留年が就職に与える影響と厳しい・不利といわれる理由!内定後の対応も解説

このページのまとめ

  • 大学で留年が確定した場合は、卒業を第一優先に考える
  • 留年しても就職できないことはないが、嘘をつくと内定取り消しの危険もある
  • 留年の理由は正直に伝え、直接企業へ訪問してすり合わせの機会を頂こう

留年が就職に与える影響と厳しい・不利といわれる理由!内定後の対応も解説のイメージ

留年が確定した際に「就職できなくなるんじゃないか」と不安に思った方もいるでしょう。実際、就職活動で留年した理由を聞かれる場合もあり、面接前にしっかりと対策する必要があります。

この記事では、留年が就職に与える影響や不利・厳しいといわれる理由、留年して就活するメリット・デメリットを紹介します。企業への伝え方も例文付きで解説したので、留年後の就職先でお悩みの方は参考にしてください。

就活には悩みがつきものです。就活終盤の悩みの解消法について知りたい方は「就活をやり直したいときはどうする?就活終盤の悩みの解消方法まとめ」も参考にしてください。

留年時の就活について相談したい

   
目 次

留年が就職に与える影響と「不利」「厳しい」といわれる理由

留年が就職に与える影響と、「不利」や「厳しい」などといわれる理由を、文系と理系に分けて解説します。

文系大学生の場合

文系大学生が留年した場合、半年から1年であれば、大きな影響はないでしょう。前向きな留年理由を伝えられれば、問題なく就活できると考えられます。

学生の可能性や将来性を重視する企業では、入社後に活躍する姿をイメージをしてもらえれば、内定をもらえるでしょう。

しかし、志望する業界や職種によっては、留年が不利にはたらく可能性もあります。お金を扱う金融業界では、留年の事実が発覚すると、採用を見送られやすくなるでしょう。金融業界は、真面目にコツコツと努力し続けられる誠実な人材を求める傾向にあるためです。

理系大学生の場合

理系大学生が留年した場合も、文系と同様に大きな影響がないといわれています。理系学部は専門的な分野を学ぶため、単位取得が難しく、留年する学生が多いからです。

しかし、2年以上卒業できなかったり、理由を明確に伝えられない場合は、不利にはたらく可能性があります。

2年以上の留年は、専門知識の勉強不足やスキル不足のイメージをもたれやすくなります。また、単位が取れないことから、目標達成能力を疑われるケースもあるでしょう。

理系大学生の就活のコツは、「多忙な理系学生も無理なくできる!失敗しない就活の進め方」も参考にしてください。

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内定後に留年したら就職できる?確認事項や企業への対応を解説

大学4年生までは順調に進学できたものの、内定後に留年してしまう学生も少なくありません。ここからは、内定後に留年した際の確認事項や企業への対応を解説します。

留年確定前に確認すべきこと

1学期が終わるごとに「単位が足りないかも」「テストで点が取れなかったから留年するかも」と不安になる学生も多いでしょう。留年の可能性が浮上した場合は、できる限り早く、大学のキャリアセンターや学部ごとの受付、教授などへ相談してください。

大学や学部によっては、救済措置として追加のレポートや追試を受けられる場合があります。また、教授に直談判すると、特別補習が受けられるケースも。

卒業を諦める前に、大学に掛け合って交渉することをおすすめします。

留年しても内定取り消しになるとは限らない

留年しても、すべての企業で内定取り消しになるとは限りません。

公務員の場合、留年しても受け入れられる場合が多いです。応募要項が年齢(30歳以下)のみで、大学卒業が条件に入らないケースが多いからです。自治体や職種によって異なるため、必ず留年の報告をして状況を共有しましょう。

また、公務員以外の職種では、留年が理由で内定取り消しになる場合もあります。一方で、状況を説明し入社の意欲を訴えれば、卒業できるまで待ってくれることもあるようです。

内定取り消しを避けるためにできることについては、「卒業できないと内定取り消しになる?留年した場合の対応を解説」で詳しく解説しているので参考にしてください。

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留年を就職先に報告する際の伝え方【例文付き】

留年の事実は、就職先に報告しなければなりません。ここからは、状況別に留年を報告する際の伝え方を紹介します。

就職したいとき

内定後に留年が確定したものの、その企業に就職したいときの伝え方を紹介します。

前提として、メールでの連絡は避けましょう。なんらかの理由があるにしても、入社が遅れる旨を謝罪する必要があるからです。まずは電話で留年の事実を伝え、直接会って謝罪を伝える機会を設けてください。

就職先へ電話する際は、以下のように伝えると良いでしょう。

お世話になっております。来年度の内定を頂いた〇〇大学の田中太郎と申します。内定に関して相談したく、ご連絡いたしました。お忙しい中恐れ入りますが、ただいまお時間いただけますでしょうか。

