国公立大学の学費はいくら?私立と比べた就職事情とは

このページのまとめ

  • 大学の設置形態は、「国立」「公立」「私立」の3つ
  • 入学料の平均は公立が最も高いが、授業料を合わせると私立の学費が高い
  • 国公立か私立かで就職のしやすさが変わることはない
  • 国公立か私立かを直接の理由として、年収に差が出るとは考えにくい
  • 就職のしやすさは国公立か私立かというより、各大学や学部系統による

国公立大学と私立大学では、学費や就職面でどの程度の違いあるのでしょうか?
これから進学する人、現在就活をしている人に役立つ情報をまとめたので、進路に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

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大学には、国立・公立・私立の3つがある


大学の設置形態には、「国立」「公立」「私立」の3つがあり、それぞれ運営母体が異なります。

国立大学

国立大学はかつては国が設置、運営していましたが、現在は2003年制定の「国立大学法人法」に基づき、国立大学法人法が運営を行っています。
国立大学の入試ではセンター試験が実施され、加えて大学独自の個別試験(2次試験)を受けるのが一般的な受験形式。私立に比べて学習する科目数が多くなります。

公立大学

地方公共団体が設置し、地域における学びの拠点となるのが公立大学。昭和初期までは大阪圏に約3割の公立大学がありましたが、平成に入ってからは地方圏での数が増え、現在は約7割が地方圏に分布しています。
公立大学は国立大学に比べて学部が限定されており、定員数も少ない小規模な大学が多いのが特徴です。入試は国立と同様、センター試験と大学の個別試験が課されます。

私立大学

学校法人または株式会社によって設立・運営される私立大学。国公立に比べて非常に数が多く、文部科学省の学校基本調査によると、平成30年5月1日時点で国立大学の数は86校、公立大学は92校であるのに対し、私立大学は603校となっています。
入試の受験科目数は国公立に比べて少なく、理系であれば英語・数学・理科、文系であれば英語・国語・地歴公民とそれぞれ3科目を受験するのが一般的です。
私立大学では時代のニーズに応じた学部・学科が新設されており、時代の変化に素早く対応できるのが強み。私立大学は国公立に比べて学費が高くなります。

※参照元:文部科学省 - 学校基本調査(平成30年) http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/12/25/1407449_3.pdf

 

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国公立大学と私立大学、学費はどれくらい違う?


私立は公立大学と比べて学費が高いですが、その差はどれくらいなのでしょうか?
各大学の平均的な入学料と授業料を見ていきましょう(平成28年度入学の場合)。
なお、公立大学は「地域内入学者」と「地域外入学者」で入学金に差をつけていることが多く、地域内入学者だと入学金がいくらか安くなる制度があります。ご紹介する公立大学の入学料は、地域外からの入学者の平均となっています。

入学料

・国立 28万2,000円
・公立 39万3,426円
・私立 25万3,461円

授業料

・国立 53万5,800円
・公立 53万7,809円
・私立 87万7,735円

データを見ると入学金は公立大学が最も高く、私立と国立の平均額にはそれほど大きな差は見られません。しかし、授業料では私立が最も高く、最も低い国立大学との差はおよそ34万円。授業料は毎年納めるので、4年制大学に通ったとするとそれぞれ以下のような額になります。

・国立 214万3,200円
・公立 215万1,236円
・私立 351万940円

さらにこの数値に先ほどの入学料の平均を足すと、大学で学ぶのにかかるおおよその額が算出できます。

・国立 242万5,200円
・公立 254万4,662円
・私立 376万4,401円

入学料と4年間の学費を合わせると、やはり私立大学が一番お金が必要になるでしょう。実際には入学料や授業料のほかに、施設費や教科書代などがかかるため、これ以上の額がかかることが予想されます。
ご紹介したのはあくまで平均的な目安なので、大学や進学する学部系統によって必要な額は変わるでしょう。私立の医学部では、卒業までに1000万円以上かかることもあります。

参照元:文部科学省 - 国立大学と私立大学の授業料等の推移 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/__icsFiles/afieldfile/2017/12/26/1399613_03.pdf

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国公立大学の方が私立大学より就職しやすいってほんと?


「国公立と私立で就職のしやすさに違いがある」というイメージを持つ人がいますが、実際のところ国公立か私立かが就職に影響することはあまりないようです。
厚生労働省のデータによると、2018年3月卒業者の就職率は、国公立・私立ともに98%で、両者に変わりはありません。
過去20年の記録を見ると国公立の就職率が数%高い年もありますが、大きな差はないといって良いでしょう。

一概に「私立(国公立)だから就職に有利」とはいえず、就職のしやすさは個々の大学によるところが大きいと考えられます。例えば、地方に就職したい場合は、その地方の国公立大学の方が都心の私立よりネームバリューがあり、就職が有利になることもあるようです。ほかにも、就職支援に力を入れている大学では、就職率が平均より高くなると予想できます。

参照元:厚生労働省 - 平成30年3月大学等卒業者の就職状況 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11652000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu-Jakunenshakoyoutaisakushitsu/0000206091.pdf

 

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国公立大学出身の方が私立大学出身より年収が高い?


では、年収面では国公立と私立のどちらが高いのでしょうか。40歳未満の大卒男性の場合を状況別に見てみましょう。

・大都市圏の国公立大学 478.5万円
・東京の私立大学 424.0万円
・大都市圏(東京を除く)の私立大学 386.7万円
・地方の国公立大学 382.7万円
・地方の私立大学 343.8万円

データからは国公立の方が私立大学より給与が高く、都市部ではさらに給与が上がることがわかります。
ただ、この結果から一概に「国公立大学出身の方が給与がいい」と判断することはできません。なぜなら同じ職場であれば大卒者の初任給は私立、国公立に限らず同額ですし、昇給の基準に学歴が含まれているとは限らないからです。
一般的に、大都市の方が給与は高く、地方ではそれより低くなる傾向はありますが、国公立か私立かの学歴が給与に反映される可能性は少ないと考えられます。

参照元:文部科学省 国立教育政策研究所 - 大卒男性の年間収入と出身大学の所在地・設置者の関係について https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_seika/h28/hozawa.pdf

 

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国公立大学と私立大学、就職を考えるとどちらが有利?


就職に有利かどうかは、国公立か私立かというより、所属する大学や学部による違いが大きいでしょう。先ほどもご説明したとおり、就職支援に熱心な大学では就職率は上がりますし、仕事に直結するスキルが学べる学部や研究室の学生は、就職でのアピールポイントが増えます。
国公立と私立では学費面でも大きな差がありますから、就職に有利か否かだけでなく、経済的面や自分が何を勉強したいのかという希望を踏まえて、ふさわしい大学を選ぶのが良いのではないでしょうか。
就職を成功させるには、大学の就職課やキャリアセンターを積極的に利用し、アドバイスを得るのがおすすめです。大学が提供する情報を有効に使うことで、就活を有利に進められるでしょう。

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