OB・OG訪問とは?意味からメリット・流れ・質問例まで就活生向けに解説

このページのまとめ

  • OB・OG訪問とは、実際に働く社員から企業のリアルを聞ける貴重な機会
  • OB・OG訪問の流れや質問例を事前に押さえ、準備次第で質の高い対話ができる
  • 就活で必須ではないものの、目的に応じてうまく活用すれば就活成功に近づく

OB・OG訪問とは?意味からメリット・流れ・質問例まで就活生向けに解説のイメージ

OB・OG訪問とは何か詳しく理解していない就活生も多いでしょう。OB・OG訪問は、企業のリアルな情報を知り、納得のいく就職先を見つけるための貴重な機会です。

この記事では、OB・OG訪問の意味やメリット、訪問の流れ、質問例に加え、訪問すべき人・しなくて良い人の判断基準などを解説します。この記事を読めば、OB・OG訪問の活用方法が明確になり、自信を持って就活を進められるはずです。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   
目 次

OB・OG訪問の概要

OB・OG訪問とは、興味のある業界や企業で働く先輩を訪ねて、仕事の内容や会社の風土について話を聞くことを指します。訪ねる先輩は大学の就職課(キャリアセンター)で探すか、ゼミやサークルの先輩をあたるのが一般的ですが、家族や知人の紹介で訪問先を決める学生もいるようです。

OB・OG訪問は企業研究の意味合いが大きいので、就活が本格化する前の情報収集の一環として行うのが一般的。企業研究については「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事でまとめています。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問を行うメリット

OB・OG訪問は、企業の実態を知るための有効な手段です。ネットや説明会だけでは得られない「生の声」を直接聞けるため、志望先選びの精度が格段に上がります。以下に挙げるメリットを理解し、就活を有利に進めましょう。

生の情報が得られる

実際に働く人の声は、ネットやパンフレット以上にリアルで信頼できます。ネットに出ている情報は意図的に発信された内容が多く、実際の現場とはギャップがあることも珍しくありません。

しかし、OB・OG訪問では実際に働いている人から情報を得られるため、社員の働き方や部署の雰囲気など、「実際に入社したらどうなるか」を具体的にイメージしやすくなります。

表面的な情報に惑わされず、納得のいく企業選びをするためにも、OB・OG訪問は効果的といえるでしょう。

人事担当者からは聞けない話(本音)が聞ける

OB・OG訪問では、人事には聞きにくいリアルな情報を聞けるのもメリットの一つです。就活イベントや説明会では、企業の「良い面」にフォーカスした話が中心になります。しかし実際の職場では、業務の厳しさや部署ごとの雰囲気の違いなど、あまり語られない裏側があるのも事実です。

OB・OG訪問では、選考担当ではない社員と直接話すため、より率直な意見や経験談を聞ける可能性が高くなります。たとえば、「残業時間はどのくらいか」「評価制度は実際どう運用されているか」といった、人事にはストレートに聞きづらいことも、現場社員であれば実情を教えてくれることがあるでしょう。

志望動機が充実する

OB・OG訪問は、説得力のある志望動機を作る大きな助けになります。実際に働く社員の声を聞くことで企業への理解が深まり、表面的ではない本音の志望理由を構築できるようになるでしょう。

たとえば、「この企業の○○という考え方に共感した」「△△の業務内容に自分の強みが活かせそうだと思った」といった具体性のあるエピソードを交えた志望動機を作成できるようになります。

また、「この会社で働く人たちはどういう人が多いのか」「どんな姿勢が評価されやすいのか」といったことも把握できるため、企業が求める人物像に自分をどう重ねるか、より精度の高いアピールにもつながるでしょう。

OB・OG訪問の役割や基本的なマナーを知りたい方は「就活で行うOB訪問とは?そのメリットと訪問時の注意点」もあわせて参考にしてください。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問を実施する時期の目安

OB・OG訪問は、就活本番が始まる前の「1月〜3月」までに実施するのがおすすめです。

就活解禁後(3月以降)はエントリーシートの提出や面接対策が本格化し、OB・OG訪問に十分な時間をとることが難しくなります。また、同時期に多くの学生がOB・OG訪問を希望するため、先輩との予定が合いにくくなる可能性も高まるでしょう。

実際、志望企業がある学生の中には、大学3年の10月〜12月ごろから訪問を始めている人もいます。早めに動くことで、ライバルより深い企業理解が得られ、志望動機や面接準備にも余裕を持って臨めるでしょう

OB・OG訪問は、選考対策や業界研究、キャリアの方向性確認といった就活全体の土台になる行動です。だからこそ、早い時期から計画的に実施することで、ほかの就活生に差をつけられます。なるべく1月中には一度OB・OG訪問を経験しておくと、スムーズな就活のスタートが切れるでしょう。

就活でOB訪問を始める時期はいつから?アポ取りのマナーや注意点を解説」のコラムでは、OB・OG訪問のタイミングやアポの取り方について紹介しているため、OB・OG訪問の前にぜひチェックしてみてください。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問の流れ

