理系の院生で内定が無い理由は?原因と選考突破するための対策を解説

このページのまとめ

  • 理系の院生で内定が無い原因は、業界の絞り込みや準備不足などにある
  • 理系の院生が研究と就活を両立するには、スケジュール管理や情報収集の工夫が必要
  • 客観的なアドバイスを受けるのが、理系の院生が内定を早期に得るポイント

理系の院生で内定が無い理由は?原因と選考突破するための対策を解説のイメージ

「周りは就活を終えているのに自分だけ内定が無い」などと悩む理系の院生もいるでしょう。

理系の院生は研究が忙しく、就活を後回しにしてしまうケースもあります。内定獲得のためには、就活のポイントを把握し、自分に合った企業や仕事を見つけることが大切です。

この記事では、理系の院生向けに、就活がうまくいかない原因や内定を獲得するための対策を解説します。就活を前向きに進めたい方はぜひ参考にしてください。

院生の理系職種の就活を相談する

   
目 次

理系の院生でも就職が決まらない場合がある

就活は個人の実力や準備状況によって結果が左右され、理系の院生であっても順調に進められるとは限りません。企業や職種ごとに採用の傾向が異なるため、自分の希望と一致しているかを見極める必要があります。

たとえば、研究職や開発職など理系の専門知識を重視する職種では、大学院での研究経験が評価されるケースがあります。一方で、専門性を求められない職種においては、学部卒と同じ基準で評価されることもあるでしょう。

そのため、応募を検討している企業の採用実績を確認し、どのような人材を求めているのかを事前に調べておくことが重要です。

大学院生の就活については、「修士1年生でも内定はもらえる?就活成功へのポイントや人気の就職先を紹介」の記事も参考にしてください。

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理系の院生の内定が無い理由

理系の大学院生で内定が無い背景には、「理系であること」そのものではなく、別の要因が関係しているケースが多く見られます。

ここでは、主な理由について解説するので、自身の状況と照らし合わせてみてください。

研究室によっては拘束時間が長い

研究室によっては拘束時間が長く、就活にかけられる時間を確保しにくい場合もあります。平日だけでなく、土日も研究施設へ出向いたり、学会発表の準備を求められたりするケースもあるからです。このような環境では選考の日程調整が難しくなり、内定獲得のチャンスが減ってしまう可能性も考えられます。

特に、対面面接や企業説明会が重なる時期は、移動時間や準備に追われ、就活の優先順位を下げざるを得ない状況になるでしょう。スケジュールに柔軟性を持たせるためにも、指導教員や研究室の理解を得ることが重要です。

コミュニケーションが希薄になりがち

研究分野によっては、個人で黙々と研究を進めるため、他者との会話が減る傾向があります。コミュニケーション能力は面接時に重視される要素の一つであり、選考を通過するうえで、欠かせない評価ポイントです。

特に、グループディスカッションや面接の場では、話す内容だけでなく、相手とのやり取りの姿勢も評価されます。

限られた時間のなかで印象を残すためには、日常的な会話で対話力を磨いておくことが大切です。普段から教授に質問したり、仲間と就活情報を共有したりすると、会話力を養う第一歩につながるでしょう。

就活の開始時期が遅い

就活の準備を後回しにすると採用スケジュールの波に乗れず、内定が無い状況になる原因になります。

現在は、多くの企業が選考を前倒ししており、出遅れたまま本格化のタイミングを迎えると、受けられる企業が限られる可能性もあるからです。

理系院生は研究が忙しく、就活を意識し始める時期が遅れるケースもあるため、研究と並行して動ける工夫が求められます。特に、情報収集や自己分析の準備は、余裕をもって取り組むと良いでしょう。

本格的な活動を始める前から、業界や企業を広く見渡し、徐々に視野を絞っていく必要があります。

業界・職種を絞り込み過ぎている

業界や職種を絞り込み過ぎると、内定の機会を自ら狭めてしまう場合があります。理系の院生は、研究室ごとに異なるテーマに取り組んでおり、専門分野が細分化されていることが一般的です。研究内容をそのまま活かせる職種に就ける場合もありますが、研究職は採用枠が限られており、志望者の希望が通るとは限りません。

また、業界だけでなく職種まで限定してしまうと、選択肢はさらに狭まります。採用人数がわずかな場合、気づいたときにはエントリー受付が終了している恐れもあるでしょう。内定が無いといった状態を避けるには、関心のある領域だけでなく、関連する分野や職種にも視野を広げることが大切です。

