ESの長所と短所の書き方は?探し方や特徴ごとの例文を紹介

このページのまとめ

  • ESの長所や短所は企業が求める人物像を踏まえたうえで適切な方向性を設定する
  • 長所は性格のアピール、自己PRは能力のアピールと考えると書き分けがしやすい
  • 長所が思い浮かばない場合は、表現の幅を広げたり短所を言い換えてみたりするとよい

ESの長所と短所の書き方は?探し方や特徴ごとの例文を紹介のイメージ

「ESの長所や短所はどう書けば良いの?」「なかなか長所が思い浮かばない…」と悩む人は少なくありません。書類選考を突破するためには、企業の視点を意識しながら、自分の長所と短所を見直すことが大切です。

この記事では、ESにおける長所と短所の見つけ方や効果的な書き方、例文、自己PRとの違いについて解説します。読み終えるころには、スムーズに長所と短所を記載できるようになるでしょう。

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目 次

ESにおける長所と短所とは

ESに書く長所とは、自分の性格や性質的な特徴のなかでも相手にポジティブに伝わり、アピールできる部分のことです。自分の「性格」のように、生まれもった先天的な特徴を長所として扱うケースが一般的。

一方で、短所は自分の性格や性質的な特徴のなかでも、良くない出来事を引き起こしやすい特徴のことです。「楽観的」「理屈っぽい」のように、状況によってはマイナスに働いてしまう性質が短所として挙げられます。

強みや弱みとの違い

長所や短所と混同しやすい言葉に、「強み」「弱み」があります。強みや弱みは、何か成果を出すために必要となる、またはマイナスとなるスキルのことです。

長所や短所との違いは、性格的なものか、スキル的なものかになります。生まれ持った人柄などの性格は、長所短所です。一方で、「リーダーシップ」「コミュニケーションスキル」などのように、スキルの場合は強みや弱みに分類されます。

長所短所か強み弱みなのか迷ったら、性格的なものかスキル的なものかで見極めましょう。強みや弱みを見つけるにはどうすればよいかは、「強みと弱みの分析方法は?就活に役立つ一覧と面接での回答例文14選」の記事を参考にしてください。

自己PRとの違い

エントリーシートに長所短所を書く際は、自己PRとの違いも知っておきましょう。自己PRとは、「強みをアピールすること」を指します。

自己PRを聞かれたら、ほかの人よりも優れたスキルをアピールしましょう。その際、「仕事に活かせる」「成果を出せる」スキルを選んでください。また、自己PRの場合は、強みしかアピールしません。弱みや短所のように、マイナスに働く内容は伝えない、もしくはポジティブな内容に変換して伝えることも覚えておきましょう。

自己PRがどのようなものかについては、「自己PRの書き方は?就活で評価される構成と8つのコツを例文つきで解説」の記事で解説しているので参考にしてください。

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ESの長所についてのキャリアアドバイザーのアドバイス

そもそも長所とは、「意識してなくても当たり前に発揮していること」「周りの人はできてないけど自分はできていること」を指します。

その長所を探すためには、まずモチベーショングラフや自分史を作成することから始めましょう。
作成できたら、以下のように進めていきます。

1.モチベーションが高かったエピソードに注目
2.最低3回以上の深掘り「なぜ/なにを/どのように」
3.複数のエピソードから共通項を見つける(=自分の長所)

面接の中で、「長所が発揮できたと思うエピソードをもう1つ教えてください」と聞かれることも多いので、できる限り複数のエピソードから共通項を探せると良いですね。「自己分析に役立つモチベーショングラフとは?作成のコツや活用方法を解説」の記事も参考にしてください。

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ESで長所や短所が聞かれる理由

エントリーシートで長所や短所が聞かれるのは、企業に合う人物かどうかを見極めるためです。企業がなぜ長所短所を気にしているかを解説するので、アピールするための参考にしてください。

企業の社風にマッチするかを見るため

エントリーシートで長所短所が聞かれるのは、企業の社風に合うかどうかを見極めるためです。「入社後に長く働いてくれそうか」「従業員との相性がよいか」を見ています。

就活生自身の能力があっても、企業の雰囲気と合わないと思うように活躍できないことも。従業員とのトラブルが起きたり、会社の方針と合わずにモチベーションが下がったりしてしまいます。

採用後に長く働いてもらうためには、社風に合うことが大事。長所短所で性格面を見ることで、自社に合う人物かを見極めています。

自己分析ができているかを見るため

自己分析がしっかりとできているかどうかも、長所短所から見極められています。自己分析ができている就活生は、自分に合う企業を選べていたり、将来の価値観が明確に持てていたりするからです。

