このページのまとめ
- 内々定承諾書を送る時は添え状も送るのがベター
- 内々定承諾書の添え状には日付・宛名・差出人など決まったフォーマットがある
- 内々定承諾書を送る前に、その企業に本当に入社したいのか考えよう
「内々定をもらった企業から書類が来たけど、どうすればいいの?」
「内々定をもらったんだけど、内定とは何が違うの?」
苦労を積み重ねて就活に臨み、やっと内々定や内定を獲得しても、就活はそこでは終わりません。企業から届く内々定承諾書などの対応をしていくことが必要です。
この記事では、企業から送られてきた内々定承諾書を送り返す時に使う添え状について、必要性やフォーマットなどを紹介します。
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内定と内々定の違い
「内定」とは、会社から採用通知がきた際、学生が「内定承諾書」あるいは「入社誓約書」を返送して労働契約を結んだ状態のことを指します。
内定と似ている言葉に「内々定」がありますが、こちらは「○月に内定を出します」という口約束のようなもので、法的な拘束力はありません。内々定の場合は労働契約を結ぶわけではないので、基本的には企業と学生のどちらも自由に取り消したり辞退したりすることが可能です。
ただし、企業側が正当な理由なく内々定を取り消すことは少ないほか、学生が辞退する際はマナーを守って早めに連絡することが大切だということを覚えておきましょう。
内々定を出す企業側は、「○月に内定を出します」という連絡を学生にした後、改めてその月に採用通知を出すことになります。
内定が出た段階で「内定承諾書」などの書類をやりとりすることが多いですが、企業によっては内々定の時点で「内々定承諾書」の提出を求めてくるケースがあります。いずれにしても企業側との公的なやりとりであるため、添え状などのビジネスマナーを守って返送するようにすればイメージアップにつながるかもしれません。
内定と内々定は出るタイミングも異なります。2つの違いをより詳しく知りたい方は「就職には内定が必要!内々定との違いや通知のタイミングは?」を参考にしてください。
内々定承諾書とは?内定通知書や採用通知書との違い
内々定承諾書とは、企業からもらった内々定を受け入れ、入社の意思を固めたことを示す書類のことです。
「内定通知書」や「採用通知書」は、内々定よりもさらに後に送られてくる書類で、一般的には内々定よりも強い入社意思を示す書類です。
内々定承諾書や内定承諾書は企業から送られてきます。その際には、労働条件が書かれた「労働契約書(雇用契約書)」あるいは「労働条件通知書」などが同封されているのが一般的です。
業務内容や労働時間、賃金などが書かれているため、しっかり確認した上で内々定承諾書や内定承諾書を返送してください。
内々定承諾書を企業に送った場合、会社側は内定や入社に向けた準備を進めることになります。
内々定承諾書の場合は、正式な内定や入社までに時間があるとはいえ、提出後に「やっぱり辞退する」となると企業に迷惑をかけてしまうので、内々定承諾書を複数の会社に送ることはせず、入社を決めた企業のみに送るようにしましょう。
内々定の段階では、他社の選考が続いているなどの理由で回答を保留できる場合があります。詳しく知りたい方は「内定を保留したいときは企業にどう伝える?適切な対応方法や例文をご紹介」を参考にしてください。
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内々定承諾書を送るまでの流れ
内々定の承諾は、内定や入社前の重要な手続きの一つです。ここでは、内々定承諾書やその他必要な書類が届いた後の流れについて詳細に解説します。
内々定承諾書やその他書類が届く
内々定が出ると、はじめに企業から内々定承諾書やその他の書類が届く可能性があります。郵送なのかメールなのか、書類の送付方法は企業によって異なります。
書類の送付方法や内々定・内定の連絡については募集要項に書かれているケースが多いため、不安な方は事前に確認しておくと良いでしょう。
内々定や内定が出ても、なかなか承諾書などの書類が届かないこともあります。書類が届かない場合の対処については「内定通知書が来ない!届くまでの流れを解説」を参考にしてください。
承諾書や書類の中身を確認する
内々定承諾書やその他の書類が届いたら、その中身をよく確認する必要があります。
特に注意しておきたいのが、以下の情報です。
・提出後から入社までの流れ
・承諾書の法的拘束力について(辞退できるのかどうか)
・業務内容や労働時間などの労働条件
これらの情報は内々定承諾後のスケジュール管理に関わってくる重要な情報であるため、入念に確認しておきましょう。
期日までに添え状と一緒に送付する
