このページのまとめ
- 集団面接は複数人で受けるため、質問に対して簡潔にアピールすることが重要
- 公務員の集団面接では、一般の企業とは異なる場合もある
- ほかの就活生が質問されている間も気を抜かずに、耳を傾けることが大切
- 集団面接の質問は、全員が同じ内容を聞かれるとは限らない
集団面接を控えている就活生の中には、どのような質問をされるのか分からず不安だという人は多いでしょう。個人面接とは状況が違うものの、質問内容には同じものも多くあります。しかし、複数人で受ける集団面接は一人ひとりの持ち時間が限られているために、答え方にはコツが必要です。また、集団面接ならではの質問が出される可能性もあります。
このコラムでは、集団面接の質問について詳しく解説しました。
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集団面接の特徴
集団面接は、選考段階の初期で行われるのが一般的です。多数の応募がある大企業では、応募者の人数をある程度、絞らなくては採用選考に多くのコストが掛かってしまうでしょう。そのため、短時間で複数の就活生と面談することで、選考時間を短縮し、採用効率を上げることを目的としていると考えられます。
公務員の集団面接
公務員の集団面接では、一般の企業とは異なる場合もあるようです。自治体によって差はありますが、前の人の回答に対しての意見を求められる、挙手制で回答をする、という場合も。さまざまな例に対応できるようにしておきましょう。
ほかにも、地方公務員の面接を受ける際には、事前に志望する地域の特色や制作を調べ、自分の意見を述べられるようにしておくことが重要です。
集団面接の人数と時間
集団面接は4名程度での実施が多くなっています。多いと6名で、少ない場合は2名という企業もあるようです。
集団面接の制限時間は企業によって違いますが、30分~40分で行われることが多く、1人ひとりに与えられる時間は10分程度でしょう。人数が多い場合は、発言の機会や時間が減る分、少ないチャンスでしっかりアピールをしなければいけません。対して少人数の場合は、相手の見解に対する意見を求められることが増えるので、ほかの応募者の話をよく聞くことが大切です。
集団面接で面接官は何を見ている?
集団面接で面接官が最初にチェックするのは、マナーや服装です。ほかの就活生が比較対象になるため、1人だけ落ち度があると目に付きやすくなります。しっかりマナーを把握しておきましょう。
また、集団面接では、コミュニケーション能力も重要なポイントです。ほかの学生の話を聞いたり、発言を受けて意見を述べたりするため、対話力が試されます。このほか、簡潔に話す力や臨機応変な対応ができるかも見られているでしょう。
集団面接の質問は全員同じ内容?
集団面接は、同じ質問に対して端の人から順に答えていく、というだけではありません。ときには一人ひとり違う質問がされたり、真ん中に座っている人へ急に話を振られたりすることもあります。つまり、「前の人が話しているうちに自分の回答を考えておこう」と思っていると失敗してしまう場合もあるでしょう。いつでも自分が最初に答えるという気持ちで、面接官の話を聞き逃さないようにしてください。
ほかにも、全員に同じ質問をしているときと、一人ひとり違う質問をしているときとでは、評価の視点が変わります。
同じ質問を聞かれた場合は「事前に面接の準備を行ってきたか」を判断している傾向があります。一方で、一人ひとり違う質問をされたときには、就活生の「ユーモア」や質問の内容に関して「関心があるかどうか」を見ている場合もあります。
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集団面接で頻出する質問と回答例
個人面接で良くある質問にも、集団面接ならではの回答のコツがあります。下記でよく聞かれる質問について解説しましたので、参考にしてください。
自己紹介をしてください
必須項目は大学名、学部名、氏名の3つです。「お名前と大学名、自己紹介をお願いします」と言われた場合には、1分程度で、学生時代に力を入れたことや、簡単な自己PR、特技などを述べると良いでしょう。時間は1分程度が最適です。ほかの学生も話しますから、だらだらと長くなり過ぎないように注意してください。
ただし、面接官に求められた内容に関して答えるように気を付けましょう。たとえば、「お名前と大学名をお願いします」と言われた場合には、氏名と大学名だけを答えるのが正解です。
自己紹介の回答例
「〇〇大学〇〇学部の×× ××と申します。趣味は旅行で、今まで東南アジアを中心に5カ国ほど旅行してきました。カンボジアに旅行に行った際、安全な水を利用できない地域があることを知りました。日本に帰ってきてからも、その出来事が忘れられず、友人と協力してアルバイトのお金で井戸を寄付しました。この経験から、自分に何ができるか考え、最善を尽くす素晴らしさを学びました。本日は、宜しくお願いいたします。」
志望動機を教えてください
志望動機は、その企業を選ぶに至った具体的なエピソードがあると印象深くなります。「企業理念に共感した」「業界に興味があった」というような理由だけでは説得力に欠けるため、できるだけ自分の経験を盛り込みましょう。そうすれば集団の中でも個性ある志望動機を伝えられます。
志望動機の回答例
「御社を志望した理由は、御社の「人々の暮らしに寄り添う」という理念に共感したからです。
