このページのまとめ
- ベンチャー企業とは、新しいビジネスや革新的な事業を行っている中小企業のこと
- スタートアップはベンチャー企業とは異なり、新ビジネスで急成長している企業を指す
- ベンチャー企業とは経営規模によってシードやアーリーなど、4つの段階に分けられる
- ベンチャー企業の多くは、学歴よりも社員個人の能力を評価する傾向にある
ベンチャー企業に対して、「起業したばかりの若い会社」というような漠然としたイメージはあっても、実際に何をもってベンチャー企業と呼ぶのか疑問に思う方は多いようです。
このコラムでは、ベンチャー企業の定義や関連用語を解説。ベンチャー企業に向いているタイプについても紹介していますので、志望企業を選ぶ際の参考にしてください。
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ベンチャー企業とは
ベンチャー企業には、「この条件を満たした企業はベンチャー企業と呼ぶ」という明確な基準は定められていません。しかし、一般的に「設立から5年程度の比較的若い企業」「新しいビジネスや革新的な事業を行っている企業」「長期成長を目標にするスモールビジネス」をベンチャー企業と解釈することが多いようです。
企業規模でいうと、ベンチャー企業の多くは中小企業に該当します。
ベンチャー企業の4つの分類
ベンチャー企業は、企業規模の大きさや成長段階によって、上から「レイター」「エクスパンション(ミドル)」「アーリー」「シード」の4つの段階に分けられます。この項目では、ベンチャー企業の成長段階についてご紹介しますので、就活の参考にしてください。
・レイター…順調に企業が成長し、さらに経営が安定している段階で、IPO(上場)を目指す企業も出てくる
・エクスパンション…始めた事業やサービスが安定してきた段階で、従業員人数は数十人程度である
・アーリー…事業やサービスの開始直後の段階のことを呼び、従業員数は10人以内であることが1つの目安となる
・シード…創業の前段階の準備状態で、商品やサービスは形になっていない
シードからレイターに上がるにつれて、「新しいビジネスや革新的な事業を行う」といったベンチャーらしさが失われる傾向もあるようです。
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ベンチャー企業と混同しやすい7つの企業と組織
中小企業やスタートアップ、ユニコーン企業など、それぞれの言葉の意味を理解したうえで、企業研究を始めましょう。下記では、ベンチャー企業と混同しやすい企業形態や組織について解説します。
1.中小企業
中小企業とは、企業規模を表す言葉で、中小企業基本法により資本金額や従業員の人数が定められています。たとえば、製造業その他の場合「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は、常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人」が中小企業の定義です。
ベンチャー企業の大半は中小企業に該当する規模なので、中小企業の中でも事業の新しさや会社の成長性といったベンチャー特有の特徴が見られる企業は「ベンチャー企業」に該当するといえるでしょう。
参照元
中小企業庁
「中小企業・小規模企業者の定義」
2.スタートアップ
スタートアップとは、「新しいビジネスモデルで急成長している企業または事業」を指します。明確な基準はありませんが、新規のビジネスで急成長している企業であれば、設立年数や企業規模は関係ないようです。
3.メガベンチャー
メガベンチャーとは、中小企業から大企業へと企業規模が拡大したベンチャー企業のことをいいます。上場していればメガベンチャーとなる訳ではありませんが、上場しているかどうかは1つの目安となるようです。また、メガベンチャーの大半は、インターネット環境の発達に伴い発展したIT関係の企業が占めている傾向がみられます。
4.ジョイントベンチャー
ジョイントベンチャー(合弁会社)とは、複数の企業がお互いに出資し合って設立した新会社のことです。各企業が自社の強みを活かし、足りない部分を補い合いながら会社を運営できるというメリットがあります。
5.ユニコーン企業
