こころを壊さない就職活動~「不安」といかに向き合うべきか

SNSのタイムラインに並ぶ「就活終わらない」「また祈られて(不採用通知を受け取って)心折れた」「内定なくて詰んだ」……こうした就活の悩みは人それぞれ異なるため、相談できる人が少なく、一人で抱え込みがちです。

「そうしたモヤモヤや不安を少し楽にできる、簡単な方法がある」と話すのは、心理カウンセラーの下園壮太さん。

元自衛隊メンタル教官としてたくさんの隊員をカウンセリングし、現在はNPO法人メンタル・レスキュー協会の理事長として活動しています。

大学在学中にうつ状態になってしまった人のケアや、就職支援をされることも少なくないという下園さんに、不安との向き合い方や不安への対処法を聞きました。

下園壮太(しもぞの・そうた)

1959年生まれ、NPO法人メンタル・レスキュー協会理事長
陸自初の心理幹部として多数のカウンセリングを経験。その後、自衛隊の衛生科隊員(医師、看護師、救急救命士等)やレンジャー隊員等に、メンタルヘルス、カウンセリング、コンバットストレス(惨事ストレス)対策を教育。本邦初の試みである「自殺・事故のアフターケアチーム」のメンバーとして、約300件以上の自殺や事故にかかわる。
平成27年8月退職。現在はNPOメンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、県や市、企業、大学院などで、メンタルヘルス、カウンセリング、感情のケアプログラム(ストレスコントロール)などについての講演・講義・トレーニングを提供。
海上保安庁パワハラ防止検討委員
『自衛隊メンタル教官が教える心の疲れを取る技術』(朝日新聞出版社)、『折れないリーダーの仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書30冊以上。
公式HP

 

25卒の就活について相談したい

 

 「原始人モード」で不安に対処しようとするから、必要以上に考え込んでしまう


まずは「不安」とはどういうものなのか、考えてみましょうか。

就活を続けていてモヤモヤすることや悩みの多くは「不安」から生まれるものです。不安っていうのは一体なにかっていうと、「将来を予測してなんとかしなきゃならない」っていう動機なんですよね。

たとえば「就活がうまくいかなくて内定が来ないから不安」っていうのは、就職先っていう自分の将来を予測できないから不安になる。

でもこの不安、実は過剰反応なんです。
 

――過剰反応?

人間は「将来が予測できない不安」に、原始人レベルの感覚で反応しちゃうんです。
 

このように、私は人間の心と体について考える時、原始時代にまでさかのぼって考えるようにしている。
人間の心身のシステムは何万年もかけて作り上げられたものであり、それは簡単には変わらないからだ。現代の心身のトラブルは、原始時代から培ってきた人間の動物としてのシステムが、現代的状況と合わなくなって起きている場合が多い。
出典:『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』下園壮太著(朝日新書) 1章 ムリしすぎて潰れないために―早め、早めに疲労をとる技術 位置No.430/2630

原始人が生きた時代だったら、少し違う場所に移動するにも警戒していかなきゃいけない。「この先になにがあるか知らない」「どういう猛獣がいるか分からない」んです。
 

――原始時代なら、常に警戒していないと命に関わってきますもんね。


そうそう。

今の時代なら面接で会社に行く時、殺されて命を落とす心配はかなり少ない。でも体は、原始人時代と同じように「殺されるかもしれない」というほど必死なレベルで反応してしまう。自分がどう扱われるかが不安で頭の中が「原始人モード」になり、感情がオーバーワークしてしまうんです。
 

そうすると、なんとか対処しなきゃ!って相手のことをずっと考えてしまう。その結果エネルギーを消耗するし、失敗するイメージもたくさん浮かんでしまうので、苦しくなるわけですよ。

