このページのまとめ
- 「サイレントお祈り」は不採用通知がないことを指す
- 「サイレントお祈り」を人材の確保や誤送信防止、手間を減らす目的で行う企業がある
- 「サイレントお祈り」の対策法として合否通知時期を事前に確認しておくのがおすすめ
「サイレントお祈り」とは企業側から不採用通知が届かないこと。就活を進める中で「サイレントお祈り」という言葉を耳にしたり、実際に悩まされたりしたことがある学生も多いでしょう。このコラムでは、サイレントお祈りの意味や企業がサイレントお祈りをする理由、その対策法を解説します。また、サイレントお祈りへ問い合わせをする場合の例文も紹介。参考にして不安を解消し、スムーズに就活を進めましょう!
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
「サイレントお祈り」って何?
就活において、選考が進む中で採用・不採用通知を受け取ります。この通知手段として用いられるのが、メールか郵送での通知書。ですが、企業によっては不採用通知を行わず、「通知が来ない場合は不採用」と認識しなければいけないケースがあるようです。このことを、学生は「サイレントお祈り」と呼んでいます。ここでは、なぜサイレントお祈りと呼ばれるようになったのか、また、学生はサイレントお祈りによってどのような影響を受けるのかを解説します。
なぜ「サイレントお祈り」と言うのか
多くの企業の不採用通知には、文末に「今後のご活躍をお祈りいたします」という一文が添えられていることから、企業からメールで届く不採用通知のことを「お祈りメール」と呼ぶようになりました。さらに、不採用通知をしない企業の場合は、沈黙を意味する「サイレント」という言葉と「お祈りメール」を合わせ、「サイレントお祈り」と呼ばれています。
学生はサイレントお祈りの何に困るの?
サイレントお祈りが多くの学生を困らせる理由は、合否がはっきりしないまま通知を待っている状態が続くため、次に切り替えられず、その後の就活に影響が出てしまう点です。特に「不採用なら不採用と伝えてほしい」など、白黒はっきりつけたいという学生はもどかしい気持ちにもなるでしょう。サイレントお祈りをする企業に対して、「不誠実」「失礼」などといった印象を持ち、非難をする学生もいるようです。
▼関連記事就活生を悩ます「サイレントお祈り」の防止策や振り回されない極意とは?
就活で口コミを信用してはダメ?口コミの見極め方とは
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
企業がサイレントお祈りをする4つの理由
学生を困らせ、企業の印象を悪くしてしまうこともあるサイレントお祈り。企業はなぜサイレントお祈りをするのでしょうか。主な理由を4つ解説していきます。
1.内定辞退者に備えてキープしたい
企業がサイレントお祈りをする理由のひとつとして考えられるのが、内定辞退者に備えた人材のキープ。企業は採用計画に基づいて行動するため、採用予定数を事前に決めて採用活動を展開します。その際、内定辞退を見込んで予定数より多い学生に内定を出しますが、内定辞退が増え、採用予定数に届かないことも。そのため、すぐには合否結果を送らずに、ボーダーラインにいる学生を企業の人材候補としてキープし、内定辞退者が出た場合は採用、出なければそのまま不採用、としていることも多いようです。
2.不採用通知の誤送信を防止したい
応募者の情報はパソコンで管理していても、情報の入力は手入力で行われます。そのため、メールアドレスの打ち間違えにより、不採用通知が届かなかったり、誤送信をしてしまったりする可能性も。また、合格者に誤って不採用通知を送ってしまうといった人的ミスも考えられます。そういったリスクを防止したいという考えから不採用者へサイレントお祈りをする企業もあるようです。
3.問い合わせ対応を避けたい
不採用の連絡をすると、就活生から「不採用の理由を知りたい」などの問い合わせがくることが考えられます。そのような問い合わせにひとつひとつ対応するためには時間や手間がかかり、業務に支障が出てしまうことも。また、返答内容によっては、企業の評判を左右する恐れもあります。できるだけ就活生からの問い合わせへの対応を避けたい、ということも企業がサイレントお祈りをする理由になっているようです。
4.手間を減らしたい
応募者一人ひとりに落選を通知する場合、時間がかかることは想像に難しくありません。特に大企業になると、応募者の数が数千数万に及び、合否結果の通知をするにも膨大な手間と時間が必要となります。ネームバリューのある企業は必然的に就活生の応募数が多くなるため、大手企業ほどサイレントお祈りの割合が高くなる、と理解しておくとよいでしょう。
▼関連記事お祈りメールを受け取ったら…不採用通知の対処法
みんなもらってる?就活のお祈りメール
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
「サイレントお祈り」の目安は?
