SPI対策!プロのアドバイザーが傾向と対策の仕方を解説!

このページのまとめ

  • 学力テストの中にも言語能力、非言語能力、英語力、構造的把握力に分かれる
  • SPIの対策は、できるだけ早くから本やWebサイトなどを活用すると高得点を狙える

SPIという言葉を聞いたことはあっても、どのようなテストなのか知らない方は多いようです。SPIの実施形態には4種類あり、問題の種類や制限時間も異なります。このコラムでは、SPIで高得点を狙うための効果的な対策方法を紹介します。ぜひ参考にして、志望企業の選考突破を目指しましょう。

 

目 次
 

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SPIとは?

SPIとは「Synthetic Personality Inventory=総合適性検査」のことで、リクルートマネジメントソリューションズ株式会社による、就活生の性格と知的基礎能力について測定する適性検査です。SPIは性格検査と学力テストの2種類あります。学力テストの中にも言語能力、非言語能力、英語力、構造的把握力の4つの科目に分けられています。

性格検査

性格検査は、受検者の人柄や価値観、仕事への取り組み方などを知るための検査です。日常の行動や考え方に関する多角的な問題が出題されます。実施時間の約30分のうちに約300問の設問に答える必要があるため、素早く答えていかなければなりません。採用担当者はこの結果を参考にして、その企業が求めている人物像にマッチしているか判断します。

また、性格検査で注意しておきたいのが「ライスケール(Lie Scale)」という測定領域です。これは、嘘をついていないかどうかを測るもので、自分を良く見せようと矛盾した回答をすると「信頼できない人物」と判定される可能性があります。その場で取りつくろった回答をするのではなく、ありのままの心で回答しましょう。

能力検査

実際の仕事場面で発揮する知的能力を測る基礎能力検査は、言語分野と非言語分野に分かれています。それぞれどのような問題が出題されるか確認しておきましょう。

言語分野

「日本語の正しい知識を持ち、文章を読解する能力があるかどうか」を測るテストです。「二語の関係」「語句の意味」「熟語の成り立ち」「語句の用法(文法)」「文の並べ替え」「空欄補充」「長文読解」などの問題が出され、問題数は実施形態によって異なります。知識問題は10秒以内などの早い時間での処理することが求められるため、事前に過去問を解き準備を整えて臨みましょう。

非言語分野

「仕事に必要な数的な処理や論理的な能力が備わっているかどうか」を測定するテストです。「推論」「場合の数」「確率」「集合」「分割払い」「損益算」「速度算」「代金の精算」などが出題され、こちらも問題数は実施形態によって異なります。中学受験の問題に慣れている人なら簡単に解けますが、慣れていない人には言語分野以上に対策の時間を割く必要があるでしょう。高偏差値の大学生でも、問題数が多いため油断は禁物です。

英語力検査

「仕事に必要な英単語の知識や長文読解能力」について測るテストです。性格検査と能力検査だけを取り扱う企業が多数派である一方、英語力検査をプラスする企業は外資系や海外と取引のある商社・メーカー、マスコミなどが挙げられます。「同意語」「反意語」「空欄補充」「英英辞典」「語文訂正」「和文英訳」「長文読解」など、高校レベルの英単語知識や文法を理解していれば解ける問題ですが、短時間で大量の問題を処理しなければならないため、事前の対策は必須となるでしょう。

構造的把握力検査

未知の困難に直面した場合や新しい対応を求められたときに、対応する柔軟性があるかどうかを判断するために設けられたテストです。すでに知っている情報を元にして解く能力検査とは異なり、そのとき与えられた情報の中から共通する構造を見出す能力について測ります。構造的把握力検査は、総合商社や金融機関など一部の企業で実施されているものの、全く対策せずに臨むと思わぬ低い点数になることも。どのような問題が出るのかしっかりと確認しておきましょう。

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SPIは企業にどのように活用されるのか

企業はSPIの検査結果を、選考中だけではなく採用後にも活用しています。知っておくと有利になることもあるため、どのように使われているのか下記でチェックしておきましょう。

面接の優先順位を決定する

新卒採用で企業が適性検査を実施する目的の一つとして、「候補者の数を絞り込む」というのが挙げられます。募集枠に対して多数の応募者が見込まれる場合、検査の結果によって面接に来てもらう候補者をある程度絞ることが可能です。また、企業によっては3割で合格するところもあれば、9割前後取らなければ面接に進めないところもあるため、できるだけ高い正答率を目指すと良いでしょう。

面接時に応募者の長所・短所を確認できる

企業が面接の限られた時間で候補者全員の能力や性格を把握するのは難しいため、適性検査の結果を採用の参考にすることもあります。履歴書やエントリーシート、面接だけではわからない応募者の適性を、検査の情報で補いつつ見極めることが目的です。ネガティブな項目にばかりチェックをつけてしまうと面接を受ける前からマイナスの印象を与えてしまうので、判断材料の1つになっていることを念頭に置きましょう。

内定者の自己理解を深めて入社前の不安を払拭する

SPIの本人向け報告書を内定者に開示することで、内定者の自己理解を深めさせる狙いがあります。また、内定者同士で開示された情報を見せ合うことで交流を促す効果も。同期と仕事をする入社後のイメージを具体的に持たせることで、「上手くやっていけそうだ」と前向きな気持ちで臨んでほしいという目的があります。内定者同士で結果を見せ合うこともある、と知っていると事前の対策にも力が入り、良い結果を残せるでしょう。

