このページのまとめ
- コンピュータ業界には、「IT」と「ICT」が含まれる
- 国内における情報通信産業の市場は、全産業の中で最大規模
- 日本企業は、デジタル変革での地位の確立を目指す
- 多くの企業がIoTやAIなどの先端技術を用い、業務への適用を目指す
本記事の執筆者
電波新聞社 編集本部
水品 唯(みずしな・ただし)
大学卒業後、電波新聞社入社。地方支局での家電流通や地場企業の取材を担当。02年より東京本 社編集本部で情報通信関連の担当に。IT部門ユーザー紙週刊「データコミュニケーション」編集長を経て、現在は情報通信、電機全般の取材と記事執筆を手掛ける。
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コンピュータ(メーカー)業界とは
コンピュータは与えられた指示に従い電気を使って計算し処理をする電子計算機のことです。かつてはメインフレーム(大型汎用機)やオフコン(オフィスコンピュータ)が中心でしたが、今はサーバーやパソコンが主流になり、スマートフォン(スマホ)などもコンピュータに分類されます。
コンピュータと言ってもハードウエアだけでなく、動かすためのソフトウエア(アプリケーション)や、機器をつなぐネットワークが組み合わさって、さまざまな情報のやり取りが行われています。
したがって「コンピュータ業界」には、情報の収集から伝達までを担う技術の総称としてIT(インフォメーション・テクノロジー)、あるいは通信も含んだICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)も含まれます。
現在、私たちの生活にはIT(ICT)は欠かせない存在になっています。電気やガス、水道をはじめ、鉄道などの社会インフラはIT(ICT)なくしては安全に運用できません。スマホで快適に通話やゲームができるのもITのインフラがあるからです。その意味でもIT(ICT)業界は重要な産業になってきています。
IT業界については「【IT業界徹底解説Part1】IT業界で働くための基礎知識」も参考にしてください。
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コンピュータ(メーカー)業界の現状
出所:総務省 - 平成30年版情報通信白書
国内の情報通信産業の市場規模(名目生産額)は94.4兆円で全産業の9.6%を占め、全産業の中で最大規模になっています。
日本におけるコンピュータ関連企業には日本電気(NEC)や富士通、日立製作所、東芝、三菱電機、パナソニック、シャープ、沖電気工業(OKI)などがあります。通信関連では日本電信電話(NTT)、KDDI、ソフトバンクを中心にな企業が通信サービスを展開しています。
海外ではIBMやヒューレット・パッカード、デル、シスコシステムズ、アップルをはじめとするハードウエアから発展してきた企業のほか、ソフトウエアではマイクロソフトなどが有名です。最近はソフトウェアサービスから発展してきたグーグルやアマゾン・ドット・コム、フェイスブックなども台頭してきています。
ハードウェアからソフトウェア・クラウドコンピューティングの移行と海外企業の台頭
コンピュータのハード機器は年々減少傾向にあり、ソフトウェアやサービス関連が増加する傾向にあります。以前はコンピュータを購入し自社内にシステムを構築する企業が大半でしたが、今はIT(ICT)をインターネット経由で利用する「クラウドコンピューティング」と呼ぶサービスの利用が増えつつあります。
クラウドコンピューティングは情報通信企業がデータセンターにコンピュータシステムを構築し、構築したシステムをサービスとして月額課金で利用できるようにしたものです。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどがサービスで先行しています。
サーバーやパソコン(PC)も、世界市場では海外勢が圧倒的に強いです。 米ヒューレット・パッカードやデル、中国のレノボグループなど、世界展開する海外企業が優位になっています。国内メーカーではNECや富士通、日立などがサーバー関連の製品展開をしているものの、売上高・シェアともに減少しています。
PCに関しても同様で、かつての勢いを失っています。NECと富士通がレノボグループの傘下で生産をしていますし、東芝の「ダイナブック」は鴻海精密工業傘下のシャープが買収しました。国内ではパナソニックがノートPCを販売していますが、海外には展開していません。
消費者向けのサービスの領域も海外企業の牙城となっており、日本企業の多くが海外サービスを利用しています。 最近はグーグル、アマゾン、ファイスブック、アップルの成長企業4社の頭文字をとりGAFA(ガーファ)と呼び注目されています。
IoT技術に活路を見出す
最近はすべてのモノをインターネットで繋ぎセンサーなどの情報を収集し活用するIoT(Internet of Things)の導入も始まってきています。日本の企業はセンサー技術をはじめ、高い技術力と品質を生かした、高信頼なシステム開発にシフトし、複数社での協業なども進めています。
海外勢も含めて横並びになっている領域ですので、大きく期待が持てる領域とみる人が多いです。
日本企業は、IoTなどを含めた最新のデジタル技術を使い新たな価値を見いだしていく「デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)」と呼ぶ領域で地位を確立しようとしています。
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コンピュータ(メーカー)業界の今後
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年にかけて国内需要は堅調に推移するとみられます。
PCに関しては、2020年にマイクロソフトのOS(基本ソフト)「ウィンドウズ7」「ウィンドウズサーバー2008」のサポートが終了することから、マシンの買い替えが本格的に始まっています。PCに関しては企業向けで先行的に最新OS「ウィンドウズ10」への移行が始まっており、今後、家庭向けでも買い替えが進むとみられます。
今、多くの企業が20年以降を見据えた事業の創出を目指しています。そのキーワードがIoTやAI(人工知能)といった先端の技術を業務に適用していく「デジタルトランスフォーメーション」です。
2020年問題も避けて通れません。バブル期に大量採用したバブル世代社員や団塊ジュニア世代の比率が増え、社員の高齢化が進んできます。人材不足を補うため、コンピュータによる自動化や無人化への取り組みも急務になっています。コンピュータ業界も技術者不足が叫ばれています。
コンピュータ関連市場も、デジタルトランスフォーメーションや2020年問題を解決する領域において成長が見込まれています。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。