このページのまとめ
- 国家公務員は法律で、地方公務員は条例でボーナス支給が定められている
- 国家公務員のボーナス平均額は約65万円で、民間企業の水準に合わせて増減する
- ボーナスは正式名称を「期末勤勉手当」といい、在職期間に対して支給される期末手当と、一般企業の評価に当たる勤勉手当を合わせたもの
- 夏は6月30日、冬は12月10日と支給日も定められており、振込日が土日の場合は前営業日に繰り上がる
- 地方公務員の場合は所属する地域によってボーナス額に大きな差が出ることもある
働く方の多くが楽しみにしており、公務員にも支給されるボーナス。
一般企業では勤続年数や業務成績などを加味して支給額が決定されるケースが多いようですが、公務員はどのようにしてボーナス額を決定しているのでしょうか。
また、公務員の中でも国家公務員と地方公務員で違いはあるのか、一般企業と比べて多いのか少ないのか気になる…という方も多いと思います。
そこで、当コラムでは国家公務員のボーナスに焦点を当てて解説。
具体的な支給日やボーナス額の算出方法などを知りたい方は参考にしてください。
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国家公務員の平均ボーナスはいくら?
通常の給与に加え、特別手当として導入している企業も多いボーナス。
公務員に対しても導入されていますが、国家公務員は法律で、地方公務員は条例でボーナスの支給が定められています。
民間企業の多くは、業績によって支給回数や支給額が変動したり、ボーナスそのものがカットされたりする可能性がありますが、公務員に関しては金額の変動はあるものの、支給回数の変化やボーナスカットは考えにくいでしょう。
また、気になる公務員のボーナス額ですが、国家公務員の平均ボーナスは60万強と言われています。
2018年夏ボーナスの平均はおよそ65万円で、ここ数年の支給額は増加傾向。
これは、公務員のボーナス額は民間のボーナス支給実績を基に決められていることが影響しています。
公務員の報酬は、業務の種類や役職、学歴、年齢といった条件が同じ民間企業の給与額と比較し、それらに合わせるよう給与水準や諸手当などを決めるという方法。
民間企業のボーナス額が上がれば公務員のボーナス額も上がり、民間企業のボーナス額が下がればそれに合わせて下がる仕組みとなっており、近年は業績が好調の企業が目立ったことから、公務員のボーナス額もアップしたと考えられます。
しかし、一般企業のボーナス平均額は55万円程度と言われており、公務員のほうが平均額は高め。
理由としては、一般企業の中でも企業規模や企業の方針などによってボーナス額に大きな差があることが考えられます。
「公務員は倒産がないから安定」などとよく言われますが、ボーナスに関しても業績の影響を受けないので、民間企業に比べて安定していると言えるでしょう。
公務員のボーナスについては「公務員のボーナスはいくら?計算方法もご紹介!」も参考にしてください。
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国家公務員のボーナス計算式
前項で公務員のボーナスは民間企業の水準に合わせている、と説明しましたが、公務員全員が同じ金額を支給されるとは限りません。
家族構成や職種によって異なりますが、具体的な計算式が存在しているので大まかな金額を導き出すことは可能。
どのような計算方法なのでしょうか。
公務員のボーナスの基本構造は、在職期間に対して支給される「期末手当」と、民間企業の評価にあたる「勤勉手当」で構成されています。
期末手当の計算方法は「(基本給+扶養手当+地域手当)×期別支給割合×在職期間割合」。
地域手当は、主に民間企業の給与水準が高い地域に勤務する職員に対して支給されるもので、東京23区や大阪市、横浜市といった都市部が主な対象地域です。
ほかに、専門スタッフ職調整手当や役職段階別加算額、管理職加算額が含まれますが、これらは該当職員のみに加算されるので例外と捉えて良いでしょう。
一方、勤勉手当は「(給料+専門スタッフ職調整手当+扶養手当+地域手当+役職段階別加算額+管理職加算額)×期間率×成績率」で求めることができます。
期間率とは在籍している期間に対する評価で、15日未満の5%から半年以上の100%まで、細かく設定されているもの。
成績率は対象期間に勤務した成績に応じた評価で、「良好でない」の87%未満から「極めて良好」の110%~180%まで4段階に分かれており、支給基準日以前の6ヶ月以内に停職や減給といった懲戒処分、訓戒や訓告などの服務上の措置を受けた場合は成績率が引き下げられることもあります。
また、派遣職員、何らかの理由で休職している方、産休や育休を取得している方、規定日数を超えて休んでいる方は勤勉手当の支給対象外。
さらに、規定によって給与を減額された期間に対しても、支給の対象とはなりません。
「期末手当」と「勤勉手当」、2つの計算結果を足したものが公務員のボーナスとなり、正式名称の「期末勤勉手当」として支給されます。
上記の計算以外にも、簡単にボーナス額を算出する方法として「(給料+扶養手当+地域手当)×支給月数」を使用することも可能です。
ボーナスの支給日については「民間企業と何が違う?公務員のボーナス支給日&支給額」も参考にしてください。
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公務員のボーナス支給日
法律や条例で支給が定められている公務員のボーナスですが、具体的な支給日についても定められています。
国家公務員の場合、夏のボーナスは「6月30日」、冬のボーナスは「12月10日」が基本。
地方公務員もこれに準じているため、ほぼ同じ時期に支給するケースがほとんどです。
ボーナスは、支給日に対象者指定の金融機関に振り込まれますが、支給となる日が土日など金融機関の定休日だった場合はどうなるのでしょうか。
支給日に金融機関が営業を行っていない場合は、繰り上げで支給するのが基本。
例えば、6月30日が土曜日だったら、夏のボーナスの支給日は1日繰り上がって6月29日の金曜日になります。
6月30日が日曜日の場合も、前営業日の支給となるので振り込まれるのは28日の金曜日です。
一方、民間企業のボーナス支給日は明確に定められていることは少なく、夏は6月下旬~7月上旬、冬は12月上旬というのが一般的。
企業によって支給日は異なりますが、概ね公務員の支給日に合わせるケースが多いようです。
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地方公務員だとボーナスに差が出る?
これまで、国家公務員のボーナスに焦点を当てて解説してきましたが、同じ公務員でも国家公務員と地方公務員では額に差が出ることが多いようです。
地方公務員は国家公務員とは違い、都道府県や市区町村など所属先がさまざま。
所属先によってボーナスの計算方法や時期が異なるため、支給額に差が出ると考えられます。
例えば、都道府県でいうとボーナス額が高い代表とされているのが東京都で、2016年の実績では約176万円。
逆にボーナス額が低いのが沖縄県で、同年実績は約143万円です。
指定都市では、高い水準とされているのが横浜市の約185万円、低いのが札幌市の約144万円で、市区町村では東京都目黒区が約158万円なのに対し、東京都青ヶ島村の約82万円が最も低い額となっています(札幌市は2018年、青ヶ島村は2017年実績)。
住民の数や税収などによって、同じ地方公務員であっても勤務する地域によって大幅に差が出るケースが多いと言えるでしょう。
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参照元
東京都
都職員の給与の概要
沖縄県
沖縄県職員の給与状況
横浜市
横浜市の給与・定員管理等について
札幌市
職員の給与に関する報告及び勧告
目黒区
目黒区の給与・定員管理等について
青ヶ島村
青ヶ島村の給与・定員管理等の状況
地方公務員のボーナスについては「地方公務員のボーナス事情」も参考にしてください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。