教員の志望理由には何を書くべき?書き方のコツや学校別の例文を解説!

このページのまとめ

  • 教員の志望理由では、実現したい目標や教育への熱意が大事
  • 教員の志望理由は、学校ごとの特色を理解してアピールを考える
  • 教員の志望理由を考える場合、「子どもが好き」だけではアピール不足なので注意する

教員の志望理由には何を書くべき?書き方のコツや学校別の例文を解説!のイメージ

「教員試験に向けて準備を始めたが、志望理由が思い浮かばない…」と悩む就活生も多いのではないでしょうか。ありきたりな内容になってしまうと、採用担当の評価は上がりません。自分なりの志望理由や熱意が伝わるように、自己分析などで準備を行いましょう。

この記事では、教員の志望理由の書き方や、理由を考える際のポイントを解説しています。志望理由の例文も紹介しているので、表現に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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目 次

教員を目指す際に志望理由が重要な理由

教員を目指す際には、志望理由は大きく評価されるポイントです。教員は児童や生徒のお手本となれるような存在である必要があり、「子どもが好き」「教えることが得意」などの理由だけでは十分な志望理由とはいえません。

教員の志望理由には、人を育てることへの責任感や、教育に対する熱意を明確に感じられることが必要です。学校の特色や教員に求められている資質、教育の問題点などをしっかりと把握し、自分の教育理念に合っているか、将来どのような教員になりたいのかを考えてみましょう。

志望理由の書き方がわからないという方は、まずは「志望動機の組み立て方は順番が大事!好印象を与えるポイントや例文をご紹介」の記事を参考にしてください。

志望理由がどのようなものなのかイメージを持つことで、自分が書きたい内容が思い浮かんでくるはずです。

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教員の志望理由で見られているポイント

教員の志望理由では、教育への熱意や実現したい内容をアピールするのが大切です。ここでは、志望理由で評価されているポイントを3つ解説するので参考にしてください。

教育に対する熱意を持っているか

教員の志望理由からは、教育に対して熱意を持てているかどうかが見られています。教員は日本の将来を担う子どもたちを育成する立場であり、成長に対して責任を持てているかどうかが大切だからです。

教員の指導は簡単なものではなく、子どもたち一人ひとりによって接し方は違います。また、必要な仕事も多いため、業務がつらいと思う人も多い状況です。

志望理由からは、大変で責任のある教員という立場であっても、熱意をもって、モチベーション高く行動できるかが見られています。「なぜ教員を目指すのか」は、真っ先に答えるべき内容になるでしょう。

教育を通して何を実現したいか

自分が教育に携わることで、何を実現したいかも評価されているポイントです。教員は「勉強を教える」だけが仕事ではなく、子どもたちの成長にプラスになる働きが求められています。

教育場面では、学業の問題だけではなく、「不登校」「いじめ」のような問題も発生するでしょう。また、グローバル化や多様性の理解など、コミュニケーション以外の部分も学んでいく必要があります。

教員の志望理由では、教育におけるどのような課題を解決したいのかを伝えるのが大事です。勉強を教える以外に、自分が目指すものがあるか考えてみてください。

実現可能な目標設定が出来ているか

目標を伝えるだけではなく、実現できそうかどうかも重要です。素晴らしい目標があっても、実現できそうになければ評価するのは難しいですよね。

目標が実現できそうかどうかは、具体性と熱意の2つで評価されます。たとえば、「不登校の問題を解決したい」と目標を抱える場合、具体的にどのように動くのか伝えなければなりません。ただ問題を解決したいといっても、ビジョンがなければ評価は上がらないでしょう。

また、目標を持つきっかけとなった出来事や、実際に行動したことがあれば高評価につながります。たとえば、「不登校の子どもたちをサポートするために、フリースクールのボランティアを経験した」と伝えれば、不登校の課題解決に対する熱意が見受けられるでしょう。

