留年したら就職できない?不利にならない対策や面接での理由の答え方を解説

このページのまとめ

  • 留年すると就職活動でネガティブな印象を受けやすく、厳しいといわれることが多い
  • 留年して就職活動をするメリットは、新卒枠での採用を獲得できて再挑戦できる点
  • 留年して就活をしている理由の答え方、正直かつポジティブな内容を伝えるとよい

留年したら就職できない?不利にならない対策や面接での理由の答え方を解説のイメージ

「留年したら就職できない?」「卒業せずに就職活動をするとどうなる?」と疑問に思う学生も多いでしょう。留年すると就活で不利になる可能性もありますが、正直かつポジティブに伝えると逆に強みになりえます。

この記事では、留年が就職活動に与える影響や不利にならない対策、状況別の答え方、事前準備を徹底解説します。厳しいといわれる理由も紹介しているので、留年して就職活動をする予定の学生は、参考にしてください。

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目 次

留年して就職活動をする学生は珍しくない

留年して就職活動をする学生は、日本には多くいます。文部科学省の実施した「学校基本調査」によると、令和4年の最低在学年限超過学生数(留年者数)は、79,141人とのことです。中には、6年以上も留年し続けている生徒もおり、留年は珍しいものではないでしょう。

一方で、留年する年数が増えるほど、周りの新卒入社者と歳が離れ、就職が難しくなるケースも。卒業を見据えた単位取得の計画を行い、留年を回避できるといいでしょう。

留年が決まると退学を視野に入れる生徒も多いですが、卒業をするに超したことはありません。卒業せずに中途退学すると学歴が高卒になりますが、大学卒業資格を取得できると、選考に応募できる幅も広がります。

留年している学生は珍しくはないとはいえ、しっかりと卒業することが大切といえます。

参照元
文部科学省
学校基本調査

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留年して就職活動をすることが不利・厳しいといわれる理由

留年就職して就職活動を行うのが厳しい理由は、留年がネガティブな印象を受けやすかったり、留年について聞かれる場合があったりするからです。留年して就職活動を行う際に、どのような状況になりやすいのかを知っておきましょう。

留年にネガティブな印象を持つ面接官もいる

留年して就職活動を行う場合、採用担当者にネガティブな印象を与える可能性があります。

たとえば、留学のようにポジティブな理由で留年したのであれば、プラスの印象を与えられます。しかし、単位を落とした、勉強をさぼっていたなどの理由であれば、評価は下がるでしょう。

留年が就職活動に与える影響については、「病気で留年すると就活はどうなる?留年したときの対処法を解説」も参考にしてください。

面接で留年の理由の答え方が用意できていない

面接で留年について聞かれやすい点も、就職活動が厳しくなる理由です。留年したこと自体を履歴書に記載する必要はありませんが、入学からの年数を考えればすぐに分かること。質問されたときに「勉強に身が入らなかった」「なんとなく授業に出なかった」など、答え方によっては評価を下げてしまうことも。

面接で留年について聞かれた場合、留年を経て学んだ内容や経験を伝えるのが大切です。たとえ、単位を落として留年した場合でも、反省して努力したエピソードがあれば、プラスの評価へと変えられるでしょう。

留年経験に対して厳しい評価をする業界もある

「金融」「商社」「インフラ」などの業界は、留年に厳しい傾向があります。特に、金融業界は金銭を扱うので、「勉強をサボっていた」「遊んでいて卒業できなかった」などの理由で留年した場合は厳しく見られるでしょう。

商社などは安定性から人気が高く、ポテンシャルを持つ学生も多く集まります。留年したこと自体が先行に影響するとは限りませんが、留年せずに卒業できる就活生と比較される可能性については、意識しなければなりません。

留年していても金融業界や商社などへの就職を検討する場合は、業界研究を行い、準備を入念にするのが大切です。金融業界については、「10分で分かる金融業界(銀行編):3大メガバンクの特徴を徹底解説」を参考にしてください。

留年に寛容といわれる業界もある

IT企業や公務員は、留年に比較的寛容な業界といわれています。IT業界は実力主義の風土を持つ企業も多く、能力があれば留年しているかどうかはあまり気にしないという考えが浸透しているのが理由。また、公務員は公務員試験に合格すれば学歴や経歴は問われません。公務員試験合格のために留年を選ぶケースもあるので、留年の影響はあまりないといえるでしょう。

