面接でアピールすべき自己PRのポイントは?例文13選や強みがないときの対処法

このページのまとめ

  • 企業が面接で自己PRを聞くのは、自社にマッチしている人材かどうかを見極めるため
  • 面接でアピールにつながる自己PRを作成するために、企業の求める資質を把握しよう
  • 面接でアピールする強みが分からない際は、応募先の社風と自分の共通点を洗い出す

面接でアピールすべき自己PRのポイントは?例文13選や強みがないときの対処法のイメージ

「面接でうまくアピールできない」「自己PRのアピールポイントが分からない」と悩んでいる就活生も多いでしょう。自己PRを魅力的に伝えるためには、応募先の求める人物像に合った強みを用いることが重要です。

この記事では、企業が面接で自己PRを聞く理由やアピールポイントの見つけ方、回答を作成する際のポイントなどを、例文とともに解説します。最後まで読めば、面接官の好印象につながる自己PRを作成できるでしょう。

自己PRの目的とコツを相談したい

   
目 次

面接でアピールするには質問の意図を知ることが重要

面接での自己PRの内容から、企業は「応募者の入社意欲」「自社に合った人物かどうか」などを判断しようとしています。自己PRは面接で頻出する質問なので、入念な対策が欠かせません。

面接で自己PRを効果的に伝え、自分をアピールするためにも、「採用担当者の視点」を理解しましょう。ここでは、就活生の自己PRの内容から、企業が把握しようとしているポイントを解説します。

志望度の高さはどの程度か

企業が自己PRを聞くのは、応募者の入社意欲の高さを把握することが目的の一つです。ほとんどの新卒者は社会人経験がないため、企業は研修などで採用者を基礎から育てます。

志望度の高い人材は、熱意を持って仕事に取り組みやすく、習熟スピードも速いでしょう。また、自分が活躍することで、自社の成長に貢献する意欲も高いと考えられます。そのため、面接官は自己PRを聞き、応募者の自己PRから自社への関心度や志望度の高さを見ようとしているのです。

自社について理解しているか

面接での自己PRの内容から、応募者が自社の事業や仕事内容への理解度も測ろうとしています。自己PRが他社にも当てはまる内容だと、採用担当者は「自社でなくてもよいのでは」などとマイナスな印象を抱きかねません。

企業は、長期間働いてくれる人を採用したいと考えているため、自社についての理解度が高いほど、入社後のミスマッチが起こりにくい人材として評価されやすいでしょう。

応募者の強みや長所が自社で活かせるか

応募者の強みや長所が会社のニーズとマッチしているかどうかも、採用担当者が重視する要素です。企業はより発展するために、自社の事業運営に必要な人材を確保したいと考えています。

たとえアピールする能力が高くても、企業と関係ない強みや活かせそうにないスキルでは「入社後に活躍する姿」をイメージしづらく、評価につなげにくいでしょう。会社に成果や利益をもたらしてくれる人物か知るためにも、自己PRを聞くのです。

応募者がどのような価値観を持っているか

企業が面接で自己PRについて質問するのは、応募者の人柄や価値観を知る目的もあります。企業によって、社風や働いている人の性質は異なるものです。自社に合わない考え方を持った人が入社した場合、新しい価値観を取り入れられるメリットがある一方、社内の雰囲気が悪くなったり、社員の士気が下がったりする恐れもあります。

そのため、自己PRでは「自社の仕事の進め方が合いそうか」「ほかの社員と馴染めそうか」といった点も重要視しているのです。

面接では自己PRのほか、志望動機や学生時代に頑張った経験などもよく聞かれます。企業はさまざまな質問を通じて総合的に評価しようとしており、好印象につなげるためにも、事前対策が欠かせません。「就活の面接で聞かれる質問集40選!答え方のポイントや回答例も解説!」の記事では、頻出の質問例や回答の作成方法を解説しているので、参考にしてください。

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面接で自己PRをアピールするための4つの準備

面接で自己PRを効果的にアピールするには、企業研究を徹底したり、応募先の求める人物像を調べたりするなど、下準備が欠かせません。ここでは、魅力的な自己PRを完成させ、面接でのアピールにつなげるために行うべき準備を4つ解説します。

1.企業研究を徹底する

魅力的な自己PRを作成するには、企業研究で志望企業への理解度を深めることが重要です。応募先の正式名称や事業内容などの基本情報をはじめ、以下の点に着目して企業研究を行いましょう。

・経営理念
・事業実績
・将来性
・社風
・力を入れて取り組んでいる事業内容 など

企業について解像度を高めておけば、具体的な仕事内容や事業の方向性などについても触れられます。入念に企業を研究したことが採用担当者に伝われば、「入社意欲が高い」と好印象につながるでしょう。

2.企業の求める人物像を把握する

面接の自己PRでアピールするために、企業が必要としている人材の特徴を把握するのも大切です。企業研究で仕事内容や社風が分かれば、どのような人が活躍しているのかや、業務に必要な資質などがある程度見えてきます。

企業の求める人物像を把握するには、求人の募集要項や応募先のホームページから先輩社員のエピソードを見るほか、以下の方法も有効です。

・OBやOG訪問を実施し、社員に多い性格の傾向や、活躍している人の特徴を聞く
・インターンシップで実際の現場を体験し、社員の雰囲気や社風を把握する
・SNSや口コミサイトから情報を集める など

同じ業界でも、企業によって採用ニーズは異なります。複数の会社に応募する際は、それぞれの企業が求める人物像を確認し、応募先に合わせて自己PRの内容を変えましょう。

3.企業の求める資質に合ったアピールポイントを探す

自己PRを作成する際は、企業の求める人物像と自分の能力を照らし合わせて、強みやアピールポイントを見つけるのが大切です。前述した方法で企業が必要とする人材を見つけ、自分と共通するポイントを探してください。

また、企業に合った強みを考える際は、「自分が面接官の立場だとしたら、どのような人材が欲しいか」「どのような人材が自社で活躍しそうか」など、応募先の目線になってみるのもおすすめです。企業の目線に立てば、強みをどのような切り口でアピールすれば効果的かも見えてくるでしょう。

4.面接対策を万全にする

自己PRで自分を最大限にアピールするためには、面接対策も重要です。面接を受ける際、当日の流れはもちろん、会場でのビジネスマナーや面接官とのコミュニケーションの仕方を把握しておくことが欠かせません。

就活の面接において準備が必要な事項は必ず確認し、模擬面接の練習も必ず行いましょう。せっかく魅力的な回答を作成しても、面接での姿勢や言葉遣いなどで評価を落とされないために、面接対策を徹底するのが大切です。

最終面接で不採用になってしまい「手応えはあったのに、何が原因か分からない」と悩んでいる就活生もいるでしょう。「最終面接、受かる人と落ちる人の差って何?合否を分けるポイントとは」の記事では、最終面接を突破するためのポイントを解説しているので、参考にしてください。

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面接の自己PRでアピールに盛り込むべき内容

面接で自己PRを伝える際は、自分の強みについて具体的なエピソードを交えて述べると効果的です。ここでは、面接で自分をアピールするために、自己PRに盛り込むとよい要素を解説します。

自分の強み

自己PRには、自分の強みを盛り込むことが欠かせません。自己PRは、「自分の強みを使って企業に貢献できる」という意思を示す項目です。そのため、企業の求める人材像にマッチする強みを用いてアピールしましょう。

一般社団法人 日本経済団体連合会が公表した「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果(4p)」によると、新卒採用において企業が期待する資質や能力として、「主体性(84.0%)」「課題設定・解決能力(80.1%)」などが挙げられています。

一般社団法人 日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果(4p)」のイメージ

引用:一般社団法人 日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果(4p)

上記の資質や能力は、「忍耐力=粘り強さ」などと置き換えられるので、より自分にフィットするよう調整しましょう。また、上記以外にも、自己PRで企業の高評価につながりやすい強みの例を以下にまとめたので、参考にしてみてください。

・積極性
・誠実さ
・真面目
・向上心
・計画性

応募先の求める資質や能力がピンポイントで分からない場合は、上記の内容から当てはまる要素がないかチェックするのもおすすめです。

参照元
一般社団法人 日本経済団体連合会
採用と大学改革への期待に関するアンケート結果

具体的なエピソード

自己PRで自分をアピールするために、強みを裏付けるための具体的なエピソードを述べましょう。単に「自分の強みは△△です」と伝えても、面接官は事実かどうか分からず、好印象を残すことは困難です。

エピソードを具体的にするために、過去の自分の経験から、以下の点に着目してエピソードをまとめてみてください。

・なぜそれが自分の強みだと思うのか
・どのようにして強みを会得したのか
・強みをどのように発揮し、どのような結果になったのか

具体的な実績やエピソードを述べれば、面接官は話の内容をイメージでき、印象に残りやすくなります。また、自分の強みが発揮されたことによって、どのような成果を得たのかを説明すると、より説得力のあるアピールが可能です。

入社後の展望

自己PRでは、自分の入社後の展望も伝えましょう。企業の業務において、自分の強みをどのように活かすかや、自分の思い描いているキャリアプランを説明するのがおすすめです。

入社後に自分が活躍する意思を伝えれば、自分が実際に働いている姿を面接官にイメージしてもらいやすくなり、好印象にもつながります。

しかし、入社後にやりたいことや自分の将来像がなかなか思い浮かばない人もいるでしょう。キャリアプランは、就活の面接で聞かれるケースもあるため、自己分析を通じて言語化しておくのが大切です。「キャリアプランの例文18選!面接での答え方や思いつかないときの考え方」の記事では、キャリアプランの考え方などを解説しているので、参考にしてください。

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面接でアピールできるポイントがない場合の対処法

面接の自己PRでアピールできる強みが分からない場合、他人からの評価を聞いたり、自分が少しでも成長したと思えることを見つけたりするのがおすすめです。ここでは、面接の自己PRで伝える自分のアピールポイントが思いつかない際の対処法を解説します。

他己分析で自己理解を深める

自分のアピールポイントが分からない場合、他己分析で客観的な視点を取り入れてみてください。自分では見えていない性格や強みが分かったり、自己認識とずれているポイントが判明したりします。

他己分析のおもな方法やポイントは、以下のとおりです。

・親や友人といった身近な人に、自分の普段の様子や印象的な性格を聞く
・OBやOGに他己分析を依頼し、社会人に必要な能力の視点から強みを見つけてもらう
・大学のキャリアセンターや就活エージェントのアドバイザーといった、就活に精通した人にアドバイスをもらう
・他己分析ツールを使用する など

さまざまな関係性の人に他己分析してもらった結果と、自己分析との共通点を探すと、より納得できるアピールポイントが見つかるでしょう。他己分析は自己認識を深めるのに有効ですが、実際に何を聞けばよいか分からない人もいるかもしれません。「他己分析とは?有意義かつ効率的なやり方のポイントや質問例30選を紹介」の記事では、具体的な他己分析の方法や質問内容を紹介しているので、参考にしてください。

小さなことでも成長したと感じた出来事を洗い出す

小さくても自分が過去に成功したことや、失敗を乗り越えて成長できた出来事をもとに、アピールポイントを見つけるのも効果的です。自分では些細だと思うことでも、企業にとっては魅力的に映る場合があるので、「ありふれた強みだから、アピールにつながらないのでは」などと自己判断しないようにしましょう。

過去の出来事を詳細に思い出すには、自己分析で自分史やライフラインチャートを作成するのがおすすめです。時系列で経験を書き出せば、忘れていた出来事も思い出しやすいでしょう。

応募先の社員の印象から自分との共通点を見つける

面接の自己PRでアピールするポイントが分からない場合、志望先の社風や社員の印象から、自分の性格との共通点を探すのもおすすめです。たとえば、「常に前進を掲げる職場だから、自分の△△の部分をアピールできるかも」など、具体的にどのような雰囲気なのかを把握し、マッチする強みを見つけてみてください。