インターンシップに参加していない

インターンシップに参加しないまま就活を始めると、判断材料が不足しやすい傾向にあります。近年は、多くの企業が採用活動の一環としてインターンシップを実施しており、本格的な選考に入る前の情報収集の場といえるでしょう。

企業側は、自社を知ってもらう機会としてインターンシップを実施しています。インターンシップに参加すると、仕事内容や職場の雰囲気を把握でき、入社後のギャップを防げます。また、自分に合わない業界や職種に気づける点も大きなメリットです。

早い段階で向いている分野の方向性が見えると、志望業界の絞り込みや選考準備にも余裕が生まれ、内定が無い状態を避けやすくなるでしょう。

自己分析・企業研究ができていない

自己分析や企業研究が不十分なままでは、志望動機や適性が伝わらず、内定が無い状態が続く可能性があります。エントリーシートや面接で応募先への理解や就活の軸が見えていない場合、応募者は準備不足であると判断される恐れがあるからです。

研究に集中すると、就活に関する準備や対策の優先度が下がることもあるでしょう。しかし、内定獲得を目指している以上、目標に向けた行動は必要です。

就活では、自分が大切にしたい価値観や方向性、就活の軸を明確にすると、応募書類にも説得力が生まれます。選考前には、自己分析と企業研究を行い、早い段階で整理しておくことが選考通過の鍵になるでしょう。

情報収集がうまくできていない

情報源が限られていると視野が狭まり、内定が無い状態が続く可能性があるため注意が必要です。理系の院生の場合、研究内容に応じて自然に志望業界を絞り込むケースが多く、身近な人からの情報だけで進路を決めてしまう傾向があります。

指導教員や先輩、研究室の仲間などを通じて、必要な情報を得られる場合もあるでしょう。ただし、少ない情報に頼り過ぎると、特定の価値観に偏ったアドバイスを鵜呑みにしてしまう可能性もあります。

就活では、自分から主体的に情報を取りに行く姿勢が求められるため、企業の公式サイトや説明会などからも検討を進めることが大切です。

内定がなかなか得られないときは、「就職できる気がしないときの不安の解決策9選!悩む理由・共通する特徴も解説」の記事を参考にして不安の解決にお役立てください。

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内定が無いことに悩む理系院生の就活ポイント10選

理系の院生が就活を進めるうえでは、研究との両立や情報不足などの課題に直面することが考えられます。納得のいく進路を選ぶためには、早期の準備と的確な対策が欠かせません。

ここでは、理系の院生が意識すべき10個のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.業界・企業研究を念入りに行う

理系の院生が就活をする際には、業界や企業ごとの特徴を調べたうえで、自分の強みと重なる点を明確にすることが大切です。企業が求める人物像や価値観を理解しないまま選考に臨んでも、自己PRや志望動機に説得力は生まれません。

企業が求める人物像と自分の強みが一致していれば、選考時の評価にもつながります。たとえば、企業の採用ページや社員インタビューに目を通すと、求められる人物像を具体的にイメージしやすくなるでしょう。また、実際の仕事内容や配属部門の情報にも目を向けておくと、志望動機に一貫性が生まれます。

同じ業界でも企業ごとに方針や社風が異なるため、さまざまな企業を比較しながら検討するとよいでしょう。

2.OB・OG訪問を行う

関心のある業界が明確になったあとは、業界に関連する仕事を整理し、できるだけ多くのOB・OGに話を聞く機会を持つことが大切です。企業説明会では得られない実情を知る手段として、OB・OG訪問は非常に有効といえます。

企業の人事担当者ではなく、サークルや研究室の先輩など、個人的なつながりから訪問先を探すと良いでしょう。利害関係が無い立場から話を聞けるため、実際の働き方や雰囲気など、職場のリアルな様子を知る手掛かりになります。

また、選考の流れやエントリーの時期など、就活の進め方についても具体的なアドバイスを受けられるでしょう。ほかにも、実際に入社して感じたギャップや働き始めてから気づいたことなど、リアルな声を聞けるのも大きなメリットです。

3.就活と研究を両立するための時間を確保する

就活と研究を両立するためには、両者に使える時間を把握し、優先順位をつけて効率的にタスクを進めることが大切です。

特に、締切のあるエントリーや面接は、研究の進行に影響しないよう計画的に調整する必要があります。研究スケジュールに柔軟性を持たせたり、事前に指導教員と相談したりすることも重要です。