らに、ベンチャー企業や外資系企業なども、留年に寛容な傾向があります。チャレンジ精神や実力を優先するので、留年中に取り組んだ内容のアピール次第では、高評価につながるでしょう。

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留年して就職することに関してキャリアアドバイザーからのアドバイス

面接では、留年をして得たものや学んだことを伝えましょう。また、留年してしまった理由と改善した結果についても伝えてください。

留年中の過ごし方は、できるだけポジティブに伝えることが大切です。留年をしていても、伝え方次第では面接官に好印象を与えられる可能性があります。

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留年しながら就職活動をする人に多い状況

留年して就職活動を行う理由には、単位不足や就職先が決まらなかったなど、いくつかの理由があります。どのような理由で留年するのかを解説するので、参考にしてください。

卒業までの単位が足りなかった

留年して就職活動を行うケースに多いのが、単位が足らなかったケースです。単位不足は面接の場面で伝えにくく、就活が厳しくなる留年理由の1つでしょう。

ただし、単位不足で留年する場合にも、留年理由は正直に話すのが大切です。ごまかさずに留年したと伝え、留年してからどのような取り組みを行ってきたかを伝えましょう。失敗経験をそのままにせず、改善した経験があれば、企業からは評価されます。

就職先が決まらなかった

「第一志望の企業から内定がもらえなかった」「そもそも内定がもらえなかった」などの理由から、就職留年を選ぶケースもあるでしょう。就職先が決まらなかった場合は、なぜ就活を続けているのか、その理由を伝えるのが大切です。

就職留年とは?就職浪人との違い

就職留年とは、大学に在籍しながら就職活動を行う学生のことです。卒業予定の年までに志望した企業からの内定がもらえなかったり、満足のいく結果にならなかったりした場合に、あえて卒業せず翌年度も新卒として就職活動を行うために留年する人や行動を指します。

似た概念として「就職浪人」がありますが、就職浪人は卒業して就活を行うので、既卒枠の採用になります。就職浪人については、「就職浪人は不利になる?経験談からみるメリット・デメリットと対策方法」で解説しています。メリットデメリットを知り、どのような選択がいいか考えてみましょう。

病気や経済的事情で卒業できなかった

病気や経済的な事情で、卒業できなかった場合もあるでしょう。このような場合は、理由を伝えてもネガティブにはなりません。

ただし、健康上の理由で留年したことが採用担当者に伝わると、入社後の体調を心配されるケースも多いです。「体調が悪化してしまうのではないか」「体調によってはできない業務もあるのではないか」など。

体調が万全な状態では「完治しているため健康の心配はありません」と伝え、そうでない場合は「月に1度、通院の必要があります」など心配な側面を申告しておきましょう。

部活や留学などに力を入れていた

部活や留学に力を入れ、留年するケースもあります。この場合では、部活や留学を経て、何を得たか伝えるようにしましょう。得られたものを伝えられれば、採用担当者からの評価が上がり、就活にプラスに働きます。

部活経験をアピールしたい場合は、「自己PRで部活経験をアピール!自分の強みが伝わるコツを例文とともに解説」も参考にしてください。

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留年して就職活動を行うメリット

留年して就職活動を行う場合、新卒枠で選考に参加できたり、就活経験を活かせたりするなどのメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか解説するので、参考にしてください。

新卒枠で選考に参加できる

特に希望する就職ができなかった場合に大きなメリットとなるのが、留年することで再度新卒として選考に参加できること。卒業すると、多くの場合は既卒として中途採用枠を利用した就職活動となります。

新卒枠の場合、未経験でも採用されやすく、ポテンシャルでの評価になります。しかし、中途採用では経験者が評価されやすく、仕事経験のない既卒では内定獲得が厳しくなるでしょう。

