このページのまとめ
- クレペリン検査は、受検者の能力や性格を一度に調べられる適性検査の一種
- クレペリン検査では「作業量」「作業曲線」「正確性」から受検者の能力や性格を判定
- クレペリン検査には、本番を想定した練習を繰り返して万全な体調で臨むことが重要
クレペリン検査を受けることになれば、事前に練習しておきたいと誰もが考えるものです。「クレペリン検査のやり方や注意点は何?」などと不安に感じる就活生も多いでしょう。
この記事では、クレペリン検査の概要や評価項目、おすすめの対策方法をまとめました。解答時のコツや注意点も解説しているので、準備を万全にして検査当日を迎えたい就活生はぜひ参考にしてください。
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- クレペリン検査とは?やり方と特徴を解説
- クレペリン検査のやり方
- クレペリン検査は会場で受検
- 能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定
- クレペリン検査で評価されている3つの項目
- 作業量
- 作業曲線
- 正確性
- クレペリン検査で判定される性格・行動面の3つの特性
- 発動性
- 可変性
- 亢進性(こうしんせい)
- クレペリン検査を練習する方法
- Webサイトを使う
- スマホアプリを使う
- クレペリン検査を練習する際のコツ
- とにかく回数を重ねる
- 時間をはかって練習する
- ミスは気にせず解き進める
- 間違えても消しゴムは使用しない
- 落ち着いて検査に取り組む
- クレペリン検査を受検する際の注意点
- 筆記用具は複数用意しておく
- 練習しすぎない
- 検査結果が良好でも不合格になることもある
- クレペリン検査の練習をしても就活が不安なあなたへ
クレペリン検査とは?やり方と特徴を解説
クレペリン検査とは「内田クレペリン検査」を指しており、一桁の数字の計算によって受検者の性格や能力などの働きぶりを判定するために使用される適性試験です。今から90年近く前に開発された、日本で最初の心理テストと呼ばれています。
クレペリン検査を実施する企業の一例をまとめました。
・官公庁
・学校
・鉄道会社
・医療法人や社会福祉法人
クレペリン検査を実施する企業の特徴として、伝統的で保守的なことが挙げられます。企業がクレペリン検査を実施するかどうかは過去の採用情報からわかるため、志望企業が具体的に決まっている場合はあらかじめ調べておきましょう。
クレペリン検査のやり方
クレペリン検査のやり方は至ってシンプルです。横一列に書かれた一桁の数字の羅列に対して、隣り合う数字をひたすら足していきます。
具体的には、1桁の数字が116個並んでいるので、左から順番に隣り合っている数字を足し合わせてください。解答は数字同士の間に記入して、足した結果が2桁になる場合は下1桁のみ記載します。
たとえば、「13579」と数字が記載されている場合、左から「1+3=4」「3+5=8」のように解いてください。「13579」の答えは「4826」になります。後半の解答を見てもわかるように、計算結果が2桁になる場合は下1桁のみを記載してください。
クレペリン検査はこのような1行分の計算を1分間で行います。検査工程と時間は以下のとおりです。
・前半15分(15回の繰り返し)
・5分間の休憩
・後半15分
作業自体はシンプルですが、足し算をし続ける集中力が求められます。1分間で1行すべての計算を終わらせるのはほぼ不可能なので、焦る必要はありません。1分が経過すると下の行に移り、再度計算を始める流れです。
クレペリン検査は会場で受検
クレペリン検査はWebテスト形式ではなく、受検会場へ赴いて紙に手書きで計算していく筆記形式を採用している適性試験です。
クレペリン検査が生まれた時代背景もありますが、紙と鉛筆を用いたテスト形式に意味があり、解答結果から導かれる「作業曲線」などの評価項目をもとに、学生の能力を判定しています。
能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定
クレペリン検査の特徴の一つとして、受検者の能力面と性格・行動面の特徴を同時に判定できる点が挙げられます。一般的なWebテストの場合、能力試験と性格検査のように2種類にわかれていますが、クレペリン検査では一度の試験でそれぞれの特徴が判定可能です。
クレペリン検査の結果は、以下3つの項目・観点で評価されています。
・作業量
・作業曲線
・誤答(正確性)
詳しくは後述しますが、簡単な作業を連続して実施させた結果について、上記の観点で分析しているという全体像はあらかじめ理解しておきましょう。
クレペリン検査以外の適性試験については「就活のWebテストとは?受検形式や出題科目、効果的な対策法を解説」も参考にしてください。
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クレペリン検査で評価されている3つの項目
クレペリン検査の結果を分析する際に用いられる3つの評価項目を解説します。どのような観点で評価しているか理解しておくと、受検に向けた対策がしやすいでしょう。
作業量
クレペリン検査の結果で評価される項目の一つに、どのくらいの量の計算をこなすことができるかという作業量が挙げられます。前半15回・後半15回、合計30回の連続した計算をする作業を通じて、作業効率や作業をする際のテンポを評価しているようです。