内々定を受け入れる意思を固めたら、期日までに添え状と一緒に送付しましょう。
文書を送る際の添え状は、ビジネスの場面だと一般的です。内々定承諾書を送る段階から、社会の一員になるという自覚を持って、ビジネスマナーを守るようにしましょう。
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内々定承諾書は添え状と一緒に送る
内々定承諾書を企業に返送する際は、添え状を同封するのがマナーです。
添え状とは送付した封筒の中身を知らせるための挨拶状のことで、「送付状」や「送り状」、「カバーレター」とも呼ばれます。添え状には下記の項目を記載し、提出書類と一緒に送りましょう。
・宛名
・差出人
・タイトル
・本文
・記書き
添え状は、手書きとパソコンのどちらで作成しても構いません。
手書きの場合、丁寧さをアピールできるメリットがありますが、ミスをした際は書き直す必要があります。
パソコンで作成する場合には、書き損じの心配がない、文書作成スキルのアピールになるといったメリットがある一方、相手に冷たい印象を与えてしまう可能性もあります。状況に応じてどちらにするか決めてください。
書類を封筒に入れて送る場合、「◯◯在中」と記す場合があります。詳しくは「封筒に在中と記す理由とは?記載することの目的や書き方をご紹介」を参考にしてください。
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内々定承諾書の添え状の書き方
ここでは添え状に記載する項目について、それぞれ書き方のポイントをご紹介します。
日付
用紙の右上に、文書を作成し、提出する日付(年月日)を記載します。
年号は和暦と西暦のいずれでも構いません。ただし、提出する書類が複数ある場合、すべての提出書類でどちらか一方に統一してください。
2024年4月1日
宛名
用紙の左上に正式名称で会社名を記載し、改行して部署名や担当者名を書きます。
敬称は、部署などの団体名義宛なら「御中」、個人宛なら「様」を使うということを覚えておきましょう。
株式会社○○
人事部 採用ご担当者様
なお、ワードなどで添え状を作成する場合、右上に記入する日付が一番最上部で、宛名は次の行に来るのが一般的です。
差出人
自分が所属する大学・学部・学科を書き、氏名、電話番号、メールアドレスをそれぞれ改行して記載します。
相手に失礼にならないよう、宛先よりも下の行に記入するよう注意しましょう。
○○大学□□学部△△学科
就活太郎
電話番号:○○○-✕✕✕✕-△△△△
メールアドレス:○○○@✕✕✕.jp
タイトル
件名は用紙の中央に記載します。「内定承諾書送付の件」「内定承諾書送付につきまして」など、送付書類の内容が一目で分かるタイトルにしてください。
内定承諾書送付の件
本文
添え状の本文には「頭語」「時候の挨拶」「結語」を入れます。
頭語は冒頭の挨拶、結語は締めの言葉にあたるものです。本文を「拝啓」ではじめたら「敬具」で締めるというように、頭語と結語はセットで用いるのが基本です。
時候の挨拶は、4月なら「春暖の候」、5月なら「新緑の候」など月ごとにありますが、一年中使える「時下」にしても問題ありません。
〈記載例〉
拝啓
時下、ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、内定の通知をいただきまして誠にありがとうございました。つきましては、内定承諾書を送付いたしますのでご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記書き
本文の結語から1行空け、中央に「記」を記載します。その下の行に同封書類の名称と枚数を書き、右下に「以上」と記してください。
記
内定承諾書 1部
以上
記書きで「以上」と書いたら、それ以降は何も記載しないようにしましょう。
添え状以外にも、就活では手紙を書くべきシーンが多々あります。手紙を書く時のビジネスマナーについて詳しく知りたい方は「就活での手紙はビジネスマナーに沿った書き方が大切」を参考にしてください。
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内々定承諾書を入れる封筒選びと書類の入れ方
添え状が完成したら、内々定承諾書と一緒に封筒に入れます。
内々定承諾書を送る際は、A4サイズの書類が入る角形2号の白封筒を用意しましょう。内々定承諾書を折ったり茶封筒を使ったりすることはビジネスシーンにふさわしくないので、角形2号の白封筒を持っていない人は文具店などで購入してください。
なお、添え状や内定承諾書は、雨で濡れたり汚れたりすることがないようにクリアファイルに入れて送ります。
