このページのまとめ
- 「困難を乗り越えた経験」から、目標に向かって努力できるか分かる
- 「困難を乗り越えた経験」は、人となりや思考プロセスの判断材料になる
- 自分の能力に関わらない困難は質問意図に合わないため、書かないほうが無難
ESで「困難を乗り越えた経験」を聞かれた就活生は多いのではないでしょうか?
困難のレベルが分からなかったり思い当たる経験がなかったりすると、どう答えて良いか困るでしょう。
企業側は、質問に対する答えから、就活生の人となりを判断します。単なる苦労話ではマイナスイメージなので、書き方を工夫して好印象を与えるのがポイント。このコラムでは、質問の意図や回答のポイントを例文つきで解説するので、ご参考ください。
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- 企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由
- 目標に向かって努力できるか知るため
- 困難にぶつかったときの対処法を確認するため
- ストレスへの耐性を見るため
- 「困難を乗り越えた経験」についてのキャリアアドバイザーのアドバイス
- 「困難を乗り越えた経験」は特別な体験でなくてもよい
- 「困難を乗り越えた経験」で避けたほうがよい内容
- 困難のレベルが低いエピソード
- プライベートすぎる内容
- 「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方
- 1.エピソードの概要
- 2.状況と起きた問題
- 3.困難克服のための行動と結果
- 4.経験から学んだこと
- 「困難を乗り越えた経験」を伝える際の例文
- 1.アルバイト編
- 2.部活編
- 3.サークル編
- 4.留学編
- 5.ゼミ編
- 6.大学受験編
- 困難を乗り越えた経験をアピールして内定を獲得したいあなたへ
企業が「困難を乗り越えた経験」を聞く理由
企業が困難を乗り越えた経験を聞くのは、困難にぶつかったときにどのように対処できるかを知るためです。ここでは、なぜ困難を乗り越えた経験が聞かれるのかについて詳しく解説します。
目標に向かって努力できるか知るため
困難を乗り越えた経験が聞かれるのは、目標に向かって努力できる人間かどうかを知るためです。仕事では掲げた目標に対し、全力で向き合える人材が求められます。
困難な状態でも目標に向かって努力した経験がある人は、仕事でも同じように目標に向かって頑張れるでしょう。入社後に活躍できそうかを見るために、困難を乗り越えた経験が聞かれています。
困難にぶつかったときの対処法を確認するため
困難にぶつかったときにどのように対応するかも、企業が知りたいと考えている部分です。仕事では大変なことが多く起きるため、その際にどのように行動できるかが見られています。
困難にぶつかったときに、立ち向かって努力する人もいれば、あきらめてしまう人もいるでしょう。仕事ではあきらめずに、努力できる人材が必要です。企業は困難の乗り越え方を通して、入社後にどのように行動できるかを見ています。
ストレスへの耐性を見るため
ストレス耐性を見るためにも、困難を乗り越えた経験が聞かれています。仕事ではストレスを感じる部分も多く、うまく対処できるかどうかが大切だからです。
仕事でのストレスとうまく向き合える人は、大変な仕事でも問題なくこなせるでしょう。一方で、ストレス耐性が低い人は仕事を辛く感じ、休職したり退職したりする可能性が考えられます。せっかく採用しても短期間で離職されてしまうのを避けるために、ストレス耐性を確認されているのでしょう。
困難を乗り越えた経験は、挫折経験として聞かれる場合もあるので覚えておきましょう。挫折経験の答え方については、「挫折経験が見つからない人必見!探し方や面接でのアピール方法【例文8選】」の記事を参考にしてください。
また、自己PRでも困難を乗り越えた経験をアピールできます。「自己PRってなに?答え方のコツや注意点を例文付きで解説」の記事を参考に考えてみましょう。
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「困難を乗り越えた経験」についてのキャリアアドバイザーのアドバイス
Q.困難を乗り越えた経験を話すことで、企業に対してどのようなことをアピールできますか?
