就活における作文の書き方と例文をご紹介

このページのまとめ

  • 作文試験では、応募者の人柄や考え方、字の丁寧さ、文章力がチェックされる
  • 作文は、「序論」「本論」「結論」の3つで構成する三段構成がおすすめ
  • 文章は、相手の読みやすさに配慮し、一文一義を心がけ、ねじれ文に注意する

就活における作文の書き方と例文をご紹介のイメージ

「作文試験で何を書けば良いか分からない」「企業が作文で何を見ているのか知りたい」と悩んでいませんか?この記事では、企業が作文からチェックするポイントや、頻出するテーマ、効果的な構成方法について解説します。

この記事を読めば、「作文試験で評価されるポイント」「頻出テーマへの具体的な対策」「論理的な文章の書き方」がわかります。

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目 次

企業が就職試験の作文からチェックすること

企業は、就職試験で課す作文から「応募者の人柄や考え方」「仕事への意欲やビジョン」といったポテンシャルだけでなく、「丁寧に作成されているか」「文章力があるか」といった基本的な部分もチェックしています。まずは、企業が作文から何を見ているのかを把握しておきましょう。

応募者の人柄や考え方

作文の内容は、応募者の人柄や考え方そのものです。たとえば、「最近のニュースで関心を持ったこと」というテーマなら、何に対して興味があるのか、それに対してどのような考えを持っているかが分かり、応募者がどういう人間なのかが読み取れます。

字の丁寧さ

気持ちを込めて書かれたものかどうかは、作文の字を見ればすぐに分かります。どんなに素晴らしい内容でも、殴り書きのような雑な字で書かれているとやはり印象は良くありません。できるだけ丁寧に書くよう心がけましょう。

文章力

メールや日報、会議の資料など、社会人が仕事を行うにあたって文章を書く機会は多いです。そのため、正しい日本語を使えているか、誰が読んでも分かりやすい文章を書けているかなどは、評価の対象になるでしょう。

仕事への意欲やビジョン

企業は就職試験の作文を通じて、応募者の仕事に対する意欲や将来のビジョンを知ろうとしています。応募者がどのような将来像を描いているか、どのような目標を持っているかを見極めることで、自社の求める人物像に合致するかどうかを判断できるからです。

コミュニケーション力

企業は作文を通じて、応募者のコミュニケーション能力を評価する場合があります。具体的には、「設問の意図を正しく理解しているか」「自分の考えを論理的に整理しているか」「読み手に伝わりやすい文章を構成しているか」などの点がチェックされます。

これらの点は、仕事におけるコミュニケーション力の基盤となるものであり、重要な評価ポイントです。面接だけでなく、作文でもこのような能力が求められていることを意識して取り組みましょう。

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就職試験の作文でよく出題されるテーマ

作文試験で頻出するテーマは、「未来」「過去」「社会への関心」の3つです。以下では、それぞれのテーマについてご説明しますので、事前に対策を練っておきましょう。

未来に関するテーマ

自分が将来どうなっていたいかが問われます。テーマの具体的な例として以下のようなものが挙げられます。

・10年後(20年後)の自分
・どんな社会人になりたいか
・私の将来の夢(目標)
・やってみたい仕事

これらのテーマでは、自分の目標や夢を企業の方針に沿わせることが大切です。また、企業研究や業界研究を十分に行っていることや、目標のために努力していることなどを伝えられると、入社意欲が高いという印象を与えることができます。

過去に関するテーマ

自分の過去の出来事について問われます。テーマの具体的な例として以下のようなものがあります。

・大学で頑張ったこと
・学生生活で得たもの
・これまでに最も打ち込んだこと
・価値観が変わったエピソード

過去に関するテーマで重視されるのは、どれだけ大きなことをしたかではなく、「頑張った理由」や「どう成長できたか」ということです。また、困難な状況に陥ったとき、どのようにして乗り越えてきたかを書くと、将来性や可能性について高い評価を得やすくなるでしょう。

社会に関するテーマ

社会問題やニュースなどに対する、自分なりの考えが問われます。具体的な例として以下のようなものがあります。

・最近気になるニュース
・最近見た映画(読んだ本)
・○○についてどう思うか(時事問題や社会問題など)

きちんと理解できていない事柄が提示されると書くのが難しくなってしまいますので、日頃からニュースをしっかりとチェックし、自分の考えをまとめておきましょう。また、選んだニュースの内容が応募企業と関連のあることなら、そこから志望動機に繋げることも可能です。

