「やりたいことが見つかりません」、「どうやって企業を見つけたらいいんですか?」…これらは就活を前にした学生の率直な悩みです。企業からは「どんなことがやりたいの?」と聞かれるし、家族は「やりたいことをすればいいよ」と言います。でも「自分のやりたいこと」をどうやって見つけたらいいんだろう?と困っている人に、「やりたいこと」の見つけ方をお伝えします。
この記事の執筆者
キャリアコンサルタント。株式会社キャリアポート代表取締役。のべ2000人以上の就活生の相談や就活実践講座、キャリアデザイン講座などを実施しながら就活を支援してきた。就活生から働くひとまで、キャリアカウンセリングや授業・研修を通して自分らしい人生のためのキャリアを考える機会を提供している。著書『自分らしい人生のための働き方・生き方』(セルバ出版)。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
「今のままでは見つからないかも」ーー知っていることを増やしてみよう
「やりたいことが見つからない」という学生に、「今のままでは見つからないかもね」と言うとすごくびっくりされます。そう私が伝えるのは理由があります。やりたいことは、知っていることの中からしか見つからないからです。学生の知っていることって、社会人に比べたらとても範囲が小さいのです。
学生の時間の使い方を考えてみると、授業、アルバイト、サークル・部活、友達との遊び、家族との時間が占めていると思います。行動範囲は大学、アルバイト先、自宅が中心。出会う人も気の合う友達、アルバイトで一緒の人、家族とかなり限られた人間関係となります。限られた行動範囲と人間関係の中で知り得ることはやはり限られます。その中でやりたいことを見つけようとすると、自分にフィットするものが見つからないのです。まずは自分の行動範囲を広げ、視野を広げ、知っていることを増やすことが、「やりたいこと」を見つける早道なのです。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
世の中の仕事を知ろう
世の中にどんな仕事があるかが分からないと、自分のやりたいことも見つけようがありません。でも、「働くひと」の姿を直接見る機会は少ないものです。
例えばアルバイト先。アルバイト先の社員の姿は普段接しているので、その仕事がどんなものなのかは理解しやすいですね。では、アルバイト先の取引先は考えたことがありますか?
例えば飲食店でアルバイトしているとします。飲食店の場所を提供する不動産業者やテナント会社、食材を運んでくる運送会社や食品商社、厨房機器やテーブル・照明などメーカーや業者、店舗デザインの会社、チラシやメニューをつくる印刷業者、アルバイトやパートの求人広告の営業など。飲食店を運営するにあたってはいろいろな取引先があり、そこにはたくさんの仕事があります。
世の中の商品やサービスは、誰かの仕事でできています。自分がアルバイトとして仕事をするだけでなく、少し広い視野に立てば見えてくることがあると思います。すると、「どんな仕事なんだろう?」興味を持つと情報が集まってくるでしょう。
そこで、Web上の職業研究に役立つサイトがあります。
13歳のハローワーク
中高生のためのサイトですが、就活生にも役立つ職業解説が充実しています。参考にしてみてくださいね。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
周囲の仕事をインタビューしてみよう
学生と話をしていると、家族の仕事をよく知らない人が結構多いんだなと感じます。親も兄や姉も、仕事の愚痴は語るけど、仕事の内容はあまり語っていないのかもしれません。聞く機会がなかったから知らないのは当然ですが、今、就職活動を前にしているからこそ、家族や親戚、周囲の人の仕事をインタビューしてみてほしいのです。
インタビュー項目
①会社名・職種・役割②どんなことをしているのか?
③何を提供しているのか?
④なぜその仕事を選んだのか?
⑤その仕事のやりがいと厳しさは?
親、兄、姉、親戚、近所の人、中高の先輩、アルバイト先の社員、大学のOB・OGなど、思い当たる人の仕事を調査してデータベースを作りましょう。その仕事を自分が選ぶかどうかは別問題ですが、働いている人のリアルを聞くことで、「興味あり」「興味なし」といった自分の感情に気づくことができます。
学生の多くは「営業はノルマが大変」「アルバイトができるような仕事はつまらない」など、仕事に対してメディアで取り上げられるようなステレオタイプなイメージを強く持っている傾向があります。しかし、営業ではなくても仕事にはノルマ(目標)はありますし、アルバイトが活躍する業界でも社員は別の役割があったりします。イメージで判断せずに自分で情報を集めて判断することが大切です。
自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら
自分を知ろう
就活では「自己分析」が大事だということは理解していると思います。では、やりたい仕事を見つけるうえで大切な自己分析とはなんでしょうか?
それは「自分について知っていることを増やすこと」です。
何ができるのか?
得意なことや、割と人よりも苦労なくできることは、就職後もその人の強みとなって発揮されていきます。自分はどんなことができるのかを考えることはとても大切です。自分は何に興味関心があるのか?
自分の興味があることに関わる仕事の方がやりがいを感じることができます。海外に興味がある、食べることが好き、音楽が好き、服が好き、インテリアが好き、本が好き、文房具集めが趣味…など、自分の興味があることを、とにかくたくさんリストアップしていきましょう。できることと興味関心があること、そして知っていることが重なる部分が、「やりたいこと」につながっていく可能性が高い部分です。仕事を知ること、自分のできること、興味があることを知ること。
その円を広げていくことで、「やりたいこと」が見つけられる可能性が広がっていきます。「やりたいことが見つからない」状態を抜け出して、就活に備えていきましょう。自分の価値観とあった企業に出会える!26卒のスカウト登録はこちら