ユニコーン企業とは、「設立から10年未満」「企業価値評価額10億ドル以上」「未上場」といった条件を満たしている企業のことを指します。創業年数の経過や上場により上の条件から外れてしまうと、ユニコーン企業とは呼ばれなくなるようです。
日本にもユニコーン企業は存在しますが、その数は少なくアメリカと中国が大半を占めています。
6.社内ベンチャー
社内ベンチャーとは、すでに代表となる事業を持つ企業が、新しい事業を創り出すために社内に新設した事業部を指します。新しい企業を立ち上げるわけではありません。
起業精神やチャレンジ精神の強い社員が、企業のバックアップを受けながら新しい事業をスタートできる点が、社内ベンチャーの大きなメリットだといえるでしょう。
7.ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、未上場のベンチャー企業に対して出資を行う企業をいいます。ベンチャーキャピタルは、成長が期待できるベンチャー企業に対して出資を行い、ベンチャー企業が成長したのち、株式や事業を売却して利益を得ることを目的としているのが一般的です。
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ベンチャー企業で働く5つのメリット
ベンチャー企業には「実力主義」「裁量権が大きい」「トップとの距離が近い」といった、若い中小企業ならではのメリットがあります。この項目では、ベンチャー企業で働くメリットをご紹介します。
1.経歴に関わらず能力で評価される
ベンチャー企業は、学歴よりも仕事の結果や社員の能力が評価される傾向にあります。ベンチャー企業は会社自体が若い傾向にあるため、年功序列や学閥といった概念を持たないことが多いようです。そのため、努力と能力次第で若いうちから昇進できる可能性もあるでしょう。
2.スキルや経験を身につけるチャンスが多い
ベンチャー企業は、少人数の従業員で事業を行っている企業が多いため、個人の裁量権が大きく自分の実力を試すチャンスが豊富にある傾向があります。自発的に動いてチャンスを掴めば、早い段階でスキルアップが望めるようです。
3.会社の成長が実感できる
ベンチャー企業は大手企業と比べて伸びしろが大きく、会社の変化や成長が肌で感じられるでしょう。売上高の伸び率や社員数の増加、待遇面の充実、新規事業・新規部門の立ち上げなど、いたるところで会社の成長が感じられるようです。
4.似た価値観を持つ人と一緒に働ける
ベンチャー企業を就職先に選ぶ人は、その会社の企業理念に共感した人や、成長意欲の強い人が多いようです。目的意識や価値観が同じ人たちと一緒に働けるため、仕事に対するモチベーションが保ちやすいでしょう。
5.経営者と近い距離で働ける
社員数が少ないベンチャー企業は、大企業と比べて社長や重役と接する機会が多いようです。企業によって異なりますが、入社から早い段階で一緒に仕事をしたり意見交換をしたりすることも。「経営者目線の意見が聞けるので勉強になる」「組織の一員であることを意識しながら働ける」というメリットもあるでしょう。
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ベンチャー企業で働く3つのデメリット
働くうえで多くのメリットを持つベンチャー企業ですが、成長途中であるがゆえのデメリットもあります。特に、経営基盤の不安定さを懸念材料だと感じる人が多いようです。この項目では、ベンチャー企業のデメリットをご紹介します。
1.経営基盤が不安定な企業も多い
ベンチャー企業の大半は成長途中の段階にあるため、経営基盤が不安定だといえます。大企業だから安心、と一概にいえるわけではありませんが、大手企業と比べて倒産のリスクが高いことを念頭に入れて就職先を選びましょう。
2.給料や福利厚生が整っていない
ベンチャー企業の多くが若い企業であるため、給与形態や福利厚生の整備が追いついていないという点もデメリットとなるでしょう。大手企業と比べて資産面で余裕がないため、給与やボーナスが十分でない企業や、退職金制度が整っていない企業もあるようです。しかしながら、近年では優秀な人材を確保するために、福利厚生制度の充実を図るベンチャー企業も増えてきています。
3.ハードワークの傾向がある
創立間もないベンチャー企業は従業員数が少ないため、1人で分担する業務の量も多くなってしまう傾向があるようです。その結果、ベンチャー企業の仕事は激務だと言われることが多いのでしょう。
