このページのまとめ
- 公務員のエントリーシートは面接カードとも呼ばれ出願時や一次試験の後などに提出する
- 公務員のエントリーシートの書き方は、広い視点で就職後のビジョンを伝えるのが効果的
- エントリーシートでは、公務員を選んだ理由や行政の仕事につながる強みを伝える
「公務員のエントリーシートで効果的な書き方はあるのか」と気になる就活生も多いのではないでしょうか。公務員のエントリーシートには、志望動機や自己PRといった民間企業と同じ項目があります。しかし、書き方には公務員ならではのポイントがあるため注意が必要です。
この記事では、公務員の志望動機や自己PRの書き方について、ポイントや例文をまとめました。ぜひ参考にして、内定獲得への一歩につなげてください。
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- 公務員のエントリーシートとは?書き方の準備に向けて解説
- 公務員のエントリーシートも民間企業と大きくは変わらない
- 提出タイミングは自治体や団体によって異なる
- 持参形式とWeb提出形式がある
- 面接カードと呼ばれる場合もある
- 公務員のエントリーシートの書き方で大切なポイント
- 自己分析や就職先の研究を徹底しておく
- 結論から書き始める
- 具体的な理由やエピソードを書く
- 広い視点で就職後のビジョンを伝える
- 読みやすさを意識する
- 面接で聞かれることを想定しておく
- すべての質問に回答する
- 公務員のエントリーシートで志望動機を書くときのコツ
- 民間企業ではなく公務員に就職したい理由を述べる
- 応募先でどのような仕事に携わりたいか述べる
- 行政の一員として活躍する意思を伝える
- 公務員のエントリーシートで自己PRを書くときのコツ
- 行政の仕事につながるように強みをアピールする
- 過去の経験や強みに客観性を持たせる
- 志望動機と一貫性を持たせる
- 公務員のエントリーシートの例文
- 公務員のエントリーシート|志望動機の例文
- 公務員のエントリーシート|自己PRの例文
- 公務員のエントリーシートのNG例文
- 公務員のエントリーシートの書き方で悩むあなたへ
公務員のエントリーシートとは?書き方の準備に向けて解説
公務員のエントリーシートの内容は、民間企業とそこまで大きな違いはありません。ただし、面接カードと呼ばれたりするなど、公務員試験ならではの特徴もあります。
公務員試験におけるエントリーシートについて詳しく解説してするため、書き方を知る前にどのようなものなのかを理解しておきましょう。
公務員のエントリーシートも民間企業と大きくは変わらない
公務員のエントリーシートと民間企業のエントリーシートでは、内容はそこまで変わりません。以下のような内容を答えるケースが一般的です。
・基本情報(受験番号、試験区分など)
・個人情報(氏名、最終学歴など)
・志望動機
・自己PR
・長所、短所
・これまでに力を入れて取り組んだ経験
基本的には、民間企業のエントリーシートと同じように対策を進めるとよいでしょう。ただし、志望する自治体や省庁によって、オリジナルの質問がされる場合もあります。
エントリーシートがどのようなものかについては、「エントリーシートとは?履歴書の違いや基本を押さえて選考を突破しよう」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
提出タイミングは自治体や団体によって異なる
エントリーシートの提出タイミングは、志望する自治体や団体次第です。願書を提出するタイミングで一緒に出す場合もあれば、面接当日に提出する場合もあります。
持参形式とWeb提出形式がある
エントリーシートの提出方法は、面接当日に持参する形式とWebで提出する形式です。民間企業は事前に提出する場合が多いため、当日に提出する点は違いといえるでしょう。
提出方法については、事前に指示されているので確認してください。
面接カードと呼ばれる場合もある
エントリーシートは面接カードと呼ばれることもあります。面接カードの入手方法や提出タイミングには、以下のような種類があるので確認しておきましょう。
・ダウンロードしたフォーマットに記入し郵送する
・オンライン上の申し込みフォームに入力し送信する
・一次試験に合格後、二次試験までに書いてコピーを提出する
・一次試験当日に持参し提出する
・二次試験当日に記入し提出する
面接では、エントリーシートや面接カードの記載内容をもとに質問されるケースが一般的です。記載内容は覚えておくようにし、面接での回答と矛盾を起こさないようにしましょう。
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公務員のエントリーシートの書き方で大切なポイント