ただし、職場の雰囲気に合わせて自分の強みを無理に作り出すのは、入社後のミスマッチにつながる恐れがあるので避けましょう。あくまでも、自分が備えている強みや資質との共通点を探してください。

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面接の自己PRでアピールするときのポイント

面接で自己PRを述べる際は、伝わりやすい構成を用いたり、アピールポイントを一つに絞ったりすることが重要です。ここでは、限られた面接時間のなかで、自分を効果的にアピールするために押さえておきたいポイントを解説します。

アピールの構成にはPREP法を使う

面接で自己PRをするときは、PREP法を意識して回答を作成するのがおすすめです。PREP法を取り入れた自己PRの構成は、以下を参考にしてください。

・最初に結論(強み)を伝える
・強みとした理由を伝える
・自分が強みを発揮したり会得したりした具体例なエピソードを述べる
・最後に、強みを活かしてどのように働くかといった入社への意気込みで締める

上記の順に自己PRを伝えれば、面接官に伝わりやすい自己PRを作成できるでしょう。また、自分の頭の中も整理しやすくなるので、「面接本番で緊張して何も話せなかった」という事態を防ぐ効果も期待できます。

PREP法とは

PREP法とは、情報を分かりやすく伝えるため、「Point(結論・要点)」→「Reason(理由)」→「Example(具体例)」→「Point(結論・要点)」の順で話を組み立てる手法です。聞き手は話の筋道が分かりやすくなり、説得力も増すので、ビジネスの場でも活用されています。就活では、志望動機やガクチカといった、自己PR以外にも使用するのがおすすめです。

応募書類に記載した内容に合わせてアピールする

面接で伝える自己PRは、履歴書やエントリーシートなどの応募書類の内容と合わせましょう。面接と応募書類の内容が違うと、採用担当者の困惑を招きやすく、「嘘を言っているのではないか」という不信感につながる恐れもあります。

面接は、エントリーシートや履歴書をもとに進める場合が多く、内容の一貫性が重要です。しかし、応募から面接までの時間が長いと、何を書いたか忘れてしまうこともあります。応募書類を提出する際は、記載した内容のメモやコピーを取っておき、面接前に確認するよう工夫しましょう。

就活中に自己分析を見直すなどで強みの内容が変わった際も、履歴書やエントリーシートに記載した内容と大幅にずれないよう注意が必要です。「面接で伝える自己PRは、履歴書と同じ内容でいい?ベストな伝え方と注意点」の記事では、面接で履歴書と異なる内容を伝えたい場合のコツを解説しているので、参考にしてみてください。

アピールポイントは一つに絞る

面接の自己PRでは、アピールしたい強みを一つに絞るのが重要です。就活では自分をアピールするために、「強みをたくさん伝えるほうがよいのでは」と思う人もいるでしょう。しかし、複数のアピールポイントを話すと、一つひとつの内容が薄くなり、採用担当者に「結局何を伝えたいのか分からない」などとマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。

面接で伝える強みやアピールポイントは、志望先の企業が求めている人物像に最もマッチしていると考えられるもの一つに絞り、根拠となるエピソードを伝えましょう。

面接でアピールできるものを持参するのもよい

就活の面接で自己PRを伝える際、実績の根拠となる資料などを持ち込むのも一つのアピール方法です。資格の証明書や、自分の技術を駆使した制作物といった実績を提示すれば、アピール内容により説得力を持たせられるでしょう。

ただし、面接では面接官の許可を得たり、場の雰囲気を読んだりしたうえで提示するのがおすすめです。

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面接で自己PRをアピールする際の5つの注意点

面接で自己PRを伝える際、「企業に合わない強みを用いている」「過剰なアピールをしている」といった場合、マイナスな印象につながる恐れがあるため注意してください。ここでは、面接で自己PRを効果的にアピールするために、注意すべき点を5つ解説します。