自己分析ができていないと、自分の長所や強みを活かせない企業を選んでしまい、ミスマッチを引き起こします。また、やりたいことが明確になく、入社してから業務やキャリアプランとのミスマッチに気づくこともあるでしょう。

面接などでの振る舞いと、長所短所のアピールで違いがあれば自己分析ができていないことはわかります。より自社に合う人材を採用するためにも、長所短所から自己分析ができているかを見ているのです。

仕事で活躍できそうかを見るため

仕事で活躍できる人材かどうかも、長所短所から判断しています。仕事内容によって、性格がプラスになったりマイナスになったりするためです。

たとえば、営業職を募集している企業であれば、積極性があったり、活動的だったりする人材がマッチしやすい傾向。企業は長所短所を見ることで、仕事でどのように行動しそうかを想像しています。

長所短所をアピールする際は、仕事で活かせそうな特徴を選ぶことも意識してください。

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ESに書く長所がないと思い込んでしまう理由

エントリーシートに書く長所がないと思ってしまう場合は、周囲と比較するのをやめましょう。長所がないと思い込んでしまう理由を紹介するので、書く内容に悩んでいる方は参考にしてください。

自分の長所を表現する方法を知らないから

自分の長所を知っていても、表現方法がわからず、アピールできないケースがあります。まずは自分の長所をイメージして、どんな言葉で表現できるかを調べてみましょう。

周りと比較してしまうから

周りと比較してしまい、「長所といえるほどではない」と思うケースもあります。そんなときは周りと比較せず、自信をもって自分の長所だと思うことが大事です。

自分の長所に自信を持てない場合、他己分析を依頼するのもおすすめ。周囲から言われた長所であれば、周りから評価されていると安心でき、アピールにも使いやすいでしょう。

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ESに書く長所・短所の見つけ方

エントリーシートにおいて、長所や短所を適切に記載するためには、まず自分自身の強みと弱みを正しく理解することが重要です。しかし、あらためて考えると「自分の長所や短所は何だろう?」と迷う人も少なくありません。

長所・短所は、単に思いつきで書くのではなく、客観的な根拠に基づいて整理することで、説得力のある内容になるのです。ここでは、自分の長所・短所を見つけるための具体的な方法を紹介します。

過去の成功体験や失敗体験を振り返る

自分の長所や短所を明確にするためには、これまでの成功体験や失敗体験を振り返ることが効果的です。「どんなときにうまくいったのか」「なぜ失敗したのか」を考えることで、自分の強みや改善点が見えてきます。

また、一つの経験だけで判断するのではなく、複数のエピソードを振り返ることが大切です。いくつかの事例を洗い出し、それらに共通する傾向を見つけることで、より本質的な長所や短所を導き出せるでしょう。

家族や友人に教えてもらう

自己分析だけでなく、家族や友人の意見を取り入れることで、自分では気づかなかった長所や短所が見つかることがあります。他人の視点から見た自分の特徴は、より客観的で説得力のあるものになるでしょう。

特に、身近な人に「自分の良いところと改善すべき点は何だと思う?」と質問してみると、意外な一面を指摘されることも。他己分析を取り入れることで、より深い自己理解につながります。

ネットの診断ツールを利用する

自分の長所・短所を客観的に知る方法として、ネット上の診断ツールを活用するのもおすすめです。診断ツールは、いくつかの質問に答えるだけで、自分の性格の傾向を分析してくれます。

診断結果には、長所や短所だけでなく、自分に向いている職業や適性も示されることが多いため、自己分析の一環として活用するのも良いでしょう。短時間で手軽に試せるため、自分の性格を客観的に把握したい人にとって便利な方法です。

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ESに長所・短所を書く際のポイント

エントリーシートに長所や短所を書く際は、志望企業に合う内容にすることが重要です。また、短所はマイナスな印象を与えないように工夫しましょう。

ここでは、エントリーシートに長所や短所を書く際のポイントを解説します。

長所・短所のどちらかを挙げて言い換える

もし短所ばかり思い浮かぶ場合は、それを長所に言い換えてみると、自分の強みを発見しやすくなります。たとえば、「優柔不断」という短所は「慎重に判断できる」と言い換えられるでしょう。逆に、長所を先に挙げ、その長所が行き過ぎた場合にどのような短所につながるかを考える方法もあります。

言い換えを活用することで、長所と短所の矛盾を防ぎ、説得力のある内容になります。

志望企業に合った特徴を選ぶ

エントリーシートに長所や短所を書く際は、志望企業で求められている内容を書くようにしましょう。前述したように、企業が長所短所を聞くのは、社風に合いそうかを確かめるため。自社では合わなそうだと判断したら、評価は下がってしまいます。

