公務員は高収入って本当?給与の実態を徹底調査

このページのまとめ

  • 公務員の平均給与は、国家公務員と地方公務員で異なる
  • 国家公務員は法律、地方公務員は自治体によって定められているため差が生じる
  • 初任給は民間企業と比べ、大きな開きはない
  • 公務員は収入や雇用の安定、手当の充実など利点が多い
  • 採用されるためには、試験合格が必須

一般的に「公務員は給与が安定していて高収入」とイメージされていますが、実際はどの程度なのでしょうか。このコラムでは公務員の給与平均や初任給などについて、実態を紹介しています。メリットを感じる場合は、公務員を志望の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

 

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公務員の給与はどれくらい?


公務員は国家公務員と地方公務員の2つに分類されます。まず最初に、それぞれの月給平均を見ていきましょう。

総務省のデータによると、平成29年度のそれぞれの平均給与月額は、国家公務員が410,719円、全地方公共団体が363,448円です。

国家公務員に比べ、地方公務員の方が給与がやや低い結果となりました。同じ公務員でも、国家公務員と地方公務員で給与の実態が異なることを覚えておきましょう。

参照元:総務省 - 平成29年地方公務員給与実態調査結果等の概要 http://www.soumu.go.jp/main_content/000524203.pdf

公務員の給与の決め方

そもそも、公務員の給与はどのようにして決められているのでしょうか。まずは国家公務員の給与について見ていきましょう。

国家公務員の給与は法律に基づき、役職を示す「級」と、職務経験によって定められた「号俸」、人事院の調査による「人事勧告」を元に決められています。職級と号俸については、数字が上がれば上がるほど給与も高くなるものと覚えておきましょう。

地方公務員の場合も、職務の「級」と勤務経験を示す「号給」の組み合わせを元にすることは変わりませんが、「級」や「号給」ごとの支給額は自治体によって異なります。そのため、国家公務員の給与との間に差が生じます。

また、「人事勧告」は、国家公務員の人事管理を担当する「人事院」という行政機関が行います。人事院は職種、学歴、年齢などの条件を元に、民間企業の給与を調査します。

調査の目的は、条件が類似している国家公務員と民間企業の社員の間に、大きな差が生じないように調整することです。事業所従業員が50人以上の企業を対象に、1万社ほど調査します。

そのうち4割ずつを従業員数500人以上の企業、100~500人の企業で占めているので、比較的大手企業の給与状況を参考にしていると考えて良いでしょう。

年齢が上がるにつれて給与も上がる

公務員の場合、民間企業と違って業績に大きく左右されたり、倒産の心配を抱えたりする必要がありません。そのため、給与に反映される評価は個人のスキルや実力よりも、勤続年数による影響が大きいです。

勤続年数が少ないうちは民間企業とそこまでの差は出ませんが、年齢が上がるにつれて給与も上がっていきますので、安定した職場で長く働きたい人には向いているでしょう。ただし、自治体によっては「◯歳以上は昇給しない」などの規定が存在することも、覚えていてください。

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公務員の初任給


公務員の初任給についてチェックしてみましょう。

国家公務員と地方公務員の初任給

下記は国家公務員と地方公務員の初任給のデータとなります。

・国家公務員(行政職)の初任給

総合職(院卒) 211,500円
総合職(大卒) 185,200円
一般職(高卒) 148,600円

・地方公務員の初任給(都道府県/一般行政職)

大卒 183,554円
短大卒 163,043円
高校卒 149,603円

どちらも学歴によって少しずつ差異が出ています。また、初任給の時点では、総合職と一般職においてあまり差がないことも特徴と言えるでしょう。高収入なイメージのある公務員ですが、この結果を見ると、初任給の時点では民間企業と大きな開きがない印象です。

参照元:人事院 - 平成30年人事院勧告 
参照元:総務省 - 平成29年4月1日地方公務員給与実態調査結果 

 

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公務員として働くメリット


公務員として働くメリットは給与額だけではありません。下記の項目で紹介する利点を参考にしてみてください。

収入が安定している

一般企業の場合、会社の売上や利益から給与が支給されます。そのため、利益が出ないときには減給されるなど、社員の収入に影響があります。

その点、公務員は税金から支給されているため、業績に振り回されることはありません。月給などの固定給のみに限らず、ボーナスなどにおいても、常に安定した収入を得ることができます。

終身雇用制なため将来的に安心

公務員は終身雇用制度を導入していますから、本人さえのぞめば定年まで働き続けることができます。会社の倒産、業績不振によるリストラなどの不安がないことも、メリットのひとつでしょう。

手当が充実している

公務員は手当が充実していることも魅力です。代表されるのは、「地域手当」です。

「地域手当」は勤務地によって異なる生活費の水準の差をなくし、職員の実質的な賃金を一定に揃える目的で支給されます。支給額は地域によって異なりますが、多いところでは給料の20%が支給されるため、収入にも大きな影響を与えます。

その他、残業代はもちろん、休日勤務や夜勤などもきちんと手当がつきます。寒い地域で働く職員には「寒冷地手当」などもあり、勤務地や環境によって生まれるデメリットを手当がカバーしてくれます。

 

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公務員になるには?


最後に、公務員を志望する人に向けて、公務員になるための基本的な採用段階を紹介しましょう。

国家公務員の場合

国家公務員になるためには、まず国家公務員採用試験に合格することが必須です。国家公務員採用試験は「院卒者試験」「大卒程度試験」「高卒程度試験」の3つに分類され、さらに職種や専門性に応じた「試験区分」が存在します。

試験に合格したあと、官庁訪問による面接があり、内定をもらい、本採用という流れになります。

地方公務員の場合

地方公務員の場合も、「公務員試験初級」「公務員試験中級」「公務員試験上級」の3つに分類される「地方公務員試験」に合格することが最低条件です。

まず1次試験として、一般教養についての「教養試験」、職務に必要な「専門試験」、課題式の「論文」が実地されます。その後、2次試験として「口述試験」、いわゆる面接が行われます。

公務員の場合はまず試験突破が難関となります。その後も面接を通らねばならず、採用は狭き門と言えるでしょう。

公務員の給与について、理解は深まったでしょうか。まだ企業選びに悩んでいるという方は、ぜひキャリアチケットをご利用ください。エージェントによる的確なアドバイスで、あなたの就職活動をサポートします。

 

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