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就職試験で出される作文の内容の組み立て方

作文に書きたいことがイメージできたら、全体の構成を決め、内容を組み立てていきましょう。

作文の構成は、「序論」「本論」「結論」の3つからなる、三段構成がおすすめです。
序論は、本論への導入部分であり、文章の方向性を定めるためのもの。本論は、序論で示したことを受け、読み手に最も伝えたいことを伝える部分です。結論は、序論の答えであり、本論を要約した全体のまとめとなります。

文章は序論から始まりますが、序論から書き始めてしまうと、本論で書きたい内容に上手くつながらないことがあります。そのため、文章を書く際は、以下の順番で考えると組み立てやすくなるでしょう。

1)最も伝えたいこと(本論)
2)本論につながる印象的な導入部分(序論)
3)全体のまとめ(結論)

また、ピンポイントな質問の場合は、「結論」「理由」「結論」の3つで構成する双括型(そうかつがた)も読み手に伝わりやすい構成となります。必要に応じて上手く使い分けられるよう、練習しておくと良いでしょう。

構成は作文全体の骨格です。骨格が決まってしまえば、後は考えていた内容を落とし込んでいくだけなので、時間配分に気をつけながら組み立てていきましょう。

作文の準備には箇条書きを活用する

作文は、就活で提出する書類の中でも特に長く、内容も濃くする必要があります。そのため、思いついた順に書くと、論理的で分かりやすい文章にならない可能性があります。そこでおすすめなのが、まず箇条書きで作文の内容を整理する方法です。

箇条書きを使うことで、アピールしたいポイントの抜け漏れを防ぎやすくなります。各ポイントの関係性を確認しながら、論理的な流れを作りやすいでしょう。さらに、箇条書きのボリュームから指定された文字数に適した内容かどうかを見極めることもでき、必要に応じて文章を削ったり追加したりすることが容易になります。

この準備段階を丁寧に行うことで、作文の内容が充実して書きやすくなるだけでなく、採用担当者に対しても魅力的なアピールができる文章になります。長い文章を書くのが苦手な人でも、この方法を使えば、効率的に内容を整えた作文が書けるようになるでしょう。

PREP法で論理的な文章を作る

文章を効果的に構成するためには、PREP法の活用が非常に有効です。PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)という順番で話を展開するフレームワークです。

ビジネスシーンで説明や提案を行う際に、わかりやすく伝える基本的な方法として広く使用されており、特に作文では、このフレームワークを使うことで、論理的で読みやすい文章を作成することができます。

時系列順に出来事を並べるだけでは結論が見えにくくなるため、読者にとって何を伝えたいのかがわかりにくくなることがあります。しかし、PREP法を用いることで、結論を先に提示し、その理由や具体例を述べることで、明確なメッセージを伝えることができます。

1.序文:テーマに対する自分の意見を明示する

まず、出題されたテーマに対する自分の意見、つまり結論を序文で明示します。結論を最初に示さないと、読み手は文章の主旨を理解するまでに迷ってしまいます。

例:
私は、地域社会への貢献を通じて、人々に喜びを提供することが人間としての幸せと考えています。

このように最初に結論を示すことで、読み手は文章全体の方向性を理解しやすくなります。

2. 本文:その意見を持った理由と具体的なエピソードを述べる

次に、序文で述べた意見を裏付ける理由やエピソードを具体的に記述します。具体的なエピソードを挙げることで、意見の信憑性が高まり、読み手に対して自分の価値観や人間性を伝えることができます。

例:
私が地域社会への貢献の重要性を実感したのは、高校時代にボランティア活動に参加した経験からです。地域の清掃活動や老人ホームでの支援活動を通じて、多くの人々から感謝の言葉を頂きました。この経験を通じて、人々に喜びを提供することが私にとっての幸せであると確信しました。

3. 結論:自分の意見を再度強調する

最後に、再度自分の意見を強調して結論をまとめます。序文で示した結論と同じ内容でも、本文で述べた具体的なエピソードを受けて再度強調することで、文章全体が一貫性を持ち、締まりのある文章になります。

例:
以上の経験から、私は地域社会への貢献を通じて、人々に喜びを提供することが人間としての幸せだと強く感じています。今後もこの信念を持ち続け、社会に貢献できる人間でありたいと考えています。