大きく分けて「長期就業力」と「目標達成に対して大変なことも頑張ることができる」の2つをアピールできます。
1つ目の「長期就業力」は、採用において重要要素といわれています。
入社後3年以内の早期離職が社会的問題になっているなかで、企業は「採用した学生に長期的に会社で働いてほしい」と考えています。そのために会社とのミスマッチがないかを複数回の面接を通じてすり合わせをしていますよね。
ですが、いくら自分に合っている会社に入社できたとしても、社会人になると大変なことも発生します。そんなときにすぐに辞めないか、困難な時にもそれに向き合い頑張れる素質があるか見られているので、困難を乗り越えた経験がある学生は評価されやすくなります。
2つ目の「目標達成に対して大変なことも頑張ることができる」も、上記と同じ理由で評価されやすくなりますよ。
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「困難を乗り越えた経験」は特別な体験でなくてもよい
困難を乗り越えた経験を伝える際は、特別な体験は必要ありません。大切なのは、困難に対して向き合う姿勢や乗り越える過程です。
企業は困難を乗り越える過程をとおして、就活生の人柄や考え方を見ています。そのため、求めているのは大きな実績ではなく、どのようにして困難を乗り越えてきたかです。
「バイトで失敗して大変だった」のようなエピソードでも、どのような状況でどのように乗り越えたかは人によって違うでしょう。特別な内容でなくても、就活でのアピールに使えることは覚えておいてください。
困難を乗り越えた経験を探す際は、自分史で過去を振り返るのがおすすめです。自分史の作り方は「自分史の書き方はどうすればいい?テンプレートの例やまとめ方を解説」の記事で解説しているので参考にしてください。
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「困難を乗り越えた経験」で避けたほうがよい内容
困難を乗り越えた経験を伝える際は、困難のレベルが低かったりプライベートすぎたりする内容は避けましょう。使わないほうがよいエピソードについて解説するので参考にしてください。
困難のレベルが低いエピソード
困難のレベルが低く、努力を感じないエピソードは使わないようにしましょう。本気で努力した経験がないと捉えられ、印象を悪くする恐れがあります。
たとえば、「アルバイトの仕事が覚えられず店長に怒られた」「朝が苦手で大事なゼミの発表に遅刻した」などの経験は、困難とまでは言えない経験です。困難のレベルが低く、「ストレス耐性がない」「一般常識に欠ける」という印象を与える可能性があります。
困難を乗り越えた経験を伝える時は、ほかの人から見ても困難に感じる内容を選びましょう。
プライベートすぎる内容
プライベートすぎる内容も、採用担当者が質問しにくいので避けましょう。家族トラブルや恋愛トラブルのような問題は、就活の場面にはふさわしくないといえます。
面接の場合は伝えたエピソードをもとに、深掘りされていくのが基本です。プライベートすぎる内容は面接官にとって質問しにくく深掘りされない場合があるので、アピールにつながらないでしょう。
身内の不幸話
困難を乗り越えた経験を伝える際に、身内の不幸話を選ぶのはやめましょう。触れづらい内容であり、採用担当者が反応に困ってしまいます。
困難を乗り越えた経験で選びたいのは、自分の能力不足や努力不足でうまくいかなかった経験です。家族の不幸は触れづらく、自分に原因がある内容でもないので、選ばないようにしてください。
困難を乗り越えた経験を探す際は、自己分析を行ってみましょう。自己分析のやり方がわからない就活生は、「自己分析とは?おすすめのやり方8選や実施時の注意点を紹介」の記事を参考にしてください。
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「困難を乗り越えた経験」の基本的な書き方
どんなに素敵なエピソードでも、相手に伝わるような構成でなければ高評価にはつながりません。
順序立ててわかりやすく伝えられることは、ロジカルな思考力や表現力のアピールにもなります。
下記で、基本的な書き方を確認しておきましょう。
1.エピソードの概要
はじめに、どのような体験かを端的に書きます。「サッカー部で県大会を控えていたが、ケガで出場できなくなったこと」のように書き出すと、話の要点がわかりやすくなります。
2.状況と起きた問題
どのような状況下で起きた問題なのか、具体的に説明します。困難な状況をどう受け止め、気持ちを切り替えたかを書くのがポイントです。
3.困難克服のための行動と結果
現状を打開するためにとった行動を説明します。抽象的な表現は避け、具体的な説明を心がけるのが重要。努力の成果が数字でわかるときは積極的に使い、説得力をもたせましょう。
4.経験から学んだこと
困難を通して何を学び、どう成長したか結果を書きます。困難を乗り越えた経験は、自分の強みにつながる要素の1つです。学んだことをどう仕事に活かすか意気込みを書き、仕事への熱意を伝えましょう。単なる不幸話に終わらせず、ポジティブに締めるのがポイントです。
就活で使えるエピソードの探し方については、「自己PRのエピソードの書き方や探し方は?企業に評価されるポイントも解説」の記事で解説しているので、参考にしてください。
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「困難を乗り越えた経験」を伝える際の例文
困難を乗り越えた経験は、アルバイトやサークル、ゼミなど人によってさまざまでしょう。下記で体験別の例文を確認し、ES作成時の参考にしてください。
1.アルバイト編
