大学院生の就活を成功させるポイントは?専門性を活かした選考対策を紹介

このページのまとめ

  • 大学院生の就活は修士1年の4月から準備を始め、計画的に動くことが重要
  • 大学院生は推薦制度や専門性を活かせる求人枠を活用して就活を進める必要がある
  • 面接では研究内容を分かりやすく伝えることが求められる

大学院生の就活を成功させるポイントは?専門性を活かした選考対策を紹介のイメージ

大学院生の就活は、「いつから動くべきか」「研究とのバランスをどうとるか」など、学部生とは異なる悩みを抱える人が多いでしょう。特に、研究に専念しつつ同時に就活を進めるためのスケジュール管理やアピール方法に悩むケースが目立ちます。

この記事では、大学院生の就活をどのように進めるべきかをスケジュール別に紹介。これから就活を始める大学院生の方はぜひ参考にして、効率的に内定獲得を目指しましょう。

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目 次

大学院生の就活はいつから?スケジュールを解説

大学院生が就活をうまく進めるためには、スケジュールの把握が大切です。ここでは、就活を始める時期や、基本的な就活スケジュールについて解説します。

修士1年の4月:就活準備を始める

修士を終えた段階で就職を希望しているなら、大学院に入学したらすぐ、就活準備をスタートさせましょう。6月にはインターンシップが始まるため、開始までに必要な準備を整えておく必要があります。

入学直後にやっておきたいのは自己分析です。自己分析を行い、「自分の強みは何か」「どのような業界を目指すのか」「どのような仕事をしたいのか」を明確にしましょう。

また、自己分析で方針が決まれば、業界研究や企業研究も初めておくのがおすすめです。どの企業のインターンシップに参加するのか、目星をつけておきましょう。

自己分析の実施方法については、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」の記事で解説しているので参考にしてください。

修士1年の6月から8月:インターンシップの参加

修士1年の6月ごろになると、インターンシップの募集が開始されます。募集には締切があるため、遅れないように申し込みましょう。

インターンシップは、企業によって先着順だったり選考があったりと参加方法が異なります。エントリーシートや履歴書の提出が求められる場合もあるので、事前に準備しておきましょう。

修士1年の3月:エントリーが始まる

企業へのエントリーが始まるのは、修士1年の3月からです。経団連に参加している企業の場合は、3月にエントリーの一斉解禁が行われます。

ただし、外資系企業や経団連に参加していない企業などは、3月よりも前に募集を始める場合もあるので気をつけましょう。志望企業がいつからエントリーを受け付けているのか確認しておくのも大切です。

修士2年の6月:選考が始まる

修士2年の6月ごろになると、グループディスカッションや面接などの選考が始まります。この時期までに対策を行い、自信をもって選考に参加できるようにしましょう。

特に、面接はどの企業でも実施される選考のため、入念な対策が必要です。自己PRなどよく聞かれる質問への回答を準備しておくとともに、模擬面接を受けるなどして選考に備えましょう。

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大学院生の就活の特徴

大学院生が就活を成功させるために、大学院生ならではの特徴を知っておくのが大切です。3つの特徴について解説するので、活用して就活を進めましょう。

推薦制度を使える

大学院生は「学校推薦」と「教授推薦」という2つの推薦制度を使って就職活動を進められます。これらを上手に活用することで、一般応募よりもスムーズに選考に進める可能性があるのです。

学校推薦は、企業が特定の大学に採用枠を設ける制度で、成績優秀者など条件を満たせば大学から推薦を受けられます。

一方、教授推薦は、所属しているゼミの教授から直接推薦を受けて企業の選考に進む方法です。教授の信頼や評価が大きな後押しになります。

教授推薦がどのようなものかについては、「教授推薦とは?理系就活で利用する際のメリット・デメリットを解説」の記事で紹介しているので参考にしてください。

専門性が評価されやすい

大学院での研究は学部生時代よりも専門的で深いため、企業は大学院生の専門性を高く評価します。特に理系大学院生は、長期間専門分野に取り組み、実務に役立つスキルや知識を持っていることが強みです。

志望企業を選ぶ際は、自分の研究内容と関連性の高い分野や業界を狙うことで、専門知識を活かせるでしょう。研究の成果や過程で身につけたスキルを具体的に伝え、即戦力としての魅力をアピールすると効果的です。