志望理由では目標を伝えるだけではなく、実現できそうかも重要なので覚えておいてください。

志望理由を考えることが難しく感じる方には、「志望動機が「難しい」就活生へ…企業に伝えるためのコツと注意点をご紹介」の記事がおすすめです。まずは考え方のコツを知り、自分がどのように感じているのかを整理してみましょう。気持ちを深掘りしていくことで、なぜ教員を目指しているのかが自分でも明確になっていきますよ。

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教員の志望理由を考える前に知っておくべき小学校・中学校・高等学校の特徴

教員の仕事は、小中高の区分や公立私立によって内容が異なります。校種ごとの特徴を把握したうえで自身の経験や教育に対する考えを振り返れば、志望理由に具体性や深みを持たせられるでしょう。

ここでは、小中高それぞれの特徴をまとめました。特徴をもとに、経験の棚卸しや教育への携わり方を見つめ直しましょう。

小学校の特徴

小学校の特徴は、すべての教科をひとりで受け持ち、子どもたちと深く長く向き合えることです。
小学校は教科ごとに分かれる中学校と違い、「担任の先生」として、1年を通して子どもたちを指導します。そのため、中学・高校以上に近い距離で子どもたちと向き合える点が大きな特徴です。

小学校は、児童の人格や学力など、個々の基礎的な能力が培われる場所であり、人間関係を学び、広げる所でもあります。小学校の教員には、子どもたち一人ひとりと向き合い、「心を育てる意識」が不可欠です。子どもたちと、どのように接し教育していきたいかをアピールしましょう。

中学校の特徴

中学校の教員は、思春期で多感な時期の生徒と関わり、義務教育を終える節目に寄り添う必要があります。教科担当として授業を受け持つほか、部活動や課外活動での指導も重要です。

中学生のころにはそれぞれ自我が芽生え、人間関係や学力など、周りと比較をする機会も増えてきます。多感な時期であるが故に、些細な言動で心が揺れ動く機会も多いでしょう。

義務教育を終えて進路を決めることは、生徒にとって人生の一大イベント。義務教育期間の最後に、教員として何を伝えられるか、どのように接するべきかなど、思春期の生徒の心に配慮した振る舞いが求められます。

自身の経験を振り返り、複雑で多感な時期の中学生にどのような教育を施せるか考えてみましょう。

高等学校の特徴

高等学校の特徴は、学校ごとに特色が異なり、校風に合わせて生徒と向き合う必要があることです。

高校は義務教育ではないため、学校によって力を入れている内容は異なり、高校に通う生徒の学力もさまざまです。高校の教員を志望する場合、赴任したい学校の特色に合わせた志望理由が欠かせません。校風や教育理念にはどのようなものが多いのか、以下に紹介します。

・進学校として集中できる学習環境が用意されている
・部活動や社会貢献活動に力を入れている
・個性を育むことに力を入れている

各校が定める校訓や教育方針を事前に把握して、方針を踏まえた自分らしい貢献の仕方を具体的にアピールしましょう。

また、高校生は成人になる一歩手前で、中学生以上に複雑な人間関係や、経済的な悩みなどにも直面します。卒業すると晴れて成人を迎える高校生に対して、どのような教育や指導が必要なのか、自分の教育指針を具体的に持ち、志望理由に盛り込みましょう。

特別支援学校の特徴

特別支援学校とは、心や身体に障害を持つ生徒が通学する学校です。

障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること目的とする学校。

引用:文部科学省「2.特別支援教育の現状

特別支援学校の場合、勤務する教員も障害に対する理解やサポートができることが求められます。施設でのボランティア経験があれば、サポートが必要な子どもたちへの理解が高いと評価されるでしょう。

また、特別支援学校は、幼稚園から高校生までの生徒が対象になります。志望する生徒の年齢に応じても、志望理由は変えるのが大切です。

公務員・公立学校を志望する際の理由を考える際は「公務員になりたい理由の書き方は?考える際のポイントや例文を解説!」も参考にしてください。学校ごとの特徴も踏まえた内容にできると、より評価につながる志望理由を考えられます。