1.自己紹介と自己PRが混同している

面接で自己PRを伝える際は、自己紹介の内容と差別化して答えることが重要です。

面接では、自己紹介と自己PRの両方を質問されるケースがあります。言葉が似ているので、回答の仕方に混乱する就活生も多いと思いますが、それぞれの意味は以下のように異なるので、しっかり理解したうえで回答を作成しましょう。

自己紹介 ・初対面の人に向けて、自分の出身大学や人となりを簡単にまとめて伝えるもの
・面接の最初に聞かれることが多く、内容よりも第一印象が重視されやすい
・緊張をほぐすアイスブレイクのために質問する意図もある
自己PR ・自分を企業に売り込むためのアピール
・自分を採用するメリットを企業に伝える目的で、強みや長所、身につけたスキルなどを伝える

自己紹介では、「名前と出身大学、趣味を教えてください」など、具体的に内容を指定されるケースもあります。質問内容をよく聞いて、意図に沿った回答をすることが大切です。

面接で伝える自己紹介も、「できるだけよい評価につなげたい」と思う就活生は多いでしょう。好印象につながる自己紹介の回答方法は「「簡単な自己紹介」とは?回答のポイントを例文つきで解説」の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

2.自信不足により面接でアピールできていない

面接の自己PRでは、自信があまりないためにアピールしきれていない場合があります。自分に自信がない人のなかには「自分なんか採用してもメリットがないのでは」と思うことがあるかもしれません。

しかし、企業は履歴書やエントリーシートの内容を見ており、選考を通した学生には、何らかの採用メリットや関心を抱いていると想定できます。まずは、面接まで選考を進めていることに自信を持ちましょう。そのうえで、自分が応募先に貢献したいという意思を自己PRに盛り込んでください。

また、面接での応答に自信のない人は、受け答えの練習を徹底するのはもちろん、マナーや笑顔で話すトレーニングをするのもよいでしょう。ただし、不自然な態度や受け答えになると、「マニュアル通りに動こうとしているのか」などと面接官に思われる恐れがあるので、自然体を意識するのが大切です。

3.企業にマッチしない強みをアピールしている

自己PRのアピールポイントが、企業の求める人物像とマッチしていない場合も、印象が下がりかねないので注意してください。前述のように、企業は自社で強みを活かし、長期的に活躍してくれそうな人を採用したいと考えています。

しかし、自己PRで伝えた強みが企業の求める資質と異なる場合、「自社について調べていないのか」「貢献する意欲はないのか」などと、面接官に思われかねません。入社意欲や企業への理解度を示すためにも、自己PRでアピールする強みは、応募先に合わせた内容を盛り込みましょう。

4.一貫性がなく抽象的な内容になっている

自己PRの内容に一貫性や具体性がなく、伝えたいポイントが不明瞭になっていないかも注意すべき点です。たとえば、最初に「私の強みは忍耐力です」と述べたにもかかわらず、エピソードが積極性をアピールしている内容の場合、話に一貫性がなく、聞き手がストレスを抱きかねません。

また、一貫性のない内容では要点が定まらず、結局何を伝えたいのかも曖昧になり、アピールにはつながらないでしょう。面接で自己PRを伝える際は、終始一貫した内容かどうかや、強みの根拠となる具体的なエピソードを添えているかを入念に確認してください。

5.面接で過剰にアピールしている

面接の自己PRで自分を売り込むために、過剰なアピールをしないことを念頭に置くのも重要です。たとえば、長々とエピソードを語ったり、実績をアピールしたいばかりに、質問に対して不要な内容を盛り込んでしまったりするケースが挙げられます。

また、自分は他人より優れているといった発言や、自慢話に聞こえるような内容にも注意してください。就職してから、職場で円満に働く姿をイメージしてもらうためにも、客観的な視点や謙虚さを忘れず、適切にアピールしましょう。