多くの企業は合格者への連絡を優先するため、採用の場合は早ければ2~3日、遅くても1週間ほどで通知が来るでしょう。一方、不採用の場合、すぐに連絡が来ることは少ないようです。とはいえ、事務的な作業を考えても、合否通知は2週間以内に送られてくるのが一般的。企業から「選考結果は〇日に連絡します」と言われた日から、または選考を受けてから2週間経っても連絡がないのであれば、サイレントお祈りの可能性があります。2週間が過ぎたら、企業に選考結果を問い合わせたり、諦めて他の企業の選考に集中したりするのがおすすめです。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
サイレントお祈りの対策法
サイレントお祈りを避けるための方法や、サイレントお祈りをされてしまった場合の対処法について説明します。サイレントお祈りに惑わされず就活を進めていきましょう。
事前に合否通知時期を確認しておく
サイレントお祈りの対策として、事前に合否の通知時期を確認しておくのがおすすめです。また、通知時期の確認をする際に、「◯月◯日以降に連絡する」といった曖昧な返答しかもらえない場合は、そこから何日くらいで連絡をもらえるのか、大体の目安を聞いておくと良いでしょう。通知時期が分かっていれば、それまでに連絡が来ない場合は不採用と判断することができ、サイレントお祈りの不安を抱える必要がなくなります。問い合わせをする手間も省くこともできるのでおすすめです。
問い合わせてみる
2週間を過ぎても合否の連絡がない場合は、電話やメールで人事担当者へ問い合わせてみると良いでしょう。なお、問い合わせをしても、人事担当者がつかまらず対応してもらえなかったり、返信が来なかったりした場合は、不採用と判断するのが賢明です。いつまでも悩むのはマイナスとなり、その後の就活にも悪影響を及ぼしかねません。気持ちを切り替えて先に進みましょう。
切り替えて次へ進む
忙しい就活では時間はとても貴重です。合否がはっきりせず、もどかしい気持ちもあるかもしれませんが、サイレントお祈りかどうかを悩むのは時間の無駄だと気持ちを切り替えて、次に進むことも大切。ほかの企業説明会や選考に参加すれば、それだけ内定をもらえるチャンスが増えます。採用・不採用の結果にかかわらずそれまでの選考を振り返って、よりよいパフォーマンスで選考に挑む気持ちも大切です。
▼関連記事誰も教えてくれない就活メールの基本!そのまま使えるパターン別例文をご紹介!
就活における問い合わせメールの書き方とは?例文付きでご紹介!
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
サイレントお祈りか不明な場合の問い合わせ方法
サイレントお祈りかはっきりしないときは企業に問い合わせてみるのもひとつの方法です。問い合わせるタイミングは、サイレントお祈りの目安である2週間を過ぎたころが良いでしょう。ここでは、電話やメールで問い合わせをする場合の注意点と具体例を紹介します。
問い合わせる場合の注意点
電話やメールでの問い合わせでは、以下の点に注意しましょう。
・合否結果ではなく合否結果通知の時期を確認する
・業務の負担にならないように問い合わせ内容は簡潔にする
・始業時間・就業時間前後の忙しい時間の問い合わせは避ける
・電話で問い合わせる場合は採用担当者と直接話す
・感情的にならず丁寧な対応を心掛ける
合否結果を直接聞くのはマナー違反とされています。早く結果を知りたいと焦る気持ちもあるかもしれませんが、問い合わせでは、合否結果の通知時期の確認にとどめましょう。また、通知が来ないのはサイレントお祈りではなく、単に選考が遅れていたり、内定辞退者に備えたキープにされていたりする可能性も捨てきれません。ビジネスマナーに沿った対応を心掛けるのはもちろんのこと、企業側に悪い印象を与えることがないよう気をつけましょう。
電話で問い合わせる場合
企業に電話で問い合わせる場合、必ずしも最初に採用担当者が出るとは限りません。まずは採用担当者に取り次いでもらうようにお願いし、採用担当者が電話に出たら、面接のお礼と合否通知の連絡時期について確認しましょう。
採用担当者への取り次ぎのお願いの例文
お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
先日の採用試験の件でお電話いたしました。
お忙しいところ恐縮ですが、採用ご担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。
電話問い合わせの例文
お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
〇月〇日の面接では貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
選考の結果についてですが、私の不注意で面接当日に選考結果のご連絡時期について聞きそびれてしまいました。
大変恐縮でございますが、ご連絡がいつ頃になるか教えていただくことは可能でしょうか。
メールで問い合わせる場合
メールで問い合わせをする場合には、採用担当者が件名を見ただけで、「いつ」面接を受けた「だれ」が「どのような」用件で問い合わせをしてきたのかが分かるようにすることが大切です。また内容は、基本的な挨拶、面接のお礼、本題の順で書きましょう。
メール問い合わせの例文
件名:〇月〇日の面接の選考状況について【〇〇大学〇〇学部 〇〇 〇〇(氏名)】
〇〇株式会社
人事部 採用ご担当
〇〇 〇〇様(採用担当者の氏名がわからない場合は、人事部 採用ご担当者様)
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇 〇〇(氏名)と申します。
先日は、面接のために貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
〇月〇日に面接を受けましたが、その際に結果の通知時期の確認を失念しておりました。
私の不注意でお手間を取らせることとなり、大変恐縮ではございますが、
結果発表の日時を教えていただくことは可能でしょうか。
ご多忙のところ大変申し訳ございませんが、ご対応の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
署名
-----------------------------------------------
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
〇〇 〇〇(氏名)
e-mail:〇〇〇〇@〇〇〇〇
TEL:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
〒〇〇ー〇〇
東京都〇〇区〇〇 〇ー〇ー〇(住所)
-----------------------------------------------
本記事の執筆者
飯田有香(いいだ ゆうか)
新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、「キャリアチケット」でキャリアカウンセラーをしながら、今までに200人以上の学生の就職先を支援。最近は、YouTubeチャンネル「就活トーク」の企画・出演などをしている。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら