このページのまとめ
- 履歴書における敬語の使い方は印象を左右するため重要
- 履歴書では「ですます調」と「である調」のどちらを使っても良い
- 履歴書で敬語を用いる際は、尊敬語と謙譲語を正しく使い分ける
- 履歴書はすべて書き言葉で記入する
- 履歴書や面接で二重敬語を使用しないよう注意する
履歴書を書くとき、自分が正しい敬語を使えているか不安な方もいるのではないでしょうか。就活では、履歴書や面接の受け答えで正しい敬語を使うことを求められます。敬語が正しく使えることは、社会人としての基本的なマナーといえるためです。
このコラムでは、敬語の種類や注意すべき用法、面接時に間違えやすい語句などを解説します。敬語の正しい使い方のポイントを掴み、印象アップに繋がる履歴書を作成しましょう。
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履歴書では正しい敬語を使うことが大切
就活において、企業は応募者が適切な敬語を使えているかどうかをチェックしています。正しい敬語を使おうとする姿勢が見られない応募者だと、ビジネスシーンで「人間関係や交渉事を円滑に進められないのでは…」といったことが懸念されるためです。
履歴書を正しい敬語で書けていれば、採用担当者に「ビジネスマナーがある」と見なされ良い印象を与えられる可能性があります。
就活の履歴書や面接でプラスの評価を得られるよう、正しい敬語の使い方を確認しておきましょう。
敬語の種類
敬語の種類には、大まかに以下の3種類があります。
尊敬語
相手を敬う敬語です。目上の人や相手を立てたいときに使います。
【例】
「する」→「なさる・される」
「いる」→「いらっしゃる・おいでになる」
「見る」→「ご覧になる」
謙譲語
自分をへりくだって使う敬語です。自分を下に見立てることで、相手を立てることができます。
【例】
「する」→「いたす・させていただく」
「いる」→「おる」
「見る」→「拝見する」
丁寧語
「です」「ます」「ございます」などを語尾に付けて丁寧に述べる敬語です。
【例】
「する」→「します」
「いる」→「います」
「見る」→「見ます」
敬語は、相手やシーンに合わせた使い分けが重要です。上記に挙げたそれぞれの敬語の特徴と例を参考にしながら、自身の敬語の使い方を見直してみましょう。
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履歴書は「ですます調」と「である調」どちらが良い?
履歴書の志望動機や自己PRで、文末表現をどうするか迷ったことがある方もいるでしょう。ここでは、履歴書におけるそれぞれの印象や注意点などを解説します。
どちらも可だが、「ですます調」が主流
履歴書では、文末にどのような表現を使うかという明確な決まりはないため、どちらを使用しても問題ありません。
しかし、相手に尊大な印象を与えないための配慮として、「ですます調」を選ぶ人が多い傾向にあるといえます。また、1つの履歴書で2つの文体を使うと読みにくくなるため、文末表現はどちらか一方に統一するのが一般的です。
履歴書を書く際は、応募先企業の採用担当者に与えたい自分のイメージと、次項で挙げる各特徴を踏まえたうえで作成しましょう。
「ですます調」を使うメリット・デメリット
「ですます調」を使う際のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
「ですます調」は、柔らかく丁寧な印象を与えます。目上の立場である採用担当者にとって、読んでいて好感を持ちやすい書き方といえるでしょう。
デメリット
文字数が多いため、その分書ける情報が少なくなってしまうのが難点。
また、「ですます調」は語尾のバリエーションが乏しいため、単調な文になりがちです。意識的に体言止めを使用しながら、読みやすい文章を心がけましょう。
「である調」を使うメリット・デメリット
「である調」を使う際のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
「である調」は「ですます調」より使う文字数が少ないのがメリットです。
履歴書は限られたスペースで書くため、効率的に長所をアピールする工夫が必要といえます。多くの情報を記載したい場合は、「である調」を使うと良いでしょう。
また、「である調」は断定的ではっきりした印象を与えるため、文章の説得力が増します。内容を強く主張したいときや、主体的な印象を相手に与えたいときに使うと効果的です。
デメリット
志望動機や本人希望など応募先企業に関して触れる項目欄では、尊大な印象を与える恐れがあるため使いづらいこともあるでしょう。
