自己分析シートとは?おすすめの種類や作成時の注意点を紹介

このページのまとめ

  • 自己分析シートを活用すると効率的に自分の価値観や強みを見つけられる
  • 自分史やSWOT分析など、自己分析のやり方にはさまざまな方法がある
  • 自己分析シートは作って終わりにせず、定期的に見返すことが大切

自己分析シートとは?おすすめの種類や作成時の注意点を紹介のイメージ

自己分析が思うように進まず、悩んでいる就活生もいるでしょう。自己分析の目的は、自分を客観視して強みや価値観を知り、面接や自己PR、企業選びに活用することです。

この記事では、自己分析シートの種類を紹介。自己分析シートを作成するメリットやシート作成後の注意点なども解説しています。自己分析シートを活用して、自分に合った企業からの内定を得ましょう。

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目 次

就活で作る自己分析シートが重要な理由

自己分析とは、自分を客観視して性格や強み、価値観を把握するためのプロセスです。自身が仕事をするうえで何を大切にしているのかを知り、企業選びの軸を見つけるのにも役立ちます。

ここでは、自己分析の重要性について見ていきましょう。

自分の強みや価値観を知るため

自己分析シートを作成することで、自分の強みや価値観をより深く理解できます。過去の経験から、自分の好きなこと・嫌いなことやモチベーションが上下したエピソードなどを深掘りすることで、自分の強みや弱みが明らかになるでしょう。

「ガクチカがない」「企業にアピールできる強みがない」といった方でも、自己分析を進めることで新たな強みが見つかるケースもあります。自己分析から得た自分の長所や強みは、自己PRやガクチカ、面接の場面で企業へアピールすることが可能です。

企業選びの軸を見つけるため

企業選びの軸を見つけるためにも自己分析シートの作成は欠かせません。自己分析で自分自身を客観的に見ることで、自分が仕事に対してどのような価値観を持っているのかが分かります。

自分が大切にしている価値観と企業の理念が合っているかどうかが見極められると、企業選びの軸が定まります。自己分析をしっかりと行ったうえで志望企業を選ぶことにより、自分と企業とのミスマッチも防げるでしょう。

企業選びの軸を決める方法や手順について詳しく知りたい方は、「会社選びの軸を定めて納得のいく就活をしよう!面接での回答例文も紹介」の記事も参考にしてみてください。

将来のキャリアプランを明確にするため

自己分析シートの作成は、過去の自分を振り返るだけでなく、将来のキャリアプラン構築にも役立ちます。自分の将来の理想像をイメージすることで、どのような仕事をしたいのか、どのような企業に入社すれば夢が叶えられるのかがより明確になるでしょう。

実現したい目的を持つことで、仕事をするうえでのモチベーションアップにもつながります。自己分析について詳しく知りたい方は、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」もご覧ください。

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自己分析シートの種類6選

自己分析シートの代表的なパターンは6つあります。それぞれの特徴や作り方を解説するので、自分に合う方法を見つけてみてください。

1.自分史

自分史とは、これまでの人生で経験した出来事を年表形式で振り返る自己分析の手法です。幼少期から現在にまでの出来事に関する感情や行動、学びを深掘りすることで自分自身の価値観や強み、弱みを発見できます

自分史の手順

自分史の手順は以下のとおりです。

1.人生の年表を作成する
2.各年代の出来事を深掘りする
3.感情や価値観を言語化する
4.見つけた価値観や強みを整理する

自分史を作成する際には、初めに人生の年表を作成します。幼少期から現在に至るまでの出来事として部活動や趣味、人間関係などを書き出していきましょう。次に、出来事から「なぜその行動を選んだか」「どのような困難があったか」といった視点で深掘りします。

深掘りして過去に生まれた感情や、自分が大切にしている価値観を言葉にすることで、自己理解をより深めることが可能です。最後に書き出した要素を整理し、共通点を見つけることで自身の性格や価値観、強みなどを把握できます。

