このページのまとめ
- 履歴書の本人希望記入欄には「特になし」ではなく、「貴社の規定に従います」が適切
- 「特になし」や空欄を避けるには視点を変えたり、表現を工夫したりするのがおすすめ
- 履歴書は、企業が求める人物像に合ったアピールをすると評価されやすくなる

履歴書に書くことがないときに、「特になし」と書いて良いか迷う方もいるでしょう。履歴書には「特になし」と書いたり、空欄のまま提出したりするのは避けるのがおすすめです。
この記事では、履歴書に書くことがないときの言い換え方を解説しています。また、各項目ごとに「特になし」と書くのを避ける方法や履歴書を作成するときのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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履歴書に「特になし」と書いても良い?言い換え方を解説
本人希望欄に「特になし」と書くことは、可能な限り避けるのが望ましいでしょう。なぜなら、採用担当者が「入社意欲が低い」「企業研究が不足している」といったネガティブな印象を抱いてしまう可能性があるからです。
履歴書は自分をアピールする大切な書類。たとえ特別な希望がなくても、入社への意欲や仕事に対する真摯な姿勢を示すため、書き方を工夫することをおすすめします。
書くことがないときは「貴社の規定に従います」が適切
応募先の企業に対して、特にこだわりたい労働条件や配属先などの希望がない場合は、「貴社の規定に従います」と書きましょう。「貴社の規定に従います」と記載することで、企業側の労働条件や配属、働き方に対して柔軟に対応する姿勢を示せます。
企業側は、応募者が労働条件や配属、働き方について柔軟に対応する姿勢を示していると判断できるでしょう。そのため、「自社のルールや文化を尊重し、与えられた環境で前向きに働いてくれるだろう」という好印象を与えられます。特に「配属先は問わない」「転勤は可能」といった柔軟な姿勢を見せたい場合にも有効です。
「貴社の規定に従います」と書くことは、入社意欲の高さと企業への配慮を示せるおすすめな書き方といえます。ただし、希望がある際は、ミスマッチを防ぐためにも記載しておいたほうが良い内容もあるので注意が必要です。
以下で、本人希望欄に書いても良い内容と本人希望欄に書かないほうが良い内容を解説するので、参考にしてみてください。
本人希望欄に書いても良い内容
本人希望欄は、企業が内定を出すうえで配慮すべき事項や仕事をするうえで譲れない条件がある場合に記入する場所です。しかし、本来は、企業側から質問されない限り、原則として空欄にするか、「貴社規定に従います」と記載するのが基本。
もし、やむを得ず希望を記載する場合は、以下の具体例のような、企業が検討可能な内容に留めるようにしましょう。
・勤務地に関する希望
・職種に関する希望
・連絡に関する希望
ただし、これらの要求は、企業との交渉や面接などで建設的に話し合うべき内容です。一方的に履歴書に記載すると「自己中心的」「企業理解が浅い」と判断されかねません。
企業研究に基づき、健康上の理由や転居できない理由などやむを得ない条件がある場合のみ、その理由も簡潔に添えて謙虚な姿勢で希望を伝えるように心がけましょう。
本人希望欄に書かないほうが良い内容
本人希望欄は、給与や休日といった労働条件に関する過度な要求を記載する場所ではありません。以下のような内容を書くのは避けましょう。
・給与や賞与に関する希望
・固定的な休日や休暇の要求
・配属先や職種を一方的に決めつける断定的な希望
「年収△△△万円以上を希望します」「残業代は全額支給を希望します」など、金銭的な要求をストレートに書くと、「自己中心的」「わがまま」といったネガティブな印象を与えかねないため避けましょう。企業の就業規則や職種によっては、土日出勤が避けられない場合もあるため、「柔軟性がない」と判断される可能性があります。
同様に、「営業職以外での配属は認めません」など、企業の裁量を否定するような書き方もおすすめできません。特定の職種に固執し過ぎていると、「その職種であればどこの会社でも良いのでは?」と思われ、自社への熱意が低いと判断される可能性があるため、内定が遠ざかる可能性があるでしょう。
これらの要求は、面接などで話し合うべき内容であり、一方的に履歴書に記載すると「自己中心的」「企業理解が浅い」と判断されかねません。企業研究に基づき、建設的な姿勢で希望を伝えるように心がけましょう。
本人希望欄の書き方は、「履歴書の『本人希望欄』の書き方とは?避けるべき内容や使える例文も紹介」の記事を参考にしてみてください。
空白や虚偽の内容で提出するのは避ける
本人希望欄に書くことがないからといって、空白のまま提出したり、虚偽の内容を記載したりすることは避けてください。空白の場合、「特になし」と同様に、企業への関心が薄いと判断されるリスクがあります。
一方、嘘の情報を書くことは論外です。たとえば、「転勤は可能です」と虚偽の記載をして内定後に断れば、内定取り消しや企業との信頼関係の崩壊につながる重大な問題になります。
重要なのは、正直かつ前向きな姿勢で、自分の状況や企業への意欲を伝えることです。どうしても書くことがない場合は、前述の「貴社の規定に従います」と記載し、誠実な態度を示しましょう。
