ガクチカの書き方って?面接官の印象に残る方法を就活アドバイザーが伝授

このページのまとめ

  • ガクチカを問うのは、応募者の「人柄」や「能力」「考え方」を知るため
  • ガクチカの書き方のポイントは「結論を先に言う」「具体的なエピソードを伝える」
  • ガクチカの書き方が分からないときは、フレームワークに当てはめてみる

ガクチカの書き方って?面接官の印象に残る方法を就活アドバイザーが伝授

「学生時代に力を入れたこと」を通称「ガクチカ」と言います。多くの企業のエントリーシートには、ガクチカに関する記載項目があり、どのように書こうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「ガクチカの書き方がわからない」という就活生に向けて、ガクチカの文章の組み立て方や書く際の注意点などをご紹介します。書類選考を通過し、就活を成功させるために、ガクチカの書き方を押さえておきましょう。

目 次

ガクチカとは学生時代に力を入れたこと

20代〜30代には馴染みのある言葉ですが、40代以上の方には あまり馴染みがないかもしれません。ガクチカとは 「学生時代に力を入れたこと」 のことです。

就活においては、エントリーシートや面接で頻繁に聞かれる質問であるため知っている方も多いでしょう。若者や就活生の間では定着している有名な言葉です。

企業がガクチカを聞く理由

採用担当者がガクチカについて問う理由は、応募者の能力や人柄、考え方を知りたいからです。具体的には、「就活生が物事にどんな風に取り組んだか」「トラブルに直面したときどう対処したか」「その経験から何を学んだか」を見ているでしょう。

学生時代に経験した物事への対応力や姿勢は、社会人になっても通ずるものがあります。そのため、企業側は学生時代の取り組みを聞き、就活生の人となりを把握します。

自分の考え方や姿勢を企業に上手くアピールできれば、内定獲得へ一歩近づけるでしょう。

ガクチカについてより詳しく知りたい方は「就活を有利にするガクチカとは?作成方法や例文をご紹介」の記事も参考にしてみてください。
また、ガクチカの考え方と伝え方については「就活の重要項目!ガクチカの考え方と伝え方」の記事でも解説しています。

自己PRとの違い

ガクチカと自己PRは似ているものがありますが、ガクチカは学生時代の体験談を伝えるもの。一方で自己PRは、自分の強みなどをアピールするものです。

ガクチカと自己PRは似ている部分もあるものなので、同じような内容になってしまうこともあることでしょう。

しかし、内容が重なってしまう部分があっても問題はありません。ガクチカは 「⬜︎⬜︎を行いました」 とプロセスを強調する一方で、自己PRは「私の強みは⬜︎⬜︎です」とポイントを強調するとよいでしょう。

また、全く同じ文章にするのではなく、若干書き方を変えて、より強調することでアピールを強めることにもつながります。

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ガクチカの書き方

ポイントは、結果だけを伝えるのではなく、プロセスにも重点を置くことです。自分がどんな考えや行動を起こしたのかを具体的に記載するとよいでしょう。

以下のフレームワークを用いて、伝わりやすいガクチカを作成してみましょう。一見難しく感じるガクチカですが、コツさえ掴めれば誰でも説得力のある内容を書くことができます。

1.結論

「結論から話す」ということは、就活だけでなく、入社してからも重要になってきます。「私が学生時代に力を入れたことは◯◯です」と、最初に結論を持ってくるようにしましょう。
最後まで読まない・聞かないとわからないような内容は相手に不親切です。

2.動機

自分から始めようと思ったのか、誰かに誘われたから始めたのか、なぜそれに力を入れようと思ったのか、きっかけを考えてみてください。どういう思いで行動したのかという背景を企業は見ています。

3.課題

経験の中でどんな課題や問題が発生したのかを書きます。課題や問題を書くことによって、なんとなく取り組んだわけではなく、目標達成や問題解決に向かって取り組んだということを伝えることができます。

4.行動

ガクチカで一番重視されるのは具体的な行動です。生じた問題や課題に対し、どのように対応したのか、行動を起こしたのかを書きます。同じ課題にぶち当たったとしても、解決するために取った行動は人それぞれ違ってきます。

企業は行動内容で学生の人柄を捉えているため、わかりやすく具体的に行動内容を書きましょう。

5.結果

対処した結果どうなったのか、その結果から何を得て学んだのかを書きます。その際に重要なことは数値を用いて定量的に結果を示すことです。

行動したことによってどれくらいインパクトがあったのかを書くことで、相手もイメージがしやすくなります。もし定量的に結果を書くことができない場合は、定性的に自分が行動したことでどう変わったのかを具体的に書いてみてください。