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面接で伝える自己PRのアピールポイント別例文13選

アピールポイントをうまく表現できないと悩んでいる人は、例文を参考に自分のエピソードを当てはめてみるのがおすすめです。

ここでは、前述した企業に求められやすいスキルや能力をもとに、強み別の例文を13個紹介します。自己PRの短い例文も記載しているので、参考にしてください。

1.主体性をアピールする例文

私のアピールポイントは、主体的に行動できるところです。私は大学3年間、アパレルショップでアルバイトをしておりました。店舗は人通りの多い場所にありましたが、入社当時は商品に興味を持ってくれるものの、店内まで入らず素通りされる方が5割ほどでした。

私は、もっと店内に入ってくれる人を増やしたいと考え、店先になかったマネキンを置いたり、店内をより導線のよいレイアウトに変えてみるよう提案したりと、能動的に行動しました。その結果、素通りする方が3割まで減り、商品を手に取って見てもらいやすくなったことで、売上アップにもつながりました。

この経験から、現状を変えるために主体的に考え行動することの重要さを学びました。御社に入社後も、待ちの姿勢ではなく主体的に物事を考え、企業の成長に貢献する所存です。

2.協調性をアピールする例文

私の強みは、協調して物事を進められるところです。私が大学3年生のころ、所属していた吹奏楽部は、ダンスサークルと一緒に文化祭で音楽と踊りの祭典のような演出をすることになりました。

しかし、この試みは初めてだったため、吹奏楽部とダンスサークルの協力がうまくいかず、関係が悪くなってしまいました。私は取りまとめメンバーとして何とかしようと思い、吹奏楽部の部員はもちろん、ダンスサークルのメンバーにも声をかけ、不満を聞いたり情報交換をしたりして、双方の意見をすり合わせました。

その結果、全体にまとまりが生まれ、練習もスムーズに進むようになり、文化祭の出し物は成功を収めました。御社に入社後は人事担当として、強みである協調性を活かし、社員がスムーズに意思疎通や活動できるよう環境の調整に努めて参ります。

3.継続力をアピールする例文

私のアピールポイントは、物事を最後までやり抜くところです。私は大学1年生のころ、プログラミングに興味を持ち、コツコツと勉強を進めてきました。独学だったため、△△に取りかかった際は難しくて投げ出しそうになったこともありました。

しかし、完全には諦めず、少し時間を置いて取り組んだり、大学のプログラミングサークルの人に助言をもらったりして、2年かけてアプリを完成させることができました。この経験から、諦めず継続すれば、いつか形になるのだと実感しました。

御社に入社後も、プログラマーとして開発はもちろん、ミスやバグの修正も根気強く行い、顧客に最高のアプリを届けられるよう努めて参ります。

4.柔軟性をアピールする例文

私の強みは、柔軟性があるところです。私は大学1年生のころ、スマートフォン販売のアルバイトをしていました。そのなかで、マニュアル通りに行動するのでなく、お客さまの年代や使用頻度などを詳しく聞き、最適な機器選びをサポートしていました。

御社に入社後も、営業職としてお客さまに合わせて柔軟に対応し、顧客満足度の向上に努める所存です。

5.忍耐力をアピールする例文

私の強みは、忍耐力のあるところです。私が大学2年生のころ、学童ボランティアに参加していました。宿題を見る役割を担っていましたが、子供たちは一人ひとり年齢や性格が異なり、途中で遊び出す子も多くいました。

私は、自分の役割を全うしなければと思い、最初は子供を勉強させようと必死になっていました。しかし、あるとき遊び飽きるまで待ってみたところ、声をかけなくても自然と宿題をするようになりました。

私は、こちらから働きかけるばかりでなく、忍耐強く待つことで、相手が成長する場合もあるのだと学びました。この経験から、講師として御社に入社後も、子供に指導する場面と見守る場面を使い分け、成果につなげていきたいと考えております。

6.傾聴力をアピールする例文

私のアピールポイントは、人のニーズを汲み取る傾聴力です。私は高校2年生のころから、介護施設でアルバイトをしています。なかには、発語が困難な利用者の方もいますが、声のニュアンスや身振り手振りから、ニーズを把握できるよう努力してきました。

次第に利用者の方の癇癪(かんしゃく)が減ったり、ご飯をよく食べるようになったりと、よい結果につながり、マネージャーから感謝の声をいただきました。御社に入社後もこの経験を活かして、お客さまのニーズをしっかり掴み、サービス向上に努めて参ります。