大学院生しか応募できない枠もある

企業の求人には、「大学院生のみ応募可」としている枠もあります。こうした枠は学部生が応募できないため、ライバルが少ないのがメリットです。

ただし、応募者が少ない分、自己PRや志望動機はほかの大学院生と差別化できる内容に仕上げることが重要。大学院生限定枠は専門性を求める求人が多いため、あなたの研究経験や知識を的確にアピールできれば、内定獲得のチャンスが広がります。

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大学院生が就活を成功させるための対策11選

大学院生が就活に失敗しないためには、事前に就活スケジュールを把握して乗り遅れないように準備することが大切です。ここでは、大学院生が就活を始めるにあたって行っておきたい対策をご紹介します。

1.就活スケジュールを整理しておく

就職活動を始める前に、どのような流れで進めていくのかスケジュールを整理しておきましょう。大学院生の就活は2年と短く、計画的に動く必要があります。

スムーズに就活を進めたい場合には、進学直後からの準備が必要です。内定時期を逆算し、次のような内容のスケジュールを考える必要があります。

・自己分析の時期
・業界・企業研究の時期
・インターンシップに参加するか
・合同・企業説明会の時期
・書類選考対策の時期
・筆記試験対策の時期
・面接対策の時期

大学院生は就活だけではなく、研究や論文作成、学会の参加などで非常に多忙です。就活が間に合わない状況を避けるためにも、スケジュールを事前に整理しておきましょう。修士1年生からの就活について学びたい方は、「修士1年生でも内定はもらえる?就活成功へのポイントや人気の就職先を紹介」も参考にしてください。

2.就職活動は早めに動き出す

大学院生の就職活動は、入学直後に動き出すことがポイントです。可能であれば、入学直後の4月から自己分析などの準備をスタートさせましょう。

大学院生は卒業までに2年しかなく、入学から1年後にはエントリーが始まります。また、大学院1年生の夏にはインターンシップが始まるため、準備に長い時間は掛けられません。

さらに、専門性が高いと判断された学生は、広報活動の期間を短縮し、ほかの学生よりも早めに採用選考が始まります。学部生と比べて早い時期に選考が始まる企業も多いため、余裕をもって準備しておくことが大切です。

参照元
厚生労働省
2025年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方

3.キャリアビジョンを明確にする

就活を成功させるために、キャリアビジョンを明確にしておきましょう。キャリアビジョンとは、「自分は将来何をしたいのか」「どのような目標を達成したいのか」などのことを指します。

就活を成功させるためには、具体的な目標設定が欠かせません。目標がないまま就活を進めようとしても、行きたい企業がなく、内定を得たとしてもミスマッチを起こします。

キャリアビジョンを考えるコツは、大学院で学んだ専門分野の知識や技術を、仕事でどのように活かしたいのか整理することです。キャリアビジョンが明確にできれば、志望したい業界や企業が絞り込めるでしょう。

一般企業への就職を選んだ理由を整理する

一般企業への就職を選ぶ場合には、なぜ一般企業を選んだのか理由を整理しておきましょう。面接で聞かれた場合に、自信をもって答えられるようにするためです。

大学院生は研究職に進むことも少なくないため、「なぜ研究職ではないのか」「就職してどうしたいのか」などはよく聞かれます。自分なりの意見を持ち、納得できる考えを伝えることができれば、企業からの評価は上がるでしょう。

4.基礎的な社会人スキルを身につける

専門知識だけではなく、基礎的な社会人スキルを身につけておくことも重要です。コミュニケーション能力を磨いたり、チームで物事を成し遂げるためのスキルを伸ばしたりすると、高評価を得やすくなるでしょう。

研究の内容が直接活かせずとも、研究を続けるなかで身につけた能力は自己PRに活用可能です。仮説を立ててその検証のために必要な情報を集める力や、目標に向かってコツコツ努力を継続する力などを面接やESでアピールします。

5.推薦応募を検討する

一般の選考だけではなく、推薦応募を利用した就職も検討してみましょう。推薦応募は、大学院生の就活の特徴的な制度です。学校の推薦枠を利用する「学校推薦」と、教授のコネクションを活用する「教授推薦」があるため、志望先があれば活用してみましょう。

ただし、推薦枠であっても不合格になることはあります。また、推薦枠の場合は基本的に内定を辞退できず、必ずしも希望する研究職に就ける確約もない点には注意が必要です。

自由度は少ないながら、自分の持つ知識を活かせる仕事に就ける可能性はあるため、教授や学校のキャリアセンターと相談してみましょう。

6.研究内容が活用できる就職先を見つける

理系の大学院生は、研究内容が活かせる就職先を探すのがおすすめです。研究内容が評価され、就活を有利に進められる場合があります。

また、志望する企業の研究内容が、自分の研究したい内容と合っているか確認することも大切です。業界研究や企業分析が不十分だと、ミスマッチを起こしやすいので気をつけてください。