公務員のエントリーシートを書く際は、具体的なエピソードを交えたり、就職後のビジョンを明確に伝えたりすることが重要です。ここでは、公務員のエントリーシートや面接カードの書き方で押さえておきたいポイントを解説します。
自己分析や就職先の研究を徹底しておく
エントリーシートを書く前に、自己分析や行政機関の研究を徹底しましょう。自己分析や就職先の研究ができていなければ、自分の特性や強みがわからなかったり、志望先について詳しくわからなかったりするため、説得力や根拠のある内容が記載できません。
自己分析や就職先の研究は、人によって時間がかかったり手間取ったりすることも。これらに実施期間は決められておらず、何かに参加しないと実施できないこともないため、大学3年など就活が本格化する前から早めに取り組みましょう。
結論から書き始める
公務員のエントリーシートを書く際は、結論から伝えるように意識しましょう。結論から伝えることで話のゴールが理解でき、読み手に内容が伝わりやすくなるからです。
また、結論から伝えることで、自分も何を伝えればよいかが明確になります。論理的で筋の通った内容にするためにも、結論から伝えることが大切です。
具体的な理由やエピソードを書く
結論を書いた後は、具体的な理由と付随するエピソードを述べることも欠かせません。具体的な理由やエピソードがなければ「本当に志望しているのか」「その話は本当なのか」などと疑われてしまう可能性があります。
記載したアピールや志望動機の根拠となるものを、できるだけ具体的に書きましょう。数字があると、より具体性が増して読み手がイメージしやすくなるのでおすすめです。
広い視点で就職後のビジョンを伝える
公務員のエントリーシートには、広い視点で捉えた就職後のビジョンを記入することも大切です。
公務員の仕事は多くが窓口業務や書類作成、内部管理などの仕事。また、公務員は異動が多く、さまざまな業務に携わるのが一般的です。
そのため、専門職を除き、特定の仕事で達成したいことといった狭い範囲のビジョンを伝えないようにしましょう。「公務員の仕事を理解していない」「異動に対してネガティブに考えている」という印象を与えてしまいます。
将来的に地域をどのようにしていきたいか、自分の強みや経験を活かしてどのように人の役に立ちたいかなど、広い視点の目標につなげるのがおすすめです。
読みやすさを意識する
わかりやすく読みやすい文章で書くことも意識しましょう。読みにくい文章は内容が伝わらず、評価を下げてしまいます。
エントリーシートを書く際には、以下の点に注意して文章を考えるのがおすすめです。
・1文につき1つの内容にする
・手書きの場合は丁寧に書く
・読みやすい行間や文字の間隔にする
・パソコンの場合はフォントや文字の大きさを整える
・誤字・脱字がないか確認する
読みやすく丁寧なエントリーシートは、志望度の高さを印象付けます。また、公務員に必要な誠実さや丁寧さを備えていることも伝わりやすいでしょう。
面接で聞かれることを想定しておく
公務員のエントリーシートに記入した内容は、面接で深掘りされることを意識してください。エントリーシートに記載した志望動機や自己PRなどの内容は、より深く掘り下げられます。
深掘りを想定せずにエントリーシートを書いていると、いざ面接で聞かれたときに回答に困ってしまいます。物事を表面的にしか考えていないと思われ、評価を下げることもあるでしょう。
「なぜ志望するのか」「なぜ強みだと思うのか」のように、面接では「なぜ」で深掘りされることが多くあります。エントリーシートで聞かれたことはすべて深掘りされることを想定し、自分なりの考えを整理しておいてください。
面接で聞かれやすい質問を知っておくと、心構えができるので面接でも落ち着いて答えられます。面接でよくある質問については、「就活の面接で聞かれる質問集40選!答え方のポイントや回答例も解説」の記事で紹介しているのでチェックしておきましょう。
すべての質問に回答する
エントリーシートで聞かれた内容には、すべて回答するようにしてください。空欄があると志望度が低いと判断され、選考に落ちる可能性があります。
また、指定された回答欄の8割以上は埋めることを目安に記載しましょう。書いている文章が少ない場合も、意欲が低いと思われやすいので気をつけてください。
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公務員のエントリーシートで志望動機を書くときのコツ
公務員のエントリーシートで志望動機を書く際は、なぜ公務員を志望するのかや、行政の一員としてどのように活躍したいかを伝えることが大切です。
ここでは、公務員のエントリーシートや面接カードで志望動機を書くときに押さえておきたいコツを解説します。
民間企業ではなく公務員に就職したい理由を述べる
