このページのまとめ
- 公務員はボーナスを必ず貰える
- 公務員のボーナス支給額は月給の約4ヶ月分
- 国家公務員の給与やボーナスは、民間企業の支給実績を基に決められている
- 同じ公務員でも自治体によってボーナスの金額が異なる
公務員のボーナス支給額や計算方法などの具体的な金額や仕組みについて、気になっている方は多いのではないでしょうか。民間企業のボーナスは会社の業績や方針によって大きく異なりますが、お給料が税金から出ている公務員のボーナスは、法律によって定められています。このコラムでは民間企業との違いや平均支給額など解説。「給与の何ヶ月分に相当するか」就活生の方は知っておきましょう。
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公務員のボーナスの特徴
公務員のボーナスは支給日や対象者、算定方法などがすべて法律で定められているのが大きな特徴。民間企業のボーナスは景気によって支給されない場合もありますが、公務員は基本的に支払われることが前提です。ここからはより具体的に公務員のボーナスについて解説していきます。
公務員のボーナス算定方法は法律で定められている
国家公務員のボーナスは民間企業のボーナス支給規準に合わせて「勤勉手当」と「期末手当」として支給されます。「平均支給額 = 支給月数 × 平均給与額」の計算式での算出です。
公務員のボーナス支給日と対象者
民間企業では支給日や対象者は企業ごとに異なりますが、公務員のボーナス支給に関しては、以下の内容が法律で決まっています。
・基準日である6月1日(夏期)、12月1日(冬期)に在職する職員が対象
・6月30日(夏期)、12月10日(冬期)が支給日
・支給日が土曜の場合は前日、日曜日の場合は前々日の金曜
・基準日前1ヶ月以内に退職、死亡した職員にも支給される
2020年における国家公務員のボーナス支給日は、6月30日の火曜日と12月10日の木曜日でした。
地方公務員も国家公務員と同様に、この法律に基づいて支給されています。
国家公務員のボーナス決定方法
国家公務員のボーナス金額算出方法は、民間企業(企業規模50人以上など条件あり)の支給実績が基です。具体的には、下記の3点を比較した上で決められています。
・国家公務員の4月分の給与
・民間企業の4月分の給与
・民間企業の前年8月からその年7月までに支給されたボーナス金額
比較対象となる給与は、業種や役職段階、学歴・年齢が同じ条件のものです。さらに、民間の基準に合わせて国家公務員給与の水準を改定し、俸給制度や諸手当制度の見直しを行っています。
地方公務員のボーナス決定方法
多くの自治体では、国家公務員のボーナス支給額に準じる形で地方公務員のボーナスを設定していますが、都道府県や市区町村、または政令指定都市など、所属によってボーナスの時期や算定方法が異なっています。
非常勤の公務員もボーナスはもらえる
民間企業の主なボーナス支給対象は正社員ですが、2017年7月、民間企業の「同一労働同一賃金」を目指す政府の方針を踏まえて、「任務が長期にわたる非常勤公務員にもボーナスの支給を認める」という内容の法案が国会で可決されたため、非常勤職員に対してもボーナスは支給されます。
参照元
人事院
一般職の職員の給与に関する法律第22条第2項の非常勤職員に対する給与について
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みなし公務員については「みなし公務員とは?公務員との違いや特徴を解説
」も参考にしてください。
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公務員のボーナス平均金額は月給の約4ヶ月分
地方公務員のボーナスは国家公務員のボーナス支給額によって決定されますが、金額は職種や各自治体の財政状況によってさまざまです。以下、具体的な金額を見ていきましょう。
国家公務員のボーナス平均金額の詳細
内閣官房内閣人事局の資料によると、一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員)のボーナス平均支給額は下記のとおりです。
【2020年夏の平均ボーナス金額】
約680,100円(昨年同期:約679,100円)
支給月数:2.22ヶ月分(昨年同期:2.195ヶ月分)
平均年齢:35.0歳(昨年同期:35.5歳)
【2020年冬の平均ボーナス金額】
約653,600円(昨年同期:約687,000円)
支給月数:2.17ヶ月分(昨年同期:2.245ヶ月分)