7.院卒が評価される企業を狙う

院卒を高く評価する企業もあるので、積極的に応募しましょう。たとえば、研究職や開発職を募集する企業は、学部卒の募集を行っていない場合もあります。

院卒はより専門的な内容を学んでおり、その分知識も豊富です。大学院生ならではの特徴を活かして就活を行うと、内定も獲得しやすくなるでしょう。

8.インターンシップに参加する

内定獲得に向けて、インターンシップにも参加してみましょう。時間がない大学院生だからこそ、就活を有利に進められるインターンシップがカギを握ります。

インターンシップのメリットは、企業研究だけでは分からない企業の雰囲気を体感できたり、業務内容を体験できたりする点です。志望企業のインターンシップには積極的に参加しましょう。

経済産業省の「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会(p18)」によると、「大学院1年生の7~9月にはインターンシップに参加するのが望ましい」と考えている大学院生は54.3%おり、最も多い結果でした。

大学院の年次が上がると研究活動が忙しくなるため、なるべく早い段階でインターンに参加するのがおすすめです。就活と研究を両立するためにも、進学した年の夏休みごろにはインターンシップに参加すると考え、早めの準備を心掛けましょう。

参照元
経済産業省
学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会 大学に対する調査結果

9.大学院生に特化した就活サイトを使う

就活サイトのなかでも、大学院生に特化したものを使いましょう。大学院生に特化した就活サイトには大学院生の採用に積極的な企業が集まっており、内定を獲得しやすい傾向があります。

また、研究の大変さや学部生とは違う大学院生ならではの忙しさへの理解も深いのもポイントです。大学院生に特化した就活サイトで募集している企業の場合、選考の日程などを配慮してもらえるケースがあります。

10.逆求人サイトを利用する

逆求人サイトを利用し、企業からのオファーを待つ方法もあります。逆求人サイトとは、企業側が学生のプロフィールを確認し、興味がある学生にオファーを送るサービスです。

一般的な就活サイトの場合、企業側が自分の強みや経験を求めているかどうかが分かりません。一方で、逆求人サイトは自分を評価している企業からオファーが来るため、より効率的に選考を受けられるメリットがあります。

11.就職エージェントを活用する

忙しい就活を効率的に進めるため、就職エージェントに相談してみましょう。大学院生は研究など学業に多くの時間を使う必要があり、なかなか就活への時間が割けません。学業に集中した結果、就活が進んでいないケースもよくあります。

就職エージェントに相談すれば、状況に応じて必要な準備や対策のアドバイスがもらえるのがメリットです。自分一人で試行錯誤するよりも、効率的に進められるのでぜひ活用してみてください。

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大学院生が就活に失敗してしまう8つの理由

大学院生が就活に失敗してしまうのは、就活のスタートが遅かったり、職種を絞り過ぎていたりするのが原因です。

ここでは、大学院生が陥りがちな失敗を紹介します。就活で失敗しないためにも、自分にあてはまらないか確認してみてください。

1.志望する職種を絞り過ぎている

就活に失敗しやすい理由に、志望する職種を絞り過ぎているケースがあります。選択肢が少ないと行動数も少なくなり、内定獲得が大変になるため注意が必要です。

大学院で専門的な内容を学んでいるからこそ、知識やスキルを活用できる就職先や志望職種を絞り込めるもの。専門分野がニッチだったりマイナーだったりして、そもそも活用できる業界が限られている場合もあるでしょう。

しかし、いずれの場合でも、視野を広げることが重要です。専門分野の関連分野や企業など、対象を広げて就職先を探してみましょう。

2.就活よりも研究や卒論を優先している

就活よりも研究や卒論を優先し過ぎないように注意しましょう。大学院生の本分は研究ですが、研究に時間を費やし過ぎてしまうと、エントリー期日を逃したり、就活準備が不十分になったりする可能性があります。

ただし、大学院生の場合は成果を出さなければ修了できないため、研究をおろそかにして良いわけではありません。研究と就活を両立するためにも、日々の生活にメリハリをつけ、限られた時間を有効活用しましょう。

