このページのまとめ
- 業界は「製造業(メーカー)」「卸売業(流通)」「小売業(販売)」に大別される
- 国内のアパレル総小売市場は2014年をピークに縮小傾向が続いている
- EC市場が大幅に成長していることもあり、多くのブランドがオンラインへ注力
- 今後はライフスタイルも含む「スタイル」をいかに提案できるかが、各ブランドの差別化のポイントに
本記事の執筆者
高田 空人衣(たかだ・くにえ)
日本を代表するパーソナルスタイリスト。“パーソナルスタイリング”を日本で一般化させ、カンヌ国際映画祭監督賞作品『パーソナルショッパー』PRに就任。ファッションのスペシャリストとして、TBS『サタデープラス』日本テレビ『ズームイン!!サタデー』他NHK、テレビ東京など多くの人気TV番組に出演・番組監修を行う。大手企業広告のスタイリング実績として『ハリウッド化粧品』『JR東日本』他多数。小学館、学研、ぴあ、Yahoo!などが運営する有名媒体や、マルイ他ファッション系公式サイトにて、執筆家としても活躍。数多く連載を担当している。
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アパレル業界とは?
華やかな印象のあるアパレル業界。ファッションが好きな人にとっては憧れの業界かもしれません。近年、ファストファッションブランドの台頭やWeb通販サイトの流行など、時代の流れとともに目まぐるしく変化し続ける業界でもあります。今回はそんなアパレル業界についてご紹介します。自分の価値観とあった企業に出会える!25卒のスカウト登録はこちら
アパレルの業態
アパレル業界には大きく分けて製造業(メーカー)、卸売業(流通)、小売業(販売)があります。ただし、はっきりと分かれているわけではなく、流通・販売を手がける製造業もあれば、企画・製造を行う小売企業もあります。取り扱う商品やターゲットによって、アパレル系の業態にはさまざまな種類があります。
海外ブランド系
・高級ブランド・時計や宝飾ブランド
海外ファストファッション系
・アメリカ系企業・ヨーロッパ系企業
国内ブランド・企業
・百貨店・SPA
・駅ビル、ショッピングセンター
・セレクトショップ
・下着ランジェリー、靴下
・カジュアル、ジーンズ
・バッグ
・ベビー、子供服
・紳士チェーン
・シャツ専門
・Web通販
・カタログ通販
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アパレル業界における収益の考え方
アパレル業界における収益発生の仕組みは、業態やブランドによってさまざまですが、販売チャネル(※)によって以下のように大別できます。※販売チャネルとは、商品やサービスを販売する経路・方法のこと
店舗への出店
百貨店トやショッピングモールなどの実店舗に出店する場合、その収益の発生の仕方はブランドによって異なります。たとえば海外ブランドとライセンス契約を結んで国内販売する場合、そのブランドとの契約料が発生するため、実際の売上より契約料および必要経費を除いた残りが収益となります。オンラインモールへの出店
楽天やZOZOTOWNなどのオンラインモールへ出店する場合、手数料が発生します。この手数料は商品販売時に発生し、売上の3割程度であることが一般的です。手数料を売上より除いた残りが粗利となります。SPA
SPA(スペシャリティストア・リテーラー・オブ・プライベートレーベル・アパレル)とは、アパレル業における製造小売業のこと。かつては、商社・アパレルメーカー・販売店が分担していた「商品企画・生産・販売」業務のすべてを、自社で行う業態です。手数料や流通コストを削減できるのがメリットで、国内ではファーストリテイリング、無印良品などに代表されます。自分の価値観とあった企業に出会える!25卒のスカウト登録はこちら
アパレル業界の現状
業界は縮小傾傾向。商慣習に課題あり2016 年の国内アパレル総小売市場は小売金額ベースで9 兆 2,202 億円と前年比 98.5%と、2014年をピークに縮小傾向が続いています。
出所:株式会社矢野経済研究所 - 国内アパレル市場に関する調査を実施(2017年)図 1. 国内アパレル総小売市場規模推移(品目別)
アパレル業界は、書面なし・言い値での契約などの古い商慣習や過剰な在庫を生みやすい委託販売形式など、コストとなる部分がいまだに多い現状もあります。そのため、国内市場においてはこれらの商慣習や流通経路を見直し、時代に合った効率的な戦略へとシフトしていく必要があるでしょう。
SPAは流通のコスト削減を行いやすいことに加えて、現場の声や最新のトレンドを迅速に商品企画に反映できるなどのメリットがあります。 そのため、国内の代表的なSPAであるファーストリテイリングは国内・海外ともに拡大を続けています。
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国内向けアパレル市場は衰退の兆し、海外市場・EC市場に活路
少子高齢化・人口減少を背景に、今後の国内アパレル市場は衰退傾向が予測されます。一方で、国内上位を占めるファーストリテイリングやしまむらなどは順調に海外展開を進め、その規模を拡大させており海外市場への活路があります。また国内アパレルにおけるECサイト市場は大幅に成長し続けています。ZOZOTOWNをはじめとする多くのファッションECモールの拡大や、多くのブランドがオンラインへ注力しはじめるなど、国内EC市場は成長が続くとみられます。
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おしゃれさ・安さにとどまらない「ライフスタイルの提案」を
国内外のブランドを問わず、ファストファッションがひろく浸透した現在、旬のトレンドの服を低価格で購入できる状況がすでに整っているため、「安さ」や「オシャレさ」だけでは差別化が厳しくなりつつあります。そのため今後は、ライフスタイルも含む「スタイル」をいかに提案できるかが差別化のポイントとなりそうです。同業界内だけにこだわらず、異業種や専門家とのコラボレーションを促進する必要もあるでしょう。
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