今年度の卒業が難しくなり、4月入社ができなくなってしまいました。私の力不足で〇〇(採用担当者)様はじめ御社に、多大なるご迷惑をおかけして誠に申し訳御座いません。

御社に伺って謝罪をさせていただきたいのですが、ご都合のつく日程を頂けると幸いです。

電話では簡単な留年理由を伝え、就職先へ訪問する機会をいただきましょう。企業に訪問した際の謝罪は、以下を参考にしてください。

本日はお時間を頂き、ありがとうございます。電話でもお伝えしましたが、卒業が難しくなり、4月入社ができなくなりました。

留年の理由は、卒業論文の内容が卒業要件に満たなかったためです。学生課や教授への交渉も行いましたが、卒業は叶いませんでした。私の力不足でこのような事態となり、誠に申し訳御座いません。

御社で働きたい気持ちがあります。理由は、〇〇(志望理由)だからです。

卒業は来年の3月を予定しています。大変恐縮ながら、もう一度入社の機会をいただけませんでしょうか。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

あくまで謝罪の立場をわきまえ、卒業を待ってもらえるよう交渉してください。あからさまに入社を待ってほしいと伝えるのではなく、入社の機会を願い出て、企業側の対応を待ちましょう。

内定辞退をしたいとき

内定辞退の連絡は、必ず行いましょう。連絡をしないと、内定先とのトラブルになる可能性もあります。留年が確定し、内定辞退したい場合の伝え方は以下を参考にしてください。

お世話になっております。先日頂いた内定の件でご連絡いたしました。ただいまお時間よろしいでしょうか。

大変申し上げにくいのですが、卒業が叶わず、4月の入社が難しくなりました。つきましては、内定を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。

貴重なお時間を割いて選考や面接をして頂いたにも関わらず、私の力不足でこのような結果となり、申し訳ございません。

必ず直接会って謝罪する必要はありませんが、誠意を伝えたい場合は内定先へ訪問しましょう。

内定辞退のマナーについては、「内定辞退はいつまでできる?法的ルールやマナーに沿った断り方をご紹介」でも紹介しています。

面接で聞かれたとき

面接で留年の理由を聞かれた際の答え方は、以下を参考にしてください。

私は、部活動中心の大学生活を送り、4年間での卒業が叶いませんでした。土日はもちろん、平日も練習があり、十分な単位を取れなかったことが原因です。

全国大会に向けた過酷な練習の結果、レギュラーメンバーに選ばれ、3位という結果を頂きました。しかし、学業をおろそかにしてしまった分、大会終了後は人一倍努力しました。今後は自己管理を徹底的に行い、優先順位をつけて行動できる人間になれるよう尽力します。

入社後は、部活で得た忍耐力や精神力を武器に、粘り強く努力し続けます。

面接では、留年の理由と今後の改善策を正直に伝え、「入社後に自分の強みをどう活かすか」を説明できると良いでしょう。選考に関わる面接だからといって、嘘をつくのはやめてください。

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留年をして就職活動をする4つのメリット

留年して就職活動する際は、新卒と同じ扱いで就活ができるなどのメリットがあります。ここでは、4つのメリットを解説するので、進路を選択する際の参考にしてください。

1.新卒と同じ扱いで就活ができる

留年しても、新卒と同じ扱いで就活できるメリットがあります。新卒と同じ扱いで就職できると、次のような点が就活で有利になります。

・新卒のみの求人に応募できる
・インターンシップに参加できる
・学校で開催される会社説明会に参加できる
・大学のキャリアセンターでサポートを受けられる
・交通費で学割を利用できる

日本の就活は「新卒一括採用」が一般的であり、新卒のみを対象にした求人が多い状況です。新卒と同じ扱いで就活できると、企業選びの幅が広がるメリットがあります。

2.以前の就活経験を活かせる

就職留年の場合、就活の進め方や流れを理解しているので、スムーズに進められるでしょう。グループディスカッションや面接経験などを積んでいる場合、選考慣れできているのもメリットです。グループディスカッションは就活以外で経験する機会は少なく、1人では練習できません。

また、面接は緊張しやすいので、回数を重ねて面接慣れしていればほかの学生との差別化になります。就活は進め方が分からずうまくいかない学生も多くいます。就活経験を活かして再チャレンジできるのは、大きなメリットです。

就活の基本的な流れや準備については、「就活のやり方を一から解説!スケジュールや対策を徹底紹介」で解説しています。就活の流れを忘れないように、再度確認しておきましょう。

3.時間に余裕をもって就活ができる

時間に余裕をもって就活ができる点もメリットです。時間を使って面接の準備や対策を行えば、内定獲得に近づけます。たとえば、インターンシップに参加し、仕事の経験を積む方法もあります。学業と並行しながらだと参加しにくい長期のインターンシップも、参加しやすいでしょう。