3.就活を始めるのが遅い

就活を始めるタイミングが分からず出遅れてしまうケースもあります。大学院生の就活は、1年生からスタートするのが一般的です。就活に臨むと決めた段階から、積極的に大学院生の就活に関する情報を集めましょう。

また、新しい環境に慣れようとしたり、勉強に精一杯だったりする大学院生は、就活を始めるタイミングを逃しがちです。「気づいたときには手遅れだった…」とならないように常に就活に対してアンテナを張っておくと乗り遅れずに済みます。

4.大学院生ならではのアピールができていない

大学院生ならではのアピールができていない学生も、就活に失敗しやすくなります。大学院生として就職を希望する場合、学部生との違いをしっかりとアピールする必要があるでしょう。

大学院生の強みは、専門的な知識や技術です。自己PRや志望動機を作成する際は、その専門性を第一にアピールできないかを軸に考えてみましょう。

具体的なアピール方法が分からなければ、自身の強みを十分に伝えられない可能性もあります。ESの添削や面接練習を通して、自分の魅力を伝えるためのアピール方法も意識的に身につけましょう。

文系は専門スキルを活かしにくい

文系の大学院生の場合、よほど専門的な職種を選ばない限り、研究で磨いた知見を活かしにくいのが実状です。業界によっては専門性や院卒というキャリアが求められるとはいえ、現在の就活市場は文系の大学院生にとって好ましい状況ではないことを理解しておきましょう。

一方、理系の大学院生の場合は研究した内容が業務に直結する業界や企業も多く、一般的には専門スキルを活かしやすいといえるでしょう。大学院は、理系企業からの推薦の数も多い傾向にあります。

ただし、文系・理系いずれの場合も、就活に向けた対策をしっかりと行わなければ内定は獲得できません。「文系だから」「理系だから」と考える前に、まずは基本的な就活対策に取り組みましょう。

5.ネガティブな理由で就活をしている

ネガティブな理由で就活をすることも、思いどおりに内定を獲得できない要因です。「大学に残ることが難しそうだから」「研究に限界を感じたから」といったネガティブな理由で就活を始めると、どうしても積極的になれなかったり、主体的に動けなかったりします。

また、志望動機も前向きな内容が書けず、書類で落とされてしまうこともあるでしょう。嫌々ながら面接を受けると、人事担当者にネガティブな気持ちが見抜かれてしまいます。

就活を成功させるためには、これからどのようなキャリアを築きたいのか、仕事を通じてどのようなことを達成したいのかなど、プラスの面を考えることが重要です。

大学院生の就活でくじけそうになっている方は、「就活でくじけそうになったら?内定のために気持ちを切り替える4つの思考法」の記事も参考にしてください。

6.学部卒に比べて情報が少ない

学部卒と比べて就活情報が少ない点も、就活で苦戦しやすい理由です。学部生よりも大学院生の数が少ないだけではなく、大学院生のなかでも就活を行う学生が少ないことが理由に挙げられます。

参考にできる情報がないため、就職に向けてどのように動けば良いのかが分かりません。手探りかつ、正解が分からない状況に陥りやすく、就活で失敗してしまうのです。

7.1人で抱え込んでしまう

就活は一人でやるものだと考えていると、失敗しやすくなります。就活は情報戦でもあるので、周囲の協力を受けながら効率的に進めましょう。

大学院生は就活に割ける時間が少なく、効率的に動かなければなりません。同じ業界を目指す友人がいる場合は、企業説明会や選考のスケジュールを共有し合うと良いでしょう。

また、就職活動のプロである就職エージェントの力を借りるのもおすすめです。情報収集はもちろん、書類選考や面接対策などをサポートしてくれるため、就活をより有利に進められます。就職エージェントのキャリアチケットでも大学院生の就職活動をサポートしているので、内定に向けて不安を感じるならぜひご相談ください。

8.教授が就活に非協力的

大学院で教授が就職活動に協力的でない場合、就活がスムーズに進まず、研究との両立に苦しむ可能性が高まります。

大学院の教授の主な仕事は「研究で成果を出すこと」と「学生の研究育成」であり、就職支援の優先順位は低いのが現実です。そのため、学生の就活スケジュールを把握せずに膨大な課題や実験を課すことがあり、就活の時間が取りづらくなります。

