就職浪人とは?メリット・デメリットや成功につなげる過ごし方を徹底解説

このページのまとめ

  • 就職浪人中は、自分に合ったキャリアを見つけるための時間
  • 浪人期間の経験は選考での強みにもなり得る
  • 就職浪人中は、選択した道に納得し主体的に過ごすことが大切

就職浪人とは?メリット・デメリットや成功につなげる過ごし方を徹底解説のイメージ

思うように結果が出なかった就活の末、「就職浪人」という選択をする人も少なくありません。ただ、近年ではキャリアの見直しやスキル習得の時間として前向きに捉える声も増えています。

この記事では、就職浪人の実態や他の選択肢との違い、メリット・デメリット、そして実際に就職につなげるための具体策を紹介します。成功に導く過ごし方や面接対策のコツも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目 次

就職浪人を選ぶ人は毎年一定数存在している

厚生労働省が公表した「令和6年3月大学等卒業者の就職状況」によると、就職率は98.1%と過去最高を記録しました。

これをもとに考えると、就職していない人はおおよそ2%ほど。進学や一時的に働いていない人も含まれますが、この中に就職浪人も含まれるでしょう。

人数としては少ないものの、卒業後に就活を続ける道を選ぶ人は毎年一定数います。珍しいケースとして切り離すのではなく、一つの進路として受け止められつつあると捉えることもできるでしょう。

就職浪人は卒業後も就活を続けている人を指す

「就職浪人」とは、大学や専門学校を卒業したあと、すぐには就職せずに就活を継続している人のことをいいます。

たとえば、新卒時に内定が取れなかった人や、納得できる就職先を見つけるために内定を辞退して再チャレンジしている人などが該当します。タイミングが異なるだけで、就職を目指して行動している姿勢に変わりはありません。自分の将来を見つめ直し、よりよい選択をしようとしている点に注目することが大切です。

就職留年や第二新卒とは意味や立場が異なる

就職浪人と似た表現に「就職留年」や「第二新卒」があります。言葉は似ていますが、意味はそれぞれ異なるため混同しないよう注意が必要です。

・就職浪人:卒業後に就職活動を続ける人。「既卒」とも呼ばれる
・就職留年:卒業をあえて延期して、在学中に就活を続ける人
・第二新卒:卒業後に一度就職し、数年以内に転職活動を行う若手社会人

たとえば、就職留年は在学しているため引き続き大学のサポートを受けられますが、追加の学費や時間的なコストが発生することもあります。

また、第二新卒は社会人経験があるため、企業によっては実務面で期待されることもあります。ただし、新卒枠には応募できないケースもあるため、事前の確認が必要です。それぞれの選択肢にはメリット・注意点があります。自分の状況や考え方に合わせて、納得のいく形を選ぶことが大切です。

専門性を高めたいなら大学院進学も視野に入れる

特定の分野をより深く学びたい人や、専門的なスキルを身につけたい人には、就職浪人ではなく大学院進学という選択肢もあります。研究に取り組む中で、自分の将来像がより明確になることも。

メリット デメリット
・専門知識やスキルが向上できる
・キャリアの方向性を考える時間を確保できる
・特定の業界や職種において、就職時に有利になる可能性がある
・学費と生活費の負担が大きい
・就職時期が遅れてしまう
・アカデミックな環境と実務のギャップが生じる恐れがある
 


文系・理系を問わず、専門性を活かせる職種や企業を目指す人にとって、有利に働く場面もあるでしょう。「やりたいことが明確にある」「研究や専門職に進みたい」といった思いがある方におすすめの進路です。

就職留年を検討している方には、「就職留年という選択肢…就活にはどう響く?」の記事をご参照ください。就職活動への影響やメリット・注意点を詳しく解説しています。

参照元
厚生労働省
令和6年3月大学等卒業者の就職状況

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就職浪人のメリット

就職浪人という道を選んだからといって、評価が下がるとは限りません。むしろ、目的を持って過ごしてきた経験は、面接でもしっかり伝わるはずです。自分の行動に自信を持ち、次のステップにつなげていきましょう。

自分と向き合える時間がとれる

就職浪人をすると、在学中よりもスケジュールに余裕があるため、自己分析や業界研究にじっくり取り組むことができます。
自分の強みや向いている仕事を丁寧に整理できるので、納得感のある企業選びがしやすくなり、結果として、入社後のミスマッチが減り、長く働ける可能性にもつながります。

スキルを身につけて就活の軸を強化できる

語学学習や資格取得など、スキルアップのための時間をとりやすいのもポイントです。こうした努力は、面接でのアピール材料になるだけでなく、入社後のキャリアにも活かせます。
就活をやり直すだけでなく、少しでも「前に進む」姿勢があると伝えられるのは、企業に好印象を与えられるでしょう。