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教員の志望理由を考える前に実施したい準備

志望理由を考える前に、自己分析や学校の研究などの準備が必要です。準備が不十分だと、何を書けばいいかわからず、志望理由がまとまりません。

ここでは、志望理由作成に大切な準備を5つ紹介するので、実践してみてください。

1.教員に求められる資質を把握する

まずは教員にどのような資質や特性が求められているかを考えましょう。たとえば、一般的には次のような資質が必要とされています。

・子どもが好き
・責任感
・臨機応変な対応力
・メンタル面の強さ
・意志の強さ

教員の就活で評価されるには、学校が求める人物像を認識しておくのが大切です。どのような特徴をアピールすべきか、事前に調べておきましょう。

2.志望する学校の特色や教育方針を調べる

教員に求められる素質だけではなく、志望校がどのような人物を求めているかも重要です。志望する学校の特色や地域をチェックしてみてください。

公立学校の場合は、受験する都道府県と市の教育事情や地域の歴史について、学校や教育委員会のホームページなどを参考にリサーチしましょう。

私立学校の場合は、教育に関する理念・方針や宗教などを把握することが大切です。生徒募集用のパンフレットを資料請求して、指導方針を確認してもよいでしょう。

一般的に、学校によって力を入れる項目は以下に分類できます。

・学力
・体力や部活動
・人格形成や個性の尊重
・グローバルな人材育成
・ITや音楽・芸術などの特定領域に特化

民間企業と同じで、学校によって力を入れる分野は異なり、それに応じて求める人物像も異なります。志望する学校の特色や教育方針を把握して、その学校に求められる人物像を意識した志望動機を作りましょう。

教育業界のリサーチには、「企業研究とは?目的や手順を解説!ポイントを押さえて就職成功を目指そう!」の記事を参考にするのがおすすめです。企業と学校での違いはありますが、それぞれをよく研究し、ほかの学校との違いを明確にするという考え方は同じです。

企業研究の考え方や手順をべ-スに学校研究を行うと、学校ごとの特色を見つけられるはずです。

3.自己分析をして強みや弱みを理解する

自己分析を行い、アピールする強みや自分の弱みを把握しておきましょう。学校によって求める人物像が異なるため、アピールすべき強みも異なります。

自己分析では、今までの経験や夢中になれること、得意なことや好きなことなどから、まずは自分の特徴を見つめ直してみましょう。強み弱みは気にせず、個性だと思える部分を探してみてください。

・涙もろい → 児童生徒の心に寄り添える
・得意なスポーツ文化活動がある→ 部活動の指導ができる
・海外留学経験がある→ 深みのある人格形成に役立てる
・塾で3年間指導した経験がある→ 指導のノウハウがある

短所ばかりが思い浮かぶ場合は、言い回しを変えると長所になる場合があります。強みを見つけたうえで、その学校で活かせるアピールポイントに変換しましょう。

過去の経験などから強み弱みを洗い出して、志望する学校に興味を持ってもらえるアピールポイントを探すことが重要になります。

4.誰かに教えた経験を棚卸しする

教員を目指すのであれば、誰かを指導した経験を探すのも大切です。指導経験から、教員を目指そうと思ったきっかけやエピソードが思い浮かぶ場合があります。志望動機に説得力を持たせるためのエピソードを探すため、今までの「人に教えた経験」を棚卸ししましょう。

・塾や家庭教師で教えた経験
・インストラクターとして指導した経験
・アルバイトで仕事のやり方を指導した経験
・友人や弟・妹などに勉強を教えた経験
・教育実習の経験

誰かに何かを教えた経験は誰にでもあるはずです。当時の記憶を振り返り、「何を教えて」「その結果どうなったか」「自分の感情にどのような変化があったのか」などを言語化してみましょう。
並べるだけではなく、改善を試みた様子や教える際に意識していたことなど、自身の教育に対する姿勢が伝わる内容も書き出すことが重要です。