志望企業に合うかどうか見極めるには、企業のWebサイトを見るのはもちろん、会社説明会に参加するとよいでしょう。また、インターンシップに参加し、企業の雰囲気を体感するのもおすすめです。

一貫性のある長所短所を選ぶ

長所と短所の内容は、一貫性のあるものを選びましょう。たとえば、長所で「行動力がある」とアピールしたとしましょう。一方で、短所として「慎重さが短所です」と伝えた場合、行動的なのか慎重なのかがわかりません。

行動力を長所とするのであれば、短所は「考える前に動いてしまう」「計画性がない」などのような内容になるでしょう。長所短所はもちろん、エントリーシートにあるほかの質問とも矛盾しないように気をつけてください。

長所と短所を複数記載しない

ESに長所と短所を書く際は、それぞれ1つに絞ることが重要です。複数の項目を挙げてしまうと、主張がぼやけてしまい、採用担当者に伝わりにくくなります。たとえば、「コミュニケーション能力が高い」「チャレンジ精神がある」など長所を複数挙げてしまうと、結局何をアピールしたいのかが分かりにくくなってしまうでしょう。

同様に、短所を複数記載すると、悪い印象が強まってしまう可能性があります。明確な人物像を伝えるためにも、長所・短所は1つずつ選び、具体的なエピソードを交えて説明するようにしましょう。

長所と短所は結論から書き出す

長所・短所を書く際は、まず結論を端的に述べることが大切です。前置きが長くなると、伝えたいポイントがぼやけてしまい、採用担当者に意図が伝わりにくくなります。

たとえば、「私の長所は、責任感が強いことです」と最初に述べ、その後に具体的なエピソードを続けると、要点が明確に。結論を先に書くことで、忙しい採用担当者にもスムーズに理解してもらえる文章になります。簡潔かつ分かりやすい表現を心がけ、アピールしたい内容を的確に伝えましょう。

具体的なエピソードを入れる

長所短所をアピールする際は、具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。エピソードで情景が浮かぶことにより、長所短所の説得力が増します。

なお、エピソードを伝える際は、結果よりも過程をアピールするのがおすすめ。「長所をどのように活かしたか」「短所でどのような問題が起きたか」など、行動に注目してください。「全国大会で優勝しました」のように結果だけをアピールしても、仕事で同じような場面が起こるとは限りません。就活ではポテンシャルが評価されているので、結果よりも過程に注目しましょう。

社会人として致命的な短所は避ける

短所を選ぶ場合、社会人として問題のある短所は避けましょう。たとえば、「時間を守らない」のような短所は、仕事でトラブルを起こすと判断され、評価が下がる要因に。「嘘をつく」のような短所も、仕事を進めるうえで問題になるでしょう。短所を伝える際は、仕事に大きく影響のないものを選んでください。

その際、「どのレベルの短所であれば問題ないの?」と気になる方もいるでしょう。就活でよく使われる短所の一覧を「短所一覧70選!効果的に伝える方法と長所への言い換えを例文付きで解説」の記事で紹介しているので参考にしてください。

短所は改善の方法もセットで伝える

短所を伝える際は、改善方法もセットで伝えましょう。短所だけを伝えてしまうと、仕事でも同じミスを繰り返すと思われてしまいます。

たとえば、「慎重過ぎる」が短所なのであれば、「積極的に行動できるようにチャレンジしている」のようなフォローが必要です。マイナスな印象だけを与えないように、必ず改善方法もセットで伝えてください。

100字・200字など指定文字数に合わせて調整する

エントリーシートによって、長所短所を書き込む欄の大きさが異なったり、文字数の指定があったりするでしょう。指定に対して明らかに少ない文量では「意欲が低いのでは」という印象を与えてしまうため、欄の8割を埋めるのが理想です。

また、企業によっては「50字」「400字」など指定文字数に幅があることも。具体的なエピソードの部分で調整しながら、適切な文字数でまとめましょう。

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ESに長所・短所を書く際の例文

エントリーシートに長所短所を書く場合に備えて、例文を確認しておきましょう。文章のイメージを明確にして、自分なりの長所短所の書き方を考えてみてください。

ESに長所を書く際の例文5つ(100字)

長所を書く際に押さえておきたいのが、志望する企業の求める人物像と長所が合致しているかどうかという点です。企業では採用計画を立てており、選考を通過させる際の基準を設けています。基準の一つに、求める人物像に合致するかどうかも含まれており、採用後のミスマッチによる早期退職を避けたいことから、企業目線で長所を考えることが重要なのです。