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【項目別】「特になし」と書くのを避ける方法
履歴書に記入すべき具体的な内容がないと感じても、視点を変えたり、表現を工夫したりすることで、アピールポイントを見つけ出せます。特に新卒の就活では、完璧なスキルや経験よりも、学びに対する意欲や潜在能力を示すことが大切です。
ここでは、各項目で「特になし」を避ける具体的な方法を解説するので、参考にしてみてください。
資格欄
たとえ国家資格や難関資格をもっていなくても、資格欄に「特になし」と書くのは避けるのがおすすめです。アピールできる資格がない場合でも、その代わりとして取得に向けて勉強中の資格を記載したり、業務に役立つと考えられるスキルを記載したりといった工夫をしてみましょう。
たとえば、特定の資格ではないものの、TOEICスコアや運転免許証は、語学力や行動範囲を示すものとして職種を問わず評価される傾向があります。また、WordやExcelなどのPCスキルも立派なアピールポイントになるでしょう。
具体的な記載方法としては、以下のとおりです。
| 取得に向けて勉強中の資格を記載する | 「△△資格 取得に向けて勉強中(△月受験予定)」 |
| スキルレベルを記載する | 「Microsoft Office(Word・Excel) 基本操作可能」 「Webサイト制作(HTML/CSS)の基礎知識あり」 |
資格の有無に関わらず、採用担当者に「入社後、どのように貢献してくれるか」という具体的なイメージをもってもらえれば、スムーズに選考を進めやすくなるでしょう。
趣味・特技欄
趣味・特技欄は、自分の個性や人柄を採用担当者に伝える重要な項目です。「特になし」と書くと、自分の内面的な魅力を伝える機会を逃してしまいます。
趣味や特技は、単に「何をしているか」だけでなく、「その活動から何を学び、どのように仕事に活かせるか」を伝えるのがポイントです。たとえば、読書が趣味であれば「幅広い知識を吸収する探求心」、スポーツが特技であれば「目標達成への粘り強さ」といったように仕事で活かせる資質につなげて表現しましょう。
趣味や特技が見つからない場合は、日常生活やアルバイト経験からアピールにつながる行動を振り返ってみてください。毎日の料理や整理整頓を「継続力」や「計画性」と関連付けることも可能です。
具体的には、料理であれば、献立を考える「計画性」や、毎日作り続ける「継続力」をアピールできます。また、整理整頓であれば、常に片付いた状態を保つ「継続力」や、効率的な収納方法を考える「計画性」としてアピールするのも方法の一つです。
趣味・特技が見つからないときの対処法は、「履歴書の趣味欄の書き方にはコツがある?例文10選とともにポイントを解説」の記事も参考にしてみてください。
健康状態欄
健康状態欄は、採用後に問題なく業務を遂行できるかを確認する目的があります。「特になし」と書く代わりに、「良好」や「特に問題ありません」と簡潔に記載するのが一般的です。
もし持病や健康上の懸念事項がある場合は、正直に記載しつつ、業務への影響がないことを補足して伝えましょう。たとえば、「持病の治療は継続中ですが、業務に支障はありません」といった表現です。
ただし、過度に詳細な情報を記載する必要はありません。採用担当者が知りたいのは、入社後の働き方に影響があるかどうかという点であることを理解しておきましょう。
健康状態が選考に影響するか不安な方は、「就活は健康診断の結果が悪いと落ちる?健康診断の項目や受ける前の注意も解説」の記事をチェックしてみてください。
自己PR欄
自己PR欄は、企業に最も伝えたい強みや入社意欲をアピールする場所のため、しっかりと記載するのがおすすめです。自己PRを作成する際は、アルバイトや学業、部活など過去の経験を深掘りし、企業が求める人物像や職種につながる強みを見つけましょう。
効果的な自己PRにするためには、以下のフレームワークを活用するとスムーズに作成できます。
・最も伝えたい強みを端的に述べる
・その強みを発揮した具体的な経験を述べる
・その強みを活かして入社後にどのように貢献したいかを述べる
この手順に従って、自己分析で発見した強みを明確に伝え、企業に魅力的な人材であることをアピールしましょう。「就活に役立つ自己PR例文25選!書き方や高評価につながるコツも解説」の記事で自己PRの例文をまとめているので、作成するときの参考にしてみてください。
課外活動欄
課外活動欄は、あなたの主体性や行動力をアピールできる重要な項目です。「特になし」と記載すると、採用担当者に「学生時代に何をしていたのだろう?」という疑問を抱かせる可能性があります。
課外活動には、部活動やサークル活動だけでなく、アルバイトやインターンシップ、留学、ボランティア活動など、学業外のすべての活動が含まれます。活動経験がない場合でも、ゼミ活動や個人での研究・学習などを記載するのも方法の一つです。
活動内容を記載する際は、単なる事実の羅列で終わらせず、「その活動を通じてどのような目標を設定し、どのような課題を乗り越え、何を学んだか」を具体的に書くことがメリットにつながります。
備考欄