私が困難を乗り越えたのは、飲食店のアルバイトで、新人スタッフの教育を任されたときです。業務を早く覚えてもらいたいと焦るあまり厳しく指導してしまい、2名のスタッフが早期退職してしまいました。一方的に説明し、事務的な対応をしていた自分を深く反省しました。
厳しいだけではモチベーションは上がらないと実感し、次からは業務の説明だけでなく楽しさも伝わるよう心がけました。初めての新人教育で緊張していることも正直に伝え、心を開いたコミュニケーションを意識しました。
結果、職場の雰囲気は明るくなり、7人の新人スタッフを一人前になるまで担当できました。
貴社でも、心が通じるコミュニケーションを心がけ、お客様との信頼関係を築いていきたいです。
2.部活編
私が困難を乗り越えた経験は、全国大会出場を目指していた野球部で、スタメンに入れなかったことです。大会を目指して練習してきましたが、ほかの部員に実力が敵いませんでした。
当時は劣等感に打ちひしがれ、スタメン入りした部員を素直に祝福できませんでした。しかし、大会に出場できないなら選手を支える裏方として活躍しようと決意。調子の悪い部員の話を聞き、原因を考え、新しい練習メニューを考案してサポートに努めました。結果、チームは準優勝という成果を出せました。
この経験から、視点を変えて目標を目指し、努力する重要さを学びました。貴社でも、社員が力を発揮できるようサポートに努め、人事として活躍していきたいです。
3.サークル編
私が困難を乗り越えた経験は、ダンスサークルにメンバーが集まらず、廃部の危機にあったことです。新規のメンバーを集めるには、ダンスサークルの存在を知ってもらう必要があると考えました。
そこで、学内で毎日ダンスを披露したり、地域のイベントに参加したりして、見てもらう機会を増やしました。結果として、イベントを観た学生が7人入部し、廃部の危機は回避できました。
この経験から、積極的に行動を起こせば壁も乗り越えられると学びました。貴社に入社した暁には、魅力的なサービスを広く知ってもらえるよう、広報として発信していきたいです。
4.留学編
私が困難を乗り越えた経験は、英語力が足りず、大学1年次の交換留学選考に落選したことです。悔しく思いましたが、日本にいながらでも英語力は磨けると思い勉強を決意。平日の夜間は語学学校に通い、休日は外国人観光客が多い飲食店でアルバイトし、英語漬けの日々を送りました。
学内の留学生との交流イベントに参加し、ネイティブの学生と交流したことも英語力アップにつながりました。結果として、1年次には600点だったTOEICが890点に達し、日常会話を英語で話せるようになりました。
この経験から、手段に拘らず、柔軟に取り組む大切さを学びました。貴社でも、王道の旅行プランに捉われず、日本の魅力を伝えるためにフレキシブルな提案をしていきたいです。
5.ゼミ編
私が困難を乗り越えた経験は、社会学のゼミで課題が見つからず、苦労したことです。ゼミでは自分で課題を見つけ1年かけて調査し、答えを発表する必要がありました。
ほかの学生が高度な課題を見つけるなか、何も見つからない自分を恥ずかしく思いました。そんなとき、無理に難しく考えず、純粋に知りたいことを調べようと考えました。
私は「理系学生と文系学生の恋愛の違い」を課題とし、学生を対象にフィールドワークを実施しました。足を使って聞き取りに回り、500人を越える学生から解答を得られました。
その結果、新規性が高いと評価されてその年のゼミの発表で1位を受賞しました。貴社でも、既存の枠に捉われず柔軟に発想し、新しいサービスの開発に貢献したいです。
6.大学受験編
私が困難を乗り越えた経験は、大学の推薦入試で不合格だったことです。自分は受かると慢心していたため、どうすればよいかわからず途方にくれました。同級生は受験勉強に邁進し、学力の差は開くばかりでした。
どうしてもその大学に入りたかったため、努力して追いつくと決め、同級生より遅れて高校3年の11月から受験勉強をスタートしました。休日は12時間、平日は5時間勉強し、苦手な分野を重点的に解くことに努めました。模試を受けたらその日のうちに解きなおし、間違えた場所の解答プロセスを学ぶことで、苦手分野を克服できました。
結果として、推薦入試で落ちた△△大学に、一般入試で合格できました。貴社でも、他力本願ではなく自分の力を信じ、問題解決のために努力していきたいです。
困難を乗り越えた経験はエントリーシートで聞かれる場合が多いので、エントリーシートの書き方も学んでおきましょう。エントリーシートの基本を「エントリーシートとは?履歴書の違いや基本を押さえて選考を突破しよう」の記事で解説しているので、選考に向けて参考にしてください。
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困難を乗り越えた経験をアピールして内定を獲得したいあなたへ
困難を乗り越えた経験は、就活でもよく聞かれる内容です。困難を乗り越えた経験に対してどのように向き合い、どのように努力してきたかが見られています。
困難を乗り越えた経験を分かりやすく伝えるには、エピソードを探し、当時の状況をわかりやすく伝える必要があります。しかし、どのように伝えるか、どのような経験を選べばいいか悩む人もいるでしょう。
困難を乗り越えた経験のアピールで悩む就活生は、就職エージェントのキャリアチケットに相談してください。専任のアドバイザーがあなたにつき、マンツーマンでどのようにアピールすればよいかをサポートします。
キャリアチケットでは、困難を乗り越えた経験だけではなく、エントリーシートや面接対策のサポートなども実施。1人で就活に取り組むのは大変なので、キャリアチケットと一緒に就活対策を実施しましょう。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。