状況把握力を身に付ける方法を紹介します。
周りの人の特徴を知る
周囲の人々と関わる際、相手は何が得意で何が不得意なのか観察し、特徴を把握しましょう。
チームでの活動を円滑に進めるには、その人の能力にあった配置を行うことが大切ですが、自分の長所や短所は分かっていても、周囲の人の能力や得意不得意を正確に把握している人は意外と少ないです。
しかし、適材適所に配置するためには、相手の特徴や特性の理解は必須。そのためには、「得意分野は何か」「何が苦手なのか」「この人の特徴は何か」などの視点から観察してみましょう。
最悪の場合を想定する
常に最悪の事態を想定しながらの行動は、万が一の事態に遭遇した場合でも慌てず冷静に対応できるようになります。「きっと大丈夫」と安易な考えに固執せず、さまざまなケースを想定しましょう。
その場の状況に応じられる力は「臨機応変に対応できる能力」としてアピールも可能です。「臨機応変さを自己PRでアピールするコツは?伝わりやすい構成や例文も紹介」の記事も参考にしてください。
優先順位を意識する
日ごろからやるべきことに優先順位を付けると、状況把握力の向上が期待できます。いくつもの案件を抱えている場合、早くやらなければならない焦りからミスにつながりやすいです。
しかし、優先順位を意識すると全体像や今やるべきことといった現状を把握できるため、計画的に物事を進められるようになるでしょう。
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好印象を狙える状況把握力の自己PRの書き方
自己PRで状況把握力をアピールするには、まず結論として「自分には状況把握力がある」と言い切ります。それに続いて、具体的な場面や身に着けたシーンを説明していきましょう。
1.状況把握力を持っていることを先に伝える
自己PRでは、結論から自分の持っている能力(ここでは状況把握力)を先に伝えます。最初に結論から伝えることで、アピールする能力を分かりやすく伝えられるでしょう。
さらに、「私の強みは、小さな変化に気づける状況把握力が高い点です。」と、具体的に伝えられると、より分かりやすくアピールできます。「自己PRは書き始めが重要!基本的な書き方を例文つきで解説」の記事でも、効果的な自己PRの書き方を説明しているので、合わせて参考にしてください。
2.状況把握力が活かされた場面を説明する
冒頭で結論から伝えたあとは、状況把握力を裏付けるエピソードを説明しましょう。自分で状況把握力があると言ったところで、企業にとっては信憑性がありません。「原因を把握し、問題を解決する能力がある」とアピールするなら、どのような経験からそう思えるようになったのか、エピソードを交えて具体的に伝えましょう。
たとえば、「現状を把握し分析する力を活かし、目標達成に向けて積極的に行動し会社に貢献します」のように説明すると、採用担当者に入社後のビジョンが伝わりやすいです。
客観的な視野からアクシデントやトラブルを解決するために行動した経験を説明したうえで、仕事への活かし方にも触れることで、自身の状況把握力をアピールできます。
3.状況把握力をどのように身につけたかを伝える
状況把握力を身に付けるために努力した経験がある場合は、具体的なエピソードを伝えましょう。状況把握力を鍛えるために行動したエピソードは、成長意欲を評価されやすくなります。
例えば、「アルバイトで周りを見て行動するために、先輩や同期のいいところを探した」などと、意欲的な姿勢をアピールできるでしょう。
4.仕事への活かし方を明確にアピールする
ただ状況を観察し把握することが強みだとアピールしても、評価にはつながりません。企業では観察し把握した状況を活かし、問題を解決できる力を求めています。状況把握力を活かし、「先を見通した行動ができる」「視野が広くちょっとした変化に気づける」など、どのように役立てられるか明確なアピールが大切です。
周囲の観察が趣味のようにアピールしてしまうと「自分も観察されるのでは」と嫌な気持ちになり、一緒に働きたくないと思われてしまう可能性があります。ネガティブな印象を与えることのないよう、答え方には注意が必要です。
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業界別!状況把握力を自己PRに書く際の例文
ここからは、状況把握力を自己PRでアピールする例文を、業界別に紹介します。業界特有の求められる能力と絡めてアピールしている例文を集めたので、興味がある業界の例文の書き方を参考にしてみてください。
IT業界で状況把握力をアピールする例文
私は、カフェのアルバイトを大学生から始めました。始めたての頃に同期と比べて仕事ができない状況に気づき、改善するために行動しました。周りのスタッフと自分の違いを比較してみたときに、コーヒーを淹れる時間やお客様対応の時間が遅いことに気づきます。
コーヒーを淹れる時間を測りながらトレーニングを行い、レジを打つ時間を正確かつスピーディーにすることを意識しました。すると、周りよりも仕事を終える時間が早くなり、発注作業の手間を省くためのマニュアルを作成し、店内全体の業務効率を向上できました。
貴社でも、カフェのアルバイトで培った状況把握力を活かし、プロジェクトのメンバーと協力して最高品質のアプリを作れるよう、精進致します。
不動産業界で状況把握力をアピールする例文
私は、ゼミ長として2年間、△△の研究を行っていました。ゼミの課題は、提出物の集まりが悪い点でした。「なぜ決められたスケジュールで調査できないのか」「なぜ提出物の完成が遅くなってしまうのか」を考え、ゼミメンバーを観察してみました。
すると、1人1人の研究課題の負担が大きいことに気づきます。課題を分散させ、量より質を意識した結果、最終的にはスケジュール通りに研究を終えることに成功しました。