ここではOB・OG訪問の具体的な流れを紹介するので、先輩の探し方や連絡の取り方を確認しましょう。

1.訪問する先輩を探す

OB・OG訪問のスタートは、訪問する先輩を探すこと。以下のような方法で先輩を見つけます。

・大学の就職課に相談する
・部活やサークルで紹介してもらう
・先生に紹介してもらう
・友人や家族、知人に声をかけて紹介してもらう
・SNSを利用する
・企業の人事部に依頼する

OB・OGの探し方で主流なのが、学校関係の人脈を使うこと。大学の就職課には卒業生の名簿があるので、相談してみると良いでしょう。去年就職した部活やサークルの先輩に声をかけるか、先輩の先輩を紹介してもらう方法もあります

また、家族や友人、親戚に話をしておくと、意外なところから先輩を紹介してくれるかもしれません。それでも見つけるのが難しい場合は、SNSを利用して直接訪問を依頼する方法も。ただ、SNSでは見ず知らずの人にいきなり連絡をとることになるので、断られる可能性が高いことは覚えておきましょう。

どうしてもOB・OGを見つけられない時は、企業の人事部に直接依頼してもOKです。ただ、紹介を行っていない企業は多いので、粘り強く先輩を探す必要があるでしょう。

2.アポイントをとる

OB・OG訪問をしたい先輩が決まったら、メールでアポイントをとります。ビジネスメールは以下の構成に沿って、用件を簡潔に記載しましょう。

・件名
・宛名
・本文
・署名

件名には、「OB訪問のお願い」という風に内容がひと目で分かる文言を入れます。本文の冒頭で自分の名前と大学名を名乗り、どうやって先輩の連絡先を知ったのかを記載しましょう。

また、業界や会社のどのようなところに興味を持ったのかを記載すると、熱意が伝わるメールになります。相手の都合の良い日にちと時間を尋ねて、メールの最後には忘れずに署名を入れるようにしてください。

3.質問内容を考える

OB・OG訪問をする前に、あらかじめ当日の質問を考えておきます。先輩は忙しいなかで時間をとってくれているので、質問の優先順位も決めましょう。

なお、企業のWebサイトで調べれば分かることは聞かないように気をつけてください。「何も準備をしていないのでは?」と思われ、印象が悪くなってしまいます。
業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」を参考に、業界や職種まで幅を広げて質問を用意しておきましょう。

4.先輩を訪問する

当日は次のマナーに気をつけ先輩に失礼がないようにしましょう。

・名刺は両手で受け取り机の右側に置く
・名刺には書き込みをせず始終丁寧に扱う
・レストランでは先輩より高いものは頼まない
・ごちそうしてもらったらお礼を言う

OB・OG訪問をレストランやカフェで行う場合、大抵先輩が支払いをしてくれるので「ありがとうございました」「ごちそうさまでした」とお礼を伝えます。

注文する時は先輩よりも安いもの、もしくは同じものを頼むと、運ばれるタイミングが同じでお互いに気を使わずに済むでしょう。

5.お礼のメールを送る

訪問が終わったら、その日中にお礼メールを送信して感謝の気持ちを伝えましょう。
メールには、訪問で得た学びや気づき、今後の抱負を盛り込むのが定番です。

先輩とのやりとりは緊張するかもしれませんが、丁寧な言葉遣いとマナーを意識すれば問題ありません。就活が本格化する前に社会人からのリアルな情報を仕入れて、企業選びや選考に役立てましょう。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問での質問例

先輩に何を聞くか迷ったら、以下の質問を参考にしてみましょう。

仕事に関する質問

・具体的な業務内容
・1日の流れ
・仕事のやりがい
・仕事の苦労
・活躍している社員の特徴
・仕事の失敗談
・先輩の目標

会社の実態に関する質問

・会社の強み、弱み
・社内の雰囲気
・社内イベントの有無
・女性社員の働き方
・上司や先輩との付き合い
・昇給や昇進の仕組み
・産休や育休の取得実績

先輩の就職活動に関する質問

・なぜその業界、企業を選んだのか
・企業研究をどうやって行ったか
・入社前と入社後でギャップはあったか

プライベートや働き方関する質問

・休日はどのように過ごしているか
・仕事が終わった後はどのように過ごしているか
・仕事とプライベートを両立させるコツ

このほかにも、自分が知りたいと思うことがあれば積極的に聞いてみましょう。質問するうちに新しい疑問が浮かぶこともあるので、当日思いついたことを聞くのももちろんOK。

ただ、OB・OG訪問の時間は限られているので、自分が最も知りたいことは何か、優先順位を意識するのがポイントです。業界、仕事、働き方、プライベートなど、OB・OG訪問で何を深く知りたいか考えてみましょう。

OB・OG訪問でどのような質問をすれば良いか悩んでいる方は「OB・OG訪問で好印象を与える質問30選!準備・マナー・注意点も解説」のコラムで紹介している質問例を参考に、企業にあわせてアレンジしてご利用ください。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問は必ずするべき?