ESの長所欄には、最初に結論を端的に書き、そのあとにエピソードを盛り込みます。ここで紹介する例文は、2文のシンプルな構成で文字数も100文字以内なので、多くのESに収まるボリュームです。

長所の例文は「長所の例文22選!面接で効果的に伝えるポイントや注意点も解説」の記事でも具体的に紹介しているので、あわせて参考にしてください。

長所:好奇心旺盛

私の長所は、「広く深く知りたいという、旺盛な好奇心」です。大学時代は、接客業・塾講師・学園祭・キャンプ、など幅広い分野に関心を持ち、それぞれに対して自ら深く関与し、行動してきました。

長所:コミュニケーション能力が高い

私の長所は、「相手の意図を正しく理解し、円滑に対話を進めるコミュニケーション能力」です。大学時代は、ゼミ活動やアルバイトにおいて、意見の異なる人とも積極的に対話し、双方が納得できる形で物事を進めてきました。

長所:周囲への配慮ができる

私の長所は、「周囲の状況を察知し、適切に配慮できること」です。アルバイトでは、忙しい時間帯でも仲間が働きやすいように気を配り、効率的に業務を進める工夫を行いました。

長所:危機管理能力が高い

私の長所は、「冷静に状況を判断し、的確にリスクを回避する危機管理能力」です。大学のサークル活動では、突発的なトラブルが発生した際も、状況を分析し、最善の対応をとることで円滑に解決してきました。

長所:決断力がある

私の長所は、「状況を素早く判断し、適切な決断を下せること」です。ゼミの研究発表では、限られた時間の中で必要な情報を取捨選択し、的確な方向性を定めることで、チームの成果を最大化しました。

ESに短所を書く際の例文5つ(100字)

長所と同様に、短所を書く際も最初に結論を端的に記載しましょう。そのうえで、以下のポイントを押さえておく必要があります。

・短所を自覚していることを書く
・短所を克服するために行っている努力を盛り込む

人は誰しも短所があり、面接官はESの短所への回答から、就活生がどのように向き合って克服しようとしているかを見ているのです。そのため、努力している内容をきちんと書けていれば「この学生は成長意欲がある」と評価され、ESの印象を上げることができます。

短所:視野が狭い

1つに熱中しやすく、ほかに手が付かなくなってしまうことや、深くまで考え過ぎてしまうところがあります。大学時代は飲食の接客業にて、忙しいお店を選び、スピーディーに決断、行動ができるよう訓練してきました。

短所:計画性がない

目の前のことに集中し過ぎるあまり、長期的な計画を立てるのが苦手な部分があります。大学時代は、スケジュール管理アプリを活用し、タスクを細かく設定することで、計画的に物事を進める習慣を身につけました。

短所:流されやすい

周囲の意見を尊重し過ぎるあまり、自分の考えを後回しにしてしまうことがあります。ゼミ活動では、意見を持つことの重要性を意識し、ディスカッションの場で積極的に発言するよう心がけました。

短所:決断に時間がかかる

慎重に考え過ぎるあまり、決断を先延ばしにしてしまうことがあります。大学時代は、優先順位を明確にすることで、限られた時間の中で素早く判断できるよう努めました。

短所:落ち込みやすい

失敗すると必要以上に気にしてしまい、次の行動に移るのが遅れることがあります。アルバイトでは、ミスをした際に振り返りノートをつけ、改善策を考えることで、前向きに取り組む姿勢を身につけました。

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ESの長所と短所の書き方に自信がないあなたへ

「ESに書く長所と短所が思いつかない」「この内容で書類選考を突破できるだろうか」など、ESの記載は迷うことが多く、不安に思う就活生もいるでしょう。ESの長所と短所を書く際は、企業が求める人物像を踏まえて採用するメリットをアピールすることが大切です。

ESの提出前に、長所と短所の書き方に問題がないか確認したい場合は、就活エージェントをはじめとする就活のプロに相談するとよいでしょう。

就職エージェントのキャリアチケットでは、就活生一人ひとりに合わせたESの添削や、自己分析、面接対策などのあらゆる選考対策を行っています。ESの長所と短所の書き方に悩んでいる方は、キャリアチケットまでお気軽にお問い合わせください。

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本記事の執筆者

高田 晃一(たかだ・こういち)

就職活動コンサルタント。これまで22,000名以上の就活生の内定獲得を支援。また、採用活動コンサルタントとして、日本全国さまざまな規模の企業の新卒採用活動の支援も行っている。著書に『2万2000人超を導いた就活コンサルタントが教える これだけ!内定』(あさ出版)、『188社落ちても内定とれた!大逆転の就活攻略法』(同文舘出版)。

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