また、OB・OG訪問を積極的に行い、Webサイトや説明会では入手できない情報を集めるのも一つの方法です。留年期間は使える時間が多いので、面接の準備や勉強など時間を有効活用しましょう。

4.社会人になった同級生から情報を入手できる

社会人になった同級生から情報を入手できる点もメリットです。実際に働いている同級生から話を聞ければ、企業研究や志望動機作成に役立つでしょう。

また、近年では、働いている従業員が人材を紹介する「リファラル採用」を取り入れている企業もあります。志望企業があれば、友人に自分を紹介してもらうように依頼するのも一つの方法です。

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留年をして就職活動をする3つのデメリット

留年して就職活動をすると、周囲から理解を得られないといったデメリットもあります。留年して就職活動を行う前に、デメリットについても知っておきましょう。

1.1年分の学費が必要になる

留年した場合、1年分の学費が必要になります。家族に負担をかけてしまったり、自分で生活費や学費を稼がなければならかったりするので注意しましょう。

就活でも交通費などの費用は必要であり、就活に備えて資金を準備しておく必要があります。アルバイトをしながらの就活になると、忙しくて面接に集中できない場合もあるでしょう。

「学費がどれだけ必要になるのか」「就活の費用は準備できているか」などを確認してください。学校によっては、卒業延期制度を設けており、学費の減額を受けられる場合もあるので調べてみることをおすすめします。

また、就活でかかる費用については、「就活中にお金はどのくらいかかる?内訳や出費をおさえる節約方法も紹介」で解説しています。必要な資金を確保できるか、計算してみましょう。

2.同級生が就職していて落ち込みやすい

留年期間中の就職活動は、同級生が就職していて落ち込みやすくなります。周囲と比べずに、自分のペースで就活を進めるようにしましょう。

また、友達との間で就活情報や面接情報について共有できないのもデメリットです。困ったときや相談にのってほしいときに、頼れる相手を探しておきましょう。

3.理解を得られない場合がある

留年をした経緯について、理解を得られない場合もあります。家族から理解を得られないと、金銭面も問題になるので、就職留年を選ぶかは事前に相談しておきましょう。

企業の面接担当者にも、就職留年に対して批判的な場合もあります。面接で留年について質問された際には、納得させられる理由を伝えられるように、準備しておくのも必要です。

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留年が理由で就職活動に自信が持てないときの対処法

留年が理由で就職活動に自信が持てない場合は、自己分析や面接対策を徹底的に行いましょう。学生の自信のなさは、面接官に伝わりやすいです。「おどおどしているけど、入社してから大丈夫かな」と思わせないように、自分に自信を持って就活に挑めるよう準備しましょう。

留年した理由を明確に伝える練習をする

自分なりの留年した理由を的確に伝える練習を行いましょう。留年に対する後ろめたい気持ちから、明らかな嘘をつくと、面接官が疑いの目を持つ場合もあるので注意が必要です。

まずは結論から話し、理由を簡潔に述べて、入社後のイメージを伝えましょう。

自信を持ってハキハキと話せるようにしよう

留年を弱みとして感じさせないように、自分に自信を持ってハキハキと話す練習をしてください。留年に対して後ろ向きな気持ちのまま面接に挑むと、自分に自信が持てずにボソボソとした話し方になってしまうかもしれません。

家族や友人、就活エージェントに模擬面接を頼み、客観的な意見をもらうと良いでしょう。無意識のうちに出ている癖や仕草に気づける場合があります。

自己分析をやり込み「自分の強み」を信じる

自己分析をして、自分の強みを確信しましょう。自分の強みを分かっていると、入社後のイメージやキャリアプランが明確になります。志望動機や長所を聞かれた際にも、スムーズで的確な回答ができるでしょう。

自己分析については、「自己分析はノートを使うのがおすすめ!やり方や書いておきたい内容を解説!」も参考にしてください。

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留年して就職活動をすることに不安を感じているあなたへ

留年は就職に不利にはたらくケースもありますが、理由や改善策を明確に伝えることで、問題なく面接を突破できる場合が多いです。

しかし、「留年の理由をうまく伝えられるか心配」「せっかく内定をもらえたのに取り消されるのではないか」と悩む就活生も多いでしょう。留年が決まって就活に不安を持つ方は、就活エージェントの「キャリアチケット」にご相談ください。

キャリアチケットでは、留年時の企業への対応はもちろん、留年後の不安な就活を成功させるためのサポートも行います。自分を理解して強みをアピールするための自己分析のお手伝いや、選考の第一歩である応募書類の添削も行いますので、内定獲得に1歩近づくきっかけを作ります。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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