インターンなどで実践経験を積みやすい

時間に余裕があるからこそ、長期インターンや企業の体験プログラムにも参加しやすくなります。
実際に働いてみることで業界理解が深まり、自分に合った環境かどうかの判断材料になることも。また、経験をもとにした志望動機は、説得力も高まります。

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就職浪人のデメリット

就職浪人のデメリットとして、「経済的・精神的な負担が発生しやすい」「企業からマイナスイメージを持たれる可能性がある」が挙げられます。

経済面や心の負担が大きくなりやすい

就職浪人中は基本的に収入がなく、生活費や就活にかかるお金は自己負担になります。家族の支援を受けている人も多いですが、金銭面の計画がしっかりしていないと、途中で厳しくなる可能性も。費用の見通しを立てておくことが、安心して就活を続けるための準備になります。

また、周りの友人が次々と働きはじめる中で、自分だけが就活中という状況に不安や焦りを感じることもあるでしょう。ストレスを溜め込みすぎないように、生活リズムを整えたり、誰かに相談したりしながら就活を継続することが大切です。

就活のストレスを強く感じている方には、「就活ストレスがやばいときはどうする?限界になる理由や対処法を解説」の記事を参考にしてみてください。無理せず乗り越えるためのヒントを紹介しています。

新卒枠の応募が難しくなる可能性もある

多くの企業では、卒業予定の学生を「新卒」として扱います。就職浪人中の人も一定期間は新卒扱いになることが多いですが、長期間就活を続ける場合は転職者と同じ扱いです。
新卒枠以外に応募する場合は、就業経験や年数、特定のスキルが求められるなど選考の条件が変わる可能性があるため、応募前に確認しておきましょう。

企業からマイナスイメージを持たれる可能性がある

企業が就職浪人に対してどのような印象を持つかは、それぞれ異なります。
ただし、新卒で多くの学生が就職する背景から、「卒業後、なぜすぐに就職しなかったのか?」「仕事に対するモチベーションはあるのか?」といった点に関心を持たれるケースは少なくありません。

ですが、浪人期間の過ごし方が明確で、努力や成長の内容がしっかり伝わる場合は、前向きに評価されることもあります。たとえば、以下のような内容はポジティブに受け止められやすくなります。

・自己分析を深めて、志望動機に一貫性がある
・資格やスキルなど、取り組みの成果が具体的に伝えられる
・就職浪人を選んだ理由と目的がはっきりしている

大切なのは、「この期間をどう過ごして、どう成長したか」を自分の言葉で伝えられるかどうかです。就職浪人を選んだ背景やその後の行動をしっかり整理し、自信を持って話せるように準備しておきましょう。

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就職浪人中に意識したい6つの過ごし方

就職浪人の期間を有意義に過ごせるかどうかで、次の就活の結果は大きく変わる可能性があります。この章では、スキルアップや自己成長につながる6つの過ごし方を紹介。自分に合った行動を取り入れて、前向きな就活につなげていきましょう。

1.長期インターンに参加する

就職浪人中は時間に余裕がある分、長期インターンに参加しやすいのが大きな強みです。実際の仕事に関わることで、ビジネスマナーや業界の雰囲気を体感できます。さらに、働く現場に身を置くことで、自分の適性や課題が明確になり、今後の方向性を考える手がかりになることも。長期インターンに参加するメリットは以下の通りです。

・社会人としての基礎スキルが身につく
・志望業界や職種の理解が深まる
・経験をもとにした志望動機が話しやすくなる
・インターン先での縁がきっかけで内定につながる可能性もある

たとえばIT業界を志す場合、プログラミングやWeb制作の実務にふれることで、志望意欲もより明確になります。営業職なら、お客様とのやり取りを経験することで、自分の強みや課題にも気づきやすくなるでしょう。

ベンチャー企業での長期インターンに関心がある方には、「ベンチャー企業の長期インターンに参加する魅力とは」の記事をご一読ください。実際の業務で得られる学びや成長のポイントを詳しく紹介しています。

2.資格取得で自分の強みを形にする

就職浪人期間を活用して資格の勉強に取り組むのも、就職活動に向けた準備として効果的です。採用担当者がチェックするポイントにもなり、自分に合った業界や職種とマッチしやすくなる可能性があります。取得した資格が選考で直接評価されることもあるため、継続的な努力の証として活用できるでしょう。おすすめの資格は以下の通りです。

・IT系:ITパスポート、基本情報技術者試験
・ビジネス系:日商簿記検定、ファイナンシャルプランナー
・語学系:TOEIC、TOEFL
・マーケティング系:Webマーケティング検定、Google認定資格