行動の背景にある考えが見えると面接官の評価につながり、教育者としての素養を判断する際にも役立ちます。

5.現代の教育問題について考える

教員を目指す以上、教育問題への高い関心をアピールすることは重要です。志望理由を書く際には、教員を目指したきっかけや今後の展望などをまとめると同時に、教育問題にも触れておきましょう。

教育問題に対する、専門的で深い考察が必要というわけではありません。自分なりの問題意識を持ち、教育者として現状を少しでも変えていきたいという志をアピールすることが大切です。

多くの問題を挙げても面接官の印象に残りづらいため、ひとつの問題に絞り、その問題の原因や改善策など、自分なりの考えをまとめて志望理由に深みを持たせましょう。

とくに、最新のニュースを取り上げることで関心の高さをアピールできるため、日々のニュースはこまめにチェックしておくことをおすすめします。具体的には、以下のキーワードを意識してみるとよいでしょう。

・不登校
・学力低下
・ゆとり教育
・中高一貫教育
・いじめ
・英語教育

志望理由の全体にこれらの教育にまつわるキーワードを盛り込み、教育問題への関心の高さをアピールしてください。

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教員の志望理由の書き方・構成

志望理由をわかりやすく書くために、文章の構成も知っておきましょう。基本的な書き方は、「志望理由」「エピソード」「将来のビジョン」の3つです。

ここでは、わかりやすく志望理由を伝えるための構成を解説します。

1.志望理由を簡潔に伝える

まずはなぜ教員を目指しているのか、志望理由を簡潔に伝えましょう。わかりやすく伝えるためには、聞かれた内容に対する結論から伝えるのがポイントです。

たとえば、「私が教員を志望するのは、△△だからです」「私は△△を実現したいと思い、教員を志望しています」のように伝えましょう。

結論から伝えることで、この先のエピソードも伝わりやすくなります。変な前置きはせず、志望理由から答えるようにしてください。

最初の一文に悩む場合は、「志望動機は書き出しを意識しよう!好印象を与える書き方を解説します」の記事がおすすめです。書き出しは志望理由の第一印象にあたるので、最初の一文がよければ、そのあとの内容もいい印象のまま読んでもらえます。

2.志望理由のきっかけとなるエピソードを伝える

志望理由に説得力を持たせるために、エピソードを伝えましょう。エピソードによって具体性が増し、志望理由の裏付けになります。

たとえば、「ボランティアで小学生を教えていた経験があり、小学校の教員を目指している」であれば、明確なきっかけがあったとわかります。ただ「小学校の教員になりたい」と伝えるよりも説得力があるでしょう。

自己分析の段階で、「なぜ教員を目指しているのか」「どのようなきっかけがあったのか」を考えておくようにしてください。

3.教員としてビジョンを伝える

教員としてどのような姿を目指すのか、将来のビジョンを伝えましょう。具体的な目標がある方が、採用担当者も採用後のイメージを持ちやすいためです。

また、「学校現場における△△の問題を解決したい」のように、課題解決のために動くことを伝えてもOK。教員としてどのようなことを実現したいのか、明確に伝えるとさらに評価が高まります。

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教員の志望理由を考える際のポイント

ここでは、教員の志望理由を考える際のポイントを解説します。

志望する自治体を選んだ理由を明確にする

「なぜその地域なのか」を明確にしておきましょう。特に、自分が生まれ育った地域ではない場合、なぜその地域を選んだかは気にされる部分です。

民間企業と同様に、「なぜほかの地域ではないのか」「なぜこの学校なのか」は、自分なりに明確にし、答えられるようにしておいてください。ほかの地域と比較し、違いを明確にしておくのが大切です。