不動産業界では、1つの建物を作り上げるために多くの人が携わると会社説明会で伺いました。ゼミ時代に培った状況把握力を活かし、客観的な視点で遂行度合いを判断し、お客様が満足できるような物件を作る助けをしたいと考えております。
金融業界で状況把握力をアピールする例文
周りのスタッフがお客様の対応で困っている話を聞き、自分であればどのように対処するかを考え、自ら多くのことを学ぶ姿勢に入りました。例えば、言葉遣いや対応方法、お困りごとの解決方法など、研修では教わらなかったことも勉強することで、先輩から質問を受けたり、お客様から感謝されたりする機会が多くなりました。
貴社では、地域住民の方々への貢献をするために、細やかな金融サービスを提供していると伺いました。コールセンターのアルバイトで培った状況把握力を活かし、地域に貢献できるような銀行員として精進します。
公務員で状況把握力をアピールする例文
最初は生徒との向き合い方が分からずに、心を開いてくれない生徒も多くいました。そこで、自分と生徒との間の壁を取り払うために、勉強以外の話や悩み相談を受け付けるようにしました。
すると、授業後に質問に来てくれる生徒が増え、クラス全体の成績が10%向上しました。
貴社でも、地域住民の方々が安心して生活できるような公務員になれるよう、地域住民に寄り添って丁寧な対応を心がけてまいります。
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場面別!状況把握力を自己PRでアピールする例文
ここからは、状況把握力を自己PRでアピールする例文を紹介します。これまでの経験を活かして自己PRを作成するために、書き方の参考にしてください。
アルバイトで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
ある日、お客様の表情から寒そうだなと気が付き、ひざ掛けを持って行くと、とても喜んで頂けたことがありました。この経験から調理だけではなく自分にできることはたくさんあることに気が付きました。
それからはお客様の食べるスピードに合わせて料理を提供し、お手洗いの案内や水の補充などホールスタッフの補助もできるようになり、職場全体の雰囲気がよくなっていくのを実感しました。
この経験を活かし貴社でも周りの状況を分析し、自分に何ができるのかを考え行動することを心がけていきます。
サークルで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
私は、サークルの代表として約2年間活動を続けていました。私が代表になる少し前から、サークル活動に参加する人数が減っていました。仲良くなったメンバー同士で個別に行動し、活動日に参加していないようでした。
参加頻度が減ったメンバーとコミュニケーションを取る時間を作るようにしました。そこで、近況報告から活動状況のヒアリングを行い、行きたいと思われるようなチーム対抗プログラムを作成します。
チーム対抗プログラムでは、入会しているメンバーの8割が参加してくれ、その後の活動の参加率も7割を継続できました。
この経験を活かし、貴社でも周りの状況を判断し、すぐに行動できるような人材として活躍していきたいと考えております。
インターンで状況把握力を活かした経験をアピールする例文
私は、貴社のサマーインターンに参加しておりました。インターンでは、社員さんの力を借りながら、1つのプロジェクトに携わらせて頂きました。
インターン生だからといって受け身の姿勢になっていては、プロジェクトメンバーの足を引っ張る事態になりかねません。そこで私は、メンバーの動きを観察し、どのように自分が役に立てるかを考えました。
次回の会議で使う資料を作るためのリサーチを行い、簡単にまとめてメンバーと共有しました。すると、「しっかりと調査できていて分かりやすい」と褒めて頂きました。私が作成した資料をもとに会議が進められ、無事にインターン期間にプロジェクトを完了できました。
この経験を活かし、周りの状況を判断し、即座に行動できる人材として活躍していきたいと考えております。
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状況把握力を自己PRでアピールして獲得したい方へ
内定を獲得するには、いかに自分をアピールできるかが重要です。まずは、応募する企業がどのような人材を求めているかを把握しましょう。応募先企業の特性や特徴を知ることで、どのような角度から自分をアピールすればいいのかが見えてくるはずです。
アピールする際は、自分の状況把握力を明確に示したうえで、なぜその能力が身に付いたのか具体的なエピソードを交えながら説明します。仕事へどのように活かせるかまで伝えられれば、採用担当者も入社後のイメージがつきやすく、内定につながる可能性も高まるでしょう。
ただし、自己PRの書き方は分かっても、実際に書いてみると難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、就活エージェントであるキャリアチケットに相談してみてください。キャリアチケットは、あなたの価値観にあった企業から内定をもらえるように就活サポートを実施しています。
自己PRや志望動機の作成に欠かせない自己分析から、選考をスムーズに進めるためのESの添削、面接対策、キャリア相談まで、就活アドバイザーがマンツーマンでサポートします。
悩みや不安への相談も受け付けていますので、好印象を残せる自己PRを作成して内定獲得を目指したい就活生は、下のボタンからキャリアチケットにご登録ください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。