このページのまとめ
- 「困難を乗り越えた経験」から、企業は目標に向かって努力できる人材か判断している
- 「困難を乗り越えた経験」は規模ではなく、工夫したことや学んだことを伝えるのが大切
- 困難を乗り越えた経験が思いつかないときは、自己分析で課題を乗り越えた経験を見つけよう

ESや面接で「困難を乗り越えた経験」を聞かれたときに、書き方や答え方に悩む就活生は多いでしょう。企業側は、質問に対する答えから、就活生の人となりを判断します。単なる苦労話ではなく、経験から得た学びと成長と入社後の活かし方を伝えましょう。
この記事では、「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方や状況別の例文を解説。また、就活で使える経験が思いつかないときの対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
- 「困難を乗り越えた経験」とは?求められる内容を解説
- 「困難を乗り越えた経験」は特別な体験でなくても良い
- 企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由
- 目標に向かって努力できるか知るため
- 困難にぶつかったときの対処法を確認するため
- ストレスへの耐性を見るため
- 「困難を乗り越えた経験」についてのキャリアアドバイザーのアドバイス
- 「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方
- 1.結論
- 2.状況と起きた問題
- 3.困難克服のための行動と結果
- 4.経験から学んだこと
- 【場面別】困難を乗り越えた経験を伝える際の例文9選
- 1.アルバイト編
- 2.部活編
- 3.サークル編
- 4.ボランティア編
- 5.ゼミ編
- 6.大学受験編
- 7.インターン編
- 8.留学編
- 9.趣味編
- 「困難を乗り越えた経験」で避けたほうが良い内容
- 困難のレベルが低いエピソード
- プライベート過ぎる内容
- 身内の不幸話
- 困難を乗り越えた経験が思いつかないときの4つの対処法
- 1.自己分析で過去の経験を振り返る
- 2.小さな課題を困難に置き換えてみる
- 3.失敗や挫折を「学び」として捉え直す
- 4.他者との比較ではなく自分の成長に注目する
- 困難を乗り越えた経験をアピールして内定を獲得したいあなたへ
- 困難を乗り越えた経験に関するQ&A
- Q.社会人として評価される困難と乗り越え方の定義とは?
- Q.学生時代の挫折経験は、社会人になったあとに通用しますか?
- Q.人間関係のトラブルを乗り越えた経験として伝えても評価される?
「困難を乗り越えた経験」とは?求められる内容を解説
就職活動のES(エントリーシート)や面接でよく聞かれる「困難を乗り越えた経験」とは、目標達成のために直面した壁や課題をどのように乗り越えたかというプロセス全体のことです。困難を乗り越えた経験は、単なる成功体験ではなく、人間性や仕事への取り組み方を伝える重要な要素になります。就活の準備をする際は、自分の過去を深く掘り下げておきましょう。
「困難を乗り越えた経験」は特別な体験でなくても良い
「困難を乗り越えた経験」は、特別な体験である必要はありません。企業が求めているのは、大きな実績ではなく、困難にどう立ち向かい、どのようにして乗り越えてきたかという「過程」です。
たとえば、サークルの人間関係の悩みやアルバイトでの失敗など、日常的なエピソードで十分アピール可能。どのような状況を困難と感じ、どのような具体的な行動をとって乗り越えたかは人によって異なります。その結果、何が変わり、何を学んだのかを具体的に説明することで、企業に自身の強みと入社後の活躍につながるポテンシャルを明確に伝えられるでしょう。
挫折の経験については、「挫折経験が見つからない人必見!探し方や面接でのアピール方法【例文8選】」の記事もあわせてチェックしてみてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由
企業が困難を乗り越えた経験を聞くのは、応募者の本質的なビジネススキルと行動特性を深く知るためです。「挫折」とは、目標達成の途中で乗り越えがたい困難に直面し、一時的に意欲を失ったり、計画の変更や断念を迫られたりした経験を指します。
仕事で直面する予期せぬトラブルや高い目標に対し、応募者がどのように思考し、行動し、結果を出すかを予測する重要な材料となるでしょう。