備考欄は、履歴書の他の欄に書ききれなかった重要な情報や、企業に事前に伝えておきたい事項を記載する場所です。「特になし」と書く必要はありませんが、伝えたいことがなければ空欄のままでも問題はありません。
ただし、企業にどうしても伝えておきたい事項がある場合は、備考欄を活用するメリットがあります。たとえば、以下のような事項を記載できます。
・日中連絡が取れない時間帯や特定の連絡方法を希望する
・複数の職種を募集している場合に、特に希望する職種を明確にする
これらの情報を記載することで、採用担当者との円滑なコミュニケーションにつながり、お互いの認識のずれを防げます。
なお、履歴書に「本人希望記入欄」がある場合は、その欄と備考欄を混同しないように注意が必要です。本人希望記入欄がない場合は、備考欄に希望条件を記載することも可能ですが、基本的には、「本人希望記入欄」には入社後の待遇、「備考欄」には選考中の補足情報という使い分けを意識しましょう。
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就活で履歴書を作成するときの3つのポイント
新卒の就活において、履歴書は企業に対して自分の第一印象を決定づける重要な書類です。企業に提出する前に、作成時のポイントをしっかり押さえておくことで、自分の魅力が採用担当者に伝わりやすくなるでしょう。
また、採用担当者に「丁寧な人だ」「自社をよく理解している」という印象を与えられれば、書類選考の通過率を高められます。以下で、就活で履歴書を作成するときのポイントを3つ解説するので、チェックしてみてください。
1.誤字・脱字がないよう注意する
就活で履歴書を作成するときは、誤字・脱字がないよう注意しましょう。誤字や脱字があるだけで、「注意力が散漫な人」「仕事も雑なのではないか」というネガティブな印象を与えかねません。
西暦・和暦の統一、企業名や部署名の正式名称、日付といった基本的な情報にミスがないかを入念に確認してください。声に出して読んでみたり、数日おいてから改めて見直したりするのがおすすめです。
また、履歴書を書き終えたあとは、家族や友人、キャリアセンターなど第三者にチェックしてもらうのも良いでしょう。自分では気づけなかった改善点やミスを見つけられる可能性があります。
2.内容と企業が求める人物像を一致させる
内容と企業が求める人物像を一致させることも、就活で履歴書を作成するときに押さえたいポイントの一つです。履歴書の内容は単に事実を羅列するのではなく、応募先の企業がどのような人材を求めているのかを意識して作成しましょう。
企業の採用ページやIR情報、社員インタビューなどを読み込み、「行動力のある人物」「チームワークを重視する人物」「論理的思考力をもつ人物」など、企業が期待する人物像を具体的に把握することが大切です。自己PRや学生時代の経験などの項目で、自分の強みや経験が、その企業・職種でどのように活かせるのか、具体的なエピソードを交えて記述しましょう。
企業研究に基づいた一貫性のある内容は、「入社意欲が高い」と評価される要素になります。企業研究のコツは、「企業研究のやり方と就活に活かすコツを解説!効率的な進め方とは?」の記事を参考にしてみてください。
3.応募先企業に熱意が伝わる内容にする
就活で履歴書は、応募先企業に熱意が伝わる内容にすることを意識しましょう。厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査の概況(2)若年正社員の採用選考にあたり重視した点(p.7)」によると、企業が新卒者を採用する際に、重視した項目で最も多い割合は、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」79.%です。「業務に役立つ職業経験・訓練経験(14.7%)」や「学歴・経歴(22.4))」よりも、応募者の内面的な意欲やポテンシャルを評価していることがわかります。
志望動機欄や自己PR欄で、「なぜ他社ではなく、この会社で働きたいのか」「入社後にどのような貢献ができるのか」という点を具体的に示すことで、採用担当者から好印象を得やすくなるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和5年若年者雇用実態調査の概況
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書くことがなくて履歴書の内容に悩んでいる方へ
履歴書に書くことがないと、うまくアピールできず「書類選考に通過できないのでは」と不安になりますよね。履歴書の作成で悩むときは、就職エージェントに相談するのがおすすめです。
就職エージェントのキャリアチケットでは、採用担当者の目線や通過しやすいポイントを熟知したプロのキャリアアドバイザーが、履歴書やエントリシートの作成から添削まで一貫してサポートしています。
一人ひとりの状況に適したアドバイスをプロの視点でお伝えし、応募書類の質を格段に高めることが可能です。あなたの強みが明確に伝わり、ほかの就活生との差別化を図れるため、書類選考も有利に進められるでしょう。
ほかにも、求人紹介や面接対策なども実施しています。自信をもって就活に臨みたい方は、ぜひご相談ください。
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