このページのまとめ
- 初任給とは、基本給と手当で構成された新入社員が最初にもらう給与のこと
- 初任給から保険料と税金を差し引いた金額が「手取り」となる
- 大卒の初任給が高い業界は、「学術研究・専門・技術サービス業」「情報通信業」
「初任給とは何を指すのか」「基本給や手取りとの違いは何か」と悩む人もいるかもしれません。
初任給とは、基本給と手当で構成された新入社員が最初にもらう給与のことです。
就活生は給与に関して、初任給だけでなくボーナスの有無や昇給のスピードも確認しておくとよいでしょう。
この記事では、初任給の定義や基本給・手取りとの違い、初任給以外でチェックすべきポイントを解説しているのでぜひ参考にしてください。
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初任給の定義
初任給とは、「新入社員が最初にもらう給与」のこと。初任給には、基本給のほか、住宅手当や通勤手当などの各種手当が含まれています。初任給以降は、「月収」や「額面」などのように呼ばれることもあるでしょう。
初任給は、給料明細でいえば「総支給額」の欄に記載されている金額です。給料明細には下記のような項目があります。
・支給…基本給、各種手当(通勤手当、残業手当、職務手当、家族手当など)
・控除…社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険など)、税金(所得税、住民税)
・合計…総支給額、控除額合計、差引支給額(銀行支給額)など
総支給額は、基本給や手当を含めたもので、支給される給与の総額のこと。社会保険料や税金が控除される前の給与を指します。
初任給については、「大卒初任給の手取りは?地域・学歴・職種・規模別の平均や計算方法も解説」も参考にしてください。
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紛らわしい基本給や手取りの定義
初任給とよく混同しやすいのが手取りや基本給。手取りは控除額を差し引いて実際に受け取れるお金、基本給は最低限もらえることが決まっている給与額です。以下で、それぞれ解説します。
手取りの定義
手取りとは総支給額から社会保険料や税金といった控除額を差し引いた、実際に受け取れるお金のこと。
つまり、「初任給(総支給額)-控除額合計=手取り(差引支給額)」となり、初任給と手取りは別物です。求人情報に初任給〇〇万円と記載されていても、全額受け取れるものではないので注意しましょう。
また、2年目以降は住民税も控除の対象となります。控除額が増えると給与額が下がる心配をされる方もいますが、昇進や職務手当などもあるため、「働けば働くほど給料が減ってしまう」ことはありません。
昇進以外にも、資格手当や皆勤手当など自身の努力次第で給与にプラスされる制度を設けている企業もあるので、求人を見るときはぜひ注目してみてください。
基本給の定義
基本給は、最低限もらえることが決まっている給与額のことで、毎月固定的に支給されます。
基本給は、勤続年数や年齢、職務能力などにより決定され、あらかじめ就業規則に記載されていることもあるようです。
一昔前までは、実力や実績に関わらず年功序列で基本給を徐々に上げていく傾向にありましたが、近年では個人の評価によって昇給を検討する企業が増えてきています。
また、ボーナスを基本給で計算する場合は、基本給が高いほどボーナスも多くなるでしょう。月々の総支給額が同じでも、「基本給が高い+手当が低い」「基本給が低い+手当が高い」という組み合わせでは、前者のほうがボーナスの金額は高くなります。
手取りや基本給については、「初任給の平均額はどれくらい?手取り収入や給与事情を解説」も参考にしてください。
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初任給から引かれるもの
初任給からは、社会保険料と税金が引かれます。これらは額面に基づいて計算されるため、手当によって金額が変わることを覚えておきましょう。以下で詳しく解説します。
社会保険料
主な社会保険料は「雇用保険料」「健康保険料」「厚生年金保険料」の3つです。
雇用保険料は初任給から差し引かれ、健康保険料と厚生年金保険料は次月から差し引かれます。
社会保険料がかかる主な手当は、通勤手当や家族手当、残業手当などです。反対にかからない手当の代表として、結婚祝い金や退職金など、一時的または臨時で受け取る手当が挙げられます。
税金
主な税金は、所得税と住民税です。
所得税は初任給から、住民税は2年目の6月から差し引かれます。
所得税がかかる主な手当は、残業手当や家族手当、住宅手当などです。通勤手当は一定の範囲内で収まっていれば課税対象になりません。
社会保険料や税金については、「年収250万円で生活できるのか?収入アップの方法もご紹介」も参考にしてください。
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初任給が支払われる時期
初任給が支払われる日付は、会社によって異なります。必ずしも4月に支払いがあるわけではなく、4月の末を締め日として5月に振り込まれる場合もあるでしょう。
給与計算の締め日と支払日は、就業規則や通知書類で提示されています。振込日が1ヶ月違えば生活に影響が出ることもあるため、よく確認しておきましょう。
初任給の支払いの時期に関しては、「初めてのボーナスはいくらもらえる?相場と支給日を解説」でも解説しています。