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 不安がゼロにならないのは当たり前


「一晩寝れば気にならなくなる」って人もいるけど、いまリアルに悩んでいる人はそうはならない。夜が明けても次の日になっても、不安はまだ続いているわけ。

1日ちょっと別のことをしたくらいで、不安はスパーンって消えてなくならない。

――うーんそれでも、「不安をなんとか解消したい、これ以上考えないようにしたい」って気持ちにはなりますね……

不安な気持ちがずっと続くと「まだこの問題について考えてる」と自己嫌悪になりませんか。

それって、考えないように努力するとか"何かしらの対処をすれば、不安はゼロになる"って先入観が私たちにあるからなんです。

実際は考えてもムダなのに、問題を気にしている自分にダメ出しをしちゃう。

問題に対してなにもできなかったという罪悪感と、効果的な対処ができなかったっていうダブルの罪悪感が生まれる。

不安はゼロにしなくていいんです。むしろゼロにならなくて当たり前なんですよ。

――あー……すぐに対処しないといけない、って発想が逆に自分を苦しめるっていう。

そう、自分叩きをしちゃうわけです。いらない罪悪感で自分をダメ出ししちゃっているのに、会社からも「不合格」って言われると、「ダメ出しされている」と思って心が辛くなっちゃうわけ。

会社からダメ出しされることは、自分の力でコントロールできるものではない。
でも、自分の行為にダメ出しするのは、自分でやめることができる。

だから、変な罪悪感は持たなくていいんです。

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 不安レベルを下げるための4つの方法


大きくなりすぎた不安を「ゼロにしよう」って意気込むのではなく、不安のレベルを少しだけ落としてあげることが大切なのです。

不安は問題に対処するための動機。ピンチにうまく対応できるように、人間に備わっている機能だから上手に使えばいいんです。

いまからお話する対処法は、すべて現場で試行錯誤して、有効だったものばかりです。ちょっとでも「苦しい」って思ったときがあったらすぐにやってみてください。

 1. 好きな映像をひたすら見る、体を動かす


――不安のレベルを落とす、ってどういうことをすればいいんでしょう。

いくつか方法があるので紹介していきますね。

僕の感情ケアのプログラムで教えている中で、多くの人に有効なのが、イメージを使うことと体を動かすこと。

イメージを使う、っていうのは映像を見たりゲームをしたりする、ってことです。

――見るだけでいいんですか?

そう、YouTubeで猫の動画をひたすら見る、でもいいんです。

受動的で、問題に正面から向き合わなくてもいい時間をとるのは、とても良いこと。リフレッシュするために「就活に関係ないことで1日使っちゃった~」でいい。

創作活動もイメージを使うことではあります。でもずーっと嫌なことを考えて、エネルギーが落ちてきているときは「何もしたくない」って思うものです。

――たしかに。

もう1つは体を動かすこと。頭を切り替えるって難しいけど、体を動かすことは意図的にできる。

たとえば「カバのことを1分間考えないで」って言われたとするじゃん。でも、実際は結構難しい。

――逆に意識しちゃいますよね。「カバについて考えないようにしよう」って考えたり(笑)

そうそう、不安もこれと一緒で、意識しないようにしたいけど常につきまとっている状態なんです。忘れよう忘れよう、って思っていても、思いどおりに頭は切り替えられない。
 


「就活のことを考えないようにしよう」と思うとかえって意識してしまう

体はどうだろう?「右肩をこのくらい上げて、左肩はこのくらい下げて」って言われてそのとおりにすると、すぐに動かせちゃう。体ってすごく動かされやすいんですよ。

ところで1分以上たったけど……カバのこと、考えてた?

――!全然意識してませんでした。

忘れようとしないで、思い出しにくい環境を作っちゃえばいいんです。

――問題とは違うものに意識を向けるということでしょうか。もう1つの体を動かす、ってどんなことをすればいいんですか?