「子どもが好き」だけにならないようにする

「子どもが好き」だけを志望理由にしてしまうと、評価されにくいので気を付けましょう。ほかの志望者も子どもが好きで志望しているケースが多いからです。

また、教育現場で求められるのは、子どもが好きかどうかだけではありません。教育に対してどのように貢献できるかが求められています。

子どもが好きなだけでは、教育に対する姿勢が見えないので、アピールする際は注意しましょう。

安定性などの条件面を理由にしない

志望理由で条件面を伝えるのはNGです。自分の利益だけを考えていると思われてしまいます。

たとえば、「公務員である教員は安定しているから」とアピールされても、評価する担当者はいないでしょう。教育に対してどのように考えているのか、何を成し遂げたいのかが見えてきません。

もちろん、仕事を選ぶ際に条件面で考えることは悪いことではありません。キャリアチケットの調査によると、企業を選ぶポイントでは、給与が16%と全体で2番目に重視されているポイントでした。

【2023年10月実施】25卒学生の就活状況についての調査の引用画像

引用:キャリアチケット「【2023年10月実施】25卒学生の就活状況についての調査

ただし、仕事を選ぶポイントにするのと、志望理由で伝えるのは別物です。条件面ばかり考えていると思われないためにも、条件を志望理由にするのはやめておきましょう。

恩師とのエピソードだけでは評価されない

「恩師にお世話になったから」「学生時代に指導してもらったから」だけでは、評価されにくいので気を付けましょう。恩師とのエピソードだけでは、あなたがどのような姿を目指すのかがわかりません。

アピールにつなげるためには、恩師とのエピソードを経て、自分が何を考え、何を成し遂げたいのかが大事。「恩師のようになりたい」ではなく、自分なりのビジョンを明確にアピールしてください。

ビジョンをどのように考えるか迷う場合は、「就活のビジョンはどう答える?企業が質問する意図やおすすめの考え方を解説」の記事も参考にしてください。志望理由では5年後や10年後にどうなっていたいかを考え、アピールに含めるのも有効ですよ。

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教員志望理由の応募場所別例文

これまで紹介した教員の志望理由を考えるステップを踏まえ、志望理由の例文を校種別で3パターンご紹介します。自分が志望する学校はもちろん、それぞれの違いも確認しながら参考にしてください。

1.小学校の教員を志望する場合の例文

私は、さまざまな事情を抱えていても平等に教育を提供できる公教育で、子どもたちが楽しみながら学力向上するような授業や向き合い方ができる教師を目指したいと思い、小学校の教員を志望しました。

大学で3年間経験した塾講師のアルバイトでは、英語が苦手でまったくやる気のなかった生徒がいました。その生徒に対して、私自身の経験を伝えながらひたむきに働きかけることで、徐々に英語の学習と問題に取り組むようになり、成績が向上しました。それを機に自信が付いたのかほかの教科の学習にも力が入る変化もみられ、「教える」という仕事に強いやりがいを感じました。

誰もが学びの機会を与えられている小学校で、勉強することの楽しさや、自信をもって学び続ける大人に成長してくれるような教育活動がしたいと強く感じ、志望するに至りました。

2.中学校の教員を志望する場合の例文

私は、子どもたちに数学の楽しさをもっと知ってもらいたいと思い、中学校の教員を志望しました。

小学生のころから計算が苦手で、算数や数学は毎回平均点以下でした。しかし、中学2年生のときに担当だったK先生は、教科書に沿った公式を丸暗記させるような授業ではなく、公式の成り立ちを自分たちで見つけ出せるような授業をしてくれました。この授業がきっかけで数学の面白さ・楽しさを知り、気がつけば数学がもっとも得意科目になっていました。

私も当時のK先生のように、子どもたちが進んで学びたいと思ってもらえるような、ワクワクする授業をしたいと考えています。

3.高等学校の教員を志望する場合の例文

私が教員を目指すようになったのは、高校時代の恩師との出会いからです。

学校の勉強だけに留まらず、部活動を通して人間関係、生き方についてアドバイスをいただき、自身で考えるきっかけを与えられました。私も人に教えるだけでなく、自ら考え、学ぶ楽しさを与えられる人間になりたいと思い、教員を志した次第です。