毎回の解答数が多いほど、作業の処理能力の高さや効率よく作業をこなせる人物であると判定されやすくなり、知能がどの程度あるか判定する際の指標にもなります。
合格ラインが定められているわけではありませんが、一般的には、受検者の平均とされる半分以上を目指すのがポイントです。
作業曲線
クレペリン検査では、毎回の作業量の変化をつないで折れ線グラフにした「作業曲線」をもとに、受検者の性格や特徴を判定しています。
一般的には、以下のような特徴のU字型の作業曲線になる人が多いです。
・検査の開始時は解答数が多い
・徐々に解答数が減っていく
・休憩が近づくと解答数が上がっていく
U字型の作業曲線になる場合には、「気分が安定している」「作業にムラがない」という評価がされます。一方で、上記のような特徴から外れて曲線の形がU字にならない場合には、「集中力がない」「注意力がない」「過集中の傾向がある」などのマイナスな判断をされるでしょう。
また、クレペリン検査から判定される性格的な特徴は、作業曲線と合わせて以下3つの側面から見られています。
・発動性
・可変性
・亢進性
それぞれの詳細は後述しますが、作業曲線から性格や特徴を判定されている点も押さえておいてください。
正確性
クレペリン検査では、解答結果の正確性・誤答数も見られています。そのため、単に計算量を多くすればいいのではなく、どれだけ正確に計算できるかも大切です。
企業側は、過去に実施した検査結果をもとに、解答数の多さと誤答数の関連性や、検査が進んでどれほどのタイミングで誤答数が増えやすいかなど、受検者の傾向を把握しています。正確性や誤答数が過去の傾向と大きくズレる場合には、集中力や能力にマイナスの評価をされる恐れがあるので注意しましょう。
検査の中盤で集中力が切れて誤答数が増えたり、休憩に向かってカウントダウンに入ると集中力が増して誤答数が減ったりするのは、直感的にもイメージがつきやすいはずです。試験全体でどれだけ集中力を維持できるかが重要になるでしょう。
クレペリン検査では、作業量・作業曲線・正確性の3項目をもとに受検者を評価していることを覚えておいてください。
なお、就活にはクレペリン検査以外にもさまざまな適性試験があり、なかでもSPIと玉手箱を採用する企業が多い傾向があります。「就活でよく聞く玉手箱とは?ほかの適性検査との違いや対策方法について解説」で解説しているので、あわせてご覧ください。
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クレペリン検査で判定される性格・行動面の3つの特性
クレペリン検査では、受検者の性格・行動面について評価する際、3つの特性を評価軸にしています。3つの特性とは、発動性・可変性・亢進性のことで、いずれも物事を進める際に発生する特性です。
企業は各特性の過不足具合から、受検者の性格・行動面の特徴を評価しています。それぞれの特性の特徴は以下の通りです。
発動性
発動性とは、物事に取り掛かるまでのスピードや環境への順応度合いを示す指標になります。
発動性が高い場合、物事を始めるために素早く動ける人が多いです。ポジティブ思考や環境適応力が高いなどの長所がある一方、先走ってしまったり、気疲れしやすかったりすることもあるようです。
発動性が低い場合は、自分の考えをしっかりと持っており、手堅く慎重に動ける性格と判定されます。ただし、自分の考えに固執してしまったり、選り好みしたりしてしまうともいえるでしょう。
可変性
可変性とは、物事に取り掛かる際に起きる気分の変化のこと。可変性が高い場合、気持ちの切り替えがしやすい、柔軟性がある、機転が効くなどと判定されます。可変性が低い場合、気分が安定しやすく、粘り強く地道に努力できると判断されます。
言い換えると、気分の差が激しい、感情的になりやすいといった特徴があるため、融通のきかなさや柔軟性の低さから、頑固な側面もあると判断されることもあるでしょう。
亢進性(こうしんせい)
亢進性(こうしんせい)は、物事を進める際の勢いを示したものです。
亢進性が高い場合、行動力があり、強い気持ちで頑張りが効くと評価される一方、無理をしたり、強引に物事を進めてしまったりするなどの評価を受ける可能性があります。
亢進性が低い場合、穏やかで控えめだと判定されるようです。言い換えると、受け身になりやすく、持久性に乏しく妥協しやすいと判定されることもあるでしょう。
このように、クレペリン検査への取り組み方を通じ、発動性・可変性・亢進性の各特性から受検者の性格的特徴が判定されています。どのような作業曲線で各特性の高低が評価されるかは明らかにされていませんが、上記のような性格を判定・評価されることは覚えておきましょう。
また、就活では内田クレペリン検査以外にも、さまざまな適性試験が使用されています。どのような種類があるか詳しく知りたい場合は、「就活の適性検査とは?検査の種類や特徴、受ける際のポイントをご紹介!」も参考にしてください。
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クレペリン検査を練習する方法
クレペリン検査の練習は、Webサイトやスマホアプリで実施できます。それぞれの方法について解説するので参考にしてください。
Webサイトを使う
クレペリン検査のWebサイトを使い、練習を進めましょう。本番を想定し、練習できる点がメリットです。ただし、本番では紙に記入する形式になるため、Webサイトでの入力と違う点は気をつけておきましょう。