ヨガとかゆったりした運動でも、スポーツでもいいですよ。ただ、肉体的に疲れすぎないように注意してください。

体が疲れているってことは弱っていること。自然界で弱っている生き物は、外敵から攻撃されやすくなります。

そこで体は不安って感情を呼び覚まして、危険から逃げようとする。「原始人モード」になって、必要以上に警戒しちゃうんです。だから激しい運動は避けたほうがいいですね。

 2. ゆったり呼吸をして、感情の過剰反応をおさめる


ここまでやってきたことで、ただ漠然と「不安だ」って思っていたときより、ちょっと気持ちが落ち着いてくると思います。

でもこの段階で「よし、じゃあ次は問題に立ち向かおう」って考え出してしまうと、また不安レベルが一気に上がってしまう。

――不安はゼロにはなってませんもんね。

実は、問題に向き合うときに不安レベルを上げないコツがあるんです。

ゆったりした呼吸を意識して、一定の間隔をキープしながら、その不安について考える。

――なかなか難しそうな方法ですね。

試しに「嫌だな」と思うことを考えてみて?声に出さなくていいので。
 

深呼吸を見つめられるとちょっと恥ずかしい

――(……)嫌なこと、ありますね。

じゃあその嫌なことは一旦置いておいて、僕が言ったように呼吸をしてください。息をゆっくり吸って、ゆっくり吐く。繰り返す。

実は息を吸う時も吐く時も、実は快感があるの。うっすらとだけど、味わってみて。

――(……)わかるようなわからないような。でも、意識すると違うかも。

息を吸って酸素を取り入れて、息を吐いて二酸化炭素を逃していく……ってことを続けていくと緊張もほぐれていく。

何回か繰り返したあとの顔の表情や、体のリラックス感を保ちながら、さっきまで考えていた嫌なことを思い出してみて。呼吸はキープ。

……どう?嫌な感じがちょっと薄まらない?

――呼吸をはじめる前とは違う気がします。

不安レベルが高すぎると、破滅的なことしか考えられなくなる。でもこうした工夫をすれば、現代人に応じた不安のレベルまで落とすことができる。「次じゃあどうすればいいかな」って、対処法に目が向きやすくなるんです。

ゆっくり呼吸するだけなら、一人でもできますしね。

 3. 自分を責めない人と話をする


さっき、「疲れすぎると体が原始人モードになって、不安を強く感じてしまう」って話をしましたが、その他にも不安がすごく強くなるときがあります。なんだと思います?

――弱っているとき以外だと……一人でいるとき、などでしょうか?

正解!原始人にとって、一人でいることはすごくリスクが高い行動なわけ。

いま自分が狭い部屋に一人でいて、トラがすぐ近くにいるのを想像してみてください。自分に危害を加えないか気になって、話をするどころじゃないでしょ(笑)これが不安状態です。
 

「こんなに大きいトラがこの狭い部屋にいたら怖いでしょ?」

もし、その部屋にもう一人入ってきたらどうなるだろう。トラが来ても、すぐに倒せるような強い人。きっと、ちょっと安心するよね。

しかもその人は「お前が倒せよ!」って煽る人じゃなくて、「怖いよね~」って言ってくれる。しかも「じゃあ一緒にトラと戦おう」って言って情報交換をしてくれたら、心強いですよね。

第3の対処法は、この例のようにネガティブな気持ちや弱い部分も全部安心して話せて、自分を責めないでくれる人に話を聞いてもらう、です。

話していると安心する人や急かさない人なら、話をしながら自分でクールダウンできるので、頭も働きやすくなります。

友達でも家族でも、居酒屋で知り合った人でも……ニュートラルに接してくれるなら、誰でもいいんです。

 ネットで発信するときはリスクを考えて


――ネット上で発信する、っていうのはアリですか。

一つの手ではあります。SNSで発信するだけですっきりする、ってこともあるだろうし。

ただ、さっきも話したように「責めない人」だけが見ているとは限らない。オープンなSNSの場合は予想外の反応が来たりする。

――ああ、ネットだと責める人とそうでない人の区別ができない。


ネットだと、常に自分をグサッと刺すような言葉が届く可能性がある。内容によってはクローズドなコミュニティで発言したほうがいいかもしれません。

――全世界に「私弱ってます!」って言ってるのと同じですもんね。

そう。もしポジティブなコメントを10もらっても、ネガティブなコメントが1つあったら致命傷になっちゃいますね。

オープンにしろそうでないにしろ、発信のリスクを考えて活用したほうがいいということです。

 4. 必要以上に情報を仕入れない


最後に紹介するのは、「必要以上に情報を仕入れない」。現代人は身の危険があって不安になるより、情報によって不安になることのほうが圧倒的に多いんです。

自分の就活がうまくいかないときに、友達の内定報告を聞いて

「なんであいつが受かるのに俺が受からないんだ!」

って劣等感とか、

「私、次もダメかもしれない……」

って不安がぐわーっと大きくなるわけ。

――◯◯会社は倍率数千倍の狭き門、とか聞いたりして。

じゃあ逆に、「明日面接する会社は高倍率だけど、自分と同じ大学の人なら2分の1は内定獲得できている」って情報を聞いたらどう?