資格はスキルの証明にもなるため、取り組んだ姿勢や成果としてアピールしやすくなります。目標に合わせて、内容や学習スケジュールを調整してみましょう。

3.留学を通じて語学力と行動力を磨く

語学をしっかり学びたい方や、グローバルな環境での経験を積みたい方には、留学も一つの選択肢です。数週間の短期でも現地での体験が将来の視野を広げるきっかけになるでしょう。現地の文化にふれながら生活することで、柔軟な考え方や多様な価値観への理解も深まります。

・留学で期待できる成長
・実践的な語学力が身につく
・異文化に触れることで対応力が高まる
・新しい視点を得られる
・自分の行動力に自信が持てる

留学先では語学学校に通うだけでなく、現地のインターンやボランティアにも挑戦することで、さらに経験の幅が広がります。海外展開のある企業や、国際色のある業界を目指す方にとって、大きなアピールポイントになるはずです。

4.自己分析を深めて就活の軸を明確にする

一度立ち止まって、自分自身と向き合う時間をつくることも重要です。自己分析を深めることで、これまでの就活では見えていなかった強みや価値観に気づけるかもしれません。ブレない志望動機やESの土台をつくるためにも、自己理解の深さは大きな武器になります。

・過去の経験を振り返り、自分が頑張ったことや成長できた場面を洗い出す
・性格診断ツールなどを活用して客観的に特徴を把握する
・周囲の人に「自分らしさ」について意見をもらう
・気になる業界や企業について調べ、自分との相性を考える

軸がはっきりしてくると、志望動機や自己PRにも一貫性が生まれます。面接でも堂々と話せるようになるでしょう。

5.キャリアプランを整理する

進路を選ぶときは、「どれが正解か」よりも、「自分にとって納得できる選択かどうか」が大切です。迷ったときには以下のステップを参考に、一度立ち止まってキャリアプランを見直してみましょう。

・将来の目標をイメージする:5年後・10年後にどんな働き方をしたいか考えてみましょう。
・今の自分を客観的に整理する:スキルや経験、性格の特徴などを自己分析して把握します。
・足りない部分を見つける:目標と今の自分を比べて、必要なスキルや経験を洗い出します。
・それぞれの選択肢を比べる:就職浪人・就職留年・大学院進学のメリット・注意点を確認し、自分の目標に合っているか考えます。
・現実的な条件も踏まえる:お金・家族・時間など、実際に動くうえでの制約も整理しておきましょう。
・周囲に相談する:キャリアセンター、先生、先輩など、信頼できる人から意見をもらうのもおすすめです。

情報収集や自己分析を続けながら自分なりの答えを見つけていくことが、納得のいく選択につながります。焦らずに、今の自分にとってベストな選択をしていきましょう。

就職浪人や就職留年について詳しく知りたい方には、「就活浪人とは?不利といわれる理由や就職留年との違い、デメリットを解説」の記事がおすすめです。

6.就職エージェントを上手に活用する

一人での就活が不安な場合は、就職エージェントを利用してみるのも手です。エージェントでは、担当のアドバイザーがつき、求人紹介や面接対策などをサポート。就職浪人という状況を丁寧にヒアリングしながら、状況に合ったアドバイスをもらえることも多く、自分だけでは気づけなかった強みや選択肢を見つけるきっかけにもなります。

・自分に合った求人を紹介してもらえる
・プロの目線で履歴書やESの添削が受けられる
・面接対策や日程調整もサポートしてもらえる
・相談しながら就活を進められる安心感がある

ただし、すべてを任せきりにせず、自分でも企業研究や準備を進めることが大切です。就職エージェントは、就活をサポートしてくれる「頼れる味方」として活用しましょう。

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就職浪人中に取り組みたい選考対策

就職浪人の期間は、選考対策にじっくりと向き合える貴重な時間でもあります。ここでは、就職浪人ならではの視点を活かした準備の進め方を紹介。しっかりと対策をしておくことで、面接でも自信を持って自分を伝えられるようになります。

長所や価値観を再確認し、自分らしい言葉で話せるようにしておくことがポイントです。

就職浪人を選んだ理由は前向きに伝える

面接では、「なぜ就職浪人を選んだのか?」という質問を受けることがよくあります。答える際のポイントは、「就職できなかったから」と受け身に話すのではなく、「自分でこの期間を選んだ」とポジティブに伝えることです。