書類を入れる順番は、上から添え状、内定承諾書、そのほかの書類となるようにしてください。
書類を返送する際の宛名の書き方について、あやふやな理解のままではありませんか。きちんとマナーを守って送れるように「宛や御中の意味は?正しい使い方を知っておこう」を参考にしてください。
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内々定承諾書を送る際の注意点
内々定承諾書を送る際には、いくつか注意点があります。トラブルを避けるためにも、特に重要な3つのポイントを紹介します。
辞退に関する条件を確認する
内々定を承諾した後に、辞退に関する条件がある場合はよく確認しておきましょう。
特に、「内々定を承諾した後は辞退することはできない」といった取り決めがある場合は要注意です。
法的な拘束力のある「内定」とは異なり、内々定には法的拘束力はありません。そのため、就活生側が内々定を辞退することは全く問題ありません。
ただし、「辞退することができない」という条件がある場合、その条件を盾にした「オワハラ(就活終われハラスメント)」や、過剰な辞退引き止めにつながる可能性もあります。
絶対に入社したい企業ならそれでも問題ありませんが、あくまでも「つなぎ」としての企業や、これからも就活を続ける予定の場合、そのような条件が内々定承諾につけられていないか確認しておくほうがよいでしょう。
本当に入社したいか考える
内々定承諾書を送る前に、本当に入社したいのかを考えるようにしましょう。
法的な拘束力がある内定とは異なり、内々定には法的拘束力はありません。そのため、複数の内々定が出ている場合、多数の内々定を一律に承諾するというのも一つの方法ではあります。
ただし、内々定というものは、そもそも企業が内定よりも早いタイミングで就活生を確保するために用いる手段です。この制度を通じて、就活生が内々定を受け入れると、企業は就活生の入社に向けた準備を進めることになります。
内々定を承諾した後に辞退することは、少なからず企業に迷惑を掛けることになるのです。「自分には関係ない」と考えればそこまでですが、いたずらにトラブルを招かないよう、企業の立場を理解し、内々定の承諾を慎重に決めるか考えましょう。
期日までに返送する
内々定承諾書を返送する場合は、必ず期日までに返送しましょう。
内々定は内定よりも法的拘束力が弱く、企業側から内々定を破棄される可能性がゼロとはいえません。そのため、期日までに書類を提出しないなど、自分の評価を下げるような行動は極力慎むべきです。
内々定承諾書やその他書類が届いた時点で、いつまでに返送しなければいけないのかをしっかりと確認しておきましょう。
内定以外にも、すでに予定が入っている選考や面接を辞退したい場合もあるでしょう。その時の対応を知りたい方は「「辞退させていただきます」はOK?面接キャンセルの伝え方」を参考にしてください。
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内々定承諾書を提出したけれど辞退したい時の注意点
内々定承諾書を提出した後に辞退する場合、気をつけなければいけない点もあります。
内々定の辞退は法的にはまったく問題ないものの、企業側の採用担当者には負担や迷惑の掛かる行動です。そのため、内々定を辞退する際には、なるべく早い段階で、丁寧に連絡するようにしましょう。
内々定を辞退する場合は、電話で採用担当者に連絡をとるのが一般的です。辞退する必要が生じてからすぐに連絡を入れ、事情や内々定をもらったお礼を伝えましょう。
法的に問題ないことを盾に失礼な態度をとることは避けるべきです。オワハラなど余計なトラブルを招きかねない上、採用計画に大きなダメージを与えるような事態になった場合は損害賠償請求など裁判沙汰になる可能性も否定できません。
「自分はこの企業と関係ない」と開き直るのではなく、一人の社会人として誠実な態度で内々定を辞退するようにしましょう。
内々定や内定は辞退はできますが、辞退にもルールやマナーがあります。詳しく知りたい方は「内定辞退はいつまでできる?新卒向けに法的ルールや伝え方のマナーを解説」を参考にしてください。
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内々定承諾書の添え状の書き方が分からない人へ
内々定を承諾した後にも就活を続けるつもりの人もいるでしょう。
まだまだ就活を続ける場合には、添え状などの就活の細かいルールやマナーに気を使わねければいけないことはストレスになります。細かいことを気にせず、ESや面接などの主要な対策に集中したい人は、「キャリアチケット」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。