みなし残業とは?仕組みや違法性と求人の選び方を分かりやすく解説!

このページのまとめ

  • みなし残業は残業の有無にかかわらず、一定額の残業代が支払われる制度
  • 設定時間を超えて働いた場合は、追加で残業代が支払われる
  • 求人選びの際は、基本給と固定残業代の内訳や実際の労働時間を調べよう

「みなし残業ってどんな制度?」「ブラック企業じゃない?」と不安を感じる就活生もいるでしょう。みなし残業はあらかじめ給与に残業代を含める仕組みで、正しく運用されていれば「残業が少ない月も一定の手当がもらえる」といったメリットがあります。

この記事では、みなし残業の仕組みや違法なケース、求人でチェックすべきポイントを簡単に解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目 次

みなし残業とは一定の残業代を給与に含める制度

みなし残業とは、実際の残業時間にかかわらず、あらかじめ決められた時間分の残業代が毎月の給与の一部として支給される制度です。「固定残業代制度」や「定額残業代制度」とも呼ばれています。

みなし残業とは一定の残業代を給与に含める制度のイメージ

みなし残業は、労働基準法に基づいて適切に運用されれば合法的な制度です。就活生はみなし残業について正しく理解するために、法律で定められた2つの重要なルールを確認しておきましょう。

残業しない場合も全額支給される

みなし残業制度では、実際の残業時間が設定時間に満たない場合でも、固定残業代の全額が支払われます。たとえば、月20時間のみなし残業が設定されている企業で、実際の残業時間が10時間だったとしても、20時間分の残業代を受け取ることが可能です。

みなし時間を超えた分は別途支給される

残業時間が設定時間を超えた場合、企業は超過分の残業代を別途支払わなければいけません。これは「労働基準法第37条」で定められたルールであり、支払いを怠れば違法行為に当たります。

具体的には、月30時間のみなし残業設定で、実際の残業が40時間の場合、超過した10時間分の追加支給が必要です。この超過分は、通常の残業代と同じく法定の割増率(25%以上)が適用されます。

参照元
e-Gov 法令検索
労働基準法

みなし残業とみなし労働時間制の違い

みなし残業とみなし労働時間制は、名前は似ていますが別の制度です。先述のように、みなし残業とはあらかじめ決めた残業代を固定で払う仕組みのこと。一方で、みなし労働時間制とは、外回りなどで時間が測りにくい場合に「今日は8時間働いたことにしよう」と決める仕組みです。

就活では、両制度の違いを正しく理解すると、求人情報に記載された労働条件をより正確に判断できるでしょう。

就活では、年収や月給など、お金に関して知っておくことが重要です。「収入に関する疑問を解決!年収にはボーナスが含まれる?」では、年収や月給、所得などの定義について紹介しているので、ぜひご覧ください。

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みなし残業制度のメリット・デメリット

みなし残業制度は、企業と労働者の双方にメリットとデメリットをもたらします。不利な条件で労働契約を結ばないよう、それぞれの側面を把握しておきましょう。

企業側のメリット・デメリット

企業側の主なメリットは、毎月の残業代の計算が簡素化されることです。また、人件費の予測が立てやすくなるため、予算管理や事業計画の策定がスムーズに進みます。

一方、従業員が設定時間よりも少ない時間しか残業しなかった場合でも、満額を支払う必要がある点はデメリットです。また、制度の運用を誤ると労働基準法違反となるリスクがあるため、厳密な管理を求められる側面もあります。

労働者のメリット・デメリット

労働者側のメリットは、月々の収入が安定することです。残業時間が少ない月でも一定額が保証されるため、生活設計が立てやすくなります。また、仕事を早く終わらせるほど実質的な時給が上がるため、業務効率化へのモチベーションにもつながるでしょう。

一方で、「固定給だからいくら働かせても良い」と誤解している企業でサービス残業のリスクがある点はデメリットです。また、設定された残業時間が実態に合わない場合、長時間労働を強いられる可能性もあるでしょう。

納得できる条件で働くためには、業界や企業、職種について情報収集しておくことが重要です。業界・企業・職種分析の目的やポイントについて詳しく確認したい人は、「業界・企業・職種の研究はなぜ重要?就活を効率的に進めるための基礎知識」の記事をご参照ください。

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みなし残業制度で違法性が疑われるケース

みなし残業制度自体は合法ですが、運用の実態が労働基準法に抵触しているケースも見られます。自身の権利を守るため、以下の違法パターンを事前にチェックしておきましょう。

超過分が支払われていない

みなし残業制度で代表的な違法ケースが、設定時間を超えた残業に対する未払いです。みなし残業時間を1分でも超えて労働させた場合、企業は必ず差額を支払わなければなりません。

たとえば、みなし残業が月25時間で、実際に35時間の残業が発生した場合、企業は超過した10時間分の残業代を支給する必要があります。「みなし残業制度だからどれだけ残業しても定額」という説明は、法律上認められません。

基本給が最低賃金を下回っている

みなし残業制度を導入する企業では、基本給と固定残業代を明確に区分する必要があります。この際、基本給部分が各都道府県の最低賃金を下回ってはいけません。

たとえば、最低賃金が時給1,200円、月160時間勤務の場合、基本給は最低でも19万2,000円必要です。総支給額が25万円でも、基本給が15万円で固定残業代が10万円という設定では、基本給が最低賃金を下回る違法状態といえます。