また、従業員数が限られているベンチャー企業では、大企業のように研修制度が整っていないことも多く、自分自身でスキルを磨く努力をすることも重要だといえます。
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ベンチャー企業に向いている4つのタイプ
次に、どのような人がベンチャー企業で働くのに向いているのか、4つタイプに分けてご紹介します。しっかりと自己分析を行い、自分が長く働ける安定した大手企業で働きたいのか、それとも変化や挑戦に富んだベンチャー企業で働きたいのかを把握しましょう。
1.変化を楽しめる人
創立間もないベンチャー企業では、大手企業のように業務がシステム化されていない場合が多く、ちょっとしたトラブルで業務に大きな変化が起きることもあるでしょう。そのため、ベンチャー企業に向いている素質として、その変化に柔軟に対応できる人、そしてその変化を楽しみと捉えられるといった性格が挙げられます。
2.自分で仕事を作り出せる人
日々新しいビジネスに挑戦しているベンチャー企業に必要とされているのは、新しいものを生み出そうとする自主性やクリエイティブな発想です。常に新しいモノやコトを取り入れながら、自発的にサービスが創造できる人には、ベンチャー企業は適職だといえます。
また、個人の考えや発言を積極的に採用する社風の企業が多いことから、自分で発案して仕事を作り出せる人材は重宝されるようです。
3.挑戦意欲がある人
「自分が会社を成長させる」「新しい価値を作り出す」など、何事に対しても挑戦意欲が高い人は、ベンチャー企業から求められる人材だといえるでしょう。多くのベンチャー企業では、新規の事業を立ち上げる業務をしています。そのため、業務内容が決まっている業種より、未経験の仕事や重要なポジションにも積極的にチャレンジしたいという人には適職だといえるでしょう。
4.企業・独立プランがある人
「ベンチャー企業で得たスキルをもとに、起業や独立をしたい」と考えている方にも向いています。年齢や経験関係なく新しい仕事に挑戦できるベンチャー企業の風土は、企業や独立に必要なスキルを養う環境として適しているでしょう。また、企業のトップと近い距離で働けるので、経営に関する知識が習得しやすいという利点もあります。
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優良ベンチャーを探す4つのポイント
この項目では、就職先としてベンチャー企業を探すときの目安を紹介しています。ベンチャー企業への就職を考えている方は、優良企業を見極める際の参考にしてください。
1.優良なベンチャーキャピタルから投資を受けている
上記でも説明しましたが、ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業に投資を行う投資ファンドのことを指します。投資会社は収益が見込めない企業には投資を行わないため、そこから投資されているということは、将来性があると判断して良いでしょう。
2.事業所移転歴を調べる
起業から現在までの事業所の移転歴もポイントです。より広い事業所や一等地に移転している場合は、「事業が順調に成長したために社員が増え、広いオフィスが必要になった」「取引先が増え、交通の便が良い場所に移転する必要があった」といったプラスの要因があると考えられます。逆に、広い事業所から狭い事業所に移転している場合は業績が下向きになっている可能性が高いでしょう。
3.ビジネスモデルに成長が期待できる
その企業のビジネスモデルや企業戦略を見ることも重要です。掲げているビジネスモデルが長期に渡って利益を出し続けられるか、または、短期間の利益しか期待できないものか見極める必要があります。また、優れた技術や経営に表彰される、小企業庁や経済産業省からの受賞歴を調べることで、企業の特徴を把握できるでしょう。
4.社長の経営方針に共感できる
社長の経営方針に共感できるか確認することも重要です。SNSを利用し社長が広告塔となっているベンチャー企業は増えてきました。仕事をするうえで尊敬できるか、今後どのような事業を展開していこうとしているのかしっかりチェックしておきましょう。
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