7.想像力をアピールする例文

私の強みは、想像力を活かしてアイディアを生み出すところです。私が大学2年生のころ、地域の清掃ボランティアに参加していました。メンバーはお年寄りが多く、雑談のなかで「今どきの若者の考えが分からない」という話題をきっかけに、若い世代にもボランティアに参加してもらい、交流の機会を作れないかと考えました。

私は大学の友人に声をかけたり、地域の人に情報を届けるようSNSを活用したりした結果、半年間で5人が新しく参加してくれました。また、お年寄りと若者の交流のきっかけを作るために、お菓子を持ち寄る提案もしたところ、メンバーから「考え方の幅が広がった」と感謝されました。

この経験から、雑談のなかにも人を喜ばせるヒントがあることを実感しました。御社に入社後も、顧客との何気ない会話からも想像力を働かせてアイディアを出し、提案して参ります。

8.計画力をアピールする例文

私のアピールポイントは、計画力があることです。大学では、書道サークルに所属していて、3年生の夏に最後の発表会の企画リーダーを任されました。毎年約150人が訪れるイベントだったので、3ヵ月ほど前からサークル全員の意見を聞き、イベントのためのタイムスケジュールを計画的に練りました。

イベント会場との連絡や、会場を飾るデコレーション材料の買い出し、イベントの宣伝など、数名のサークルメンバーに指示を出して協力してもらいながら進めました。事前準備が実を結び、イベント当日は、例年を上回る200人もの人が私たちの書道作品を見に来てくれ、大成功を収めました。

この経験から、大きなイベントの成功のためには、計画的にプランを立てることが大切ということを学びました。御社に入社できましたら、大きなプロジェクトに対しても計画的かつ念入りに準備し成果を出していきたいです。

9.積極性をアピールする例文

私のアピールポイントは、積極性があることです。私は、「将来グローバルに活躍できる人材になる」という夢のため、大学2年次に半年間アメリカに留学しました。語学力をつけるには現地の人たちとの会話が重要だと考え、ホストファミリーや、語学学校の先生に質問するなど、積極的に自分から英語を話すことを心掛けました。

ときには私の英語が理解されず、恥ずかしい思いも経験しましたが、臆さずコミュニケーションを取り続けたところ、次第に日常会話のレベルが上がっていくのを実感しました。帰国後に挑戦したTOEICでは、400点から650点に伸ばすことにも成功しました。

この経験から、自分の決めた目標に向けて積極的に努力することを学びました。私の積極性は、常に業界の最先端にかかわる業務が多い御社の環境で活かせると感じています。

10.向上心をアピールする例文

私の強みは、向上心を持って妥協せず物事を進めるところです。私が大学2年生のころ、所属していたゼミでは、SNSのフォロワーと△△の相関について研究していました。地元の飲食店と提携し、SNSの運用を任せてもらったところ、一つの仮説データが取れました。

ゼミの課題としては、データを取得した時点でクリアでしたが、飲食店の「SNSから△△人の集客を目指す」という目標にはあと一歩だったため、ここでストップするわけにはいかないと、運用を継続しました。その結果、飲食店の目標も達成し、お互いが納得のいく形で研究を終えることができました。

この経験から、一定の目的を達成した際も、さらなる上を目指して行動すれば結果につながると実感しました。御社に入社後も、常に向上心を持って仕事に取り組み、成果に繋げる所存です。

11.真面目さをアピールする例文

私のアピールポイントは、どのようなことにも真面目に取り組むところです。私は大学1年生のころからアルバイトとして働いていた飲食店では、開店時のスタッフがドアや窓、床などの掃除をすると決まっていました。

積極的に掃除をする人はいませんでしたが、私は、お客さまに喜んでもらうために、率先して動いていました。すると、ほかのスタッフも次第に協力的になり、隅々まで綺麗な状態で開店できるようになり、お客さまからもお褒めの言葉をいただきました。