ここでは、なぜ困難を乗り越えた経験が聞かれるのかを詳しく解説するので、確認してみてください。
目標に向かって努力できるか知るため
困難を乗り越えた経験が聞かれるのは、目標に向かって努力できる人間かどうかを知るためです。企業は一時的な成功ではなく、壁にぶつかっても全力で目標に向き合い、成果を出せる人材を求めます。
困難な状態でも目標達成に向けて努力した経験がある人は、仕事における高い意欲と達成志向性があると判断される強力な根拠となるでしょう。
困難にぶつかったときの対処法を確認するため
困難にぶつかったときにどのように対応するかも、企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由の一つです。仕事では困難な状況を分析し、具体的な改善策を考えて実行できるかどうかが重要になります。
問題が起きたとき、感情的になったり誰かのせいにしたりせず、「なぜそうなったのか」の原因を冷静に掘り下げられないと原因が特定できず、正しい解決策は立てられません。
また、頭の中で「こうしたら良いかも」と考えるだけでなく、実際に「何を」「どう」変えるのかという具体的な改善策を考え、最後まで実行に移せば成果につながりやすくなるでしょう。企業は、経験を通じて、困難に立ち向かう姿勢や諦めずに論理的な行動ができる人材であるかどうかを見極めます。
ストレスへの耐性を見るため
ストレス耐性を見るためにも、困難を乗り越えた経験が聞かれることがあります。仕事では納期や人間関係、予期せぬトラブルなどさまざまなストレスを感じる可能性があるでしょう。ストレス耐性が低いと、仕事を辛く感じやすくなり、早期に休職・退職につながりかねません。
仕事のストレスとうまく向き合える人は、大変な状況でも安定して成果を出すことが期待できます。企業は、感情的に不安定にならず、課題から逃げずに最後まで対処できたかを見ることで、自己管理能力や忍耐力がある人かどうかを見極めたいと考えているでしょう。
自己管理能力を効果的にアピールしたい方は、「自己PRで問題解決能力を伝えるコツは?相手に伝わる構成や例文も紹介」の記事を参考にしてみてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
「困難を乗り越えた経験」についてのキャリアアドバイザーのアドバイス
Q.困難を乗り越えた経験を話すことで、企業に対してどのようなことをアピールできますか?
大きく分けて「長期就業力」と「目標達成に対して大変なことも頑張ることができる」の2つをアピールできます。いずれも、採用において企業は重要視している要素です。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況を公表します」をもとに、新卒入社後3年以内に離職した人の割合をみてみましょう。

引用元:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します 新規大卒就職者の離職状況(平成30年3月卒業者)(p.3)」
大学卒業後、入社してから3年以内に離職した人の割合は、31.2%です。また、中学卒は55.0%、高校卒は36.9%、短大卒は41.4%と、どの学歴を見ても早期離職する人が一定数いることがわかります。
仕事を辞める理由は人によって異なりますが、社会人になると「大変」「つらい」と感じて辞めたくなる人もいるでしょう。しかし、企業は「採用した学生に長期的に会社で働いてほしい」と考えるのが一般的です。
そのため、壁にぶつかっても向き合い、頑張れる人であることをアピールすれば、「入社後も長期的な活躍が期待できる」「忍耐力がある」と企業から評価されやすくなるでしょう。
「苦労したことを面接で聞かれた際の答え方は?聞かれる意図や伝え方のコツ」の記事でも、忍耐力をアピールする方法を解説しているので参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
新規学卒就職者の離職状況を公表します
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方
「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方は、以下の4つのステップで構成するのがおすすめです。
・状況と起きた問題
・困難克服のための行動と結果
・経験から学んだこと
どんなに素敵なエピソードをもっていても、相手に伝わるような構成でなければ高評価を得るのが難しくなります。順序立てて、わかりやすく伝えられることは、ロジカルな思考力や表現力のアピールにつながるでしょう。以下で、基本的な書き方を解説するので、効果的にアピールするために参考にしてみてください。