自分史の例

自分史の一例を見てみましょう。

年代 主な出来事 深掘り
小学生 算数が好きで、友達に教えることが多かった 友達に「分かりやすい」と言われるのが嬉しかった。人に教えることで、自分自身の理解がさらに深まった
中学生 バスケットボール部に入部。レギュラーになれず、悔しい思いをした レギュラーになるために、練習後に毎日自主練習をした。結果が出なくても、目標に向かって努力し続けることの大切さを学んだ
高校生 生徒会役員を務め、文化祭を成功させるために頑張った メンバーの意見がまとまらず、何度も衝突した。全員の意見を聞き、建設的な議論を促すことで、チームをまとめる力を身につけた
大学生(1) 飲食店のアルバイトで、接客の楽しさを知った 最初はうまく接客できず落ち込んだが、お客さまが喜んでくれる顔を見るのがモチベーションになった。お客さまの小さな変化にも気づき、先回りして行動することを心掛けた
大学生(2) 卒業論文のテーマ決定に苦戦した 興味のある分野が多過ぎて、テーマを絞り込めずに悩んだ。しかし、教授や友人に相談する中で、本当に自分がやりたいことを見つけ出し、納得のいく論文を完成させた

自分史からは、地道に努力を続ける力やチームをまとめるリーダーシップなどの強みが見出せます。分析から得られた強みを具体的なエピソードとして面接で話すことで説得力が増し、自分の魅力を効果的にアピールすることが可能です。

自分史の書き方や手順についてさらに詳しく知りたい方は「自分史の書き方はどうすればいい?テンプレートの例やまとめ方を解説」の記事も参考にしてみてください。

2.モチベーショングラフ

モチベーショングラフとは、過去の経験をもとに感情の起伏を視点から分析する自己分析のことです。人生のモチベーションの波をグラフにすることで、自分のやる気が何によって上がり、何によって下がるのかを客観的に把握できます。

モチベーショングラフの手順

モチベーショングラフ作成の手順は以下のとおりです。

1.グラフの軸を用意する
2.モチベーションの変化を曲線で描く
3.モチベーションの増減につながった要因を書き込む
4.グラフ全体を分析する

モチベーショングラフを作成する際は、縦軸をモチベーションの高さ、横軸を時期としてグラフの軸を用意します。過去の出来事を時系列で書き出し、それぞれの時期の感情の起伏を曲線で描きましょう。

モチベーションが上下したポイントに、原因となった出来事を具体的に書き込み、グラフ全体を分析します。これにより、自分のモチベーションが何によって上がるか、何によって下がるかを客観的に把握し、就活の軸を明確にすることが可能です。

モチベーショングラフの例

モチベーショングラフの一例を見てみましょう。

モチベーショングラフの例のイメージ

引用:キャリアチケット「自己分析に役立つモチベーショングラフとは?作成のコツや活用方法を解説

上記のモチベーショングラフでは、物事に取り組み、達成感を抱いた際にモチベーションが上昇傾向にあります。学校生活以外に、恋人ができたり生活リズムが崩れたりなどプライベートなことによって、モチベーションが大きく上下しているのが分かるでしょう。

3.ライフラインチャート

ライフラインチャートは、人生の満足度や幸福感を時系列でグラフ化する手法で、自分の価値観を可視化できます。モチベーションの浮き沈みだけでなく、人生のさまざまな局面での感情の動きを捉えることで、より深い自己理解につなげられるのが特徴です。

ライフラインチャートの手順

ライフラインチャートの手順は以下のとおりです。

1.グラフを用意する
2.人生の出来事を書き込む
3.グラフの線を引く
4.グラフを分析する
5.価値観を見つけ出す

まずは、縦軸を満足度、横軸を時間軸として設定し、過去の出来事と感情の起伏を線で結んでグラフを作成します。グラフの山や谷を分析すると、何が自分の満足度に影響するのかを明確にし、自身の価値観や大切にしていることを見つけ出せます。

4.マインドマップ

マインドマップは、思考を視覚的に整理するツールです。自己分析に活用することで、頭の中でバラバラになっている強みや興味、価値観などを関連付けて整理し、自分の全体像を把握できます。中心に自分を置き、放射状にキーワードを広げていくことで、新たな発見が生まれる可能性もあるでしょう。

マインドマップの手順

マインドマップの手順は以下のとおりです。

1.中心にテーマを置く
2.キーワードを書き出す
3.さらに枝を広げる
4.関連性を整理する

まず、紙の中央に自分の名前や自己分析といったテーマを書いて丸で囲み、思考のスタート地点とします。次にスタート地点から太い線を伸ばし、得意なことや好きなこと、苦手なことなど関連するキーワードを自由に書き出しましょう。