OB・OG訪問は、就活における必須のステップではありませんが、志望企業の理解を深める、選考に備えるという点で効果的なため、志望企業が明確な場合はやっておいたほうが良いでしょう。
企業ごとに選考の一環としてOB・OG訪問を見ているケースもあるため、悩んだら実施するのがおすすめです

たとえば、志望企業のOB・OGに話を聞くことで、企業ホームページや説明会では得られないリアルな情報を得られます。これにより面接の志望動機が深まり、入社後のミスマッチも防ぎやすくなるでしょう。

一方、「業界研究やキャリア観を広げる目的」でのOB・OG訪問については、必ず行う必要はありません。ただし、これまで社会人と話す機会が少なかった就活生にとっては、自分に合う業界や職種を見つけるための貴重な経験になります。社会のリアルな声を聞くことで、将来像がより鮮明になるはずです。

OB・OG訪問をしたほうが良いケース

OB・OG訪問は、すべての就活生にとってメリットがありますが、特に情報収集が結果に直結するタイプの企業・業界を受ける場合は、必須といえるでしょう。ここでは、具体的にOB・OG訪問をすべき4つのケースを詳しく紹介します。

リクルーター制度を採用している企業

リクルーター制度を採用している企業を受けるなら、OB・OG訪問は実質的に必須です。リクルーター制度とは、人事が選んだ社員が学生と個別に面談を行い、優秀層を早期に見極める採用形式のこと。

面談を通じて志望度や人柄を評価されるため、この制度がある企業では、OB・OG訪問=選考の第一ステップとして扱われます。代表的なのは、金融・保険・インフラ・通信といった業界。該当業界を志望する就活生は、早めにOB・OG訪問を申し込み、情報収集と同時に第一印象で差をつけましょう。

OB・OG訪問の有無が採用に影響する業界

商社や銀行などの人気業界では、OB・OG訪問の回数や熱意が選考結果に影響します。一部の業界や企業では、「どれだけ積極的に社員と接点を持っているか」が選考の参考材料になることも。

企業が見るのは、どれだけ調べたかではなく、どれだけ動いたか。志望度の高さを行動で示すなら、OB・OG訪問が効果的といえるでしょう。

自分の働き方にこだわりがある

どう働きたいかに明確な希望があるなら、OB・OG訪問はしておきましょう。自分の働き方にこだわりがある場合、説明会や企業HPの情報だけでは判断材料が不十分です。

また、「管理職に何歳で昇進できるか」や「部署ごとの働き方の違い」など、リアルな現場の情報はOB・OG訪問でしか得られないことが多いといえます。自分のキャリア軸を明確にしている人こそ、OB・OG訪問で企業とのズレをチェックして、納得のいく就活を進めましょう。

OB・OG訪問をしなくても良いケース

原則としてOB・OG訪問は就活で有利に働きますが、全員が必ず行うべきというわけではありません。一部の学生や状況によっては、OB・OG訪問をしなくても企業研究が十分にできていたり、選考対策に直結しなかったりする場合があります。

能力重視の企業のみ選考を受ける

能力主義の企業では、OB・OG訪問の有無は評価に影響しません。特に外資系企業や一部のベンチャー企業では、志望度の高さよりも「どんな価値を会社に提供できるか」という視点や、論理的思考力・英語力・リーダーシップなどの実力が重視されます。

実力主義の企業を志望する場合は、OB・OG訪問よりも「成果や経験を言語化する準備」を優先しましょう。ベンチャー企業については、「中小企業やスタートアップは違う?ベンチャーの定義とは」の記事で解説しています。

すでに実務経験を通じて企業理解を深めている

すでに企業理解が深く、実務経験を通じて信頼関係を築けている場合、OB・OG訪問は不要なこともあります。

たとえば、長期インターン先が志望企業と取引していたり、実際に志望企業でインターンをして成果を出していたりするような場合、企業側はすでにあなたの能力や姿勢を把握している状態です。

また、社会人経験を経て再度学生に戻ったようなキャリアを持つ場合、業界の事情や企業の内情について深く理解しているケースも多いため、あらためてOB・OG訪問を通じて情報を得る必要性は低くなります。

このように、企業や業界との接点が強く、自らの能力を実務で証明できている場合は、OB・OG訪問を省略しても評価にマイナスにはなりにくいのです。

OB訪問の目的と注意点について聞く

   

OB・OG訪問とは何かを知り就活を成功させたい方へ

OB・OG訪問は、企業や業界についてのリアルな情報を得られる貴重な機会です。しかし、すべての学生が必ずしも「訪問しなければならない」というわけではなく、志望企業の採用方式や自分の強みによって必要性は変わってきます。

OB・OG訪問には情報収集だけでなく、志望度のアピールや選考対策としての効果もあるため、自分の志望企業がどういった立場でOB・OG訪問を扱っているのかを見極めたうえで、必要に応じて積極的に活用しましょう。

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