1.結論
ESや面接で困難を乗り越えた経験を伝えるときは、質問の核となる「最も伝えたい強み」を最初に伝えることが大切です。
最初にエピソードの詳細から話し始めると、聴き手である採用担当者は「結局、この話で何をアピールしたいのか」がわからなくなり、評価が難しくなります。そのため、必ず結果から先に伝える「結論ファースト」を徹底し、採用担当者が話の内容をスムーズに理解できるようにしましょう。
2.状況と起きた問題
次に、状況と起きた問題を具体的に説明します。単に「大変だった」で終わらせるのではなく、困難な状況をどう受け止め、気持ちを切り替えたかを書くのがポイントです。
困難な状況を前にどのようにして気持ちを切り替えたかを、具体的なプロセスで説明することで、ストレス耐性と課題分析力をアピールできます。
3.困難克服のための行動と結果
状況と起きた問題を説明したら、現状を打開するためにとった行動を説明しましょう。現状打開のために「何を考え、どのように行動したか」というプロセスと、その成果を示すことが必要です。
採用担当者は、あなたの「思考と行動の具体的な過程」から入社後の活躍を想像します。そのため、抽象的な表現では能力が伝わりにくくなる点に注意しましょう。
「復帰後、チームの失点数は△%減少し、目標達成に貢献した」のように、具体的な数値で成果を表せば説得力をもたせられるので、積極的にアピールすることが大切です。
4.経験から学んだこと
最後に、困難を通して何を学び、どう成長したか結果を書きます。困難を乗り越えた経験は、自分の強みにつながる要素の一つです。学んだことを入社後にどう仕事に活かすかを明確に書き、熱意と貢献意欲を伝えましょう。
学んだスキルは、応募先の仕事内容や求められる人物像に結びつけるのがおすすめです。「この粘り強さは、貴社で担当する△△という課題に対して、困難な状況でも最後までやり抜く姿勢として必ず貢献できると確信しています」のように、仕事への意気込みと貢献の具体性を伝えます。
過去の困難を乗り越えた経験は、今後の仕事における挑戦を恐れない姿勢の裏付けとなります。「困難を成長の機会と捉え、貴社の目標達成に貢献できるよう邁進いたします」とポジティブに締めくくり、あなたの前向きな姿勢を強く印象づけましょう。
自己PRで強みをアピールするポイントは、「自己PRとは?企業が求める理由や回答のポイント・例文を紹介」の記事も参考にしてみてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
【場面別】困難を乗り越えた経験を伝える際の例文9選
困難を乗り越えた経験は、アルバイトやサークル、ゼミなど人によってさまざまな場面で得られます。下記で体験別の例文を参考にし、自身の経験に置き換えたうえで自分の言葉で伝えてみましょう。
1.アルバイト編
私は、アルバイトの新人教育で失敗を経験し、共感と傾聴に基づくコミュニケーションの重要性を学びました。
私が困難を乗り越えたのは、飲食店のアルバイトで新人スタッフの教育を任されたときです。業務効率を重視し、早く覚えてもらいたいと焦るあまり、指導が厳しくなりすぎました。その結果、業務の説明はできても、新人の不安や疑問に寄り添うことができず、2名のスタッフが早期退職してしまうという深刻な失敗を招きました。
この事態を受け、私は指導方法を根本的に見直しました。単なる業務マニュアルの伝達ではなく、彼らが何に困っているのか、どうすればモチベーションが上がるのかを理解することに注力しました。
具体的には、一方的な説明をやめて業務終了後に必ず10分間の1on1を設定し、「今日の業務で一番難しかったこと」を先に聞く傾聴をベースとしたフィードバックに切り替えました。次に、新人時代の失敗談を共有して緊張を解くとともに、全ての業務について「なぜこの手順が大切なのか」という仕事の楽しさと意義を伝えるよう意識しました。
厳しいだけではモチベーションは上がらないと実感し、次からは業務の説明だけでなく楽しさも伝わるよう心がけました。初めての新人教育で緊張していることも正直に伝え、心を開いたコミュニケーションを意識しました。
その結果、新人の定着率が改善し、その後の教育では、7名の新人スタッフを約3ヶ月で独り立ちできるまで担当することができました。職場全体の雰囲気も明るくなり、スタッフ間の連携も円滑になりました。
この経験から得た、相手を理解し、心を繋ぐことで最大のパフォーマンスを引き出す力は、貴社におけるお客さまとの長期的な信頼関係の構築や、チーム内での円滑な連携において必ず活かせると確信しております。2.部活編