平均年齢:34.6歳(昨年同期:35.0歳)
参照元
内閣官房内閣人事局
令和2年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
内閣官房内閣人事局
令和2年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
地方公務員のボーナス平均金額の詳細
ここでは一例として、東京都職員が2019年に支給された年間ボーナス平均額を紹介します。以下は総務省資料「第3都道府県別,市区町村別給与等の一覧表」を参考に算出した数値です。
全職種 :約1,858,000円(昨年同期:約1,818,400円)
支給月数:約4.4ヶ月(昨年同期:約3.96ヶ月)
平均年齢:40.5歳(昨年同期:40.5歳)
一般行政職:約1,825,100円(昨年同期:約1,783,100円)
支給月数:約4.48ヶ月(昨年同期:約4.01ヶ月)
平均年齢:41.7歳(昨年同期:41.5歳)
参照元
総務省
平成31年4月1日地方公務員給与実態調査結果
1 都道府県の職員数及び平均給料(報酬)月額等
平成30年4月1日地方公務員給与実態調査結果
1 都道府県・指定都市の職員数及び平均給料(報酬)月額等
ボーナスは自治体によって金額が異なる
地方公務員のボーナスは、都道府県、市区町村、または政令指定都市など、所属や地域によってボーナスの時期や算定方法がかなり異なります。地方公務員のボーナス支給額は各自治体の公式サイトに掲載されているので、自分が就職を考えている自治体のボーナス金額を調べてみても良いでしょう。
▼関連記事
国家公務員のボーナスについては「国家公務員のボーナスの目安は?民間企業と差はあるのか」も参考にしてください。
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新卒の公務員のボーナスは夏と冬で違う
4月入職の新人職員にもボーナスは支給されますが、公務員のボーナス特有の計算方法により、6月に支給されるボーナスの金額は若干少なめになっています。どの程度少なくなっているのか、下記で解説していきます。
夏は2ヶ月分のみ
公務員のボーナスに該当する手当は、「期末手当」と「勤勉手当」の2種類です。その中の期末手当は在職期間によって支給額が変動するため、入職したばかりの職員には満額が支給されず、少なめになります。とはいえ、民間企業でも新入社員に初めて支給されるボーナスは低いのが一般的。特別変わりはないといえるでしょう。
冬から一般社員と同じ期間分になる
12月に支給される冬のボーナスに関しては、入職してから期間も経つので、通常通り支給されるようになります。
人事院
国家公務員の諸手当の概要
はじめてのボーナスについては「はじめてのボーナスはいくらもらえる?相場と支給日を解説」も参考にしてください。
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公務員と民間企業とのボーナスの違い
民間企業と公務員のボーナスが大きく異なるのは、「民間企業にはボーナスの支給義務がない」という点です。そのほか、公務員と民間企業におけるボーナスの違いについてまとめていますので、詳しく見ていきましょう。
民間企業はボーナスの支給回数が定められていない
厚生労働省の資料には、賞与の定義として「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績や経営状態に応じて支払われるものであり、その金額が予め確定されていないもの」と明示されています。「企業が必ず支払わなければならない」と法律で決められているわけではないため、仮に「業績低下により財政的な余裕がない」といった理由でボーナスの支給がなかったとしても、違法ではありません。
そもそもボーナスがない企業もある
そもそも、ボーナスを制度として導入していない企業もあります。たとえば、年俸制を導入している企業の中には、年俸にボーナスが含まれた額を12分割して支払うケースや、ボーナスを支給しない代わりに基本給を高めに設定している企業なども。ボーナス自体が打ち切りになってしまう可能性もあるため、「ボーナスが支給されないから年収が低い企業だ」と一概にいえません。あくまでボーナスは会社の特徴の1つととらえましょう。
公務員と民間企業とのボーナスの違いについては「民間企業と何が違う?公務員のボーナス支給日&支給額
」も参考にしてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。