最近は、スマートフォンでスケジュール管理をする人もいるでしょう。しかし、就活では時間軸のある紙の手帳がおすすめです。1冊の手帳に研究と就活、プライベートの予定をすべて書き込むことで抜けや漏れを防ぎ、全体のバランスも可視化できます。

4.情報交換を積極的に行う

内定が無い状態を避けるには、普段の研究室や大学の枠を越えて多様な学生と情報交換する姿勢が欠かせません。同じ専攻や大学内だけでは得られない視点や選考情報を得られる場合があるからです。

近年はオンライン選考もあり、ほかの学生と直接話す機会が減りつつあります。それでも、対面でのグループディスカッションなどがあれば、終了後に声を掛けて情報交換すると良いでしょう。

大学が異なる学生と接すると、選考スケジュールの比較や企業の雰囲気の違いなど、参考になる情報が得られます。また、SNSやオンラインイベントを活用すると、学外の学生とつながるチャンスも広がるのでおすすめです。

5.面接の練習を重ねる

面接で好印象を残すためには、繰り返し練習して話し方や伝え方を磨くことが欠かせません。エントリーシートの内容が優れていても、口頭でうまく伝えられないと、評価にはつながらないからです。

本番を想定したうえで、練習を重ねると、自信を持った受け答えができます。また、両親や指導教員、大学のキャリアセンターなど、身近な第三者に協力してもらうことで、客観的な課題の把握に役立つでしょう。

ほかにも、自分の受け答えや表情を録画して確認すれば、話す癖や姿勢なども見直せます。面接での受け答えは、丸暗記ではなく、質問の意図を踏まえて柔軟に答えられる力が大切です。

6.大学院に進んだ理由を明確にしておく

面接では、「なぜ大学院に進学したのか」を質問されることがあるため、自身の進学理由を整理しておく必要があります。

「就活がうまくいかなかった」「やりたいことがなかった」などの動機でも、そのまま伝えるのは避けましょう。

企業は、自ら課題を見つけ、前向きに行動できる人材を求めています。受け身な姿勢や曖昧な理由を伝えてしまうと、仕事に対する意欲が感じられず、評価に影響する可能性があるでしょう。

「研究テーマへの関心や専門性を深めたかった」といった前向きな視点で伝えると、主体性をアピールしやすくなります。ほかにも、大学院での学びを入社後にどのように活かしたいかもあわせて話すと、将来の活躍をイメージしやすくなるでしょう。

7.研究内容を分かりやすく伝える

研究内容を活かせる職種を志望する場合は、専門的な内容を相手に伝わる形で説明できるよう準備しておくことが重要です。採用担当者が理系出身とは限らないため、専門用語を並べただけの説明では十分に理解されません。

一方的な専門知識のアピールは、かえって自己中心的な印象を与える可能性があります。研究の背景や目的を簡潔に伝えたうえで、社会的な意義や実務との関連性に触れると説得力が増すでしょう。

研究内容を説明する際は、中高生でも理解できる表現を意識すると、相手への配慮が伝わり、印象も良くなるのでおすすめです。内容よりも、「どのように伝えるか」を意識する姿勢が評価につながります。

8.専門性をアピールする

理系の院生にとって、専門性は大きな強みになるため、研究で培った知識や技術は、就活の場でも積極的に伝えていきましょう。

ただし、専門分野に固執している印象を与えないよう配慮する必要があります。過度な自己主張は柔軟性に欠けると受け取られる可能性があるからです。

前述のとおり、専門的な内容を伝える際には、相手にとって分かりやすい言葉で説明することが大切です。

また、専門知識を深める中で得た思考力や姿勢なども評価の対象になります。たとえば、直面した課題にどのように向き合い、乗り越えたのかを伝えると、問題解決力や粘り強さをアピールできるでしょう。

専門外の分野を志望する場合でも、努力の過程や考え方を中心に伝えると、重要な評価ポイントにつながります。

9.就活イベントに参加する

内定獲得のために企業との接点を増やしたい場合は、就活イベントへの参加もおすすめです。企業ブースや座談会形式での交流を通じて、社風や業務内容を直接知る機会が得られます。

就活イベントでは複数の企業の採用担当者と一度に会えるため、比較しながら情報を集めることも可能です。

また、理系学生向けのイベントでは、研究経験や技術分野を踏まえた説明が行われるため、興味・関心のある業界の理解が深まります。ほかにも、限られた時間で多くの企業を知れる点も大きなメリットといえるでしょう。