私が困難を乗り越えた経験は、選手としての挫折を、組織を支える貢献意欲によって乗り越えたことです。この経験から、目標達成には視点の転換と、裏方としての役割の重要性が不可欠であることを学びました。
困難に直面したのは、全国大会出場を目指していた野球部で、最後までレギュラーに入れなかったことです。大会を目指して努力を続けてきましたが、ほかの部員に実力が敵いませんでした。当時は劣等感に打ちひしがれ、スタメン入りした部員を素直に祝福できない時期もありました。
しかし、「選手として出場できないのなら、チームの勝利に貢献できる裏方として、最も価値のある役割を果たそう」と決意しました。そこから、私はチームのボトルネックを解消するサポート役に徹しました。
具体的には、調子の悪い部員に対し、一方的に指導するのではなく、練習や私生活での話を聞くことに時間を費やしました。その結果、ある部員が「怪我を恐れて無意識にスイングが縮こまっている」という根本原因に気づき、私は監督の許可を得て、体幹強化とフォーム安定化のための個別サポートメニューを考案・実施しました。
このサポートの結果、チームは一体感を増し、目標としていた全国大会で準優勝という成果を収めることができました。裏方としてチームを支え、目標達成に貢献できたことは、選手として出場する以上の達成感につながりました。
この経験で培った「全体を見渡し、個々の能力を最大限に引き出すための課題発見力とサポート力」は、貴社において社員が力を発揮できるよう環境を整える人事業務において必ず貢献できると確信しております。3.サークル編
私が困難を乗り越えた経験は、「サークルの認知度向上」というプロモーションの壁を、戦略的な実行力で打破したことです。この経験を通じて、待ちの姿勢ではなく、積極的に魅力を発信することで状況を変えられるというマーケティング視点の重要性を学びました。
困難に直面したのは、所属していたダンスサークルで存続に必要な最低人数の確保ができず、廃部の危機に瀕したときです。私は原因を「サークルの存在と活動内容が学生に認知されていないこと」だと分析しました。
そこで、私はサークルの魅力を能動的に伝えるための広報戦略を実行しました。具体的には、受け身の勧誘を廃止し、最もターゲットである新入生や在校生の動線が集中する学内広場で、毎日ゲリラ的なダンスパフォーマンスを披露しました。
さらに、地域住民との接点を広げるため、地域のイベント運営者と交渉し、サークルを代表して参加する機会を創出しました。これは、地域貢献を通じて大学からの評価を高めるという副次的な目的もありました。
この積極的なアウトリーチ活動の結果、イベントを観た学生が魅力を感じてくれた7名が入部しました。これにより、廃部の危機は回避し、活動を継続することができました。
この経験で培った「課題解決のために自ら企画し、行動を起こし、組織の魅力を潜在的な顧客に効果的に伝える実行力」は、貴社に入社した暁には、魅力的なサービスや製品を広く世の中に認知してもらう広報業務において、最大限に活かせると確信しております。4.ボランティア編
私が困難を乗り越えた経験は、参加者のニーズをリサーチし、情報発信戦略を再構築したことです。この経験を通じて、課題解決には思い込みを排し、データに基づいて相手の真のニーズを特定することが不可欠であると学びました。
私が直面したのは、所属していた地域清掃ボランティアの参加者が減少し、活動継続が困難になったことです。当初は、「とにかく参加してください」と呼びかけるだけでしたが、思うように人数は増えませんでした。私は、このままでは活動が廃止になると危機感をもち、行動を起こしました。
まず、「なぜ参加者が来ないのか」を深掘りし、ボランティア側の一方的な都合でメリットが全く伝わっていないことが原因だと仮説を立てました。
そこで、私は地域住民100名にアンケートを実施し、参加への障壁と、もし参加するとしたら期待するメリットを調査しました。その結果、「清掃の意義は理解しているが、活動時間が合わない」「単なる清掃ではなく、地域住民との交流の場が欲しい」という具体的なニーズを特定しました。
このリサーチ結果に基づき、私は以下の広報戦略を実行しました。ポスターやWebサイトでの発信内容を刷新し、清掃活動の意義や成果だけでなく、地域交流会や健康的な運動の機会を提供する場であることを前面に打ち出しました。また、特定したニーズに対応するため、活動時間帯の選択肢を増やしました。