さらに、書き出したキーワードから細い線を伸ばし、具体的なエピソードや感情を付け加えて深く掘り下げます。線で結ばれた部分の共通点を探すことで、自分の価値観などが見えてくるでしょう。

5.SWOT分析

SWOT分析は、自己分析をより客観的かつ戦略的に行うためのフレームワークです。以下の頭文字を取ってSWOT分析と呼ばれています。

・強み(Strengths)
・弱み(Weaknesses)
・機会(Opportunities)
・脅威(Threats)

強みや弱みなどを客観的に整理することで、就職活動における自分自身の立ち位置を明確にし、効果的なアピールポイントを見つけられます。

SWOT分析の手順

SWOT分析の手順は以下のとおりです。

1.紙やノートにSWOTの項目を記載する枠を用意する
2.思い当たる事例を記載する

4つの要素に対し、強みをどのように活かすか、弱みをどうやって克服するかなどの内部要因を検討しましょう。また、どのようにプラスの機会を利用するか、いかに脅威を取り除くかなどの外部要因の分析もあわせて分析します。

SWOT分析の例

大学生のアルバイト経験に関するSWOT分析の一例を見てみましょう。

  内部環境 外部環境
プラス 強み (Strengths)
・真面目で謙虚
・チームワークを大切にする
機会 (Opportunities)
・働き方改革でリモートワークが増えている
・売り手市場のため内定を獲得しやすい
マイナス 弱み (Weaknesses)
・優柔不断
・自分の意見を強く主張できない
脅威 (Threats)
・AIが進化している
・他業界の参入により競争が激化している

上記の分析結果をもとに、弱みと機会を合わせて自分自身を客観視してみてください。たとえば、強みと機会をかけ合わせると、真面目で謙虚な性格を活かしてスムーズなリモートワークを実現できると分析できます。強みと脅威、弱みと機会などさまざま方法で自己分析を進めてみましょう。

6.Will・Can・Must

Will・Can・Mustは、自己分析から見出した自分の要素を3つの視点から整理し、キャリアの軸を明確にするためのフレームワークです。3つの要素の重なりが多い仕事ほど、やりがいや満足感を得られるとされています。就職後のミスマッチを防ぐためにも、取り入れたい自己分析の一つです。

Will・Can・Mustの手順

Will・Can・Mustの手順は、以下のとおりです。

1.Will(やりたいこと)を洗い出す
2.Can(できること)を洗い出す
3.Must(すべきことや求められていること)を洗い出す
4.3つの要素の重なりを分析する

3つの要素をすべて満たす企業や業界を目標にすると、就活を効率的に進められます。

Will・Can・Mustの例

Will・Can・Mustの一例として、コミュニケーション能力を活かして仕事をしたいといった想いには、以下のような要素が考えられます。

Will(やりたいこと) コミュニケーション能力を活かして仕事をしたい
Can(できること) 学生時代のサークル活動で、チームをまとめる役割を担った経験がある
Must(すべきこと) 顧客のニーズが多様化し、サービス業においてきめ細かな対応が求められている

3つの要素が重なるキャリアを考えると、顧客の課題解決に貢献するコンサルタントやチームを円滑に動かす営業職などがあげられます。漠然とした将来像から具体的なキャリアプランを想像できるフレームワークのため、やりたい仕事が思い浮かばない就活生は一度取り組んでみると良いでしょう。

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自己分析シートを作成するメリット

自己分析シートを作成すると、エピソードを深掘りしたり今まで気づかなかった視点に気づけたりするメリットがあります。やみくもに自己分析を進めてしまい悩んでいる就活生は、自己分析シートを活用してみましょう。

ここでは、自己分析シートを作成するメリットを3つ紹介します。

自己分析が効率的にできる

自己分析シートの使用は効率的に分析を進められる点がメリットです。シートを埋めるだけで自己分析できるため、時間を節約しながら自分の強みや価値観などの情報が整理でき、視覚的にも頭に入りやすくなります