採用後の育成プランに利用する

SPIの結果を参考に、配属先を決める企業もあります。適性のない部署に配属させたことによって早期離職される恐れを少しでも減らしたい、と願っているためです。採用担当者は新入社員を相性の良い職場に配属させ、スムーズに業務に適応させるため、SPIの検査結果を参考にします。しかし、希望の部署に配属されたいからといっても、上述のとおり性格検査で自分をよく見せようと偽ることはおすすめしません。入社後に自分らしく生き生きと働くためにも、素直に答えましょう。

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SPIにおける4つの実施形態とそれぞれの注意点

SPIはパソコンで受けるものとペーパーテスト形式で受けるものとがあり、実施場所も各企業ごとに異なります。また、実施形態によって出題される問題の種類や所要時間も変わるため、事前に確認しましょう。

テストセンター

株式会社リクルートが用意した常設会場のほか、全国47都道府県に設置された臨時会場で受けます。
企業から指定された期限までに、自分の都合の良い会場と日時を予約しましょう。テストセンターでの受検は予約制のため、期限までまだ余裕があっても席が埋まっていれば受検できなくなる恐れもあります。受験が決まったら、すぐに予約することを心掛けてください。
この実施形態での大きなポイントは、結果を1年間ほかの企業のエントリーにも使い回せることです。検査結果は受検者には開示されませんが、自分で手ごたえがあると感じた結果は使い回すことができるため、SPIの勉強時間を面接対策など、ほかの選考の準備時間にあてることができます。

当日はスーツではなく私服でかまわないため、自分が集中できる服装で臨みましょう。また、電卓の持ち込みもOKです。

Webテスト

Webテストは、自宅や大学からパソコンで受検する形式です。企業から指定された期限までに、自分の都合の良い場所、タイミングで受検できます。スマートフォンからの受検は認められていないため、パソコンとインターネット環境が必須となります。途中で通信が途切れることのないよう、あらかじめ通信環境が安定しているかを確認しておきましょう。大学のパソコンの場合、何らかの通信トラブルが起こる可能性もあるため、おすすめしません。
また、替え玉受検を防止する観点から、近年は性格検査のみで能力検査は別の実施会場で行う企業が増えているようです。
Webテストの難易度はテストセンターに比べると高く設定されているのが特徴ですので、事前準備を怠らないように注意しましょう。

インハウスCBT

インハウスCBTは、応募先企業が用意した会場とパソコンで受検する形式です。Webテストとほぼ同じ内容、難易度の問題が出題されるため、Webテスト用の対策をしてから臨みましょう。

ペーパーテスト

ペーパーテストは、マークシート形式のテストです。あらかじめ応募先企業が用意した会場で受検することになります。
近年はテストセンターやWebテストが主流になりましたが、まだペーパーテストを実施する企業も残っているため、問題の傾向だけではなく時間配分の方法などについても対策しておきましょう。

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SPIで高得点を取るための事前対策

SPIは時間を意識してスピーディーに答える必要があるため、事前に対策が必要です。制限時間に対して設問が多いので、テンポよく問題を解くためには問題に慣れておくことをおすすめします。具体的な対策方法を見てみましょう。

SPI通過のための対策スケジュール

SPIの対策は、大学3年生の12~1月頃から始めると効果的です。多くの企業でエントリーが始まる3月1日に向けて約3カ月の準備期間があれば、余裕を持って高得点を狙えるでしょう。秋採用の企業の場合、やはり2~3カ月余裕をもって準備に入ることをおすすめします。適性検査はSPIだけではなく玉手箱やGABなどさまざまな種類があり、企業によって採用する検査が異なるため、同時に多くの企業に応募することを考慮に入れて早めの対策に取り掛かりましょう。

SPI対策本を参考にして問題に慣れる

主流であるテストセンター形式のSPI対策本を参考に、2~3回繰り返して解くことで問題に慣れましょう。志望する企業がどの実施形態で行われるかわからない場合は、全部網羅しているタイプを選ぶと効率的です。いきなり問題集から解いても難しい人は、解説本から入ると良いでしょう。SPIは毎年改訂されるため、なるべく新しい年度の本で対策することをおすすめします。出題頻度の高い問題はすべて理解できるように、入念に勉強しておきましょう。

SPI対策用アプリやWebテストを活用する

本番はパソコンで受検するため、パソコンでの形式に慣れておくことが大事になります。SPIの無料対策アプリやWebテストがお試しできるサイトなどを活用して、隙間時間に勉強するのもおすすめです。本番の問題は1問ずつ表示され、時間が経過するごとに画面上の回答時間のゲージが変化します。「緑色(標準回答時間)→黄色(少し遅れている)→オレンジ(かなり遅れている)」と変わり、赤くなると時間切れです。当日にいきなり取り組むと焦ってしまい、十分な力が発揮できない可能性もあるため、事前に何度も練習しましょう。

時間配分を意識して処理速度を上げる

最後まで解ききれなかった、という事態を防ぐためにも、1問にかかる時間を意識しながら練習しましょう。後半に出てくる難しい問題に時間をかけるためにも、知識問題の処理時間は1問10秒以内が目安です。わからない問題は時間をかけすぎずに見切ることも重要。限られた時間の中でできるだけ関連記事たくさんの問題数を処理できるように意識しましょう。

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本記事の執筆者

竹内 聖織(たけうち さおり)

大学時代は300名も所属する学生団体の所属し、代表を務めていた。その傍ら就活支援団体に所属し、年間で500名以上の大学の後輩の就活支援を行う。卒業後はレバレジーズ株式会社へ入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして学生のキャリア支援を行いつつ、渋谷支店のリーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

 

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