私は、幼い頃から、祖父と一緒に暮らしていました。とても活発な祖父でしたが、5年前に足を骨折をしてしまい、足腰が弱くなってしまいました。そして、以前のように生活をすることが困難になってしまいました。そのため、実家のリフォームを行いましたが、あまり動こうとしなかった祖父が、リフォーム後、自分でできることが増えたことで、いきいきと生活するようになりました。
私は、生活する人に合わせた家の重要性について知り、このような経験から、設計学科を専攻しバリアフリーの建築について学びました。
御社は、ユニバーサルデザインの公共施設の建設に多く携わっていると知りました。高齢化が進み、祖父のような方は多くいるかと思います。そのような方が、いきいきと生活できるサポートを御社でしたいと思い志望いたしました。」
学生時代に頑張ったことは何ですか
学生時代に頑張ったことを聞く意図として、入社後、成果を出してくれる人物であるか判断していると考えられます。学生時代の経験やエピソードを具体的に述べ、どのような結果を上げられたのかをアピールしましょう。また、具体的な数字や第三者の評価を盛り込むことで、より信憑性のある内容になります。
学生時代に頑張ったことに対するの回答例
「私が学生時代に力を入れたことは、幼児心理学のゼミです。幼児期の遊び体験が、人間関係にどう影響していくのかをテーマとして研究していました。ゼミでは1週間に1回、児童施設を訪問し、子どもたちとおもちゃの作成をしたり、人形劇をしたりしました。はじめは、子ども同士のトラブルへの関わり方が分からず苦労しましたが、子どもとの関わり方を、さらに知りたいと思い、子どもの発達段階や、年齢別の心理についての研究を行いました。その結果、年齢や個性に合わせた対応ができるようになり、信頼関係を築くことができました。さらに、保護者の方から「ここへ来ると子どもが、いきいきとしている」と言って頂きました。この経験から、子どもに限らず、その人の個性に合わせた対応の大切さや、知ろうとする姿勢の大切さを学びました。御社へ入社後も、相手の立場に立って考え寄り添い、事業に貢献していきたいと考えています。」
自己PRをしてください
自分の強みやアピールポイントを述べたうえで、どのように自分の強みを発揮したのかを、具体的なエピソードを盛り込んで伝えましょう。集団面接における自己PRは、自己分析ができているか、どんな活躍ができそうかを見る質問です。
集団面接での持ち時間はごく短いので、複数の強みを話すのは避け、社風に合ったPRポイントを1つだけ選び簡潔に話すほうが好ましいでしょう。
自己PRの回答例
「私は、積極的に行動ができます。私は学生時代、飲食店でアルバイトをしていました。しかし、アルバイト同士で顧客情報や新メニューなどの情報共有ができておらず、お客様に迷惑を掛けてしまう事がありました。そのため、私は情報共有をするためのノートを作成することを提案しました。全員に声を掛け、共有事項を記入することと、読むことを徹底しました。その結果、出勤日数の少ないアルバイトの人でも、お客様のいつも注文されるものや苦手な食べ物などの、情報を全員で共有することができ、リピーターのお客様を増やす事ができました。」
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こんな質問がされることも
集団の中だとうまく答えられないこともあるでしょう。どんな準備が必要なのか、どんな展開が考えられるのかをチェックしておくと安心です。
最近気になるニュースは何ですか
この質問で面接官は、そのニュースのどこにどういった関心があるかを確認しています。難しい話題を選ぶ必要はないので、新しいニュースの中で自分の考えを話せるものをピックアップしてみてください。ニュースの内容がほかの就活生と同じでも気にせず、自分の考えを述べましょう。
もし、志望企業に関連するニュースがあれば、志望度の高さのアピールにもなります。
あなたを〇〇にたとえると何ですか
「あなたを食べ物にたとえると何ですか」「四文字熟語でいえばあなたは何ですか」というような質問も、面接では時折、見られます。正解のないこういった質問は、発想の柔軟さや機転が利くかどうかをチェックするのが目的だと考えられます。このタイプの質問では、就活生それぞれに違う問題が出される場合もあるようです。
他社の選考状況を教えてください
この質問の意図は、就活の軸がぶれていないかを判断するためでしょう。業界や企業特性にばらつきがあると「志望度が低いのでは」「企業選びの指針を持っていないのでは」と思われてしまう可能性があります。受けている企業を述べるとともに、それらの企業に共通したポイントを挙げると一貫性がるので好印象です。ほかの学生の答えを聞いて「あの企業を受けているのか!」「自分より就活が進んでいる…」と動揺する場合もありますが、落ち着いて回答すれば問題ありません。
なにか質問はありますか
逆質問とは、面接の最後に「なにか質問はありますか?」と面接官の方から聞かれることです。
逆質問では、疑問に思っていたことを聞けるほか、企業に対して熱意をアピールできる場でもあります。
さらに集団面接では、ほかの学生が気づかないようなポイントを突いた質問が好ましいでしょう。たとえば、「御社には目安箱制度があり、ここから生まれたアイデアが実務に採用されていると拝見しました。目安箱から今までどのようなアイデアが何件採用されているかお聞きしたいです」というような質問なら、「企業研究をしっかりしている」という印象を与えられます。