このように、序文・本文・結論の順に構成することで、読み手にとってわかりやすく、伝えたいメッセージがしっかり伝わる作文を作成することができます。

就活での作文の対策については「就活の作文はどう書く?担当者がチェックするポイントや書き方のコツを解説」の記事でも解説しているので参考にしてください。

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就職試験で課される作文のポイント

次に、作文を書く上で気をつけたいポイントを解説します。

タイトルと内容は一致させる

作文は、書き出す前に全体の構成やおおまかな内容を考えておくことが大切です。
書いていくうちにあちこち話が飛んでタイトルとは全く異なる内容になってしまっていた、ということがないように気をつけましょう

字は丁寧に書く

「企業が作文からチェックすること」でお伝えした通り、字が丁寧に書かれているかどうかで採用担当者の印象は違ってきます。字の上手い下手に関係なく、相手に読んでもらうためのものという意識を持って丁寧に作成しましょう。

文字数の下限や上限を守る

文字数の指定がある場合、当然ですが上限を超えてはいけません。とはいえ、空白部分が多すぎると寂しい印象になってしまいますので、上限の9割程度を埋められるのが理想です。

前置きは省く

就活の作文では、言葉の意味や定義、説明といった前置きは必要ありませんので、省きましょう。無意味と思われるような前置きがあると、場合によっては文字数稼ぎをしているような印象を持たれるかもしれません。

一文一義を心がける

一文一義とは、一つの文章に一つの事柄のみ書くことです。
たとえば、次の文章は、一つの文に複数の情報が入っているため、読み手にとって分かりづらい文章になってしまっています。

「お客様から返却があったクレーム品の調査結果で、部品Aが取れている状態と、部品Bが引き抜けない状態であることが分かり、対応は部品交換ということになりましたが、このような状態になってしまった原因はまだ分かっていません」

これを一文一義を意識したものに直すと、読みやすく理解しやすい文章になります。

「お客様から返却があったクレーム品の調査結果のご報告です。部品Aが取れている状態と、部品Bが引き抜けない状態になっていることが分かりました。対応としては、部品交換になります。このような状態になってしまった原因はまだ分かっていません。」

ねじれ文に注意する

ねじれ文とは、主語と述語の関係がおかしくなってしまっている、文法の誤りのことを言います。
たとえば、「私の夢は、弁護士になりたいです」という一文。「私の夢」が主語なので、「なりたい」と書くと違和感を与えてしまいます。

この場合、「私の夢は弁護士です」または「私は弁護士になりたいです」という文章に直せば、主語と述語の関係が成り立ちます。文章を書く際は、主語と述語の関係を意識して書くように心がけましょう。

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「私の将来の夢」をテーマにした作文の例文

最後に、「私の将来の夢」をテーマにした、600字の作文の例文を見てみましょう。この例文では、主に自分がその夢を持つにいたった理由が述べられています。また、その中で、自分の夢が企業の方針に合っていることや、目標のために努力していることも伝えています。

私は将来、利用者様とそのご家族を笑顔にする介護士になりたいと考えています。理由は、要介護と診断された私の祖母を熱心に介護し、祖母の笑顔を取り戻してくれた貴社の介護士の方々に憧れたからです。

私は小さい頃から祖母が大好きで、よく遊んでもらっていました。しかし、私が学生の頃、ちょっとした転倒がきっかけで介護が必要になり、施設へ入所することになったのです。祖母は施設をとても嫌がり、面会のたびに「帰りたい」と繰り返していましたが、私にはどうすることもできませんでした。

そんな祖母と私に対し、優しくフォローしてくださったのが、貴社の施設の介護士の方達です。どんなに祖母の世話が大変でも、心に寄り添った丁寧な介護をしてくださり、面会に来る私のことも気にかけてくださいました。

今では祖母も施設に慣れ、面会の際に笑顔を見せてくれるようになり、楽しそうに施設でのことを話してくれます。
こうして、祖母が穏やかに過ごせるのも、私達家族が安心して祖母を任せられるのも、利用者様だけでなく、ご家族に対しても配慮を欠かさないという貴社の方針があってこそだと思います。

私は、このような出来事から、自分の中で介護に対しての関心が大きくなり、介護施設でのボランティア活動を積極的に行うようになりました。それは将来、貴社で働く介護士さん達のように、利用者様とそのご家族を笑顔にできるような、心強い存在になりたいと考えるようになったからです。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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