国語という教科は、生活に必要な手段であるとともに、感受性の形成に欠かせません。ひいては人間性を築く基盤ともなりうるでしょう。グローバル教育が進む今こそ、生徒に古典からうかがえる日本古来の美しさ、現代文を通した表現力を習得してもらいたいと考えています。

また、生徒が成長し社会に出た際、自身の気持ちや考えを言葉で的確に伝える力を身に付けられるよう導きたいと願っています。さらに、生徒が抱える悩みや不安に寄り添い、最善の選択ができるようサポートしていく所存です。

生徒自身に「生きる力」が身に付けられる教師となるべく、努めてまいります。

評価される志望動機を書くコツを知りたい方は「入社したい理由を明確に!評価される志望動機の作り方」をご覧ください。これらの例文のように、個人的な経験を織り込み、昨今の教育事情を踏まえて目標を語るとよいでしょう。

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教員の志望理由におけるNG例文とポイント

教員の志望理由をまとめる際は、いくつか注意すべきことがあります。以下、教員の志望理由のNG例を3つ紹介します。

志望する理由が不明瞭な例文

私は英語に携わる仕事がしたいと思い、教員を志望しました。

私は大学2年生のころ、アメリカに1年間の語学留学に行きました。留学した経験を通じて英語がある程度身につき、TOEICで成果を数値化したいと考えて勉強にも注力して、850点を記録しました。

大学時代の留学経験と英語力を活かして社会に貢献したいと思うようになったことから、英語に携われる教員を志望します。その中で、〇〇市の教員を志望しており、その理由は、ほかの自治体に比べて英語教育に力を入れているからです。

話す能力を育成すべく、通常の英語の授業以外にも、外国人講師による英会話授業を取り入れていることに魅力を感じ、グローバル化する社会に対応できる子どもたちを育てることに私も貢献したいと考えています。

ポイント

英語を活かして社会に貢献することは素晴らしいものの、「教員でなければならない理由」がわかりません。英語を活かせる仕事は教員以外にもあり、教員になれたとしても英語を任されるとは限らないでしょう。

教員を志望する際は、そもそもなぜ教員を志望したのか、教員以外の仕事では貢献できない理由を伝えてください。

その自治体を選んだ理由が不明瞭な例文

私は、子どもたちの人格形成を支えたいと思い、教員を志望しました。

私が大学生のアルバイトで塾講師をしていた当時、学校の授業についていけず、自分に自信を持てない様子の生徒がいました。自信を失ってしまうと自身の可能性を狭めてしまうことになり、本当にもったいないと感じています。

私が教員になれた際は、子どもたち一人ひとりと真っ直ぐ向き合い、勉強などで負い目を感じる子たちを優しくフォローして、将来に希望を持って努力できる大人になれるよう支援したいです。

その中で、△△市の教員を志望しており、その理由は、雰囲気が魅力的だったからです。△△市の教育現場に流れる、人を大切にし、温かみのある風土のなかで、生徒と真っ直ぐ向き合っていきたいと考えています。

ポイント

志望動機そのものに独自のエピソードはありますが、その自治体でなければならない理由が不明瞭です。

「雰囲気」は自治体のホームページなどで触れられており、多くの学生が取り上げる傾向にあります。しかし、実際に働いてみないと雰囲気はわからず、実態を掴めているとは言い難いでしょう。

その自治体を希望する理由をまとめられると、採用担当の評価も上がるはずです。ほかと差別化して、その学校・自治体でなければならない理由は必ず言語化しましょう。

条件面が志望理由になっている例文

私が教員を志望するのは、安定して働けるからです。

私は大学生のころ、家庭教師のアルバイトをしていました。一人ひとりの学習状況や個性に合わせて指導するのは大変でしたが、コミュニケーション能力を成長させるいい機会になりました。

しかし、家庭教師の仕事には安定がなく、子どもたちの卒業によって仕事がなくなってしまいます。学校であれば安定して仕事ができ、家庭教師の経験も活かせると感じたので志望いたしました。