参加する場合は、事前に出展企業や登壇者のプロフィールを確認し、質問内容を準備しておくと、より実りある時間になります。

10.就活エージェントを活用する

効率良く情報を集めたい場合は、就活エージェントを活用するのがおすすめです。就活エージェントでは、個別のサポートを受けながら、非公開求人や業界動向などの情報にもアクセスできます。

就活エージェントは、理系学生特有の悩みや選考でつまずきやすいポイントを把握しており、自分に合ったアドバイスが受けられるのもメリットです。

ほかにも、履歴書やエントリーシートの添削、面接対策などの基本的な準備もサポートしてくれるため、初めての就活に不安を感じている方にも心強い存在といえます。

就活エージェントを活用すると、自分だけでは気づけなかった強みや適性を見つけるきっかけにもなるので、積極的に利用を検討するのも良いでしょう。

大学院生の就活におけるポイントについては、「大学院生の就活はいつから始める?失敗しない進め方や実施したい対策を解説」の記事も参考にしてください。

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内定が無いことに悩む理系院生におすすめの就活相談先

理系の院生が就活を進めるうえで、情報収集や選考対策を一人で行うのは大きな負担になります。

ここでは、理系の院生におすすめの相談先を紹介するので、ぜひ活用を検討してみてください。

大学のキャリアセンター

大学のキャリアセンターは、理系の院生に向けた多角的な就活支援を行っています。入学直後からガイダンスや個別面談を通じて、キャリア形成をサポートしている大学もあるため、積極的に相談するのがおすすめです。

理工系学生を対象に、進学・就職の相談や業界研究セミナー、模擬面接などを実施しているケースもあり、専門性の高い進路支援が受けられます。研究との両立が難しいと感じている方も、まずは相談窓口を利用してみると良いでしょう。

また、学内で紹介される求人には、大学との信頼関係がある企業も含まれており、安心して応募できることが多いといえます。就活に行き詰まったときは、第三者から客観的なフィードバックを受けると、新たな視点が得られるでしょう。

就活エージェント

効率的に就活を進めたい方には、就活エージェントへの相談がおすすめです。就活エージェントによっては、理系分野に精通した担当者が志望分野や研究内容をもとに適切な求人を提案してくれる場合もあり、情報収集の手間が軽減されます。

履歴書やエントリーシートの添削、面接対策なども個別に対応してもらえるため、初めての就活でも安心して取り組める点もメリットです。

また、非公開求人や独自ルートの企業紹介を受けられることもあり、自分では見つけにくい企業との出会いにもつながります。研究が忙しく、就活に十分な時間を割けない人にとって、時間と労力を最小限に抑えつつ、自分に合った選択肢を広げられる手段といえるでしょう。

OB・OG

就活を進めるうえで、志望業界や職種に関する情報を得るためには、OB・OGへの相談もおすすめです。実際の仕事内容や職場の雰囲気など、公式サイトだけでは得られない具体的な話を聞けます。

特に、理系の職種では、大学院で得た知識が実際の業務でどのように生かされているのかを聞ける点が大きなメリットです。訪問時には、一方的に質問するのではなく、相手への感謝を忘れず、会話を通じた学びの姿勢を示すことで信頼につながります。

OB・OG訪問をする際は、計画的に準備して早めにアポイントを取得しましょう。理系の大学院生のスケジュールについては、「理系大学院生の就活スケジュールを解説!効率的に進めるポイント4つを紹介」の記事も参考にしてください。

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内定が無い状態から抜け出したい理系の院生へ

理系の院生が内定獲得を目指すためには、自分の強みを把握したうえで、応募先に合わせた準備を進めることが大切です。研究と就活を両立させるためには、周囲をうまく頼りながら対策を進めると、内定獲得への近道になるでしょう。

「頑張っているのに内定が無い」と悩む理系院生には、就活エージェントの利用がおすすめです。

キャリアチケットでは、専門のアドバイザーがカウンセリングを行い、あなたに合った企業を紹介しているため、効率的に就活を進められます。また、履歴書や面接の対策だけでなく、企業との日程調整などもサポートしているため、研究と並行して就活を進めやすいのも特徴です。

初めての就活に不安を感じている方や行き詰まりを感じている方は、気軽に利用してみてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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