公務員のエントリーシートの志望動機には、なぜ民間企業ではなく公務員を目指すのかを記入しましょう。そのために、民間企業は営利を目的として活動し、公務員は公共の利益を目的としているといった基本的な違いや、応募先の特徴などを踏まえておくのが重要です。
ただし、「民間企業は利益を追求しているから」「民間企業に比べて労働条件がよいから」などの志望動機は印象を下げかねないため避けてください。
仕事への意欲を受け取ってもらうためにも、応募先の特徴や仕事内容をしっかり研究し、なぜ自分が公共性のある仕事に携わりたいのか明確に伝えましょう。
民間企業と公務員の違いについて詳しく知りたい人は「民間企業と公務員の違いは何?特徴や仕事内容をご紹介!」を参考にしてください。
応募先でどのような仕事に携わりたいか述べる
エントリーシートの志望動機には、応募先の行政機関でどのような仕事に携わりたいかを記載するのも大切です。公務員の仕事は地域によって大きく異なるケースは少ないため、近隣地域や類似している行政機関ではなく、そこを志望する理由が明確にないとアピールになりません。
自分と応募先の接点や印象に残っていることなど、具体的なエピソードを加えましょう。具体的な接点がない行政機関に応募する際は、自分の経験や大切にしている価値観と、応募先の特徴・理念がマッチしている部分を掘り下げるのがおすすめです。
応募先で携わりたい仕事を明確に伝えれば、入庁意欲や仕事への熱意を受け取ってもらえるでしょう。ただし、最終的な着地点は公共の利益を追求することなので、軸がぶれないように気をつけてください。
行政の一員として活躍する意思を伝える
公務員エントリーシートの志望動機には、入庁してから行政の一員としてどのように活躍していきたいかも記載します。自分が目指す将来のビジョンを盛り込めば「積極的に仕事に取り組んでくれそう」と好印象につながるでしょう。
公務員の仕事は範囲が広いため、想像しにくい部分もあるでしょう。そこをカバーするためにも志望先の研究や理解を深め、地域の課題や行政機関の目的を踏まえて、自分が活躍していく意思を伝えてください。
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公務員のエントリーシートで自己PRを書くときのコツ
公務員のエントリーシートで自己PRを記入する時は、自分の強みが行政の仕事にどのように活かせるかや、強みに客観性があるかなどを盛り込むのがポイントです。
ここでは、公務員のエントリーシートや面接カードの自己PRで、好印象につながる書き方を解説します。
行政の仕事につながるように強みをアピールする
公務員のエントリーシートの自己PRは、行政の仕事につながるように強みを書くことが重要です。
たとえば、「自分の強みは交渉力で営業の仕事に就きたい」と伝えても、公務員の仕事に通じる点が見えず評価を得ることは難しいでしょう。さらに、「民間企業のほうがよいのでは」と面接官に思われかねません。
上記の例において、交渉力は住民対応や財政部門の折衝の場などで役立ちます。このように、民間企業で役立つスキルは行政機関にも活かせる場があるため、応募先の仕事に置き換えて伝えましょう。
過去の経験や強みに客観性を持たせる
公務員のエントリーシートの自己PRは、客観性を持たせた内容を記載するのも欠かせません。自分の経験や強みを伝える際は、具体的な数値や他人からの評価などを盛り込むとアピール内容の信頼性が増すのでおすすめです。
なお、地方公務員試験では、人柄を重視する傾向が高まっています。総務省が2021年12月に通達した「地方公務員の職員採用方法の多様化について(11p)」によると、既存試験への見直しとして「口述試験、グループワーク等の人物試験の配点比率の増加」を実施した自治体は以下の通りでした。
都道府県 | 指定都市 | 市区町村 | |
人物試験の配点比率を増加した地方公共団体の数と割合 | 6(12.8%) | 3(15.0%) | 261(15.2%) |
引用元:総務省「地方公務員の職員採用方法の多様化について(別添2 2p)」
エントリーシートに書いた強みとグループワークなどでの自分の言動に大きな乖離がある場合、評価が大きく下がってしまう恐れがあります。
そのため、できる限り自他共に認める部分や実際の評価を交えて経験・強みを書き、客観的に自分の人柄をアピールするのが大切です。
参照元
総務省
勤務条件・採用試験等
志望動機と一貫性を持たせる
エントリーシートに書く自己PRの内容は、志望動機と一貫性を持たせましょう。自己PRと志望動機それぞれの内容がよくても、方向性が異なる場合、何をしたくて応募したのかと疑問を持たれかねません。
そのため、自分なりの方向性を確定させたうえで、志望動機との一貫性も意識して自己PRを作成するのが重要です。