避けるべき逆質問の例
福利厚生や待遇、支店数などは公式サイトに掲載されていることがほとんどです。調べれば分かる内容の質問は企業研究ができておらず、志望度が低いと思われてしまう可能性があるので避けましょう。
また、逆質問は面接の最後にあるため、ここで要領を得ない質問やダラダラした話をすると印象が悪くなっていまいます。事前に回答を考えておきましょう。
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集団面接の基本的なマナー
この項目では、集団面接の流れとマナーをご紹介します。
入室
先頭の人は、部屋のドアを3回ノックします。中から入室の許可が出たら、ドアを開け、一人ひとり「失礼いたします」と言ってから入室しましょう。最後の人はドアを閉め忘れないように注意してください。全員が揃い、面接官から「どうぞ、おかけください」と声を掛けられてから着席します。
面接中
面接中は、面接官の目を見て、適切な声の大きさでハキハキと話すことで好印象を与えられます。ほかの就活生が話している間も気を抜かず、耳を傾けましょう。面接官は、話を聞く態度もチェックしています。
退室
退室は、ほとんどの場合、入室した順番とは逆の順番で退室します。最初に退室する人は、「失礼いたします」とお辞儀をしてから、ドアを開け退室します。一人ひとり面接官の方へ向き直り、挨拶をしてから退室しましょう。最後に退室する人は、忘れずにドアを閉めてください。
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集団面接で評価を上げるためのポイント5つ
この項目では、集団面接において、評価を上げるためのポイントについて解説します。
1.基本的なマナーを守る
面接官は入退室のマナーや面接中の話す姿勢、ほかの就活生の話を聞く姿勢などを見られます。面接では、入社後、取引先の人に対して、マナーを守れるか、円滑なコミュニケーションが取れるかを判断しているといえるでしょう。
数人で行われる集団面接は、マナーができていないと、悪目立ちしてしまい良い印象には残りません。面接中の受け答えだけではなく、マナーをしっかり把握し普段から意識をして対策しておきましょう。
2.企業のニーズに合わせてアピールする
面接において、面接官は就活生を「自社のニーズや社風に合っているか」を判断しているため、自分が企業のニーズに合った人物であることをアピールすることが重要です。
企業のニーズに合わせたアピールをするためには、会社説明会やOB・OG訪問といった企業研究をしっかり行い、企業のニーズをしっかり把握しておきましょう。
3.簡潔に話す
面接官は、就活生が質問に対して、的確な回答ができているか、簡潔に分かりやすく伝えられるか、といった就活生のコミュニケーション能力を判断しています。前述したとおり、複数人で行われる集団面接は、一人ひとりに割けられる時間は少ないでしょう。
質問には結論から答えるクセをつけ、どの回答も1分から1分30秒程度にまとめることを意識しましょう。
もし、アピールしたい気持ちが強過ぎて自分だけ長く話すようなことがあると、協調性がないと判断される恐れもあります。
4.ほかの就活生の意見をしっかり聞く
集団面接では、「今の○○さんの意見に対して△△さんはどう思いますか?」というように他の学生の回答に対する感想を求められることがあります。「聞いていなかった」「急だったので感想が浮かんでこない」ということにならないよう、傾聴する姿勢を持つことが重要です。
ほかの学生が話しているときは発言者の方を軽く向いて、頷いたり共感や驚きを適度に表情に出したりしながら聞きましょう。人の話を聞く態度もチェックされていることを忘れないようにしてください。
5.自信を持ってハキハキと話す
ほかの学生が優秀な回答をしたり、思いがけない話をしたりと、焦りを感じることも多いのが集団面接の特徴です。回答がかぶったときにも不安になってしまうでしょう。しかし、そんなときも動揺せずに、自分の言葉を最後まで伝えることが大切です。
「○○さんの回答には敵いませんが」「○○さんと同じなのですが」という前置きは自信がないように取られるため不要だといえるでしょう。
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集団面接において注意するべきポイント
最後に、集団面接において、注意するべきポイントについてご紹介します。
リアクションをし過ぎない
ほかの就活生の話を聞く姿勢は大切ですが、うなずき過ぎたり、オーバー過ぎるリアクションには注意が必要です。度を超えたリアクションは、評価を下げてしまう可能性があります。集団面接では、常に比較されていますので、悪い印象は残さないように気を付けましょう。
回答が被ったとしても変更しない
ほかの就活生の回答を聞いてから、予定と違う話に切り替えるのは、失敗の原因になるので避けましょう。集団面接の場合、ほかの就活生と回答が被ってしまう可能性があります。話が被ってしまったとしても、面接官は気にしていない場合がほとんどです。もし、直前で内容を変えたことで、何を言いたいのか分からない文章になってしまっては、評価を下げてしまいます。題材は被ってしまったとしても、自分のエピソードを具体的に述べられれば問題ないでしょう。
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