たとえば、以下のような伝え方ができます。

「より自分に合った企業を見つけるために、じっくりと自己分析と業界研究を行いたいと考えました」

「○○の資格取得に挑戦し、より高いスキルを身につけてから就職したいと考えました」

「海外留学を通じて語学力と国際感覚を磨き、グローバル企業で活躍できる人材になりたいと思いました」

このように、自分なりの目的をもって行動してきたことを、具体的な取り組みとあわせて伝えることが大切です。浪人期間の経験が、どのようにこれからの仕事につながるかまで話せると、より説得力が増します。加えて、過去ではなく未来に焦点を当てることで、前向きな姿勢を印象づけやすくなるでしょう。

志望企業への理解を深めて志望動機を磨く

時間に余裕があるからこそ、企業研究に力を入れやすいのも、就職浪人の強みの一つです。表面的な情報だけではなく、「なぜその会社なのか」「どんな貢献ができるか」までしっかりと言語化できるように準備しましょう。企業研究を進める際は、以下のポイントを意識してみてください。

・企業の理念やビジョン、これまでの歩みを理解する
・主力商品やサービス、業界内での立ち位置を調べる
・競合他社との違いや、今後の展望をチェックする
・最新ニュースや決算情報から、企業の課題を把握する

こうした情報をもとに、自分ならどのように役立てるかまでイメージしておくことで、他の応募者と差がつく志望動機になります。企業ごとの特徴や大切にしている価値観を理解し、自分との共通点を見つける意識を持つと、より納得感のある言葉で伝えられるようになるでしょう。

自己PRは「就職浪人中の経験」を軸に仕上げる

就職浪人の期間は、ただのブランクではなく、自分を成長させる時間としてアピールできます。そのためにも、取り組んだ内容を具体的に整理し、企業が求める人物像と結びつけて伝えることが大切です。自己PRをつくるときは、次の要素を意識しましょう。

・自分の強みやスキル
・それを裏づける具体的な経験(例:インターン、資格取得、留学など)
・その経験が企業でどのように活かせるか

たとえば、「長期インターンで実務を経験し、現場の課題解決に携わった」「TOEICの勉強を継続し、スコアを大きく伸ばせた」など、成果や変化が伝わるエピソードがあると効果的です。どんな経験でも、自分なりに工夫した点や努力した過程を丁寧に伝えることが、印象に残る自己PRにつながります。

資格を活かして自己PRを強化したい方には、「資格は就活に有利ってホント?企業へのアピール方法をご紹介!」の記事がおすすめです。面接やエントリーシートでの伝え方を具体的に解説しています。

面接に向けた準備は早めに始める

就職浪人の方への面接では、「なぜ浪人したのか」「その期間をどう過ごしていたか」といった深掘りがされやすい傾向にあります。そうした質問にも落ち着いて答えられるよう、事前の準備をしておきましょう。面接準備を進めるうえで意識したいポイントはこちらです。

・想定される質問と、自分なりの回答をまとめておく
・就職浪人の理由や過ごし方を、ポジティブな言葉で伝える練習をする
・志望動機・自己PRを1分程度で簡潔に話せるようにしておく
・模擬面接を行い、伝え方や表情を確認する
・カメラで自分の話し方を録画し、客観的に見直してみる

特に「就職浪人を選んだ背景」や「その間に得た学び」については、前向きで具体的な話ができると評価につながりやすくなります。加えて、質問に対する答えだけでなく、声のトーンや目線、話すスピードなど、伝え方の工夫も大切です。

就活中の悩みやつまずきを感じている方には、「就活悩みあるある12選|よくある悩み・失敗談から学ぶ対処法もご紹介!」の記事がおすすめです。自分の状況に近いケースからヒントが得られるでしょう。

就職浪人中の選考対策は、就活の準備を超えて、自分自身を見つめ直す大切な機会でもあります。これまでの経験と向き合いながら、次のチャンスに向けて一歩ずつ準備を進めていきましょう。小さな積み重ねが、自信につながっていきます。

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焦らず前向きにキャリアを考えたいあなたへ

就職浪人という選択は、決してネガティブなものではありません。自己分析を深めたり、スキルを磨いたりする貴重な時間にすることで、より自分に合ったキャリアに出会えるチャンスになります。

大切なのは、「なぜ就職浪人を選んだのか」を明確にし、その期間をどう過ごし、どんな成長を得たのかを自分の言葉で語れるようにすることです。決して焦らず、丁寧に未来と向き合いながら、一歩一歩前進していきましょう。

もし一人で悩んでいるなら、就職エージェントやキャリアアドバイザーなど専門家の力を借りるのも有効です。就活生のキャリアを支援するサービス「キャリアチケット」では、自己分析から企業選び、面接対策までトータルでサポートしています。自分らしいキャリアを実現したい方は、ぜひ活用してください。

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