公務員の自己PRの書き方をさらに詳しく知りたい人は「公務員試験の自己PRはどう書く?10の例文や評価されるポイントを解説!」をご覧ください。
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公務員のエントリーシートの例文
ここでは、公務員のエントリーシートを書く際の例文を紹介します。NG例文も記載したので、参考にしてください。
公務員のエントリーシート|志望動機の例文
貴庁を志望した理由は、自分の故郷を活気あふれる街にしたいからです。
私は中学3年生まで△△市に住んでいました。親の転勤で引っ越しましたが、この街の人の温かさや豊かな自然が忘れられず、月に一度は△△市に住む祖父母の家に宿泊していました。
長く通ううちに私が住んでいた頃と比べて若い人が減り、行事が減ったり手が行き届かない部分があったりすることを知り、私は同級生を集めてボランティア団体を結成しました。
そして、年配の方のお手伝いだけでなく、地域の清掃や行事の幹事なども積極的に行ったところ、人のつながりが増えたり、新しい活動も生まれたりして活気づきました。
この経験から、私は故郷に恩返しするためにも、貴庁に入庁後は人だけでなく地域全体をつなぎ、活性化を図りたいと考えております。
公務員のエントリーシート|自己PRの例文
私の強みは一歩踏み込んだ対応ができるところです。私は大学2年間、△△市の街角ボランティアとして外国人観光客の案内をしていました。
相手の質問に答えるだけで精一杯だった時、観光客から△△までの道順を聞かれました。しかし、当時△△は工事中で閉館していたため、私はその旨を伝えたうえで、訪れる目的を聞きました。
すると、「無駄な時間を過ごさずに済んで助かった」と喜んでいただけました。さらに、ほかの見どころを聞かれたり自国の話をしてくれたりして、交流が深まりました。
その際、聞かれたことにただ答えるだけではなく、一歩踏み込むことで相手の要望を満たせ、心が通じ合うのだと実感しました。
貴庁の仕事でも、住民の要望や意見に対して、なぜそれを求めるのか、本当に必要なことは何かを把握することが重要だと感じております。一歩踏み込んだ対応で住民サービスを向上させ、△△市の住民満足度がより高まるよう貢献したいと考えております。
公務員のエントリーシートのNG例文
私の強みは、積極的に行動できることです。
私は昔、バスケットボール部に所属していました。シュートが入らず悩んでいたところ、コーチからアドバイスをもらい、行動しました。すると、
とても成功率が高くなり、試合でも得点を入れられるようになりました。
この経験から、貴庁での仕事でも積極的に行動し、住民の方が住みやすい地域を作っていきたいです。
NG例文の改善ポイント
上記のNG例文は、この記事で述べたエントリーシートの書き方に沿って以下の点に着目すると、大幅に改善できます。
NGポイント | おもな改善ポイント |
客観性が薄い | 「昔」→「高校△年の頃」、「とても」→「△回に1回の割合で」など、具体的な数字を入れて客観性を持たせる |
強みがアピールしきれていない | ・積極的に行動できる強みの根拠として「コーチからアドバイスをもらって行動したこと」では伝わりにくい ・自分なりに工夫して行動したことを加えるのが効果的 |
ビジョンが曖昧 | 自分が何をしてどのような住みやすい地域を作るのか言及すると、説得力が増す |
例文と改善例を自分が作ったエントリーシートと照らし合わせて、チェックしてみてください。
公務員の志望動機で悩んでいる人は「公務員になりたい理由の書き方は?考える際のポイントや例文を解説!」を参考にするのがおすすめです。
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公務員のエントリーシートの書き方で悩むあなたへ
「公務員のエントリーシートはどのように書けば好印象につながるのか」と悩んでいる就活生も多いでしょう。公務員試験のエントリーシートは、民間企業との違いを踏まえたうえで、行政機関の特徴に沿った内容を書くのが大切です。
公務員のエントリーシートや面接カードの書き方が合っているのか不安な就活生は、就活エージェントであるキャリアチケットの利用を検討してみてください。
キャリアチケットは、エントリーシートの書き方に限らず、自己分析や面接など、就活のあらゆる場面をマンツーマンでサポートします。公務員試験はもちろん、民間企業との併願で悩んでいる場合もぜひご相談ください。
公務員のエントリーシート対策を万全にして、内定獲得に一歩近づきましょう。
本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。
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