設定時間が月45時間を超えている

労働基準法第36条」によると、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間です。そのため、みなし残業を45時間超で設定している企業は、違法となるリスクがあるでしょう。

特に、月60時間や80時間などの極端な設定は、長時間労働が常態化しているサインと捉えられるため注意が必要です。

参照元
e-Gov 法令検索
労働基準法

雇用契約書や就業規則に制度の記載がない

みなし残業制度を適法に運用するためには、雇用契約書や就業規則に以下の内容を明記しなければいけません。

・固定残業代の金額
・みなし残業時間数
・超過分を別途支給する旨の規定

これらの記載がない場合、もしくは説明が曖昧な企業は、制度を正しく運用していない可能性があるため、慎重な見極めが必要です。

みなし残業制度が違法に運用されている場合、ブラック企業の恐れがあります。「ブラック企業とは?長時間労働やハラスメントなど特徴と見分け方を解説」の記事も参考に、労働環境や条件をチェックしてみましょう。

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みなし残業制度のある企業を志望するときの注意点

みなし残業制度を導入している企業への就職を検討する際は、いくつかの重要なポイントをチェックする必要があります。入社後のトラブルを防ぐため、以下を参考に残業代や労働時間の実態を調べてみてください。

基本給と固定残業代が区別されているか確認する

求人票において、基本給と固定残業代が明確に記載されているかを確認しましょう。たとえば、「月給25万円(固定残業代含む)」といった曖昧な記載は、低い基本給を高く見せる手法として使われることがあります。

「基本給25万円+みなし残業代4万円(20時間分)」のように、分かりやすく記載されている企業を選びましょう。

深夜や休日の割増賃金が適切か確認する

みなし残業制度が導入されている場合も、深夜労働や休日労働に対しては、割増賃金が発生します。これらがみなし残業代に含まれているのか、別途支給されるのかを確認してください。含まれている場合は、この内訳も求人票や契約書に明記されている必要があります。

残業の実態を調べる

設定されたみなし残業時間と実際の残業時間に大きな差がないかを確認しましょう。たとえば、みなし残業が10時間程度でも、実際には40時間近くの残業が発生している可能性があります。

厚生労働省の「労働時間制度等に関する実態調査」によると、36協定を締結している企業における1ヶ月あたりの時間外労働時間数の平均値は以下のとおりでした。

時間外労働時間数(平均値) 企業の割合
0時間 21.7%
0時間超20時間以下 59.4%
20時間超45時間以下 12.4%
45時間超60時間以下 1.1%
60時間超80時間以下 0.2%
80時間超100時間以下 0.2%
100時間超 0.9%
不詳 4.1%

参照:e-Stat 政府統計の総合窓口「労働時間制度等に関する実態調査 第5表

平均的な残業時間は、20時間以下に収まる企業が大半です。極端に残業時間が長い場合、健康面に影響が及ぶ可能性もあるため、OB・OG訪問や口コミサイトなどで実態を把握しておきましょう。

ブラック企業が心配な人は、「ブラック企業の見分け方は?危険な会社とホワイト企業を見極めるコツを紹介」の記事で特徴や見分け方のポイントを確認してみてください。

参照元
厚生労働省
労働時間制度等に関する実態調査

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企業選びに不安があるあなたへ

「みなし残業がある企業は避けるべき?」「サービス残業をさせられたらどうしよう」と、求人票を見て不安を感じている人もいるでしょう。もし企業選びに迷いや不安を感じているなら、キャリアチケット就職エージェントにご相談ください。

キャリアチケット就職エージェントは、新卒向けの就職支援サービスです。就職のプロであるキャリアアドバイザーがあなたの些細な悩みにも親身に寄り添い、二人三脚で就活を進めます。

求人の選び方をアドバイスするだけでなく、Webサイト上では見えてこない社風や実際の働き方について情報共有することも可能です。自分らしく働ける企業から納得のいく内定をもらうためにも、ぜひ一度ご相談ください。

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みなし残業に関するよくある疑問

ここでは、みなし残業について就活生のよくある疑問に回答します。企業選びや選考に向けて、みなし残業に関する不安を解消しておきましょう。

Q.みなし残業が40時間の企業はやばい?

A.月40時間のみなし残業は、1日あたり約2時間の残業を前提とした設定です。これだけで「やばい」とは断言できませんが、長時間労働が常態化している可能性があります。労働環境が自分に合っているかを確かめるためにも、年間を通じての労働時間が適正かを調べておくのがおすすめです。

Q.みなし残業を導入する企業はやめたほうが良い?

A.制度自体に問題はないため、一律に避ける必要はありません。ただし、適正に運用されているかは確認しましょう。求人票の記載が明確か、面接で質問に誠実に答えてくれるかなどの点から、企業の信頼性を判断してください。

Q.36協定なしのみなし残業制度はおかしい?

A.法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働かせる場合、36協定の締結が必要です。みなし残業を設定している場合、残業が発生する前提だと考えられます。36協定がない状態では、違法の恐れがあるでしょう。

Q.みなし残業は何時間までなら合法?

A.法律上の明確な上限はありません。企業選びの際は、36協定の原則的な上限である月45時間以内を目安にしてみましょう。みなし残業時間が長い場合は、健康上のリスクはないか、労働基準法に違反していないかをしっかり見極める必要があります。

働きやすい環境で活躍したい人は、「ホワイト企業とは?特徴や就職で見極めるポイントも紹介」の記事も参考にホワイト企業を探してみてください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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