その結果、活動への理解が深まり、参加者が以前の2倍にまで増加し、ボランティア活動は再び活発化しました。
この経験で培った「データに基づき、相手の立場に立って真のニーズを掘り起こし、それに応じた具体的な解決策を実行する力」は、貴社のビジネスの現場においても、顧客の課題解決に向けた企画や提案に最大限に活かせると確信しております。5.ゼミ編
私が困難を乗り越えた経験は、知的好奇心という本質的な問いを原点に、圧倒的な実行力で新規性の高い調査を完遂したことです。この経験を通じて、高度な課題解決には、既存の枠に捉われず、粘り強く真実を追求する力が不可欠であると学びました。
困難に直面したのは、1年かけて取り組む研究テーマが見つからなかったことです。ゼミでは、学生自身が課題を見つけ、調査・発表する必要がありましたが、ほかの学生が先行研究を踏まえた高度なテーマを設定する中、私は納得のいく課題を見つけられず、大きな焦りを感じていました。
当時の私は、テーマを「難しくしなければならない」という固定観念に縛られていました。しかし、この固定観念が思考を停止させていると気づき、「無理に難しく考えず、純粋に自分が知りたいと思うことに立ち返ろう」と発想を転換しました。
そこで設定したテーマは、「理系学生と文系学生の恋愛の違い」という、既存のゼミの枠には収まらない、シンプルながらも学生の関心が高いものでした。私はテーマの新規性を担保するため、机上の調査ではなく、500人を越える学生を対象に聞き取り調査を敢行しました。回答を得るために時間帯や場所を工夫し、何度も断られながらも粘り強くデータ収集を続けました。
その結果、集めたデータは学問分野を超えた視点をもつ「新規性の高い研究」として評価され、その年のゼミの発表で1位を受賞することができました。この経験で培った「固定観念を排して本質的な問いを発見し、困難な状況でも目標を達成するまで粘り強く実行し続ける力」は、貴社においても、既存の枠に捉われない柔軟な発想で、誰も気づいていない潜在ニーズを掘り起こし、新しいサービスの開発に貢献できると強く思っております。
6.大学受験編
私が困難を乗り越えた経験は、不合格という絶望的な状況から、目標達成に必要な自己分析と実行戦略を立て、合格を勝ち取ったことです。この経験を通じて、困難な目標も、戦略的な計画と圧倒的な努力量があれば必ず達成できるという、自己成長への確信を得られました。
私が直面した困難は、志望度の高かった大学の推薦入試で不合格になったことです。自分は受かると慢心していたため、不合格を知った際は、何から手をつけて良いかわからず、一時的に途方にくれました。その間にも同級生は受験勉強に邁進し、学力の差は開くばかりでした。
しかし、どうしてもその大学に入りたいという目標を諦めきれず、「同級生に遅れた分を圧倒的な効率と量で挽回する」と決意しました。私は高校3年の11月という遅い時期から、戦略的な受験勉強をスタートしました。短期間で成果を出すため、まず休日は12時間、平日は5時間を確保し、生活の全てを勉強に集中させました。
さらに、闇雲な全体学習ではなく、最も伸びしろがある苦手分野の過去問と演習に重点的に時間を振り分けました。加えて、学習の質を高めるため、模試を受けたらその日のうちに必ず解き直しを行い、間違えた場所の解答プロセスと知識の穴を徹底的に分析することで、次の学習に活かすサイクルを確立しました。
その結果、わずか数ヶ月間で学力を飛躍的に向上させ、推薦入試で一度は落ちた△△大学に、一般入試で合格することができました。この経験で培った「目標達成のために自己の弱点と現状を分析し、他者に頼らず、自律的に戦略を考案し、最後までやり抜く力」は、困難な課題や新しいプロジェクトに対し、自分の力を信じて主導的に努力し、問題解決に貢献できると強く思っております。7.インターン編
私が困難を乗り越えた経験は、長期の営業インターンで直面した目標未達の壁を、徹底した分析と戦略的な行動で打ち破ったことです。この経験を通じて、失敗を感情論で終わらせず、客観的に分析し、行動を改善していくPDCAサイクルの重要性を深く理解しました。
私が直面した困難は、インターン参加から最初の3ヶ月間、契約目標を一度も達成できなかったことです。大きな焦りを感じながらも、まずは目標未達の原因を分析しました。その結果、問題は、提案内容がお客様の課題ではなく自社の都合による一方的な説明になっており、お客様の潜在的な真のニーズを把握できていないことにあると突き止めました。
