このページのまとめ
- みなし残業は、あらかじめ給与に一定時間分の残業代が含まれる制度のこと
- みなし残業には、みなし労働時間制と定額残業制の2種類がある
- トラブルの例は、企業側が労働時間を管理しない、みなし残業時間を超えた分の残業代が支払われないなど
- 求人を見る際は、みなし残業の金額や対象となる時間をチェックしよう
「興味のある企業がみなし残業を採用している」「みなし残業の仕組みがよくわからない」という方はいませんか?
このコラムでは、みなし残業の種類のほか、みなし残業に関するトラブルと対処法、求人広告で確認すべきポイントなどをご紹介します。後悔しない就職先を選択できるよう、コラムの内容を参考にしてみてください。
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みなし残業ってなに?
みなし残業は、実際の残業の有無に関係なく、あらかじめ給与に一定時間分の残業代を含む制度です。
労働者側からすると、残業をしなかった月も一定の残業代が支払われるため、メリットが大きい制度と考える人がいるかもしれません。
しかし、ほかの項目で詳しくご紹介しますが、企業の管理体制が整っていない会社の場合、労働者が不利益を被る場合があります。
不利な条件で働くことがないよう、就職前にみなし残業について正しい知識を身につけることが大切です。
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みなし残業の種類
みなし残業には、みなし労働時間制と、定額残業制の2種類があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
みなし労働時間制
みなし労働時間制は、以下の労働に対して適用されます。
・外回りの営業職など、実際の労働時間が把握しづらい事業場外労働
・デザイナーやシステムエンジニアなど、時間で賃金を決めるのが難しい専門業務型裁量労働
・経営の中枢部門で、企画立案などの業務を行う企画業務型裁量労働
みなし労働時間制では、労使協定で合意した時間が1日の労働時間です。たとえば、みなし労働時間が9時間の場合は、法定労働時間(8時間)を超えた1時間分が固定残業代として支給されます。
定額残業制
定額残業制とは、年俸や月給に一定の残業代を含む制度です。定額残業制は業種制限がないため、すべての労働者に適用の可能性があります。
定額残業制は、求人の給与欄や雇用契約書の賃金欄に「月給26万円(20時間分のみなし残業手当3万円を含む)」などと表記されるのが特徴です。
みなし残業は上記の2種類がありますが、企業の管理体制の不備によってトラブルが生じ、悩みを抱える人も。入社後に困ることがないよう、トラブルの例や対処法を次の項目で確認しましょう。
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みなし残業に関するトラブルと対処法
みなし残業に関するトラブルの対処法として、以下の3つが挙げられます。1つ目と2つ目はみなし労働時間制、3つ目は定額残業制に関わる内容です。
企業側が労働時間を管理しない
会社側は労働者の勤務時間を把握し、長時間労働による健康被害を防ぐ「安全配慮義務」があります。みなし労働時間制を採用する企業も、安全配慮義務を果たすことが必要です。
会社側が労働時間の管理を怠っている場合は、自分で実労働時間の記録をとりましょう。記録を残しておくと、心身に支障をきたした際などに、証拠として提示できます。
要件を満たしていないにも関わらず、みなし労働時間制が適用されている
前の項目でもご紹介したように、みなし労働時間制は対象となる職種が決まっています。
しかし、労働時間を把握できる営業職や、対象とならない職種に適用されるケースがあるようです。
携わっている業務内容がみなし労働時間制の職種に該当しない場合は、その旨を会社に説明し、適用対象から外すように求めましょう。過去に支払われた残業代が実際の残業時間分よりも少ない場合は、請求することが可能です。
みなし残業時間を超えた分の残業代が支払われない
定額残業制のもとで働いていたとしても、定められた残業時間を超えた際や、深夜労働・休日出勤をした場合、会社側は別途残業代の支払いが必要です。
まずは雇用契約書などを確認し、基本給に何時間・いくら分の残業代が含まれているか把握しましょう。不足分の残業代は、会社に請求することができます。
「会社が対応してくれない」「状況が変わりそうにない」というときは、労働基準監督署に相談するのも1つの方法。労働基準監督署は、企業が労働基準法などを遵守しているか監査する公的機関です。
対面や電話などで労働基準監督署に相談できるため、トラブルが生じている際は、状況が深刻になる前に活用しましょう。
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求人広告はこんな点に注目しよう!
興味のある企業がみなし残業を適用している場合は、求人を見る際に以下の内容をチェックしましょう。
まず、みなし労働時間制に関しては以下のとおりです。
みなし労働時間制が対象となる職種であるか
前の項目でもご紹介したように、みなし労働時間制は対象となる職種が決まっています。対象外の職種にも関わらず適用されていないか、求人内容をよく確認しましょう。
裁量労働制の適用が正しくされているか
みなし労働時間制で企画業務型・専門業務型の裁量労働制が適用される場合は、出社・退社時間は労働者の自由です。朝礼の参加義務が課されていたり、出社時間の指定があったりする企業は、裁量労働制について正しく理解していないと考えましょう。
定額残業制に関しては、以下の内容をチェックすることが大切です。
みなし残業代の金額や時間が明記されているか
前述したように、みなし残業を超えた分の残業代は会社に支払いの義務があります。みなし残業となる時間や金額がどれくらいなのか、事前に把握することが大切です。
みなし残業代が高すぎないか
たとえば東京都の求人で「基本給19万円(みなし残業代6万円)」という給与の場合、みなし残業代は高くても、基本給の1時間あたりの賃金が最低賃金を下回っています。
みなし残業代の金額や時間が明記されていても安心せず、詳細をしっかり確認しましょう。
入社後に後悔しないよう、上記の内容をチェックした上で応募することが大切です。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。