もし研究室の方針で就活に支障が出そうな場合は、早めに相談しスケジュール調整を図ることが大切です。

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大学院生が就活でアピールできる強み

大学院生は、学部生とは異なる独自の経験や学びを通じて多くの強みを身につけています。これらの強みを活かすことが、就活で失敗しないポイントです。

ここでは、大学院生が持つ主な強みを3つ詳しく解説します。

課題解決能力

大学院生の持つ課題解決能力は、就活で評価されやすいポイントの一つです。大学院では、分野に関わらず研究活動を通じて複雑な問題に取り組むことになります。このような経験から、問題を分析し、適切な解決策を導き出す能力が養われるでしょう。

実際のビジネスの現場でも多岐にわたる課題に対応するため、課題に対応したり解決したりする力が求められます。大学院生活を通じて培っていれば、選考における大きな武器になるはずです。

ただし、せっかく課題・問題解決能力を持っていても、ESや面接でそれを伝えられなければ意味がありません。実際のESや面接での伝え方については「自己PRで問題解決能力を伝えるコツは?相手に伝わる構成や例文も紹介」も参考にしてください。

特定の分野の専門知識

特定の分野の専門知識を持っていることも、大学院生の強みの一つです。大学院では特定のテーマや分野に特化した研究を進めるため、その分野に関する深い知識を身につけることになります。専門知識が志望する業界や職種に直結する分野のものだと、就活の強みとなるでしょう。

リサーチ能力や研究のスキル

研究の過程で身につけるリサーチや研究のスキルを、企業に売り込むことも可能です。大学院では、研究を進めるなかで情報収集やデータ分析、仮説検証などの過程を何度も繰り返します。

このような過程はビジネスシーンでも行われるので、リサーチや研究のスキル・経験が豊富な大学院生は魅力的な人材に見えるでしょう。特に、新しい市場や技術の調査、競合分析、マーケティングリサーチなどに取り組んでいる企業では、このようなスキルが高く評価される傾向にあります。

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大学院生の就活で面接を成功させるポイント

大学院生の就職活動において、面接は特に重要なステージです。企業はあなたの専門性や研究内容に加えて、問題解決力やコミュニケーション能力、そして人柄まで幅広く見ています。

特に大学院生の面接では、研究内容が深掘りされることが多く、「どのように伝えるか」が合否を大きく左右するもの。専門的な内容を分かりやすく説明できるかや、研究の過程での思考やチームでの取り組みを具体的に話せるかが評価ポイントです。

ここでは、大学院生の就職活動における面接のポイントを紹介します。

大学院生の面接では研究内容が深掘りされる

大学院生の就活面接では、研究内容について深掘りされることが多いため、研究を分かりやすく伝える準備が欠かせません。

大学院生は学生生活の大半を研究に費やしており、企業側も「どのようなテーマに取り組んできたのか」「どのような課題を解決しようとしたのか」を通じて、あなたの専門性や課題解決力を見ています。学業以外の話が少なくなることも多いため、研究内容を軸に自己PRを行うことが重要です。

面接前に以下のポイントを整理しておきましょう。

・研究内容(テーマと目的)
・研究期間
・研究方法
・成果・結果
・第三者からの評価(学会発表・論文・表彰など)
・研究体制(チームor個人)

さらに実験・実習・フィールドワークのエピソードも伝えられるようにしておくと、より説得力が増します。大学院生の面接対策は、研究内容を分かりやすく伝える準備から始めることが重要です。深掘りされても答えられるように回答例を用意し、自信を持って話せる状態に整えておきましょう。

研究内容は高校生でも分かる言葉を使う

面接で研究内容を伝えるときは、専門用語を使わずに説明することが大切です。目安は「高校生でも理解できるレベル」とすると、分かりやすいでしょう。

大学院の研究は専門性が高くなりがちですが、企業の面接官が必ずしもその分野に詳しいとは限りません。難しい言葉や専門用語で説明すると、「相手の立場で物事を考えられない」「伝える力がない」と評価されるリスクがあります。

たとえば「深層学習アルゴリズムの精度向上」と言いたい場合も、「AIが画像を認識するときの精度を上げる研究」と表現し直すだけで、相手の理解度が大きく変わるでしょう。

「これくらいなら分かるだろう」と思わず、高校生が理解できるレベルで簡潔に伝える練習をしておくことが、面接であなたの理解力・伝達力を高く評価してもらうポイントです。