この失敗を「お客さま視点の欠如」と捉え、行動の改善を決意しました。まず、ヒアリングのスキルを徹底的に磨くため、お客さまの課題を多角的に深堀りする質問項目を独自に作成し、商談ごとに実践と振り返りを繰り返しました。さらに、社内のデータベースを活用して成功事例を研究し、トップ営業のヒアリングや提案の構造を学び、自身の営業プロセスに組み込みました。
この「分析→実行→改善」のPDCAサイクルを回し続けた結果、提案の質が劇的に向上し、契約件数は安定。最終的には、インターン期間を通じて目標を上回る成果を出すことができました。
この経験で培った「失敗原因をデータと客観視で特定し、お客さまの真のニーズを起点に戦略的な行動改善を繰り返す力」で、貴社においても、常に目標を意識しながらPDCAサイクルを高速で回し、お客様への価値提供を通じて事業の成長に貢献したいと考えております。8.留学編
私が困難を乗り越えた経験は、大学1年次の交換留学選考に落選した際、目標達成に必要な要素を分析し、最適な戦略を自ら考案・実行して成果を出したことです。この経験を通じて、与えられた環境や手段に捉われず、柔軟に課題解決に取り組むことの重要性を学びました。
自分自身に慢心があったことを悔しく思いましたが、この挫折を機に、日本にいながらでも英語力は磨けると発想を転換し、目標達成を決意しました。
私は、次の選考で確実に成果を出すためにインプットとアウトプットを複合的に組み合わせる戦略を立て、英語漬けの日々を送りました。具体的には、平日の夜間は語学学校に通って基礎知識を効率的にインプットしつつ、週末は外国人観光客が多い飲食店でアルバイトして、実践的なアウトプットを徹底しました。
さらに、学内の留学生との交流イベントに積極的に参加し、ネイティブの学生と日常的にディスカッションを行う場を自ら作ることで英語力を定着させました。この戦略的な取り組みの結果、1年次には600点だったTOEICのスコアが翌2年次の選考前には730点に達し、専門外の話題でも意思疎通ができるビジネスレベルの基礎力を身につけることができました。
この経験で培った目標達成に向け、既存の枠に捉われずに最適な手段を組み合わせ、成果にコミットする実行力は、貴社においても、「王道の旅行プラン」という既存の概念に捉われず、常に新しい視点で日本の魅力を発見し、お客さまに驚きと感動を与えるフレキシブルな企画提案に貢献できると考えております。9.趣味編
私が困難を乗り越えた経験は、趣味のプログラミング独学において、開発を停止させた原因不明の難解なバグを、論理的な試行錯誤の末に解決したことです。この経験を通じて、困難な問題も、粘り強く要素を分解し、論理的に解決策を導き出す力がつくことを確信しました。
私が直面した困難は、個人で開発していたアプリケーションにおいて、何日経っても原因が特定できない難解なバグに遭遇し、開発が完全に停滞したことです。一時は開発の継続を諦めかけましたが、「自力で完成させる」という目標を思い出し、解決を諦めないと決意しました。
私は解決のために、問題解決のプロセスを論理的に分解しました。まず、原因を特定するために、関連するWebフォーラムや技術ドキュメントを徹底的に調査し、バグの発生条件に関する複数の仮説を立てました。そして、その仮説に基づき、コードの該当箇所を一つひとつ切り分けて原因を分離するテストである「デバッグ」を粘り強く実行しました。最終的には、複数の小さな原因が特定の条件下で組み合わさって発生する複雑なバグであることを突き止め、解決に成功し、開発を再開できました。
この経験で培った「困難に直面しても粘り強く取り組み続ける精神力と、論理的に課題を分解して解決策を導き出す力」で、予期せぬトラブルや困難なプロジェクトにおいて自ら問題の本質を見抜き、解決に貢献したいと考えております。「困難を乗り越えた経験」は、就活で「人生でつらったこと」として聞かれることもあります。「人生でつらったこと」の回答例は、「就活で聞かれる『人生で一番つらかったこと』はどう答える?例文つきで解説」の記事でまとめているので、チェックしてみてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
「困難を乗り越えた経験」で避けたほうが良い内容
困難を乗り越えた経験の内容は、困難のレベルが低かったりプライベート過ぎたりするのは避けましょう。また、身内の不幸を伝えるのも、避けるのがおすすめです。困難を乗り越えた経験で使わないほうが良い内容を解説するので参考にしてみてください。
困難のレベルが低いエピソード
困難のレベルが低いエピソードは使わないようにしましょう。なぜなら、採用担当者に「この人は、本気で努力したり、大きな壁にぶつかったりした経験がないのでは?」と捉えられ、印象を悪くする恐れがあるからです。