スマホアプリを使う
スマホアプリを使い、クレペリン検査を練習するのもおすすめです。移動時間やすきま時間などを使い、簡単に練習することができます。
選考のどのタイミングで適性検査や筆記試験が実施されるかは、「就活のやり方を徹底解説!基本的な進め方やスケジュールをご紹介」の記事でご確認ください。
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クレペリン検査を練習する際のコツ
クレペリン検査で高得点を取るには、練習を重ねるのが大切です。練習する際のコツを紹介するので参考にしてください。
とにかく回数を重ねる
クレペリン検査を練習する際は、まず回数を重ねましょう。計算問題しかないため、回数を重ねて形式に慣れることが大切です。
回数を重ねれば解き方に慣れ、解答速度も上がっていくでしょう。本番でも慌てることなく、落ち着いて取り組めるはずです。
時間をはかって練習する
練習段階から、時間をはかって練習しておきましょう。クレペリン検査では、1分ごとに次の列に移る必要があるためです。
練習から1分で練習しておけば、本番でも同じ感覚で解くことができます。本番を想定しておくことで、高得点を狙えるでしょう。
ミスは気にせず解き進める
計算ミスをしてしまっても、気にせず解き進めるのも大切です。練習段階では、まず計算に慣れることを優先しましょう。
よくあるミスが、行を飛ばして解答してしまうミスです。本番でもミスをしてしまったとき用に予備の行があるため、気にせず解答を続けるようにしましょう。
間違えても消しゴムは使用しない
計算ミスをした場合でも、消しゴムは使用せずに解き進めてください。クレペリン検査本番でも、消しゴムの使用ができないためです。
ミスした場合は消しゴムで消すのではなく、ミスした箇所に「✕」をつけ、そのまま次の問題を解いていきます。消しゴムを使うと時間をロスしてしまうだけではなく、正しい検査結果が出ない場合もあるため、使用しないようにしましょう。
落ち着いて検査に取り組む
練習段階から落ち着いて、慌てず検査に取り組むようにしましょう。単純な計算問題だからこそ、慌てるとミスが増えてしまいます。
また、体調管理も行い、練習を進めるようにしてください。体調不良や寝不足だと集中力が落ちてしまい、練習の効率が下がってしまいます。就活での体力を維持するコツは、「就活で体力がもたない?しんどいときに乗り切る方法と効率化するコツ!」の記事を参考にしてください。
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クレペリン検査を受検する際の注意点
クレペリン検査を受検する際の注意点をまとめました。受検当日の準備や心構えなどに関して、以下の内容も理解しておきましょう。
筆記用具は複数用意しておく
クレペリン検査を受ける場合、筆記用具は複数準備しておきましょう。トラブルが起きた場合に、焦らず復帰できるようにするためです。
たとえば、鉛筆の芯が折れたり、シャープペンシルの芯がなくなったりなどの事態も考えられます。あらかじめ筆記用具を複数本用意しておけば、時間をロスすることなく復帰できるでしょう。
練習しすぎない
クレペリン検査は練習しすぎると、自分の本来の能力や特徴を測定しにくくなります。練習は大事ですが、しっかりと練習して作業量が増えすぎると、不自然な検査結果になる場合があります。本来の自分の作業曲線を操作するような解答は避けてください。
なお、SPIなどで実施される性格検査も事前の対策は不要です。性格検査については「性格検査とはどんなテスト?問題例や対策方法を解説!」の記事で解説しているので、参考にしてください。
検査結果が良好でも不合格になることもある
検査結果がよい場合でも、企業との相性によっては不合格になる場合があるため、落ちてしまっても過度に落ち込まないことが大切です。
ただし、仮に不合格でもあなたの能力が劣っているわけではありません。たまたま合わない企業だったと受け入れ、次の選考に向けて準備を進めましょう。
クレペリン検査を含めた筆記試験対策については、「就活の筆記試験で落ちる人の特徴は?テスト対策でボロボロの結果を防ごう」も参考にしてください。
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クレペリン検査の練習をしても就活が不安なあなたへ
クレペリン検査はさまざまな適性試験の一つであり、対策を施してもすべての検査を網羅できるわけではありません。内定獲得には適性検査対策だけでなく、応募書類や面接対策も重要です。
就活の準備は多岐にわたるため、このままで本当に大丈夫なのかと悩む人も多いでしょう。クレペリン検査の練習をしても就活に不安を感じる人は、就職エージェントのキャリアチケットに相談してください。
キャリアチケットでは、各種適性試験の対策はもちろん、ES添削や面接対策など就活全体のサポートを行っています。内定を獲得するには、就活を効率よく進めることが大切です。就活に漠然とした不安を感じている人は、ぜひキャリアチケットを活用してください。
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本記事の監修者
淺田真奈(あさだまな)
大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。