御社に入社後も、この経験を活かして一つひとつの仕事の意味を理解し、丁寧に取り組んで参る所存です。

12.課題解決力をアピールする例文

私の強みは、課題に対してさまざまな切り口から解決策を見つけられるところです。私が営業のインターンシップに参加した際、なかなか契約につながらず途方に暮れていました。しかし、私は諦めず、営業方法を見直したり、契約に至ったお客さまにヒアリングしたりして、どの部分が有効だったかを見極めました。

すると、私は相手によって、営業スタイルを変えていないことが大きな原因だったと判明し、以降お客さまに合わせた提案を行うようにしたところ、契約数が3倍まで増えました。御社で働く際も、さまざまな視点から課題について掘り下げ、解決策を導くよう努力して参ります。

13.リーダーシップをアピールする例文

私のアピールポイントは、リーダーシップ性に長けていることです。私は大学でギター部に所属しており、3年生のときに部長をしていましたが、当時のギター部は何年もコンクールで賞を取れていない状況でした。

私は、自分が部長のときに何か成果を出したいと思い、リーダーとして、練習メニューを見直したり、練習の動画を撮って皆で観たりして、部員のスキルを上げるための対策を考えました。すると、徐々に部員一人ひとりの技術が上がり、部員全員での練習では、以前よりもまとまりが出るなどの変化を感じるようになりました。

最初は、私のやり方に反発するメンバーもいましたが、一人ひとりの意見を尊重しつつ、なぜこのような練習内容にするのかを納得してもらえるまで説明したところ、受け入れてもらうことができました。その結果、県の大会で7年ぶりに特別賞を受賞できました。

この経験を活かし、御社の業務においても、リーダーシップを発揮してチームの士気を上げ、利益向上に導きたいと考えております。

自己PRは、応募先の業界に合わせたアピールポイントを伝えるのも効果的です。業界別の自己PRの例文を参照したい人は、「強み・業界別自己PRサンプル集|魅力が伝わる書き方のポイントを解説」の記事を参考にしてください。

自己PRの目的とコツを相談したい

   

面接で弱みや短所を聞かれた際の回答ポイント

面接では、強みや長所以外に、自分の弱い部分や短所を聞かれるケースがあります。「苦手なことを伝えるのは、マイナス評価につながるのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし、次の内容を意識して適切に伝えれば、アピールになり得るので、参考にしてください。

・「現在は△△をして注意している」など、改善のために努力していることを伝える
・主体性の求められる職種に応募したにもかかわらず「短所は積極性がないところ」といった、対象の職種に不適合だと思われる内容にしない
・「約束を守れない」「時間にルーズ」など、社会人として基本的に望ましくない弱みや短所は使わない

弱みや短所は裏を返せば強み・長所となり得るため、「短所は△△だが、△△という長所として活かしている」と伝えるのもよいでしょう。

就活での弱みの伝え方に悩む際は、例文を参考にするのもおすすめです。「就活での弱みはどう伝える?伝え方の例文や注意点を解説」では、弱みの見つけ方や伝え方を踏まえて、効果的な例文を紹介しているので、参考にしてください。

自己PRの目的とコツを相談したい

   

面接でのアピールの仕方に悩んでいるあなたへ

面接での自己PRをどのようにアピールすべきかと悩む場合、まずは企業の意図を把握しましょう。そのうえで、企業の求める人物像に合ったアピールポイントを探し、伝わりやすい構成を用いて一貫性のある内容に仕上げれば、効果的なアピールにつながります。

面接でのアピールに不安があり、「プロからの専門的なアドバイスが欲しい」と思っている人は、就活エージェントであるキャリアチケットの利用がおすすめです。

キャリアチケットでは、専任のキャリアアドバイザーによる自己PRの添削はもちろん、自己分析や面接対策など、一人ひとりの悩みに合わせた丁寧なサポートを提供しています。マンツーマンで相談できるので、困ったことがあったら一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。

面接での自己PRのアピール対策を万全にして、選考突破を目指しましょう。

自己PRの目的とコツを相談したい

   

本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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