たとえば、「アルバイトの仕事がなかなか覚えられず、店長に厳しく指導された」「朝が苦手で、大事なゼミの発表に遅刻しそうになり焦った」などの経験を「困難」として語るのは避けましょう。一般的に見て「困難」とまでは言えないレベルの経験は、「ストレス耐性がない」「一般常識に欠ける」といったネガティブな印象を与える可能性があります。
特別な体験である必要はありませんが、伝える際は、聞き手が「自分でも大変だと感じる」ような状況や感情の変化を具体的に描写し、ストーリーに高い納得感をもたせることが大切です。
プライベート過ぎる内容
困難を乗り越えた経験を伝える際は、プライベート過ぎる内容は避けましょう。たとえば、家族間や恋愛トラブルのような問題は、就活の場面にはふさわしくないといえます。
面接の場合は伝えたエピソードをもとに、深掘りされていくのが基本です。プライベート過ぎる内容は面接官にとって質問しにくく、深掘りされない場合があるので、アピールにつながらないでしょう。
身内の不幸話
身内の不幸話も、「困難を乗り越えた経験」で避けたほうが良い内容の一つです。身内の不幸話は聞き手に同情を誘う可能性はありますが、具体的な行動や問題解決能力を示す根拠にはなりません。
本人の行動や工夫によって、状況が好転したプロセスを示せないエピソードは、自己PRとして評価されにくくなります。企業が知りたいのは、努力によって状況が好転したプロセスです。
それらの出来事を通じて学業や活動を継続したことをアピールしたい場合は、「いかに自己管理を徹底し、目標を見失わずに努力を継続したか」という行動に焦点を当てて伝えるようにしましょう。
就活で使えるエピソードの探し方については、「自己PRのエピソードの書き方や探し方は?企業に評価されるポイントも解説」の記事で解説しているので、参考にしてください。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
困難を乗り越えた経験が思いつかないときの4つの対処法
「困難を乗り越えた経験」をなかなか思い出せない、あるいは自分の経験が大したことないと感じてしまう就活生もいるでしょう。しかし、それは単に視点の変え方を知らないだけかもしれません。以下の4つの対処法を試して、自身の過去の経験を価値あるエピソードへと変えてみましょう。
・小さな課題を困難に置き換えてみる
・失敗や挫折を「学び」として捉え直す
・他者との比較ではなく自分の成長に注目する
これらのステップを踏むことで、ESや面接で使えるエピソードが見つかりやすくなります。以下でそれぞれ解説するので、困難を乗り越えた経験が見つからないと悩んでいる方はチェックしてみてください。
1.自己分析で過去の経験を振り返る
困難を乗り越えた経験が思いつかないときは、自己分析で過去の経験を時系列で振り返ることから始めましょう。単なる出来事の羅列ではなく、「そのとき、自分が最も苦しかったことは何か」「それを乗り越えるために何を考え、どう行動したか」という内面的な変化に注目してみてください。
過去のアルバイトやサークル、学業、趣味など、あらゆる場面で「計画通りに進まなかったこと」「期待していた結果が出なかったこと」を書き出してみましょう。そのなかから、感情が動いた出来事や粘り強く取り組んだ経験を選び出すことで、困難に立ち向かい、試行錯誤した経験がみえてきます。
自己分析のやり方は、「自己分析とは?就活におすすめの簡単なやり方10選や活用例を解説」の記事を参考にしてみてください。
2.小さな課題を困難に置き換えてみる
「特別な困難がない」と感じるなら、日常のなかにある小さな課題を「困難」に置き換えてみましょう。先述した通り、困難を乗り越えた経験の内容は規模の大きな出来事である必要はありません。重要なのは、それが「目標達成のために新たな知識やスキルを習得する必要があった課題」であったかどうかです。単なる回避可能な失敗や怠慢による問題では、自己PRとして評価されません。
たとえば、「苦手な授業の単位を取得するために、自主的に補習に参加し、学習方法を工夫し続けた」という経験は、自分の専門能力の壁を乗り越えようとした困難としてアピールできます。
このように、目標と現状の能力のギャップを埋めるために、どんな工夫や努力を主体的に継続したかというプロセスが、「困難を乗り越えた経験」として成立するでしょう。
3.失敗や挫折を「学び」として捉え直す
「困難を乗り越えた経験がない」と悩むときは、過去の失敗や挫折を単なるネガティブな経験として終わらせず、「学び」としてポジティブに捉え直すのがおすすめです。多くの場合、「困難」とは、目標達成に至らなかった失敗や、予期せぬ挫折の中に隠れています。