また、中途採用では難しい企業も、新卒なら入社できる場合があります。新卒は新卒カードと呼ばれるほど就職活動にプラスに働きやすいのを覚えておきましょう。

新卒カードについては、「新卒カードとは?使用するメリット・デメリットと就活成功のポイントを解説」で詳しく解説しています。

就活経験を活かして再チャレンジできる

就職留年して再度就職活動をする場合には、経験を活かせる点もメリットです。一度就活を経験しているため全体の流れややるべきことも分かっており、効率的に進められるでしょう。

たとえば、「面接では△△が評価されやすい」「この時期から就職活動を始めれば十分に準備が間に合う」などの知識があります。はじめての就職活動で混乱する就活生も多いので、知識があるのはメリットになるでしょう。

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留年して就職活動をしている理由の答え方のポイント

就職活動で留年理由を伝える場合には、正直に、理由はポジティブに伝えるのを意識してください。ここでは、留年理由を伝える際のポイントを解説します。

理由は正直に伝える

留年理由は、正直に伝えましょう。「部活との両立ができなかった」「研究に時間を費やしていた」のように伝えるのがおすすめです。
留年理由をごまかそうとしても、うまく伝えられなかったり、矛盾が発生したりしてバレてしまうケースもあります。ごまかしてしまうと印象が悪くなるので、理由は正直に伝えるようにしましょう。

留年の理由はポジティブにアピールする

留年理由については、ポジティブにアピールしてください。留年をマイナスな事実にせず、採用担当者からの評価を下げにくくするためです。「学業以外のことで単位が足りなかった」といった理由は、怠慢な印象に捉えられ、面接官からの印象が上がりにくいでしょう。

ポジティブにアピールするためには、留年を経て、学んだ経験や知識をアピールするのが大切です。たとえば、勉強に打ち込んでいたのであれば、勉強で得た成果はアピールになります。勉強を通して努力や継続性を得た、などの成長もアピールできるでしょう。

ただ留年しただけではなく、ポジティブに自分が得たものを探してアピールしましょう。

留年中の過ごし方を伝える

留年中にどのように過ごしたかも、アピール材料になります。取り組んだことや、努力したものがある場合には伝えましょう。

たとえば、留年中の時間を使って資格を獲得するのも1つの方法です。業務に関係ある資格であれば、熱意も伝わるでしょう。留学のように、時間があるからこそできる取り組みに挑戦するのもおすすめです。

留年中の過ごし方については、「留年したら就職できないって本当?内定獲得に向けた対策や注意点を解説」も参考にしてください。

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面接における状況別の留年理由の答え方【例文あり】

留年した理由を聞かれた場合に備えて、どのような回答ができるかを知っておきましょう。2つのパターンを紹介するので参考にしてください。

単位不足で留年した場合

1年生のときにサークル活動に打ち込んだ結果、単位を落とし、留年してしまいました。留年により両親には学費の負担を強いてしまい、自分の行動が及ぼした影響の大きさに深く反省しております。

翌年からは意識を改善し、学業とのバランスを見直しました。サークル活動への参加を月に1回と決め、急な誘いに応じることをやめた結果、自己管理能力が高まったと実感しています。この反省と学びを忘れずに、仕事でもプライベートとの両立を目指して業務に取り組みます。

就職先が決まらずに留年した場合

昨年は満足のいく結果が出ず、やり直したいと思い、就職留年を選択しました。大学のキャリアセンターを活用しながら就活を進めています。

昨年の失敗を活かし、自己分析や業界研究、企業研究をやり直しました。就活の軸を定めてから企業を探しているうちに、御社について知りました。御社の「○○」な社風や新しい事業展開に積極的な姿勢に感銘を受け、志望しました。

限られた時間で就職活動を終わらせられず、就職留年になったことに悔いは残りますが、御社に出会えたことは大変嬉しく思います。昨年の反省を活かし、計画的に物事を遂行できる人材になるために精進致します。

病気や怪我で留年した場合

昨年の野球大会で脚を骨折して3か月間入院をしていたため、必要単位を取得できず、留年しました。留年期間に単位を取得し、今では足の怪我も完治しております。日常生活や業務において不自由はありません。