また、対面で交わす言葉とは表現が異なるため、採用担当者によっては読みづらさを感じる可能性も。全体的に堅い印象を与えやすいと考えられます。
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履歴書に敬語で書くときの5つの注意点
ここでは、履歴書で敬語を使うときの注意点について解説します。履歴書に敬語を書く際のポイントを確認しておきましょう。
1.尊敬語と謙譲語を使い分ける
尊敬語は「相手の動作」に対して使う敬語、謙譲語は「自分と身内の動作」に対して使う敬語です。謙譲語は自分や身内の動作をへりくだる敬語表現のため、相手の動作に謙譲語を使ってしまうと、相手に不快感を与えてしまう恐れがあります。
たとえば、「部長が申されましたように~」は、「申す」という謙譲語と「~される」という尊敬語を混在させた敬語の誤用。正しくは、「部長がおっしゃいましたように~」です。
相手に敬語を使う際には、尊敬語と謙譲語の使い分けを意識しましょう。
2.「~させていただく」の多用は避ける
「~させていただく」は、本来「相手の了承を得て、自分が恩恵にあずかる」という意味。言葉としては問題ありませんが、多用すると稚拙な印象に繋がることもあるため、丁寧な言い回しだからといって闇雲に使用するのは控えたほうが良いでしょう。
【例】
・「志望させていただきました」→「志望いたしました」
・「拝見させていただきました」→「拝見いたしました」
「~させていただく」の多用を避けるために、相手の了承が不要な事柄に対しては「~いたします」を使用するのがおすすめです。また、上記に挙げた「拝見」などの謙譲語に「~させていただく」を付けると、二重敬語という誤用になります。
3.「御社」ではなく「貴社」を使う
応募先企業を指す言葉には、「御社」と「貴社」があります。履歴書に記載する際は、書き言葉である「貴社」を使うのが正解です。また、病院なら「貴院」、銀行なら「貴行」となります。
「御社」は話し言葉なため、面接の受け答えの際などに使用しましょう。
4.すべて書き言葉で記入する
履歴書はすべて書き言葉で記入しましょう。ビジネス文書では、話し言葉で用いられる口語表現を使用しないのが一般的です。履歴書は企業に提出する書類のため、ビジネス文書として扱うのが基本的なマナーといえます。以下は、注意しておきたい話し言葉の一例です。
【例】
「なので」→「そこで」「したがって」
「~じゃない」→「~ではない」
「~しちゃう」→「~してしまう」
「ちゃんと」→「きちんと」「しっかり」
「いろんな」→「いろいろな」「さまざまな」
履歴書を作成した後は、文章内で話し言葉を使用していないか確認し、使用していた場合は書き言葉に言い換える習慣をつけておきましょう。
5.志望動機は敬語の使用が無難
先にも少し触れましたが、志望動機欄や本人希望欄は企業へ宛てた内容を書く項目です。そのため、「である調」ではなく、丁寧な印象を与えやすい「ですます調」などの敬語を用いるのが無難といえるでしょう。
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面接時の会話で間違えやすい敬語3選
ここでは、面接で受け答えをする際に、使い方を間違えやすい敬語をいくつかご紹介します。
1.二重敬語にしない
二重敬語は、複数の敬語を重ねて使用してしまうこと。誤った用法で、必要以上に仰々しい印象を相手に与えてしまう恐れもあります。
【例】
誤:「ご覧になられる」→正:「ご覧になる」
誤:「おっしゃられる」→正:「おっしゃる」
誤:「拝見させていただきます」→正:「拝見します」、「拝見いたします」
2.役職名に「様」はつけない
役職名は単体で敬称になるため、「様」を付ける必要はありません。
【例】
誤:「〇〇部長様」→正:「〇〇部長」
3.「さ入れ言葉」は使わない
「さ入れ言葉」とは、本来なら「さ」を入れるべきではないところに「さ」を入れている表現を指します。日常会話の中で耳にすることもあるかと思いますが、用法としては誤っているため注意しましょう。
【例】
誤:「読まさせていただきます」→正:「読ませていただきます」
誤:「休まさせていただきます」→正:「休ませていただきます」
今まで「正しい敬語」を改めて意識する機会がなく、就活生の中には間違った敬語を気づかずに使っていたという方もいるのではないでしょうか。相手やシーンに応じて適切な敬語を使えれば、「マナーに対する意識が高い人材」として企業の関心を引ける可能性があります。
上記に挙げた以外にも、間違えやすい敬語は多くあるため、自分の敬語に不安や曖昧な点がある方は、正しい敬語の使い方を事前に確認しておくことをおすすめします。
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