たとえば、「資格試験に落ちた経験」「イベントの集客に失敗した経験」「人間関係で大きな誤解を生んでしまった経験」など、日常的なネガティブな経験を振り返ってみましょう。そして、「なぜ失敗したのか」「その失敗から何を学んだのか」「次はどう行動を変えたのか」という点を整理します。
失敗や挫折を単なるネガティブな出来事で終わらせずに、成長のための貴重なステップとして捉え直すことで、立ち直る力や向上心を示すエピソードになるでしょう。
4.他者との比較ではなく自分の成長に注目する
困難を乗り越えた経験を探す際、「ほかの就活生と比べて自分の経験は地味だ」と他者と比較して自信を失う必要はありません。採用担当者が知りたいのは、「過去の自分と比べてどれだけ成長したか」というあなたの個人としての成長です。
自分の能力や知識が不足していた状態から、努力と工夫によって目標を達成できたプロセスに焦点を当てましょう。客観的な成功の大きさよりも、自身の内面的な変化や努力の深さを具体的に伝えることでポテンシャルを十分にアピールできます。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
困難を乗り越えた経験をアピールして内定を獲得したいあなたへ
困難を乗り越えた経験は、就活でもよく聞かれる内容の一つです。企業は、困難を乗り越えた経験に対してどのように向き合い、どのように努力してきたかを見ています。
困難を乗り越えた経験で好印象を得るためには、その困難を目標達成のための課題と捉え、本人の工夫と努力による具体的な行動のプロセスを、入社後の貢献につながる能力として示すことが重要です。
「どのような経験を選べばいいかわからない」「うまく伝えられるか不安」と困難を乗り越えた経験のアピールで悩む就活生は、就職エージェントのキャリアチケットに相談してみてください。キャリアチケットでは、一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがつき、マンツーマンで就活をサポート。応募書類の添削や面接対策も行うので、困難を乗り越えた経験を効果的に伝えられます。自信をもって就活に臨めるよう、キャリアチケットと一緒に就活対策を実施しましょう。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら
困難を乗り越えた経験に関するQ&A
ここでは、「困難を乗り越えた経験」に関する疑問にQ&A形式でお答えします。ESや面接の準備を進める上での参考にしてみてください。
Q.社会人として評価される困難と乗り越え方の定義とは?
A.社会人として評価される困難とは、「個人の能力不足や目標達成の妨げとなる、努力で改善可能な課題」です。乗り越え方とは、問題に主体的に向き合い、情報収集や工夫、自己学習など具体的な戦略を実行して状況を好転させるプロセスを指します。
面接では、困難の大きさではなく、入社後に再現できる問題解決能力や成長意欲があることを示しましょう。
Q.学生時代の挫折経験は、社会人になったあとに通用しますか?
A.学生時代の挫折経験は、社会人になったあとも十分に通用します。企業が評価するのは、挫折の規模ではなく、そこから得た「学び」と「乗り越える力」が入社後に活かせるかです。
重要なのは、困難に直面した際にどのように考え、具体的な工夫や努力を実行したかというプロセスです。挫折の経験を通じて身についた粘り強さや問題解決能力を、入社後の業務でどう活かすかを明確に結びつけてアピールしましょう。
Q.人間関係のトラブルを乗り越えた経験として伝えても評価される?
A.人間関係のトラブルを乗り越えた経験は評価される可能性はあります。人間関係のトラブルは、「コミュニケーション能力」や「協調性」をアピールするおすすめな材料になるでしょう。
しかし、他者の非を一方的に強調する内容は避けましょう。トラブルの原因を「自分自身のコミュニケーションの取り方」や「相互理解の不足」といった客観的な視点で分析し、建設的な解決に向けて主体的に行動したというプロセスを伝えることが大切です。
「相手の立場に立って傾聴し、歩み寄る努力をした」など、協調性と問題解決の両面をアピールできると良い評価につながるでしょう。
無料で相談プロに自己PRの内容を添削してもらう
自分の価値観とあった企業に出会える!27卒のスカウト登録はこちら

本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。