留年期間を有効に活用するために、御社の冬季インターンシップに参加しました。そこで、出版物発行の難しさと同時に、1つを完成させる喜びを感じて志望しました。

体調管理の大切さを学習したため、入社後にご迷惑をおかけしないように慎重な生活を心がけます。

学業以外のことに取り組んで留年した場合

私は大学2年生のときにゲーム開発に取り組んだ結果、学業との両立が難しくなり、留年してしまいました。途中で諦めたくない思いが強く、発売まで行った結果、本来は勉強に割くべき時間を使ってしまったことを反省しております。

しかし、ゲームの発売によって200万円ほど利益を得ました。学生の時期に、自分で開発したゲームで売上を出すのは貴重な経験です。ただし、これは学生だからこそできた経験であるのを忘れず、社会人になった際には優先順位を見極めながら、計画性を持って業務に取り組みたいと思います。

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留年期間に就職に向けた事前準備や取り組めること

留年期間中には、単位取得を優先しつつも海外留学やインターンシップなど、就職に向けて取り組んでみましょう。ここでは、5つの取り組みを紹介するので参考にしてください。

卒業するために計画を立てる

留年が決定した際は、できるだけ早く卒業できるように計画を立てましょう。留年期間に就職活動を頑張っても、卒業できなければ入社できない場合がほとんどです。

退学を視野に入れる学生もいますが、卒業することをおすすめします。大学卒業資格は簡単に取得できるものではありません。卒業に必要な単位数や試験の日程、出題範囲を把握し、就職活動と卒業計画を並行して遂行しましょう。

海外に留学する

海外留学を行えば、行動力や語学力のアピールになります。留年した理由で留学と伝えても、印象が悪くならないのもメリットです。

ただし、留学する際は目標を明確にしましょう。「語学を学ぶ」「ボランティアを行う」などで問題ありません。留学した場合、その目的や得たものを聞かれやすいので、答えられるようにしておきましょう。

長期のインターンシップに参加する

長期のインターンシップに参加し、業務経験やビジネスマナーを成長させるのもおすすめです。志望企業のインターンシップを探し、参加するといいでしょう。

インターンシップの経験は、自己PRや志望動機作成にもつながります。特に長期であれば社員と同じように業務に関わる機会も多いため、仕事への考え方や取り組み方、実績など就活でのアピール材料になるのでおすすめです。

インターンシップについては、「インターンシップとは何か?特徴や選び方などをご紹介!」で解説しているので、参考にしてください。

周りとの交流を深めて情報を収集できる体制を整える

留年期間は、周りと積極的に交流し、就職活動や卒業に関する情報を収集できる体制を整えることも大切です。留年をすると、元の学年の友達が就職をしている中で、就職活動を行うことに。孤立しやすく、情報も入りにくくなりがちです。

友達を作ると、試験の日程やレジュメの共有ができるため、スムーズに卒業しやすくなるでしょう。また、自分を理解するために必要な他己分析の協力も仰げます。

1人で留年期間を過ごすのではなく、下の学年の生徒と交流を深めることをおすすめします。

就活エージェントに相談する

留年が決定して就職活動に不安を感じている場合は、就活エージェントに相談しましょう。就職活動のプロであるキャリアアドバイザーが在籍している場合もあるため、ちょっとした悩みでも相談できます。

留年期間は、「就職できなかったらどうしよう」「留年理由について深堀されたらどうしよう」など、さまざまな悩みが出る場合もあります。就活エージェントを活用すると、求人情報やセミナー、面接対策などを活用して就活を進めていけるでしょう。

就活エージェントサービスを無料で提供する企業も多いため、相談からでも活用してみてください。

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留年して自分に合う企業への就職を目指すあなたへ

留年すると就職に厳しくなると考える人もいるでしょう。留年してしまった場合には、どのように採用担当者にアピールするかが重要になります。就活エージェントのキャリアチケットと一緒に、どのようにアピールするか考えてみましょう。

キャリアチケットでは、好印象な留年理由の答え方のアドバイスや、内定獲得に直結する選考対策をサポートします。自分の強みが分かる自己分析や自分に合う企業を見つける企業分析などのお手伝いも行います。

就職活動に不安がある場合は、1人で悩まずに、アドバイスをもらうことも大切です。留年して「就職できないのではないか」と不安に思う方は、下のボタンから登録してお気軽にご相談ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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