また、学びは仕事に繋がる内容を書くといいでしょう。そうすることによって、企業も就活生が入社してどう活躍してくれるのか想像しやすくなります。

ガクチカのまとめ方と例文は「就活生必見!ガクチカ・まとめ方と例文」の記事も参考にしてみてください。

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具体例を踏まえてポイントを押さえよう

上記でガクチカを書くうえでのフレームワークや企業が見ている点をお伝えしました。この内容を踏まえ、具体的にどういうガクチカが評価されるかをお伝えします。

アルバイト

アルバイトも仕事のため、「アルバイトでの取り組み方=入社してからの仕事への取り組み方」と捉える企業が多いです。アルバイトをしている学生は多くいるので、ガクチカに書く際はアルバイト経験を通じて自分の考えをどれだけ示せるかが重要になってきます。

どんな仕事を経験したか説明するだけではなく、どんな考えで仕事をし、何を学んだかを伝えましょう。

【例文】

私が学生時代に力を入れたことは飲食店でのアルバイトです。関東エリアで顧客満足度が50店舗中45位と低く、お客様からのクレームが多いという問題がありました。

マニュアルがなく、接客が属人下していることが原因だと考え、バイトリーダーだった私はマニュアル作成を行いました。接客が上手い社員にそれぞれのポジションで意識していることをヒアリングしたり、実際のお客様からの声を確認し改善策を考えたりしました。

また、できたマニュアルをスタッフ全員で読み合わせる会を月に一度開催し、全員の意識統一を図りました。その結果、半年後の顧客満足度調査では3位を受賞し、大幅に改善することができました。

この経験から、大きな問題に直面したとしても諦めず、自分のできることを探し取り組む大切さを学びました。

【ポイント】

・問題に対して行動した内容を具体的に書いている
・50店舗中45位、3位など定量的に結果を書いている
・「バイトリーダー」と、立場を踏まえて書いている

サークル

サークル活動について書く際は、サークル内での自分の役割や頑張ったこと、学んだことを具体的な内容とともに伝えるとよいでしょう。

サークルは複数のメンバーが集まって活動する場なので、主語は「私」なのか「幹部」なのか「サークル全員」なのか、分けて書くことが大切です。

【例文】

私が学生時代に力を入れたことはフットサルサークルで代表を務めたことです。この活動の中で特に力を入れたことは「部員20名の参加率向上」です。

部員によってモチベーションの差があり、なかなか参加してくれない部員も多く、参加率が常に30%程度でした。参加人数が少ないことで練習の質も低下していたため、部員のモチベーションを上げ、参加率70%にすることを目標に掲げました。

具体的には参加できていない部員と1人ずつ話す時間を設け、なにが不満で参加できないのか、何があったら参加したいと思えるのかを聞くようにしました。例えば、「自分が参加しなくても関係ない」と思っていた部員には会計という役職をに就いてもらい、自分の必要性を感じてもらうようにしました。

その結果、参加率は目標を上回る74%を達成できただけではなく、「やりたいことを叶えることができてよかった」など感謝の言葉をもらうことができました。

この経験から、一人ひとりと向き合い寄り添うことができる強みを得ることができました。

【ポイント】

・数値だけではなく感謝の言葉をもらったという結果も書いている
・目標を掲げて取り組んだことを伝えている
・部員の人数を書くことで、参加率を上げることがどれくらい難しいかイメージが付きやすくなる

インターン

インターンでは、参加する前と参加した後で思い描いていたイメージと変わることがよくあります。どんな目的で参加したのか、参加する前はどんなイメージを持っていて、 参加後には何を学んだのかを伝え、今後どのように活かしていけるのかを伝えられるとよいでしょう。

【例文】

私が学生時代に力を入れたことは、積極的なインターンシップへの参加です。 私は大学2年生の時、システム開発会社のインターンシップに参加しました。

IT系企業のインターンシップに参加した目的は、時代の最先端の技術を体験することです。時代の最先端で華やかなイメージを持っていましたが、実際には日々の仕事は 地道な事務仕事も多くありました。

