私は毎年、有名大手企業約30社、合計10万通くらいのエントリーシートを審査しています。その中で、企業の方から「こういったエントリーシートは即刻落としてください」と言われることがあります。企業の方が気にするポイントは実にさまざま。
そして一方で、就活生の中でも書いても書いても落ちてしまう、エントリーシートで悩む就活生は結構多くいます。
この記事では、どんなエントリーシートだと落ちてしまうのか、3つの視点からダメな例とその解決策を提示します。これから紹介するNGポイントを避ければ良いだけので、通過できるエントリーシートの書き方が身につくはずです。
高田 晃一(たかだ・こういち)
就職活動コンサルタント。これまで22,000名以上の就活生の内定獲得を支援。また、採用活動コンサルタントとして、日本全国さまざまな規模の企業の新卒採用活動の支援も行っている。著書に『2万2000人超を導いた就活コンサルタントが教える これだけ!内定』(あさ出版)、『188社落ちても内定とれた!大逆転の就活攻略法』(同文舘出版)。
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ダメなESの特徴①:即刻落ちる単語を使っている
意外に知られていないのですが、実は「書いた時点で即刻落ちる単語」というものがあります。エントリーシートには手書きのものとWebフォームに記入するものがあります。ここで取り上げるのは、Web上で記入するタイプです。
Webで記入し提出する場合、コンピューターで処理されますので、ここで企業側は、NGワードとして設定した単語を使ったエントリーシートを、システム上でふるい落とすことができます。
使っただけで落とされてしまう単語は、以下の通りです。
・コミュニケーション
・責任
・成功
・チームワーク
・協調
・行動
・成長
・公序良俗に反する言葉
なぜ、これらの単語を使うと即刻落とされるのでしょうか?
理由は2つあります。
1点目は、みんなが使っていて、総じて内容がつまらないため。
2点目は学生側と企業側とで言葉の定義が全く違うためです。
2点目について、詳しく述べます。
例えば「コミュニケーション」。
これは学生側と企業側とでコミュニケーションをとる相手の年齢幅が全く違います。学生は学部1~4年生程度、つまり同世代に対してのコミュニケーションであるのに対して、社会人が相手にする人は上から下まで年齢に幅があります。
ここで大きな乖離が生まれ、企業は「大したことないじゃん」と即刻落とします。こういったエントリーシートがたくさんあるのです。たくさんありすぎて、企業は「もう見たくない」とコンピュータの時点で即刻落とします。
それではどうすればこの問題は解決するのでしょうか? 簡単です。
上に書かれている単語を使わずに、同じ意味の単語に言い換えればいいのです。
私は学生に、類語辞典や国語辞典を使うことを提案しています。
類語辞典や国語辞典を駆使すれば、「コミュニケーション」を言い換えて表現することができますよね。
さらに、辞典を引くことで自分の意に沿ったもっとふさわしい言葉に出会えることもあります。よって、エントリーシートを書くときに、ここで挙げた単語に気をつけながら辞典を駆使することで、選考の通過率は格段に上がるはずです。
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ダメなESの特徴②:一文が長い
エントリーシートにおいて、一文あたりの文字数は、短いほど通過しやすいのです。実は企業の方が総じて学生の皆さまの書く文を嫌っています。それはなぜか?
一文あたりの文字数が長すぎるためです。
例えば、下の文。
「…それからは責任のある立場をポジティブに捉え、大きな壁であればあるほど、その先の明るい未来を想像すると何事もワクワクし、そのための努力を楽しめるようになり、この「何事も楽しむ」という言葉は、自分を前向きに明るい未来に導いてくれるだけでなく、周りにも楽しい気持ちが伝染し、幸せにする魔法の言葉であると確信しているので、私は「何事も楽しむ」という言葉を一番大切にしています」
1文が約180文字です。長すぎます。
長すぎるがゆえに結局、何が言いたいのかがわからない文になっています。なぜこんなにもよくわからない文になってしまっているのでしょうか?
理由は1つ。接続助詞の使いすぎです。
エントリーシートでは極力、接続助詞を使うのを止めましょう。
使いそうになったら、句点を打って、また別の文にしましょう。そうすると、以下のように書き直せます。
「…それからは責任のある立場をポジティブに捉えています。大きな壁であればあるほど、その先の明るい未来を想像すると何事もワクワクし、そのための努力を楽しめるようになります。この「何事も楽しむ」という言葉は、自分を前向きに明るい未来に導いてくれます。さらには、周りにも楽しい気持ちが伝染し、幸せにする魔法の言葉であると確信しています。よって私は「何事も楽しむ」という言葉を一番大切にしています」
圧倒的に読みやすくなりましたね。
読みやすくなれば、選考に通過しやすくなります。
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ダメなESの特徴③:内容がまとまっていない
就活支援の仕事をしている方の中で、「自己PRとガクチカと志望動機は、それぞれ違ったエピソードで書きなさい」と言っている方がいます。これはやめるべきです。どうしてか?
それぞれ違ったエピソードを企業の方が読みますと、「この人は何が言いたいんだ? 全くまとまっていない」と落とすことが非常に多いのです。
エントリーシートは1通で1つの作品です。作品には一貫性をもたせないといけません。よって、1通のエントリーシートで述べるエピソードはひとつでよいのです。
例えばあなたがアルバイトでアピールしたいのであれば、自己PRもガクチカも志望動機もアルバイトのエピソードで書きます。
それぞれの質問の主旨が異なるため、同じアルバイトのエピソードでも、視点も表現も変わってきますね。
その多様な視点を企業は特に見たい(高く評価してみたいポイント)のです。
ですので、エントリーシートは基本的にアルバイトや部活動といった何かひとつのエピソードを決めて、それだけを出題文に合わせて書けば大丈夫です。そうすることで、エントリーシート全体の内容がまとまりますよ。
以上、審査官の経験から、就活生が書きがちなエントリーシートのNGポイントと改善策を3点提示しました。
ぜひ、自分の今までのエントリーシートを見直してみてください。そして、通過しやすいエントリーシートの書き方を習得・実践し、選考をあっさりとクリアしましょう。
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