ポイント

条件面を志望理由にしてしまうと、自分のことだけを考えている印象を与えてしまいます。安定していれば、条件がよければどんな仕事でもいいと思われてしまうでしょう。

教員を志望するのであれば、「教員でなければならない理由」が必要です。条件面では教員でなければならないケースはほぼなく、仕事への意欲も見られないので避ける方がいいでしょう。

公務員の条件面については、「公務員にも扶養手当は支給されるの?条件や金額をご紹介」の記事で紹介しています。就活の軸が条件面である就活生は、参考にしてみてください。

ただし、志望理由などの表に出すのではなく、自分の中だけの基準としてとどめておくのがおすすめです。

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面接で教員の志望理由を伝える際のポイント

志望理由は履歴書だけではなく、面接でも伝えます。履歴書の文章をそのまま読んでいても、評価されにくいので気を付けましょう。

ここでは、面接で志望理由を伝える場合のポイントを解説します。

1文を短く簡潔にまとめる

内容がわかりやすく伝わるように、1文は短くしておきましょう。長々と伝えてしまうと、結局何を言いたかったのかがわかりません。

教員は生徒に指導する存在であり、物事をわかりやすく伝えるのが大切です。面接での話し方が生徒への指導方法にもつながるので、わかりやすく伝えられるように意識してください。

専門用語の使用は避ける

専門用語は使わず、誰にでもわかる言葉を選びましょう。専門用語の説明に時間が必要となり、肝心の志望理由に対して触れてもらえない可能性があります。

アルバイトで使う言葉や仲間内の言葉などにも気を付けましょう。「子どもたちに同じ話をした場合、理解してもらえるか」を考えて言葉選びをすれば、専門用語の使用は避けられるでしょう。

普段よりもゆっくりと話すようにする

面接では普段の会話よりも、ゆっくりと話すようにしましょう。緊張によって、早口になってしまう就活生も多いからです。

早口になると聞き取れないケースも増え、聞き返されてしまうことに。話がスムーズに進まなければ、印象は悪くなります。

練習では録音を行い、話すスピードを確かめてみるのも1つの方法です。普段よりも早口になっていることを前提に、ゆっくりと話すように心がけてください。

抑揚をつけて話す

棒読みに聞こえないように、抑揚をつけて話しましょう。抑揚がないと感情が伝わりにくく、採用への意欲も伝わりません。

特に、志望理由を暗記し、そのまま伝えている場合は注意しなければなりません。「もとの文章のまま伝えよう」「内容を思い出そう」などとしていると、抑揚まで意識できなくなります。

なるべく丸暗記は避け、ポイントだけを覚えておきましょう。相手の反応や状況に応じて、自由に話せるレベルまで練習できていれば安心してアピールできます。

面接で志望理由を話す際のポイントは、「面接で志望理由はどう話す?説得力のある伝え方で好印象を与えよう!」の記事も参考にしてください。面接で話すために練習しておくと、よりアピールにつながります。

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教員の志望理由がうまく書けずに悩んでいるあなたへ

教員の志望理由を書くには、自己分析を行い、自分の強みや過去の「学び」に関する経験を洗い出すのがポイントです。

また、自治体や学校の分析を行い、どのような人物が求められているかを理解しなければなりません。そのうえで内容を論理的に展開し、採用担当が興味を惹く内容に仕上げる必要があります。

志望理由が完成した就活生のなかには、「本当にこれでよいのか?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。就活で悩んだ場合は、第三者からサポートを受けるとスムーズに次のステップに進めます。

就活について専門的なアドバイスを受けたい方は、就活のプロである就活エージェントの利用がおすすめです。なかでもキャリアチケットでは、新卒採用に特化した就活エージェント。教員を目指すあなたのサポートをマンツーマンで実施します。

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就活で抱く不安を解消しながら進められるため、後悔しない就活をしたい方はぜひ利用してみてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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