また、就活中には自己分析の内容を見直す機会も少なくありません。シートに要点をまとめておけば、面接や選考の場ですぐに見直しできて添削や修正を素早く行えるでしょう。

自己分析に行き詰まっている方も、シートを活用するとスムーズに進む可能性があります。

なお、厚生労働省が提供している「自己診断ツール」も効率的に自己分析を進められるツールです。インターネットから手軽に利用できるため、効率的に自己分析を進めたい方は利用してみてください。

参照元
厚生労働省
自己診断ツール

新しい視点に気づける

今まで自分では気づかなかった視点に気づけるのも自己分析シートを利用するメリットです。

たとえば、自分では気が弱く小心者だと思っていても、自己分析により協調性がありマナーを守れる性格だという長所に気づける場合もあります。

就活を進めるうえで、自己分析シートを活用したからこそ気づける部分もあるでしょう。シートやツールを活用する際は、新たな視点に気づくためにも1つに絞らず、さまざまな自己分析に取り組むのがおすすめです。

自分の考えを整理できる

自己分析シートを活用することで、自分の考えを整理しやすくなります。就活中は自己PRや志望動機を作成する際に、さまざまな考えや価値観が頭の中で浮かび上がり、うまく整理ができないケースもあるでしょう。

自己分析シートを活用すると考えが視覚的に入ってくるため、考えを整理しやすくなります。就活中に考えやアイデアが混乱してしまっている方も自己分析シートを活用してみるのがおすすめです。

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自己分析シートを活用するうえでの注意点

自己分析シートを活用する際は、分析をして終わりではありません。分析結果の振り返りをしたり、企業研究を並行して行ったりすることが大切です。ほかにも長所だけでなく短所も把握しましょう。

ここでは、自己分析シートを活用するうえでの注意点を紹介します。

自己分析シートの振り返りをする

自己分析シートは作成しただけで終わりにせず、分析結果を振り返りましょう。作成したものを就活に効果的に活用するためには、以下のポイントを踏まえて振り返るのがおすすめです。

・自分の性格を深掘りする
・自分の好き嫌いや強み、弱みを深掘りする
・自分とマッチする業種や企業、職種を深掘りする

また、自己分析シートは繰り返し読み直して面接や自己PRに活かせるよう努めましょう。就活を進めていくうえで考えが変わるケースもあるため、現状の自分とミスマッチがないようこまめに振り返るのがおすすめです。

長所だけでなく短所も把握する

自己分析をする際は、長所だけでなく短所も把握しましょう。就活中は企業に好印象を残すために長所や強みに集中しがちですが、短所や弱みの把握も欠かせません。

エントリーシートや面接で「あなたの短所は何ですか?」といった質問も多い傾向にあります。短所を把握できていないと自分を客観的に見れていないとマイナスの評価を受ける可能性もあるため注意が必要です。

また、短所を把握する際は、弱みをどう改善していくかもセットで考えておくと良いでしょう。自分の弱みが出たエピソードに対して、どのような改善策を取ったのか、どう乗り越えたのかなどをアピールすることが大切です。

短所の伝え方については、「自分の短所をどう伝える?質問の意図や失敗しない答え方」をご覧ください。

企業研究を並行して行う

自己分析をする際は、シートを活用するだけでなく企業研究も並行して行いましょう。自己分析シートは、自分に合った志望企業を見つけるという目的のために作成します。目的を達成するには、企業研究も同時進行することが重要です。

たとえば、自己分析で自分の強みを理解し、企業研究で強みを活かせる業界・企業を見つけると、企業選びの軸が明確になって就活をスムーズに進めやすくなります。

自己分析シートは、企業・業界研究と合わせて行うことでより効果を発揮するでしょう。

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自己分析シートの作成で悩んでいるあなたへ

自己分析は就活の軸や自分の価値観や強みを明確にするために欠かせないプロセスです。思うように自己分析を進められない方は、自己分析シートを活用するのがおすすめです。自己分析シート作成後は、定期的に振り返って手直しをして、作っただけで終わりにしないよう意識しましょう。

自己分析シートの作成で悩んでいる方は、就活のプロである就活エージェントに相談するのがおすすめです。就活エージェントであるキャリアチケットでは、専任アドバイザーによる自己分析のアドバイスや面接対策などを行っています。

自己分析に悩んでいる就活生は、ぜひキャリアチケットをご利用ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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