研究結果だけではなく思考力・人柄も評価される

面接の際は、思考力や人柄が伝わるような答え方をしましょう。面接で企業が研究内容を質問するのは、研究成果だけ知りたいというわけではありません。

企業は「困難に直面したとき、どのように考え、行動したのか」という姿勢を重視しています。研究は予想外の壁にぶつかることが多く、その際の向き合い方やチームとの協働の姿勢が、入社後の成長性や協調性を測るヒントになるからです。

面接で伝える際は、以下のような切り口でエピソードを用意しておくのがおすすめです。

・研究中にぶつかった壁・挫折(例:実験データが思うように出なかった)
・その壁をどのように乗り越えたのか(例:原因分析し別手法を試行)
・困難時の考え方・行動(例:チームメンバーと分担して再実験した)
・研究を終えたときの気づきや成長(例:粘り強く取り組む力がついた)
・チームワークの工夫(例:定例ミーティングで意見交換を継続した)

このように「結果」だけでなく「過程」を具体的に伝えることで、企業はあなたの人柄をイメージしやすくなります。面接では、研究成果を述べるだけでなく、思考方法・課題解決力・協調性を伝えることが重要です。研究中の経験談を通じて、あなたの強みや人柄が伝わるように準備しておきましょう。

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キャリアアドバイザーから大学院生の就活のアドバイス

大学院生が就活を成功させるには、「自分が研究してきた専門領域をそのまま活かせる可能性は低い」という考えを持つことが大切です。

研究・開発業務では大学院での研究経験や専門知識を活かせますが、そもそも研究開発職の募集は少なめ。さらに、自分の専門領域にこだわれば選択肢はより少なくなります。「研究・専門領域でしか就職したくない」と考えてしまうと、就活に失敗する可能性は高まるでしょう。

たとえば、「心理学専攻→営業活動において顧客理解に強くなれる」というように、別職種で専門性を活かして活躍する道も検討してください。どうしても研究を仕事にしたいのであれば、民間で実務経験を積んでから専門職に就いたりアカデミックに戻ったりというキャリアもあります。

「院まで行ったからその道で就職しないと」という考えを持つ人もいるかもしれませんが、違う道に進むことを選択肢に入れると、就活がスムーズに進みやすくなるでしょう。

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大学院生の就活でおすすめの就職先

どのような業界や企業を志望するかは個人の希望によりますが、大学院生に向いている業界や企業もあります。ここでは、大学院生におすすめの就職先を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

研究所

大学院で学んだ知識を活かしやすいのが、研究所です。研究所では大学院の研究活動と似た環境で働くことになるので、大学院生の経験やスキルを存分に活かせます。また、最先端の研究に携われるため、研究者としての成長を望む人には最適な職場といえるでしょう。

研究所への就職で求められる専門的な知識など大学院生の強みをアピールしやすい点も、研究所がおすすめな理由の一つです。

メーカー

民間企業にあたるメーカーも、大学院生におすすめの業種になります。食品や薬品など、研究・開発ができる人材を求める企業があるからです。

メーカーの研究部門では専門知識が必須なので、専門知識を学んできた大学院生は評価されやすいでしょう。さまざまな分野のメーカーが存在するため、自身の知識やスキルが活かせるメーカーがないかよくリサーチすることが大切です。

コンサル

文系の大学院生には、コンサル業界もおすすめ。コンサル業界では、論理的な思考や課題解決といったスキルが評価されやすい傾向があるからです。

専門的な知識を活かしにくいとされる文系の大学院生も、研究活動を通して培ったロジカルシンキングやリサーチスキルを強みに、コンサル業界を目指せるでしょう。

コンサルは、企業によって取り扱う分野やアプローチが大きく異なります。より詳しくコンサルについて知りたい方は「コンサルとはどんな仕事?業務内容や必要なスキルを解説」も参考にしてください。

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大学院生の就活を成功させ内定を獲得したいあなたへ

就活に失敗しないかどうか、不安に感じている大学院生も多いでしょう。大学院生は研究と就活を両立しなければならず、慣れない環境にも苦戦します。また、理系の大学院生は技術面接の対策が必要になる場合もあり、一人で就職活動を進めることが難しく感じるかもしれません。

一人で就職活動を進めることに自信がない就活生は、ぜひキャリアチケット就職エージェントにご相談ください。

キャリアチケットでは、あなたが希望する職種や業界に合わせた企業情報を提供し、選考対策や面接対策のアドバイスを行っています。技術面接で自分の長所をアピールするための自己分析のお手伝いもお任せください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

キャリアチケットについて

キャリアチケットは、就活生の最高のキャリアスタートを支援するサービスです。