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学歴別:初任給の平均
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、令和元年度における大学卒の初任給平均は210.2千円。学歴別、男女別の詳しい結果は以下のとおりです。
大学院修士課程修了
初任給 | |
男女計 | 238.9千円 |
男性 | 239.0千円 |
女性 | 238.3千円 |
大卒
初任給 | |
男女計 | 210.2千円 |
男性 | 212.8千円 |
女性 | 206.9千円 |
高専・短大卒
初任給 | |
男女計 | 183.9千円 |
男性 | 184.7千円 |
女性 | 183.4千円 |
高卒
初任給 | |
男女計 | 167.4千円 |
男性 | 168.9千円 |
女性 | 164.6千円 |
高学歴の方ほど初任給が高い傾向にあります。また、同じ学歴でも女性より男性の方が初任給がやや高いのも特徴の一つといえるでしょう。学歴別の年収については、「新卒の年収の中央値はどれくらい?学歴や業種別でもご紹介!」も参考にしてください。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査(初任給)
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大卒者の初任給が高い業界
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、大卒者の初任給が高い業界は、「学術研究・専門・技術サービス業」「情報通信業」となっています。
学術研究・専門・技術サービス業は、研究職や法律事務所、デザイン会社など、数多くの職種をまとめたカテゴリです。業種別の細かなデータではありませんが、専門的な知識や技術を持つ仕事は初任給が高い傾向にあるといえるでしょう。
また、情報通信業、いわゆるIT業界は市場規模が年々拡大しており、人手不足の状態が続いています。優秀な人材を確保するため、初任給が高めに設定されていることが多いようです。年収については、「ベンチャーで働くなら知っておきたい給料事情やメリット」も参考にしてください。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査(初任給)
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初任給以外にチェックすべき5つのポイント
初任給をどれだけもらえるかという点だけで就職先を決めてしまうのは危険です。求人情報を見る際は、下記の5つの項目も合わせてチェックしておきましょう。
また、このほかにもその企業が自分に合う企業かどうか、将来キャリア形成しやすい組織風土があるのかなどにも注目してみることをおすすめします。待遇面だけでなく、働きやすく続けやすい環境かどうかを見極めるのも大切です。そのほか、自分のやりたい仕事ができる企業なのか、という視点も忘れないようにしましょう。
1.ボーナスの有無
ボーナスの有無は年収に大きく関わるため、よく確認しておきましょう。夏・冬の2回支給される場合や、冬のみの支給など、回数は企業によって異なります。
ただし、ボーナスに支給義務はなく、会社や個人の業績によって金額が変動するため、あくまで目安として捉えておきましょう。
2.昇給や昇進のスピード
昇給や昇進の頻度やスピードも見ておきましょう。たとえスタートが高収入であっても、昇進や昇給がほとんどない企業であれば、将来的に不満を抱えてしまう恐れがあります。
3.残業代が基本給に含まれているか
残業代が基本給に含まれているかどうかも、大切なチェックポイントです。
基本給に残業代が含まれていない場合、残業すれば別途残業代が支給されるでしょう。しかし、残業代が含まれている場合は支給されないので注意が必要です。
4.福利厚生の内容
福利厚生は、給与とは別に記載されている場合が多いため、見逃さないようチェックしましょう。
代表的なものに、家賃補助や家族手当などがあります。これらを加味すると数万円単位で金額が変わる可能性も。基本給だけで判断せず、福利厚生もしっかり確認しましょう。
5.年収の中央値
平均年収と合わせて年収の中央値も確認しておくとよいでしょう。年収は、平均値を見るか中央値を見るかによって、金額が大きく異なる場合もあります。
特に、役員報酬が高額で、一般社員との給与に著しい差がある場合、その傾向は強くなるようです。代わりにモデル年収を参考にするのもよいでしょう。
初任給以外にチェックすべきポイントは、「ボーナスの平均額はいくら?伸び率まで業界別・企業別・年齢別に解説!」も参考にしてください。
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初任給について悩みや不安がある人へ
ここまで、初任給の定義や手取り・基本給との違いなどについて解説してきました。しかし、「志望業界の給与について不安がある」「給与の調べ方が分からない」などの悩みを抱える人もいるでしょう。
初任給や給与に関する悩みは、友人やOB・OG、就職エージェントなどの信頼できる第三者に相談するのがおすすめです。
中でも、就職エージェントであるキャリアチケットは、給与に関する悩みの相談に乗るのはもちろん自己分析の深掘りや企業研究のサポートなども行っています。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。