小さいように思える仕事でも何一つ無駄なことはなくとても大切な仕事であり、そのようなことの積み重ねが大きな成功へと導けるものだということを知りました。

学生時代に参加したインターンシップでは、自己成長や将来の キャリアを考える機会において非常に貴重な経験となりました。

【ポイント】

・仕事の華やかな部分だけでなく地道な仕事も理解していることを書いている
・将来のことをしっかりと考えた行動を取っていることを書いている

語学学習

語学学習に取り組んでいる学生は多くいるので、ガクチカに書く際は語学学習を経験したことを説明するだけではなく、苦労したことや語学以外にも何を学べたかも伝えましょう。ガクチカで学業をアピールすることは、真面目な人柄を伝えることができます。

【例文】

私が学生時代に力を入れたことは語学学習です。将来は海外とのやり取りができる仕事を志望していたため、語学力が必要になってくると考えました。

現在はTOEIC800点を取得しています。しかし、TOEICの点数がなかなか上がらない時期もあり、語学学習の難しさを感じました。

そこで留学プログラムにも参加し、英語を話す環境に身を置くことで英語力が向上して英語でのコミュニケーションも流暢に行えるようになりました。

語学学習には継続的な努力が必要であることを知っただけではなく、他の言語を学ぶにはその国の文化を理解し、国際的な視野を広げることも重要だと感じました。

【ポイント】

・留学して得た経験を書いている
・継続することの大切さを書いている
・一つのことを学ぶのには多方面からのアプローチが重要ということを書いている

ガクチカの考え方と伝え方については「就活の重要項目!ガクチカの考え方と伝え方」の記事でも解説しています。

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ガクチカに書くことが見つからない方へのアドバイス

なかには、「特に力を入れたことはない」という方もいるでしょう。しかし、ガクチカは、大きなことを成し遂げたエピソードである必要はありません。以下のようなやり方で、自分なりのガクチカを探してみましょう。

自分の日常生活を振り返ってみる

まずは日常生活を振り返ってみましょう。些細なことでもよいので、1日のなかでどんな行動をし、何を考えたのかを1つずつ書き出すと、自分の特徴が見えてくることがあります。「アルバイト」「勉強」「趣味」「特技」などがありますね。

書き出したものから、これは人と違うと思える点や意識的に取り組んだことをピックアップして掘り下げてみましょう。自分の考えが伝えられるエピソードがあれば、ガクチカを書く材料になります。

失敗したエピソードを掘り下げてみる

また、ガクチカを考えるときは、失敗したエピソードを思い出すとスムーズに作成できる場合があります。「受験」「部活の大会」「友人関係」などがあります。

どんな失敗をしてどう対処したかを一つひとつ掘り下げることで、自分の考えを具体的に思い起こせるからです。結果よりもその過程で物事にどう向き合ったのか、何を考えたのかに重点を置いてガクチカを考えてみましょう。

企業が求める人物像を理解する

全ての会社は同じことを考えているのではなく、異なった企業文化があります。それにより、求めている人材もそれぞれ異なるもの。

たとえば、より多くの企業との取引を増やしたいと考える会社もあれば、 既存の顧客との付き合いをより深くしていきたいと考えている会社など、さまざまな会社があるものです。

会社から求められる人材になるのは、何をアピールすることが 必要なのか、それぞれの会社毎に考える必要があります。

自分が伝えたいことと、企業が求めていることに乖離があることは よくあるでしょう。会社のことをよく知ることも大切なことです。 その上で、ガクチカを考えていくとよいでしょう。

ガクチカが無い時の対処法については「ガクチカがない!5つの対処法と作成時の注意点を解説@」でも解説しています。

また、ガクチカが無くて困っている方は「ガクチカがない!ESはどう書く?」の記事でも紹介しているので読んでみてください。

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それでもガクチカが本当に何も見つからない方へ

なぜ企業はガクチカを聞くのでしょうか。それは、応募者の能力や人柄や考え方を知りたいからです。

学生時代にどのように物事に取り組んでいたのか、トラブルに対してどのように対応したのかなど、学生時代に経験した物事への対応力や姿勢、そしてその経験から何を学んだかを見たいと考えております。

ガクチカが本当に何も無い人はどうすればよいのでしょうか。そういう方は、しっかりと自己分析をすれば必ず何か見つかります。

学生時代に学業だけでなく、 アルバイト、サークル、インターン、ボランティア、趣味など、あらゆる出来事を箇条書きにしてみましょう。さまざまな体験を列挙することにより、何かしら見えてくるものがあります。

また、相談できる人は周りに意外にもたくさんいるはずです。中でも、キャリアアドバイザーは 就活プロなので、相談してみるとガクチカを見つけることができるようになるのではないでしょうか。

キャリアチケットでは、 就活のアドバイスを無料で行っています。 一度相談してみるとよいでしょう。

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