――大丈夫かも、って気になりますね。

いけるかもって思うじゃん?

情報で不安になることもあるけど、情報によって安心することもできます。なので不安な時は、自分が安心できるような情報を探してください。先輩の成功体験を聞くのも有効です。

現代はネットで情報が集まりやすく、知らなくていい情報が入ってくることもある。自分が不安になっているときは、自分で仕入れる情報をコントロールすることが大切なんです。

 SNSで「就活 つらい」を探すと、もっと辛くなる


でも、不安が大きいままでいると、ついネガティブな情報を検索しちゃう。

不安が大きく、頭が原始人モードのままだと「生きるか死ぬか」でしか問題を考えられなくなる。たとえ1%でも失敗する(死ぬ)可能性があったら、どうにかして問題を回避する方法を考えようとしてしまう。

だから成功した99%じゃなくて、失敗した1%に目が向きがちなんです。特に不安に溺れる人の場合、自分で不安になる情報を集めていることが多い。

――不安になる情報といえば、SNSだと「就活 つらい」とかのネガティブワードが検索候補に出たりします。心が落ち込んでいるときにこういうワードで検索するのは……

良くないですね。ネガティブ情報だけじゃなくて、ポジティブな情報を入れておかないといけない。不安を取り除くにはバランスを取る必要がある。食事と同じですね。

――「仲間を探して安心しよう」と思って、情報を探そうとするのは逆効果ってことですか?

そう。不安を抱えている人たちが集まって「怖いよね」「不安だよね」って言い合っていたら、よけい不安が大きくなるだけ。

自信がないのも不安なのもどっちも苦しいから、自分と似た仲間を求めたくなる。でも不安で自信がないと、ドツボにはまってしまうんです。

 「就活は感情コントロールの訓練」という視点


――でも自分と同じような境遇の人を探して安心したい、っていう気持ちも分かるんですよね……

自分の感情をどう抑えていくか、っていうのは「ESの書き方」「面接の対策」といった問題解決とは別のスキルが求められます。
 

問題解決の方法は学校で教えてくれたし、試験や入試に不安があっても勉強さえすればいい。「勉強」ってツールがあることで、ある種の不安解消ができていた。


ところが、感情に対してどうするか?っていうのは誰も教えてくれないわけ。

就活も同じく、勉強のように「◯◯さえすればいい」っていうことはない。ルールが分からない中で感情がすごく揺さぶられて、だからこそ不安も大きくなる。

僕がここまで話した対処法も「スキル」です。意識していけば、身につけることができるんですよ。

ちょっと心に余裕があるときは、「就活を通じて感情のトレーニングをしている」って考えると、少し見方が変わってくるかもしれません。

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 不安に対する間違った対処


――逆に、不安に対する間違った対処法ってありますか?

よくある間違いが、「逃げる」と「忘れる」を混同してしまうことと、問題そのものを解決しようとしないことですね。

 間違った対処①不安から逃げる


ストレスレベルを下げるためにちょっと「忘れる」のはいいんです。ゲームをしたり旅行をしたり恋人に会ったりすると、ちょっと楽になるはず。

そのちょっと楽な状態で、対処法をしっかり考えることが大事です。でも思い出すと辛くなるから、って、なにも考えない人もいる。

――何もする気が起きないっていうの、分かる気がします。

ちょっと休憩してから対処を考える「忘れる」と、休憩のあともなにも考えていない「逃げる」とでは、全然違うんです。

自衛隊時代、僕のカウンセリングに来た人が「運転免許の実技試験に5回も落ちた。明日落ちると"適性がないから"って家に帰される」って相談をしてきた人がいた。

教習所で訓練をしているときは普通なのに、なかなか緊張して試験に通らない。じゃあ、実技試験のルートを覚えてる?って聞いたら、その人はルートが書けなかったの。

――試験前日なのに……?

その人、試験のことを考えるのが怖くて、前日に必ず飲み屋に行ってたの。試験の辛さに耐えられなくて。だから当日はいろんなことが頭に入っていてうまくいかなかった。

その夜飲みに行かずにちゃんと準備をしてもらったら、無事に合格できた。

自動車免許ぐらいで、って思う人もいるかもしれない。でもその人はずーっと不安が高まっていて、「死のうか」って思ってたくらいに落ち込んでいた。

この人のように、お酒を飲んでストレスレベルを下げただけで、「全部忘れ」てなにも対処しなかったら不安は消えません。

 間違った対処②自分を責め、問題解決しようとしない


あとは「自分を責めるだけで問題解決しようとしない」こと。自分がダメな理由を探して、過去の自分を責めるだけではどうにもならない。

――たしかに「面接受けするエピソードがない自分が嫌になる」って言う就活生もいますね。

それなら、今から経験できることを探してみればいいんですよ。「面接で話せるエピソードを作るためにボランティアに行く」とかね。

ただ、そういうときって不安も大きいし、自分のエネルギーも低下していることが多いもの。なのでさっき話したように、まずは自分を責めない、信頼できる人に話を聞いてもらうといいですよ。

――話を聞いてもらうことでエネルギーの補給になる、って感じですかね。

そうですね。失敗したら、言い訳をしたくなるのは自然なこと。でもずっと言い訳ばかり言っていても、状況は良くなりません。

そんなときは言い訳を聞いてもらうだけでも、「そんなことばっかり言ってられないなあ」ってちょっとだけ前向きな気持ちになれますよ。
 

 

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体に不調が出てきたら危険~就活を休むことも考える


ここまで対処法を紹介してきましたが、長く不安状態が続くと、自分が疲れていることに気づきにくくなってしまいます。

頭痛、腹痛などのさまざまな身体症状が出ているときは、「強いストレス状態」だと認識したほうがいいでしょう。

頭が回らない、決められない、仕事が滞る、成績が下がる、不安が強い、自分を責める、自信がない、感情をコントロールできない……など。

このゾーンを越えると、自信がなくなっていることもあって「死にたい」という気持ちが出てきてしまう。うつ状態になっている可能性があるので、専門機関への受診をおすすめします。

――そこまでいくと、簡単な対処法では効かなくなると。

「いきなり病院にいくのはちょっと……」と思うときは、病院に行くべきかどうかを心理カウンセラーに相談するという手もありますよ。

眠れないのは本当に辛いですし、そのレベルになると自分で心を落ち着かせることは難しい。就職活動をお休みする、という選択肢も考えたほうがいいくらいです。

過去に私のところに相談に来た就活生がうつ状態に近かったのですが、その人は1年半就活を遅らせています。復活するのに1年はかかるということです。

――極力、うつ状態になってしまう前に対処しないといけませんね……。

疲労コントロールのために、睡眠時間を確保することは特に大事です。睡眠に勝るものはない。

みなさんも経験があると思いますが、徹夜して仕上げた課題より、寝て頭を休めたから仕上げた課題のほうが質が高いものです。不安だから「早く終わらせて安心したい」とは思うだろうけどね。

――ESの締め切りや面接の直前などスケジュールがタイトなときも、睡眠は欠かせないんですね。

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 ちょっとでも「辛い」と思ったらひとりで抱え込まず、相談してみよう


就活では、自分の努力だけでコントロールできないことも多くあります。

「自分が努力すればなんとかなる」と思うから辛くなってしまいます。どれだけ準備しても内定に至らないときもあれば、自然とうまくいくときもあるんです。

就活の悩みって1人で抱え込んでしまいがちですが、「辛いな」と感じたら、カウンセラーやプロに頼ることを考えてもいいと思いますよ。
 


撮影:渡辺 健一郎
 

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